さつまいもの黒い点は食べてOK?変色を防ぐ方法とNGな場合とは

黒い点が付いているさつまいも

さつまいもについている黒い点は食べてOKなのかどうか、気になったことはありませんか?さつまいもの皮についている黒い斑点や、両端の切り口にかさぶたのような黒いものが付いているのを見て、腐っていると思った方もいるかと思います。今回はさつまいもの黒い点の原因と、さつまいもの黒い点は食べて大丈夫なのかの見極め方、さつまいもの変色を防ぐ方法、さつまいものNGな場合などについて詳しく解説します!

さつまいもの黒い点は食べても大丈夫?

さつまいも

さつまいもの中や皮が黒い点などの黒く変色する原因はいくつかありますが、さつまいもの黒い点を食べても大丈夫かどうかについて解説します。

さつまいもが黒くなる原因は「ヤラピン(ヤラッパ樹脂)」

さつまいもの皮や両端の断面に、黒い蜜のような黒い点がついていることがあります。

これは、さつまいもをツルから外した際に、切り口から分泌された「ヤラピン」という物質が固まったもので、元々含まれているさつまいも特有の成分です。

さつまいもを切ると白い液体がしみだしてきますが、これが「ヤラピン」で、空気に触れると酸化し、時間が経つにつれ徐々に黒ずんできます。

さつまいもの黒い点は害があるものではありませんので食べても問題はありませんが、繊維質が多く硬くて口当たりが悪いうえに、砂が混ざった状態で固まっていることもあるので、さつまいもの黒い点が付着している部分を削ぎ落してから食べるようにしましょう。

ヤラピンは、「甘い」さつまいもに多く含まれる成分なので、付着しているものは美味しいさつまいもだと見分ける目安にもなります。

さつまいもが黒くなる原因は「クロロゲン酸」

さつまいもを加熱した後に、緑がかった黒色や茶色に変色することがあります。

これは、コーヒーなどにも含まれている「クロロゲン酸」というコラーゲンの働きによるもので、食べても問題はありません。

クロロゲン酸はポリフェノールの一種なので食べても大丈夫ですが、アルカリ性の食品と反応することにより黒い点が付着して黒っぽくなったり、緑色に変色し苦味を感じることがあるようです。

てんぷら粉やホットケーキミックスに含まれるベーキングパウダー、重曹などもアルカリ性ですよね。

なので、さつまいもを使った天ぷらや蒸しパンを料理すると、さつまいもがより黒い点が付着して黒っぽくなる現象が見られます。

クロロゲン酸が反応して変色したさつまいもを食べたとしても、まったく問題はありませんが、緑色のさつまいも料理はちょっと気味が悪いかもしれませんね。

《 ポイント 》

  • 「ヤラピン」は「甘い」さつまいもに多く含まれている
  • アルカリ性に反応して黒い点が付着して黒ずむ「クロロゲン酸」は食べても問題ない

さつまいもが黒くなるのを防ぐ方法

さつまいもを洗う

さつまいもに含まれている「ヤラピン」と「クロロゲン酸」によって起こる、さつまいもの黒い点などの変色を防ぐ方法を解説します。

カットしたら水につける

カットしたさつまいもを水につけることによって、さつまいもの黒い点などの変色を防ぐことができます。

水を入れたボウルを用意し、さつまいもを切ったらすぐに水に入れてしまいます。水の色が変わってくるので、水を取り替えながら10~15分間、色が変わらなくなるまで水に浸けるようにしましょう。

さつまいもの切り口は空気に触れるとすぐに黒くなりはじめるので、切ったらすぐに水に浸けるのが大事なポイントです。

水の中で揉む

水の中で揉んでさつまいもの黒い点などの変色を防ぐ方法があります。

切ったさつまいもを水を張ったボウルなどに入れて手で数回揉みます。前述の「水を入れ替えながら10~15分つける方法」より、こちらの方が短時間でアクを抜くことができます。

