目次
パスタのカビの見分け方
開封前のパスタは基本カビることは無い
長期保存ができる便利な食品のひとつであるパスタは、ご家庭にストックしてあるという方が多いようです。
乾燥パスタの場合、製造過程において高熱で水分14%未満まで乾燥させてあるため、開封前のパスタは原則的にカビることはありません。
パスタは保管条件を守れば、数年単位での保管が可能ですが、未開封の乾燥パスタに万が一、カビが生えたとしたら、製造メーカーもしくは小売店において、製品袋の中に水分や湿気が入り込んだなど、保存方法に原因がある可能性も考えられます。
手で触った時、通常と違う感触がある
パスタの湿気を吸ってカビが発生した状態だと、ザラついた様な手触りになります。通常の乾燥パスタのサラッとした触感とは違いますので、気付きやすいでしょう。
黒・白・茶色のつぶつぶは原料の小麦の皮の可能性が高い
パスタについている黒、白、茶色のつぶつぶつは、パスタの材料に使われている「フスマ」と呼ばれる小麦の皮です。
「ブラックスペック」と呼ばれるこのつぶつぶの斑点は、デュラムセモリナ種に多く見られます。
デュラムセモリナ種は硬い小麦なので、粉にするとき粗びきにしまが、その際に混入した皮や、胚乳の固い部分が黒、白、茶色の点々に見えるのです。
よっていずれの色も原料の一部なので品質には問題ありません。特に、皮の混入量には基準値が設けられてあり、製造元ではこの基準値を超えない範囲であることをチェックしてから出荷しているので、安心して食べられます。
茹でた時に部分的に色が変わっている
パスタをゆでたときに、部分的に茶色くなったり白っぽくなって膨張しているのに気付いたことはありませんか?
これは、パスタのお湯に浸っていない部分が、乾いた状態で高熱であぶられたことにより、白く膨らんだり、焦げて茶色になったものであり、カビではありません。
青緑色の点々や斑点粉状のものは青カビの一種の可能性が高い
パスタにカビが生えている場合、表面に白い綿状のカビ、黒色をした斑点状のカビなどが付着していることが多いようです。
また、点々や斑点粉状の青緑色のものが発生していたら、青カビの一種だと考えられます。この青カビは、果物や野菜などでも発生しやすく、中には有毒なカビもあるようです。
白い色でも綿状にフワフワしているものはカビの可能性が高い
綿状のフワフワした特徴を持つカビは白カビです。カビの菌糸が伸びて、ふわっとしたたんぽぽの綿のような状態になっています。
《 ポイント 》
- 開封前のパスタは原則的にカビることはない。
- 小麦の皮や胚乳の固い部分が色の付いた点々に見えるが品質に問題はない。
- 皮の混入量には基準値が設けられているため、安心して食べられる。
- 青緑色の点々や綿状のフワフワしたものはカビの可能性が高い。
パスタにカビができる原因
原因1.密閉保管していない
パスタ料理を作る際に、1回で1袋を使い切れずに残してしまうことがありますよね?
保管するときにしっかり密封されていないと、パスタが空気中の水分を吸収してしまいます。パスタが入っている袋を開封したあと、開封口上部には余裕がありませんので、クリップで留めた程度では、確実に密閉することができません。
原因2.濡れた手で触ってしまった
手を拭かずに濡れたままの手でパスタを触るのは要注意です。水分に触れて湿気を吸収したパスタの使い残しを、そのままの状態で保管していると、その水分によってカビが発生しやすかったり、パスタにヒビ割れが生じたりすることもあります。
原因3.高温多湿な場所での保管
高温多湿はカビがおおいに好む環境です。取り出しやすいシンクの下は便利なのですが、調理中の熱気や湿気がこのもってしまい、カビを発生させる可能性が高いので注意する必要があります。
原因4.冷蔵や冷凍での保管
パスタを冷凍庫や冷蔵庫など温度差があるところに保管していると、吸湿や結露でひび割れたりカビができやすくなってしまいます。それだけでなく、庫内にある他の食材のニオイが移って、風味が損なわれる原因にもなります。
原因5.直射日光が当たる場所での保管
パスタをキッチンに飾って、おしゃれなインテリア感覚で保管している方もいますが、キッチンは高温での調理を行ったり常に水を使う場所なので、熱気と湿気が入り混じって、カビを発生させやすくなります。
原因6.調理中にコンロのまわりに置きっぱなしにする
コンロまわりは、高温多湿になりやすい場所です。パスタを調理している時に、そのまま近くに置きっぱなしにしていると、調理中の熱気や水分が移ってしまいます。水分が付着したところにカビが発生してしまうので、しっかりと密封容器に保管してから調理を行うようにしましょう。
原因7.製造時やお店での保管状況が悪かった
密封されているにも関わらずカビが発生している場合には、パスタの製造中や、製品を袋に密閉する段階で水分が混入させてしまっているケースも考えられます。
また、メーカーや小売店での保存方法に問題があると、密閉後の製品袋の中で水分が発生し、カビが生えてしまうこともあるかもしれません。
《 ポイント 》
- 高温多湿、直射日光、密閉保管していないことが原因。
- パスタを濡れた手で触ったり、コンロまわりに置きっぱなしにして調理しない。
パスタにカビがあったらどうする?
