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すき焼きに白菜は入れるのが普通?
すき焼きを作る時には、味が十分に染みこんで美味しくなる「白菜」を入れるというご家庭が多いのではないでしょうか?
すき焼きに白菜なしの場合でも具材には、長ネギ、焼き豆腐、しらたき、きのこ類があるからこそ、主役の牛肉を引き立たせることができますよね。
また、すき焼きにボリューム感のある白菜を入れることにより、鍋全体が豪華に見え、ダイエット中の方でも安心して食べることができると、喜ばれているようです。
一般家庭では白菜を入れることが多い。
実際のところ、一般家庭で作られるすき焼きはどうなのでしょうか?
一般のご家庭では「すき焼きには白菜を入れる」という意見が、圧倒的に多いようです。とある会社のリサーチによると、およそ8割のご家庭で「白菜を入れる」という結果が出ています。
出典:株式会社メディアエクシード
このようなことから、「すき焼きの具材に白菜は定番」という認識が出来上がっているのでしょう。
ご家庭ですき焼きを食べる場合、ご家族全員で賑やかに鍋を囲み、会話を楽しみながら時間をかけて食べる場面が多いので、全体のボリュームを出すために白菜が必要になります。
また、すき焼きはお肉だけに偏らず野菜もまんべんなく摂取できるようにと、家族の健康を気遣うお母さんの心情の現れでもあるのではないでしょうか。
すき焼き専門店では具材に白菜は入っていないことが一般的
では、すき焼き専門店ではどうなのでしょうか?
すき焼き専門店の中でも、「白菜を入れるべきか白菜なしか」意見が分かれているようで、「白菜に味がしみて美味しいから入れている」という店から、白菜から出る水が多いため、「味が薄まるから入れない」白菜なしという店まで様々あるようです。
ですが、実際には、すき焼きの具材に白菜を入れるすき焼き専門店は、ごく少数に限られています。そのすき焼きに白菜なしにする大きな理由として、専門店では味に一番気を使うため、水分が出て味が薄まってしまう白菜は、味の調整が難しくなるからです。
他の具材に比べて白菜から出る水の量が圧倒的に多いため、すき焼きの「割り下」を作る際に、あらかじめ濃いめに作る必要が出てきます。
ただし、すき焼きは白菜なしなので、白菜を絶対に入れないかといえばそんなことはなく、すき焼きに白菜なしにするかはお客様の要望に応じて白菜を出すというお店もあります。
もちろん、すき焼きに白菜を入れるのが定番というお店も一部存在しています。
《 ポイント 》
- およそ8割の家庭ですき焼きには白菜を入れる。
- 具材に白菜を入れるすき焼き専門店はごく限られている。
すき焼きで白菜の代用となるもの
一般家庭でもすき焼きに白菜なしの場合がありますが、では白菜の代わりの野菜は何が良いのでしょうか?
白菜だけにとらわれず、 キャベツやレタスもすき焼きに入れて美味しくいただけます。
すき焼きでキャベツを白菜の代用にする
すき焼きに白菜なしの場合、白菜が葉物だから同じ葉物野菜のキャベツは食感が白菜に似て甘みがありますので、試してみる価値あり!なんです。
キャベツの葉っぱは多少固めですが、肉類ととても相性がよいのは他の料理でも実証済みなので、違和感は無いですし、味的にも問題はないでしょう。
すき焼きでレタスを白菜の代用にする
すき焼きに白菜なしの場合、シャキシャキ感のあるレタスは、これもまた白菜とは違った食感を楽しめます。
すき焼きで様々な野菜を白菜の代用にする
大阪や北海道では、すき焼きには白菜なしで、たまねぎを定番として入れているご家庭も多く、関西ではすき焼きには白菜なしで、ごぼうが当たり前に使われています。
他にも、さつまいも、トマト、ピーマン、ほうれん草、ブロッコリー・・・などなど、少し変わったさまざまな具材を白菜なしで、すき焼きに入れてアレンジしてみてはいかがでしょうか?