時間に余裕がないときはこちらの方法を試してみましょう。

皮を厚めに剥く

さつまいもの皮を剥いて黒い点などの変色を防ぐ時のポイントは、皮を厚めに剥くことです。

さつまいもを黒い点など、黒くする原因である「クロロゲン酸」という物質は、主に皮の近くに含まれているため、皮を厚めに剥くことで黒い点などの変色するのを抑えることができます。

ただし、それだけでクロロゲン酸が完全になくなるわけではないので、皮を剥いたさつまいもを水に浸けるとさらにさつまいもの黒い点などの変色を防ぐことができるでしょう。

レモンやお酢と一緒に煮る

さつまいもに含まれるクロロゲン酸は、アルカリ性の食品と反応して黒い点が付着して黒くなるので、それとは逆に酸性のレモン汁と煮ることによって変色するのを防ぐことができます。

同様にお酢も酸性なので、レモン汁と同じようにして使ってみましょう。

レモンやお酢と一緒に煮ることで、きれいな黄色に仕上がるので、あえて皮を付けたまま調理してもいいかもしれませんね。

やり方は、よく洗ったさつまいも1本を輪切りにします。水200㏄、砂糖大さじ2、レモン汁またはお酢小さじ2を入れた鍋の中に、輪切りにしたさつまいもを入れます。落し蓋をして弱火で20分程煮ます。

新聞紙で包んでから冷蔵庫に入れる

さつまいもは気温が20℃より高いと発芽して腐りやすくなってしまいます。

よって暑い時期には低温障害を防ぐため、新聞紙に包んでから冷蔵庫で保存しましょう。新聞紙に包むことによって、水気に弱いさつまいもの余分な水分を新聞紙が吸収してくれます。

湿気がたまるのを避ける為にも、さつまいもを買った時のビニールに入れた状態のままで放置しておくのは避けましょう。

《 ポイント 》

  • 水につけることでさつまいもの黒い点などの変色を防ぐ
  • さつまいも調理で時間がない時は水の中で数回揉む
  • さつまいもの皮を厚めに剥いてから水に浸す
  • さつまいもは酸性のレモン汁やお酢と一緒に煮る
  • さつまいもは新聞紙に包んでから冷蔵庫で保存する

さつまいもの黒い点で食べないほうがいい場合

悪くなったさつまいも

さつまいもが黒い点など、黒く変色するにはいくつかの理由がありましたが、さつまいもの黒い点は食べても問題ないものがある反面、そうではないものもあります。

さつまいもについた黒い点で食べるのをやめた方がいいさつまいもは、「低温障害を起こした黒い点など、黒く変色したさつまいも」と「黒斑病(こくはんびょう)に侵されたさつまいも」です。

低温障害を起こして黒く変色したさつまいも

さつまいもを新聞紙でくるまずに、そのまま冷蔵庫で保存すると黒い点など、黒っぽく変色してしまう場合があります。

さつまいもは温暖な気候の地域で作られる作物ですので、冷蔵庫で保存すると低温障害(冷え腐れとも言います)を起こし黒い点など、黒くなってしまいます。

冷蔵庫で保存する時は新聞紙などに包んでおくと低温障害を防げるのですが、黒い点など黒くなってしまった部分は食べられないので切り落として処分してください。

低温障害は、部分的に起こるよりは全体に発生することが多いので、全体的に黒くなっていたら、潔く処分した方が無難でしょう。

黒斑病に侵されたさつまいも

黒斑病(こくはんびょう)とは、さつまいもが侵された病気のひとつです。

土壌害虫やねずみなどによる食害、土壌の病原菌などに反応して、さつまいもが黒くなってしまうのが、この病気の特徴です。

黒斑病に侵されたさつまいもの黒い点などの黒くなった部分をきれいに切り落とせば、食べることも可能ですが、えぐみや苦味を少しでも感じるようでしたら、食べるのは絶対に避けましょう。

