目次
エルダーフラワーの効果効能
エルダーフラワーの効果効能が作用する部位は大きくわけて「耳鼻咽喉」「消化器」「皮膚」などです。
1.利尿・発汗・去痰作用
エルダーフラワーにふくまれている「ケルセチン」や「クロロゲン酸」といった成分には、尿や汗を促す、痰を除去する作用があり、合わせて腎臓の働きを良くすることで、身体に溜まった毒素を排出するサポートをしてくれます。また、排出によりむくみの解消・予防にも効果があります。
2.抗炎症作用
抗炎症作用の働きがあるエルダーフワラーは、風邪の初期症状や、アレルギー性の鼻炎や花粉症などの「鼻水・鼻づまり・のどの痛み・口内炎」などによる炎症を改善・予防します。
エルダーフラワーをうがい薬として使用するとのどの痛みを抑えます。また、エルダーフワラーで作る紅茶は、風の引き始めに効果的とされています。
3.関節痛・筋肉痛の緩和作用
東洋医学では特に木や茎の部分を接骨木といい、リウマチや痛風などの際に起こる関節痛、筋肉痛などの痛みを止める「祛風湿薬(キョフウシツヤク)」として扱われています。
利尿作用やドロドロ血液を浄化する働きもあると言われ、体の血や水の巡りを改善する効果が期待されています。
4.粘液の浄化作用
エルダーフラワーは呼吸器の気道をきれいにして気管支炎を予防します。アレルギー性の鼻炎や花粉症などの鼻水・鼻づまりなどの緩和に効果があります。
エルダーフラワーティーを飲むことで、溜まった粘液が流されて軌道がきれいになり、粘膜の炎症により起こる鼻づまりや、くしゃみの抑制に効果的です。
5.不安や憂鬱を和らげるリラックス効果
エルダーフラワーの香り成分には精神不安や憂鬱な気持ちを和らげたり、取り除くリラックス効果があります。特に寝る前にエルダーフラワーティーを飲むことで、神経の緊張からくる不眠症などを解消する効果もあります。
6.肌のキメを整える美容効果と美白効果
美容にもエルダーフラワーは効果を発揮します。肌を引き締め、毛穴を引き締める作用がありますので肌のキメを整えて肌に潤いを与える美肌効果があります。
また、18世紀には美白ウォーターとして使われていたという話もあり、エルダーフワラーを使った化粧水や蒸気浴でシミ・ソバカスにも効果が期待されます。
エルダーフラワーの飲み方
エルダーフラワーはコーディアル(シロップ)を飲み物にしたり、ハーブティーとして飲まれています。
コーディアル(シロップ)を作って飲み物にする
材料(500ml分)
- 乾燥エルダーフラワー:25g
- 水:600cc
- グラニュー糖:200g
- レモン:1個(レモン果汁の場合は大さじ3杯)
- 消毒した保存ビン(容器)
作り方
- 鍋に水を入れて沸騰したら、火を弱めて3分ほど煮込んだらふたをして10分ほど蒸らします。
- 蒸らし終わったらコーヒーフィルターや目の細かい茶こしでこします。
- グラニュー糖を入れとろ火で10分ほど煮詰めます。煮詰め終わったら火を止めてレモン汁を入れます。
- 冷めたら消毒した保存ビン(容器)に入れて冷蔵保存してください。
飲み方
コーディアルを水や炭酸などで割って飲んでください。割合は3倍~5倍くらいがおすすめです。
ハーブティの作り方
材料
- 乾燥エルダーフラワー:大さじ1杯
- お湯:カップ1杯
作り方
ポットにハーブを入れてお湯を注ぎ、そのまま3分~5分たったら出来上がりです。
手作りするのは苦手や面倒臭い方は市販のシロップはいかがですか。
エルダーフラワーの副作用
エルダーフラワーの副作用としましては、「生の果実」「種子」「樹脂」を摂取すると下痢や吐き気を起こす可能性があります。
また、エルダーフラワーを食べて口や胃腸にアレルギー症状が出た方は摂取しないでください。エルダーフラワーアレルギーの可能性があります。
エルダーフラワーはスイカズラ科ですので、他のスイカズラ科もアレルギーがあるかもしれません。摂取する前に医師または薬剤師にご相談ください。
エルダーフラワーの注意点
妊娠中や授乳中の女性や子供がエルダーフラワーを摂取しても危険性は無いといわれていますが念のため摂取しないことをおすすめします。気になる方は医師や薬剤師などに相談してください。
また、エルダーフラワーの種には毒性がありますのでむやみに使用しないでください。
エルダーフラワーとブレンドするおすすめハーブ
エルダーフラワーティーのブレンドの場合、「リンデン」「ペパーミント」「ヤロウ」などを組み合わせると風邪、花粉症に対して効果が増加されおすすめです。また香りや味が引き立ちます。
エルダーフラワーの基本情報
エルダーフラワーの開花時期は5月から6月頃で、白くて小さい花が枝先にまとめて咲きます。
エルダーフラワーの花の大きさは3mmくらいで、マスカットのような香りがします。葉は細長い楕円形で、ふちはギザギザになっていて、長さは10cm~30cmくらいです。木の背丈は高く、大きいものだと10m以上伸びる樹もあります。
エルダーフラワーは7月頃から9月にかけて黒い実が生り、秋に収穫した実はジャムなどにして食べます。
薬効はエルダーフラワーの花だけでなく、その葉、枝、根にもあるのでハーブとしても利用されています。
通称 | エルダーフラワー |
学名 | Sambucus nigra |
英名 | Elder flowers |
科名 | スイカズラ科 |
属名 | ニワトコ属 |
分類 | ハーブ |
樹丈 | 3m~10m |
開花時期 | 5月~6月 |
花言葉 | 思いやり、熱心、愛らしさ、苦しみを癒す |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
生薬名 | 接骨木(セッコウボク) |
和名 | セイヨウニワトコ(西洋庭常) |
原産地 | ヨーロッパ一帯、北アフリカ、南西アジア |
使用部位 | 花、実、葉、枝、根 ※ハーブティとしての部位は花 |
成分 | 精油、フェノール酸、フラボノイド配糖体、粘液質、青酸配糖体(微量)、ミネラルなど |
作用 | 利尿作用、発汗作用、痰作用、抗炎症作用、抗ウイルス作用 |
適応 | 風邪・インフルエンザ、抗炎症、花粉症など |
作用部位 | 耳鼻咽喉、皮膚、消化器系など |
エルダーフラワーを使う用途
- ハーブティー
- コーディアル(シロップ)
- 飲み物
- 料理
- オイル
- バスハーブ(芳香浴)
- アロマ
- うがい剤(チンキ剤) など
まとめ
欧米では、エルダーフラワーは「インフルエンザの特効薬」といわれていますが、風邪の初期症状の緩和やインフルエンザの初期症状の緩和に効果があるようですので、「風邪かな?」と思った時にエルダーフラワーを飲んでみてはいかがでしょうか。
また、エルダーフラワーを使用すると精神的にリラックスできますので、不安な時やイライラした時、暗い気持ちになった時などに積極的に試してみてください。
エルダーフラワーのハーブティーもいいですが、「バスハーブ」としてバスタブにいれてゆったり入浴するのも効果がありそうですね。