いろんな変わり種に挑戦して楽しんでいるうちに、すき焼きに白菜なしでも、ご家族の嗜好に合った新しい定番が見つかるかも知れませんね。
《 ポイント 》
- すき焼きは白菜なしでキャベツやレタスも試してみる価値あり。
- すき焼きは白菜なしで大阪や北海道ではたまねぎ、関西ではごぼうが定番。
- すき焼きに白菜なしでいろんな変わり種に挑戦して楽しんでみよう。
すき焼きを白菜なしにするメリット・デメリット
すき焼きを白菜なしにするメリット
- 白菜なしだと水で薄まらないので調整しやすく、味がぶれにくい。
- 白菜から出た水分で味が水っぽくならずにすむ。
- 白菜なしだとすき焼き鍋のスペースに余裕がある。
- 白菜なしだと牛肉、長ネギ、焼き豆腐、しらたき、きのこなど、他の具材をたくさん入れられる。
- 白菜なしだとぐちゃぐちゃした感じになるのを防げる。
- 白菜なしだと割り下を吸い込んだ白菜がしょっぱくならない。
確かに、白菜には水分が多く含まれていることを考えると、水で薄まらないように白菜なしにした方が味を調整しやすいので、これが大きなメリットになるでしょう。
すき焼き作りに慣れていない方にとっては、白菜なしの鍋に市販の「割り下」を加えるだけで、手軽に本格的な味を楽しむことができます。
すき焼きを白菜なしにするデメリット
- 白菜なしだと味がじっくりと染み込んだ美味しい白菜を味わえない。
- 白菜なしだと味が煮詰まって濃くなる。
- 白菜なしだと他の具材を多く入れないと貧相になってしまう。
- 白菜なしだと全体のボリューム感が出ない。
- 白菜なしだとあっという間に具材がなくなるので大人数には不向き。
- 白菜なしだと野菜の量が少ないため、ヘルシー志向やダイエット志向の方に合わない。
- 白菜なしだと値段が高い牛肉の量が必要で出費が高く付いてしまう。
すき焼きを白菜なしにするメリットとデメリットを羅列してみると、水っぽくなるから白菜なしの方がいいという意見と、味が煮詰まって白菜なしだと味が濃くなるという真逆な意見があって面白いですよね。
結局は白菜を入れるのと、入れないのと、どちらの方がおいしいかというと、それぞれの味の好み次第のようです。
《 ポイント 》
- すき焼きで白菜なしにするメリットとデメリットには真逆の意見がある。
- すき焼きで白菜なしは味がぶれずに調整しやすい。
- すき焼きで白菜なしはボリューム感がなく貧相に見えてしまう。
すき焼きは関東風と関西風で作り方が違う
すき焼きで白菜なしにする以前にどうして、白菜を「入れる」と「入れない」に分かれてしまったのでしょうか。
その原因は「関東風すき焼」と「関西風すき焼き」に関係しています。
関東風すき焼きの作り方
関東風すき焼きでは、あらかじめ「割り下」を作って準備しておきます。
最初に長ネギ、牛肉を焼き、割り下を加えて軽く煮込み、その後に野菜を入れて煮込んでいきます。実はこの白菜なしというのが、関東風白菜なしすき焼きの大きな特徴です。
割り下が徐々に薄まっていくことを最初から想定していないので、関東風すき焼きは白菜なしという習慣が定着したものと思われます。
関西風すき焼きの作り方
関西風すき焼きでは、関東風すき焼きとは逆に、「割り下」を用意しません。
最初にすき焼き鍋で長ネギと牛肉を焼き、そこに醤油と砂糖を直接入れて溶かしていきます。そこに白菜を加えることで、白菜から出る水分で程よい煮汁を作り、その後に順次野菜を加えて煮込んでいきます。
関西風すき焼きでは、野菜から出る水分で煮汁を作るため、白菜が必要不可欠な具材となります。そのため、関西風すき焼きでは白菜が非常に重要視されているわけです。
白菜を「入れる」「入れない」は東西のすき焼き作りの違いが関係していること、そして白菜には重要な役割があることを、おわかりいただけましたでしょうか。
《 ポイント 》
- 関東風すき焼きは、あらかじめ割り下を作っておく。
- 関西風すき焼きは、割り下を用意しないため野菜から出る水分が必要。
- 白菜を「入れる」「入れない」は東西のすき焼きの違いが関係している。
すき焼きの基本的な材料は?
すき焼きの具材に白菜は定番かと思いきや、すき焼きに白菜を入れる人が約8割、白菜なしの人が約2割という調査結果は、先にお知らせしたとおりです。
では、そのすき焼きの定番の具材について考えてみましょう。
すき焼きをご家庭で作るときに大活躍する市販品の「すき焼きのたれ」を使った場合のすき焼きの材料は次のようになっています。
材料4人分
- 牛すき焼用肉:500g
- 長ねぎ:2本(根元を切り落とし、1cm幅の斜め切り)
- 春菊:1束(4~5cmの長さに切る)
- えのきたけ:1袋(石づきを切り落とし、手でほぐす)
- しめじ:1パック(石づきを切り落とす)
- 焼き豆腐:1丁(一口大に切る)
- しらたき:1袋(1cmの長さに切る)
- 市販のすき焼のたれ:300ml
- 牛脂:適量
- 溶き卵 (Mサイズ):4個
このように、すき焼きで8割の人が定番だと思っていた白菜が材料にありませんでした。
水っぽくなるのが嫌だから白菜なしだという意見と、逆に白菜の水分で全体的に濃くならずにすむという、まったく逆の意見があるように、人それぞれ価値観や感じ方は異なりますので、ご家族の意向に沿った具材や調味料ですき焼きを作ってみてはいかがでしょうか。
《 ポイント 》
- 市販の「すき焼きのたれ」を使ったレシピ。
最後に
すき焼きを白菜なしにするメリットとデメリット、そしてすき焼きの白菜なしの代わりになる野菜などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
そして白菜には重要な役割があることをおわかりいただけましたでしょうか。
一般家庭ではボリューム感をアップさせ、健康的に食べるためにも白菜を入れる人が多いのですが、それとは反対に、すき焼き専門店では、白菜からでる水分で味の調節が難しくなるため、白菜なしの場合が多いようです。
すき焼きを白菜なしにする代わりには、キャベツやレタスがありましたが、白菜が高騰して買えないときには思い切ってすき焼きを白菜なしにして、他の具材でアレンジしてみるのも面白いですね。
すき焼きのルーツは、江戸時代の調理方法までさかのぼります。
魚介類や野菜をみそ焼きにした「杉やき」と、鴨やクジラの肉を鋤の上で焼いて食べる「鋤やき」に、海外から入ってきた牛肉を食べる文化が入り混じって、現在のすき焼きの前身である「牛鍋」が誕生したということのようです。
このような歴史を振り返りながら、日本を代表する「すき焼き」を白菜なしで味わってみてはいかがでしょうか?