《 ポイント 》

  • さつまいもが低温障害を起こして黒い点などの黒く変色した部分は切り落とす
  • 黒斑病(こくはんびょう)に侵された黒い点のさつまいもは食べるのは避ける

さつまいもが腐った時の見分け方

柔らかいさつまいも

さつまいもの黒い点の原因は分かりましたが、さつまいもが腐るとどうなるのでしょうか。

わかりやすいのはカビが発生したなどの「見た目」と「異臭」です。

ふわふわしたものが付着している

さつまいもの皮や傷がついている部分に、白や緑色のふわふわがついている場合がありますが、それは紛れもなくカビです。

さつまいもには水分や栄養が豊富に含まれているので、保存場所の湿度や温度によってはカビが繫殖しやすい環境になります。

カビは部分的に生える事が多いので、表面についたカビを洗い流すかその部分だけを取り除けば食べる事はできますが、あまり広範囲に広がっている場合は、思い切って捨てた方が安全です。

鼻にツーンとくる刺激的なニオイがする

さつまいもから刺激的なニオイ、例えば酸臭や発酵臭、かび臭さなどの異臭がするときはすでに傷んで菌が繁殖していることが考えられます。

このような場合にはすぐに廃棄した方が良いでしょう。

ここまでになると、見た目にも異常が起きているので、一緒に保存している他のさつまいもまで傷んでいないかをよくチェックしておきましょう。

触ると柔らかい

さつまいもがプニョプニョと柔らかかったり、水っぽくなっている場合があります。

全体が柔らかくなっている場合と、端が少しシワシワになって柔らかいなど様々ですが、プニョプニョしているものは傷んでいると思って間違いないでしょう。

端から柔らかくなっているものは、柔らかいところを切り落とせば食べることができますが、切り落とさずにいると、傷みが進むので見つけた場合はすぐに対処し、早めに食べるようにしてください。

《 ポイント 》

  • さつまいもにふわふわしたものが付着しているのはカビ
  • さつまいもからツーンとくる刺激的なニオイがする
  • さつまいもがプニョプニョと柔らかく、端がシワシワになっている

さつまいもの正しい保存方法

段ボール箱の中のさつまいも

さつまいもの黒い点などを防ぐ正しい保存方法は涼しい時期は、冷蔵庫には入れずに新聞紙に包んで段ボール箱に入れ冷暗所で保存します。

土が付着してあるさつまいもであれば、水で洗わずに土がついている状態のまま新聞紙に包みます。それを段ボール箱に入れて13~16℃の冷暗所で保存します。

さつまいもは湿気に弱いため、水で洗ってしまうと腐ったり黒い点やカビが生えたりする原因になってしまいます。

気温が20℃を超える季節は、冷蔵庫で保存しますが、低温障害にならないように新聞紙に包んでビニール袋に入れてから野菜室で保存します。

また、冷凍保存することも可能です。マッシュポテトにしてからジップロックに入れて冷凍庫に保存したり、あらかじめ焼き芋にしてからラップで包み、冷凍保存する方法もありますので、一度試してみて下さい。

《 ポイント 》

  • 涼しい時期は、さつまいもは冷蔵庫には入れず冷暗所で保存する
  • さつまいもに土が付着してあるものは、水で洗わずにそのまま保存する
  • 気温が20℃を超える季節は、さつまいもは新聞紙に包んでから野菜室で保存する
  • さつまいもをマッシュポテトや焼き芋にしてから冷凍保存することも可能

最後に

さつまいも

「さつまいもの黒い点は食べても大丈夫かどうか?」「変色を防ぐ方法とNGな場合は何か?」について紹介しましたが、参考になったでしょうか。

さつまいもの黒い点は、元々含まれている「ヤラピン」や「クロロゲン酸」といった体に害のない成分なので、食べても問題ありません。

断面にできる黒い点のほとんどはアクなので、水に浸してアク抜きをしたり、皮を厚くむくことで黒い点などの黒く変色するのを予防できます。

ただし、低温障害や傷みが原因で黒い点など、黒くなっている場合は、食べないで廃棄した方が良い場合もあります。

さつまいもは豊富に含まれている食物繊維やヤラピンが便秘を改善する他、多くの健康効果が注目されている身体に良い野菜です。

今回の記事を参考にして、黒い点がついたさつまいもは食べても大丈夫な状態かどうかを正しく見極めて、甘くて美味しいさつまいもをいただきましょう。

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