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腐った肉の「臭い」や「色」とは
お肉を調理するときに肉から臭いを感じることがありますが、それにはどんな理由があるのか知っていますか?
一番に考えられるのは、肉が傷んで腐っていて臭いという理由があげられます。では、肉が腐っているかどうかの見分け方や特徴を紹介します。
腐った肉の臭い
腐ってきた肉からは酸っぱいようなアンモニア臭がします。とくに鶏肉の場合は豚肉や牛肉よりも臭いが強烈です。
しっかりと加熱すれば大丈夫だと思うのは間違いです。安全面を考えれば少しでも異変を感じたら食べないに越したことはありません。
腐った肉の色
豚肉や牛肉が腐ってくると緑がかったような色に見えることがあります。
鮮度の良いお肉は見るからに「美味しそう」と感じますが、緑色や黄色がかった灰色など、まずそうな色になっていたら腐っている可能性が高くなります。
また、カビが生えている場合も危険なので食べずに処分するようにしてください。
腐った肉の触感
腐っている肉の表面を触ると、ヌルヌルした感触があります。腐っている度合いによってはネバネバと糸を引いていることもあります。
鶏肉の場合は元々ヌルヌルしているので分かにくいので、一度水洗いをしてから触って確認してみてください。水洗いしてもヌルヌルしているのであれば、腐っていると判断して間違いないでしょう。
《 ポイント 》
- 緑色や黄色がかった灰色になる
- 酸っぱいようなアンモニア臭がする
- ヌルヌルした感触やネバネバと糸を引いている
肉の中でも「豚肉」が臭い理由
いろいろある肉の中でもとくに豚肉の臭いがきついのには理由があります。
与えている餌の影響よるもの
豚に与えている餌の種類は飼育先によって違います。餌の種類によっては肉に嫌な臭いが出てしまうこともあり、中には魚の成分が入った餌を与えた影響で魚臭い豚肉になってしまうケースもあるようです。
豚肉の臭いが気になる方は、与える餌に配慮している飼育先のの豚肉を試してみるのも良いかもしれません。ちなみに、ブラジル・アメリカ・カナダ産などの輸入豚肉は、国産の豚肉よりも臭いを感じるという口コミもあるようです。
消費期限が過ぎている
肉や魚などの生鮮食料品には消費期限が記載されていますが、「1~ 2日くらいなら消費期限を過ぎていても大丈夫」と安易に考えて料理に使うのは間違いです。臭いの原因である雑菌が発生した豚肉は調理しても臭いががとれることはありません。
冷蔵庫の中の臭いが移ってしまった
豚肉そのものではなく冷蔵庫内の臭いが原因になることがあります。調味料や食材の水分が冷蔵庫内に付着し、カビや雑菌が繁殖して嫌な臭いが発生しているかもしれません。
冷蔵庫の嫌な臭いが豚肉に移ることがあるので、長期間保存する場合には冷蔵庫の中の臭いが移らないような工夫が必要になってきます。
獣臭やオス特有の臭い
獣臭を強く発する豚の肉を購入してしまった場合に臭みを感じることがあります。
特にオスは獣臭がとても強いため、子豚の頃に獣臭を和らげ肉質を柔らかくする処置を施しています。ですが、ごく稀に獣臭が残ったままの豚が出回ってしまうことがあるようです。
ただし、身体に害があるというわけではありません。腐っていない豚肉でも豚本来の獣臭がする場合がありますので、臭いが強いからというだけで腐っていると判断しないようにしましょう。
《 ポイント 》
- 子豚の頃に獣臭を和らげる処置を施すがごく稀に獣臭が残った豚が出回っている
- 肉の消費期限が過ぎて古くなっている
- 豚に与える餌の影響で臭くなる場合がある
- 冷蔵庫内の臭いが肉に移ってしまう
肉の臭いを消す方法
肉特有の臭いが気になる場合には、調理する前にひと手間加えるだけで臭みを抑えることができます。