パスタにカビを発見したら、食べずに捨ててしまいましょう。カビの胞子は空気中に舞ってしまうので、他の食品に影響が出る前に早めに処分してください。
どうしても食べたい場合には、カビを水で綺麗に落としてから、通常通り熱湯で茹でるとよいでしょう。
茹でて熱湯処理したとしても、場合によっては強い耐熱性を持つカビも存在しますので、広範囲にカビが発生しているパスタは、やはり捨ててしまった方が無難です。
《 ポイント 》
- パスタにカビを発見したら、食べずに捨てるのが一番。
- パスタをどうしても食べたい場合はカビを水で綺麗に落としてから熱湯処理する。
パスタのカビを防ぐ保存方法と注意点
密閉容器で保管する
パスタを簡単に保存している方が多いようですが、隙間から水分が入り込みカビの原因になってしまいます。
購入時の袋をそのまま使って、クリップや輪ゴムで開封口を結んだとしても、隙間があり、湿気だけでなく虫が侵入する可能性も考えられます。
一番のおすすめは、密閉できる専用容器を用意して、その中に入れて保管することです。密閉できる専用容器を準備できない場合は、保存用ジップ袋に移し替えると密閉状態での保管が可能になります。
こうすることで、カビ防止だけでなく、酸化による劣化を下げることなく美味しい状態を保つことができるでしょう。
ちなみに、一回の調理で使い切れずに残ったパスタをしばらく放置した後に、密閉容器に入れたとしても、既にパスタが水分を吸っているのでカビる可能性が高くなります。この点を十分に気を付けてくださいね。
高温多湿を避け冷暗所で保管する
高温多湿はカビが発生しやすい好環境なので、涼しい冷暗所で保管するようにしましょう。できるだけコンロやシンクから離れた場所にある、日が当たらない食品庫へ入れて保管するといいですね。
冷蔵庫で保管すれば安心だと思いがちですが、パスタ中の水分を奪ってひび割れを起こし、風味が落ちてしまいますので、常温保管にした方が得策です。
使用する分だけ取り出して、調理中に出しっぱなしにしない
調理中は調理台の周りに、かなりの熱気と湿気がこもっています。そのうえ、調理中に飛び散った調味液や水分が飛んでパスタに付着すると、そこからカビが発生しやすくなります。
そうならないように、使う分だけ取り出したら残りのパスタを密封容器に保管して、それから調理を始めましょう。
《 ポイント 》
- パスタは密閉できる専用容器か、保存用ジップ袋に入れて密閉保管する。
- パスタは冷蔵庫で保管するより、常温保管の方がよい。
- 使う分だけ出したら残りのパスタを密封容器に保管してから調理する。
パスタの保存期間
未開封のパスタの賞味期限
パスタの保存期間は、開封済かどうかで変わってきます。開封前のものであれば約3年ほどですが、まずは包装袋に表示されている賞味期限を参考にしてください。
いくら未開封であっても高温多湿の環境では劣化して風味が落ちてカビが発生してしまう可能性があるので、購入後は冷暗所で保管しましょう。
正しい保管方法を実行できれば、未開封パスタの賞味期限が過ぎていてもすぐに捨てる必要は無く、賞味期限後でも1年程度なら持つようです。
開封済みのパスタの賞味期限
パスタは開封した後のものは出来る限り早く使い切るのが原則です。
開封後の袋に隙間があると、小麦粉の匂いに誘引されて穀物を好む虫が入り込む場合やカビが発生することもありますので早めに使い切るようにします。そして、調理に使う前にカビや虫が付いていないかを確認し、安心できるものを食べるようにしましょう。
最後に
今回の記事では、パスタのカビについて調べてみました。
パスタは長期間保存がきく便利で安全な食材ですが、高温多湿を避けて使わない分はすぐに密閉して保管した方がよさそうですね。
パスタについている黒・白・茶色の斑点は、原料の小麦の皮が混入したもので、カビではないので、安全性や品質に問題はありません。
一度に使い切れなくて残ったパスタでも、正しい保管方法を行えば、安心して美味しく食べることができます。ですが、食べ物はやはり、食べる分だけを買ってきて開封したら食べきるのが一番です。
このようにパスタは劣化せずに保存しやすい食品と言えますが、どんな食品にもカビが生える可能性があること頭に入れておいてくださいね。