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「2日目のカレーが美味しい」…実は大きな間違い!
昔から「一晩寝かせたカレーは美味しい」と言われていましたよね。そのため、あえて作ったカレーを翌日まで寝かせ、翌日に食べるというご家庭も多かったのではないでしょうか。また、一度に多めに作り、何日も続けて食べていたというご家庭もあるでしょう。
しかし、最近の研究結果によると、カレーは基本的に2日目に持ち越してはいけないことが判明しました。むしろ、季節によっては数時間で食中毒症状を引き起こす恐れがあるため、取り扱いには注意しなければいけません。
カレー食中毒の原因は『ウェルシュ菌』
カレーは数時間経つと『ウェルシュ菌』と呼ばれる細菌が繁殖し始めます。このウェルシュ菌は比較的速いスピードで増加していくため、翌日まで常温で寝かしてしまうと、あっとういう間にウェルシュ菌が大量繁殖してしまい、食中毒を引き起こすのです。
この事実が判明したため、近年、テレビやネットメディアなど、さまざまなメディアで「2日目のカレーは危険である」と多くの人に知られるようになりました。
カレーの賞味期限っていつまで?
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一昔前とは違い、カレーはできるだけその日のうちに食べることが推奨されるようになりました。では、実際カレーの賞味期限はいつまでなのでしょうか。保存状態別に詳しく見ていきましょう。
「賞味期限=美味しく食べられる期限」を指す
そもそも『賞味期限』の意味を正しく理解しているでしょうか。意外にも「この期日を過ぎると食べられない期限」として考えている人が多いですが、賞味期限は「この期限までなら美味しく食べられますよ」という期限を指します。
ここではカレーの賞味期限を紹介しようと思いましたが、実際にカレーの中でウェルシュ菌が繁殖し始めるタイミングが早く、味や風味を美味しく食べられたとしても、ウェルシュ菌が繁殖してしまっている可能性があります。
したがって、ここではカレーを安全に食べられる期限、つまり『消費期限』を目安にご紹介していきます。
常温での日持ちは当日まで!数時間でダメになることも
もしも当日食べきるようであれば、鍋に入れたまま常温で置いておいても問題ありません。しかし、先にお話ししたとおり、ウェルシュ菌は数時間で活発化するため、できるだけ作ってから1~2時間以内に食べることをおすすめします。
特に、夏場などの暑い季節はウェルシュ菌が活発化しやすいです。そのため、他の季節と比べてもウェルシュ菌が活動し始めるタイミングが早く、そこから繁殖活動が急激に活発化します。
すると、数時間で食中毒症状を引き起こすほど増えてしまうため、夏場は数時間であっても常温放置は避け、冷蔵庫に保管しておくことをおすすめします。
冷蔵保存の場合は2~3日が目安
冷蔵保存すれば長持ちするのかと疑問に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、あまり日持ちしません。
ウェルシュ菌は冷蔵庫の中で保存していても発生します。しかし、常温保存よりは急激に繁殖することを防ぐことができるため、どうしても翌日まで持ち越す場合は冷蔵保存しましょう。
冷蔵保存であっても、季節によっては3日目、ほとんどの季節で4日目には食中毒を引き起こすほどウェルシュ菌が増加してしまいます。できるだけ2日目までに食べきり、3日目からは傷んでいないか様子を見てから注意して食べましょう。
傷んだカレーはどのような特徴が出るの?
冷蔵保存であっても2日目までに食べることを推奨されているカレー。では、傷んでしまったカレーにはどのような特徴が現れるのでしょうか。3日目以降のカレーは、以下のような特徴が現れていないか確認しましょう。
- 白い斑点が浮き出ている
- 水っぽくなっている
- ツンと鼻につくような酸っぱい臭い
以上がカレーが傷んでしまった場合に現れる特徴です。しかし、これらの異変が現れていなくてもウェルシュ菌は増加しています。小さなお子様や免疫力が低下している方、高齢の方がいるご家庭では3日目以降のカレーは食べずに処分しましょう。
ウェルシュ菌が引き起こすカレーの食中毒
もしもカレーで食中毒を引き起こした場合、どのような症状が出るかをご存知でしょうか。ウェルシュ菌が引き起こす食中毒症状は、下痢と腹痛です。
一般的に健康な成人であれば、軽度の下痢や腹痛で治まるのですが、小さなお子様や高齢の方、免疫力が低下している型の場合は重症化する可能性があります。
実際、年間の食中毒の中でもトップクラスに多くの被害を出している細菌として、ウェルシュ菌が挙がっています。毎年年間約1500~3000件もの届出が出ているので、気を付けましょう。
常温でのカレー保存はNG!2日目も食べるなら冷蔵保存して
一昔前の常識と現在の常識は違うと言われることが多いですが、カレーに関する知識もその1つです。基本的に常温でのカレー保存は避け、2日目以降も食べる場合は冷蔵保存するようにしましょう。