あまり知られていない『年越しそば』のタブー2選

温かい天ぷらそば

大晦日に食べるものと言えば「年越しそば」です。年越しそばには長寿祈願や厄を断ち切る意味が込められています。縁起物であるため、間違った食べ方などは避けたいものですよね。年越しそばには細かい決まりはありませんが2つだけタブーと言われていることがありますのでご紹介します。

年越しそばの意味や由来

白い台の上の年越しそばと茹でる前のそば

年越しそばの意味や由来は諸説あります。もっとも定番であるのは、細く長いそばなので「長生きできるように」という意味です。また、そばは切れやすいため「その年の苦労や不運、災いなどを断ち切れるように」という意味も持っていると言われています。

さらに、昔の金銀細工師は金や銀を集めるのにそば粉を使っていたと言われていることから「商売繁盛、金運が上がる」という意味も含まれているそうです。

他にも、そばの花は雨風にさらされても日光を浴びると元気になること、そばは内臓にたまった毒素を取り除いてくれる、と言われていることなどから「健康で元気に過ごせるように」という願いも込められています。

あまり知られていない『年越しそば』のタブー2選

家族で年越しそばを食べているイメージのイラスト画像

1.年を越してから食べるのはタブー

年越しそばを新年に食べるのは良くないとされています。年越しそばには前述したように「その年の苦労や不運、災いなどを断ち切れるように」と言う意味がこめられています。

そのため、年を越してから食べると、苦労や不運、災いを新しい年に持ち込んでしまう、と考えられています。年をまたいで食べることや新年になってから食べ始めるのは避けましょう。

2.食べ残しもタブー

健康で長生きできるようにと言う願いも込められているため、食べ残しも縁起が悪いイメージとなり避けるべきとされています。年越しそばを食べる時は、残さず最後まで食べ切れるタイミングで、できるだけ空腹のときに食べるのがよいでしょう。

年越しそばのおすすめの食べ方

ニシンの入った年越しそば

温冷どちらでもいい

年を越してから食べることと食べ残しはタブーとされている年越しそばですが、その他には特にルールはありません。温かいそばでも冷たいそばでもよいそうです。

また、具材についても○○を入れなくてはいけない、○○は必ず入れる、などの決まりもありません。もちろん具材なしのそばもOKです。

縁起の良いトッピング

年越しそばの具材に決まりはありませんが、縁起のいい具材を添えて食べるのが良いでしょう。

ニシン

「二親」と漢字で表現できることから、多くの子供が生まれるよう願った縁起物の魚とされています。ニシンの卵である数の子もお正月の代表的な縁起物の食品でもあります。塩味をきかせた色の薄い関西の出汁と一緒にニシン具材として使う年越しそばは京都で広く食べられています。

エビの天ぷら

温かい天ぷらそば

エビは腰が曲がることから長寿のシンボルとされ、縁起のいい食材とされています。エビの天ぷらと同じくエビの入ったかき揚げも、長生きを願う人々の思いが込められた縁起ものです。

黄色は金色に通じるため縁起物として昔から親しまれています。年越しそばでない普段のそばでは月見そばが一般的ですが、年越しの時期には豪華な見た目に仕上げられている「伊達巻き」が人気のようです。

油揚げ

お稲荷様は商売繁盛の神様として縁起物とされています。また、農業などの成功で豊作を祈る意味もあるそうです。

ネギ

ネギは「ねぎらう」という言葉と似ていることから、「労をねぎらう」意味を持つと言われています。一年の厄を断ち切る節目の食事としてふさわしいため、年越しそばのトッピングとしても定着していったと伝えられてます。

鶏肉

近畿地方では「かしわ」と呼ばれ、柏の葉っぱと色合いが似ていることが理由だそうです。柏の葉は古くなっても新しい芽が出て良く育つため、家系の存続という意味と結びつき縁起物とされているそうです。

大根おろし

大根は昔から「厄を落とす」と信じられ縁起の良い野菜とされてきたそうです。また、消化を助け胃腸の調子を整える効果があると言われていることからも、年の暮れに食べるのに適していると考えられます。

最後に

油揚げの入った年越しをそばを食べているところ

年越しそばには、具材や食べ方などに細かいルールはありません。ですが、縁起物のため新年をまたいで食べることや食べ切らず残すことはタブーのようです。その年の厄を断ち切り、健やかに新年を迎えたいという願いが込められた昔から続く日本の風習の一つです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る