肉に酒をふりかける
お酒の消炎作用を利用して、アルコールが揮発するのと一緒に肉の臭い物質を除去する物理的消臭方法です。
豚肉に日本酒(料理酒など)を振りかけて半日程度漬け込みます。漬ける際にはおろし生姜やニンニク、たまねぎを一緒に入れておくと臭みを抑えるだけでなく、肉自体を柔らかく仕上げることができます。
アルコールの臭いが気になるようでしたら漬ける時間を短くしてみてください。
肉を湯通しする
鍋に水を入れて沸騰したら豚肉を入れて数分茹でるだけで肉の臭いを抑えることができます。また、ネギや生姜など香味野菜を一緒に茹でるとさらに効果的です。
湯通ししている最中に出てくる灰汁には、余分な脂や臭いの原因となる成分が含まれているのでしっかり取り除くようにしましょう。
牛乳やヨーグルトに浸ける
牛乳やヨーグルトに漬け込むことで、肉の臭いを消すことができます。牛乳やヨーグルトには消臭効果があるため、厚みがある豚肉にはぴったりな方法です。
また、乳酸と呼ばれる成分が豚肉を柔らかくしてくれます。さらに、ヨーグルトに漬け込むことでジューシーな食感になり、味もマイルドになるので料理の下ごしらえにも適しています。
スパイスや香辛料でマスキングする
マスキングとは、臭いの素となる物質を除去したり化学的に消臭することができない場合に、他の食材の香りをお肉の上に乗せ臭いを感じさせないようにする方法です。
胡椒、ナツメグ・五香粉(ごこうふん)などのスパイスや香辛料を使います。また、ローズマリーやセージなどのハーブの香りと一緒に調理することで、豚肉特有の臭いを感じさせないようにできます。
豚肉の臭いが気にならない料理を作る
豚肉の臭いが気になるときは組み合わせる食材次第で美味しく食べることができます。
中でも香りが強い生姜はおすすめで、生姜自体に含まれる香辛性物質が、豚肉のたんぱく質とくっつき相性が良い上に臭い消しにも効果を発揮してくれます。
できればチューブの生姜ではなく、生の生姜をすりおろして合わせると生姜の成分をたくさんつけられるのでおすすめです。
《 ポイント 》
- 日本酒、牛乳、ヨーグルトに漬け込む
- 肉を湯通しをしてから調理する
- 他の食材の香りをお肉につけて臭いを感じさせないようにする
- 生姜は臭い消しにおすすめ
肉の食べ過ぎは体臭に影響がある?
体臭に大きく影響を与えるものに「肉類や動物性脂肪の多い食べ物を摂取し過ぎる」ことがあります。
肉はタンパク質が豊富に含まれている食材なので、体の中で消化される際に大量のエネルギーを消費します。肉を食べすぎると、その分大量のエネルギーが使用されて体温が上がり汗をかきやすくなってしまいます。皮脂の分泌が過剰になると酸化しやすくなり、体臭の原因になってしまうというわけです。
私たちの祖先は長い間、雑穀や魚、野菜などを食べて暮らしていたので肉を食べるとどうしても消化に負担をかけてしまいます。
消化される時に大腸がんの原因ともなるアンモニアや硫化水素などの毒素が発生し、体臭を発する引き金になるので、食べる量や上手にお肉を調理しましょう。
《 ポイント 》
- 肉の食べ過ぎは消化に大量のエネルギーが使用されて体温が上がり汗をかきやすくなる
- 肉の食べ過ぎは消化される時に腐敗毒素が発生し体臭の原因になる
最後に
肉の色や臭い、見た目に異変がある場合は、雑菌が繁殖して豚肉が腐敗している可能性が大いにありますので食べると危険です。ただし、獣臭や餌が原因で肉が臭い場合は食べても健康を害することはありません。
腐敗以外の理由で臭くなった豚肉を食べる場合は、日本酒や牛乳、ヨーグルトに浸けたり湯通しやスパイスや香辛料でマスキングするひと手間を加えることにより豚肉の臭さを大幅に軽減することができます。
臭いを消すためにちょっとした工夫をすることでおいしく食べられるので試していただければと思います。