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ナンプラーが臭い理由
ナンプラーは、タイの伝統的な調味料で独特な臭いがします。日本の醤油と同じにタイ料理にナンプラーはかかせません。よく知られている料理はナシゴレンやガパオライス、トムヤムクン、バッタイなど、どれもタイを代表するものばかりです。
ナンプラーの臭いの元は青イワシ
ナンプラーはタイの魚醤(ぎょしょう)と言われています。原料に使われているのがカタクチイワシです。生のイワシを大量の塩に漬け込み、身や内臓などのタンパク質を分解・発酵し、熟成させて作ります。
ナンプラーの臭いは青魚が発酵・熟成した臭いです。ナンプラーの見た目はオイルのように透明感があり、強烈な臭いがあるようには見えません。日本の魚醤(秋田の「しょっつる」、能登の「いしる」、香川の「いかなご醤油」)とよく似ています。
タイの人は臭くないのかな?と不思議でしょうが、日本人が納豆の臭いに慣れているのと同じです。外国の人からは、日本人はなぜあんなに臭い納豆が食べられるの?と不思議がられていますよね。それと同じです。
《 ポイント 》
- ナンプラーはタイの伝統的な調味料でタイ料理にかかせない
- ナンプラーは生のカタクチイワシを塩で漬け込み発酵させて作っている
- ナンプラーの臭いはカタクチイワシが発酵・熟成した際に発生させるもの
ナンプラーが臭いときの対処法
ナンプラーの臭いは身近なもので意外と簡単に消すことができます。
- 加熱してナンプラーの臭いを消す
- 薬味を漬け込みナンプラーの臭いを消す
- パクチーをそえてナンプラーの臭いを消す
- お茶の葉で部屋についたナンプラーの臭いを消す
加熱してナンプラーの臭いを消す
ナンプラーは加熱すると臭いが弱くなります。炒め物にナンプラーを加えた際、しっかりと火を通しましょう。ただし、ナンプラーの臭い消しにばかり気をとられていると、肝心な具材の風味を失う可能性がありますので注意しましょう。
薬味を漬け込みナンプラーの臭いを消す
ネギ、唐辛子、ニンニク、ショウガ、レモングラス、梅干の種、などの薬味をナンプラーに漬け込むと、ナンプラーの臭いを薬味が吸い取る効果があります。ナンプラーの臭いが完全に消えるわけではありませんが、常に浸しておくことで臭いを弱くすることができます。
パクチーを使ってナンプラーの臭いを消す
ナンプラーの臭いは、同じく香りが強いパクチーを添えると臭いをおさえることができます。ナンプラーの臭いを消すというより、パクチーの香りでナンプラーの臭いをごまかすということですね。パクチーの臭いが嫌いな方は、レモンや香りの強いハーブでもナンプラーの臭いをカバーできます。
部屋についたナンプラーの臭いを消す方法
ナンプラーを使って料理した後、キッチンや部屋にナンプラーの臭いがついてしまうことがあります。そんな時は、コーヒーやお茶の葉を煮立てて消臭することができます。
《 ポイント 》
- ナンプラーの臭いを消す方法
加熱する、薬味と一緒に漬け込む、パクチーを添える、お茶の葉を煮立てる(衣類や部屋などの臭い消し)
ナンプラーの特徴
ナンプラーの旨み
ナンプラーには魚の旨み成分が凝縮されていますので、料理にコクがでて、濃厚な旨みと塩味が出てきます。
ナンプラーに適した入れ物
ナンプラーは、ガラス瓶や陶器に入ったものの方が変質しにくい特徴があります。長期保存するのであれば、ガラス瓶や陶器をおすすめします。
日本の魚醤とナンプラーの違い
日本にも魚醤(ぎょしょう)があります。秋田の「しょっつる」、香川の「いかなご醤油」、能登の「いしる」で日本三大魚醤と呼ばれています。その中でもナンプラーと同じイワシを原料としているのが能登の「いしる」です。
同じ原料から出来ていますが、臭いにかなり違いがあるため、代用するには少し無理があるかもしれません。いしるの臭いにはキツさや生臭さはありません。ナンプラーをいしるに代用したい場合は臭いを消す必要があります。
ナンプラーの栄養素
ナンプラーには多くの栄養成分が含まれています。
<ビタミン>
- ビタミンB1、B2、B6、B12
- ナイアシン
- 葉酸
- パントテン酸
- ビオチン
<ミネラル>
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
- マンガン
- ヨウ素
- セレン
- クロム
- モリブデン
<アミノ酸>
- グルタミン酸
- アスパラギン酸
- リシン(リジン) など
ナンプラーの効果
- 疲労回復効果
- 血圧を下げる
- 脳疲労回復・認知機能改善
- 精神安定効果
- 血液サラサラ
- 美肌・美髪効果
ナンプラーには、タウリンが多く含まれており、疲労回復や脳疲労・認知機能の改善にも効果があると言われています。また血圧を下げる効果もあります。
アミノ酸が成長ホルモンの分泌を促し、疲労回復や美肌・美髪効果が期待できます。青魚に含まれるDHA&EPA(高度不飽和脂肪酸)が、血液をサラサラにしたり中性脂肪を下げる働きがあります。
ナンプラーの保存方法
ナンプラーは、直射日光を避けて冷暗所で保存しましょう。ナンプラーは開封後、冷蔵保存でOKです。塩の結晶ができナンプラーが臭いことがありますが、カビではないので大丈夫です。
ナンプラーの使い方
ナンプラーのタレをサラダに使う
いつも食べているサラダにナンプラーのタレをあえるだけでエスニックサラダになります。ナンプラーのタレを作っておけば、エスニックサラダだけでなく揚げ物のソースなどにも利用できます。
ナンプラーのタレの作り方を紹介します。ナンプラーの臭いを消すための材料も入っています。
材料
- ナンプラー:小さじ2杯
- レモン汁 :大さじ2杯
(レモン汁がなければお酢) - 砂糖 :小さじ1杯
- 赤唐辛子 :1本を小口切り
- ショウガ :スライス4枚程度
- ニンニク :1~2粒
- 梅干の種 :1~2粒
上記をすべて混ぜ合わせ、最低一晩ねかせるだけです。ナンプラーの臭いが気になる方は、薬味を増やして5日間ほど漬けておきましょう。
ナンプラーを炒め物に使う
ナンプラーを醤油代わりに使います。醤油代わりにナンプラーを使った「豚肉とナスとピーマンの炒め物」のレシピを紹介します。
豚肉とナスとピーマンのナンプラー炒め
<材料>
- ナス :2本
- ピーマン :5個
- しめじ :50g
- 豚こま切れ肉 :100g
- 酒大さじ :1/2杯
- ニンニクスライス:1片
- ナンプラー :大さじ1.5杯
- みりん大さじ :1.5杯
- ごま油 :お好み
<手順>
- ナスはたてに8等分に切り分け、ピーマンは細切りにします。
- ナスを耐熱皿に並べ、ラップをかけて電子レンジで3分加熱します。加熱後はすぐラップを外して冷まします。
- フライパンにサラダ油とニンニク・ピーマン・しめじを入れ、中火で軽く炒めます。※ナンプラーの臭いを消したい場合は、この時点でナンプラーとみりんと酒を入れます。
- 豚肉を入れて火が通るまでゆっくり炒めます。
- 火が通ったら、ナンプラーとみりんと酒をいれ、強火で素早く炒め合わせます。
- 仕上げにごま油をまぜ合せたら完成です。
最後に
ナンプラーの臭い消しに薬味・香辛料を漬け込むことが一番効果的だと思います。意外かもしれませんが、梅干の種も臭いを消す効果があります。また、梅干に含まれているクエン酸が魚の臭いを消すのです。
ただし、果肉ごと入れてしまうと梅の味が強くなるので、種だけで十分です。魚臭さが苦手な方は、梅干の種を入れて試してみてください。