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牛脂の賞味期限
店内の肉売り場に無料で置いてある牛脂の賞味期限は、製造方法や保存状態によって違ってきます。牛脂には賞味期限や消費期限が書かれていない事が多いようですが、一般的には、冷蔵保存で製造日から5日、冷凍保存なら30日程度と言われています。
賞味期限が記載されていない理由としては、包装の表示可能な面積が30平方cm以下の場合には表示しなくても良いという規定があるからです。
製造方法によって賞味期限が異なる
牛脂の製造方法には、脂身をカットしてそのまま製品にする方法と、精製されている場合の2とおりありますが、この違いによっても賞味期限は異なってきます。
一般的には、そのまま製品にしている牛脂よりも、精製されている牛脂の方が賞味期限は長いと言われているのですが、賞味期限が記載されていない牛脂は、なるだけ早めに使い切ってしまった方が良いでしょう。
保存容器によって賞味期限が異なる
牛脂の賞味期限は、保存容器によっても大きく異なります。プラスチック製の容器に入った物は、未開封の状態の冷凍保存で30日程、瓶入りの物なら3か月程、さらに缶入りの物ならなんと半年持つものもあります。
缶や瓶に入った牛脂が長持ちする理由は、酸化しにくいからです。酸化することによって、油の劣化が進行するのですが、缶や瓶に入ったものは、酸素が触れる機会が比較的少ないので長期間品質を維持する事が出来るというわけです。
牛脂とは何か
そもそも「牛脂」とは何でしょうか?
牛脂とは、牛の脂肪でできた食用脂で、スーパーなどの生肉コーナーなどで手に入れることができます。
牛脂は塊で売られていますが、熱を通すとすぐに溶けるので、牛肉料理に使うことで、肉の旨みをさらに引き出してくれるので、すき焼きやステーキなどに旨味を加えることができます。色は白や淡い黄色をしていて、牛脂ならではの独特の匂いがあります。
《 ポイント 》
- 牛脂は製造方法や保存状態によって違ってくる。
- 牛脂の賞味期限は一般的には冷蔵保存で製造日から5日、冷凍保存なら30日。
牛脂の賞味期限が過ぎるとどうなる?
牛脂の賞味期限が切れていなくても、腐ってしまうという場合がないとはいえないので、気を付ける必要があります。では牛脂が腐ってしまうと一体どうなるのでしょうか?
腐った牛脂からは異臭が発生したり、調理に使いたいと思えないようなべとべとした質感になっています。それ以外にも、カビが生えて真っ白な牛脂が黒ずんできたりと劣化が見てわかるので、ちょっとでも異変を感じたら使わずに処分しましょう。
「脂」と言えども、元々は牛肉なので、いずれは「腐る」ということを頭に置いたうえで、早めに賞味期限内に使い切ることが重要です。
《 ポイント 》
- 牛脂が腐ると異臭が発生したり、べとべとした状態になる。
- 牛脂にカビが生えると真っ白な牛脂が黒ずんでくる。
牛脂の保存方法
常温保存
牛脂の常温保存は避けた方がよいでしょう。買ってきて直ぐに調理に使用するのなら、常温に置いていてもかまわないのですが、長時間だと溶けて柔らかくなってしまいます。
例え少しの時間でも直射日光を避けて、出来るだけ涼しい場所で保管しておくようにしましょう。
また、湿度にも弱いので、じめじめとした場所も避けるようにしてください。常温に置いてるものは、冷蔵や冷凍保存のように、カチカチに固まってしまった牛脂を違って、直ぐに溶けるので使いやすく便利です。
最近では、瓶詰めタイプの牛脂で、開封前であれば常温保存出来る商品もあるようです。
冷蔵保存
牛脂の酸化や状態などを考えると、一番おすすめしたいのが冷蔵保存です。
牛脂を冷蔵庫で保存した場合には、製造日から5日以内に使うようにしますが、料理に牛脂のコクや旨味を活かしたいのであれば、できるだけ1日~2日以内に使い切ってしまうのが得策でしょう。
冷凍保存
牛脂を冷凍する保存方法は、賞味期限を延ばしておきたいという時にはおすすめの保存方法です。
解凍せず凍ったまま調理に使えるので、常備しておくといつでも利用できて重宝します。その一方で、実は牛脂の水分が抜けてしまうというデメリットがあります。牛脂から水分が抜け出すと同時に、コクや旨味も抜けてしまいます。
牛脂を使って調理する目的は、コクや旨味をプラスするためでもあるので、とても勿体ないことです。また、冷凍庫のドアを開け閉めしているうちに、空気に触れて酸化し、劣化を早めてしまうこともありますので、冷凍庫に牛脂を入れて長期間保存するよりは、出来るだけ賞味期限内に使い切った方がよさそうです。
《 ポイント 》
- 牛脂の常温保存は避けた方がよい。
- 牛脂の酸化や状態を考えると、冷蔵保存がおすすめ。
- 冷凍保存は牛脂の水分と一緒にコクや旨味も抜けてしまう。
牛脂の賞味期限が切れた場合の代用品
スーパーや精肉店などでは無料で付いてくることもある牛脂ですが、牛脂の賞味期限が切れた場合には、ご家庭に常備してある他の油脂で代用することができます。
肉についている脂分で代用する
脂肪分が多い肉を加熱すると、肉についている脂が溶け出すため、牛脂を使う必要ありません。フライパンや鍋に何も敷かずに、直接肉を入れて焼くことができます。
サラダ油で代用する
サラダ油はクセがないのでいろいろな料理に使えて便利です。牛脂のようなコクはありませんが、どこのご家庭でも常備してある身近な油として使いやすいでしょう。
オリーブオイルで代用する
オリーブオイルを代用すると、オリーブ特有の爽やかな香りが料理を引き立ててくれます。牛脂に比べてあっさりとしていますので、こってりとした肉が苦手な方におすすめです。
バターで代用する
料理に旨味や風味を加えたい時には、濃厚な旨味を持つバターがおすすめです。料理によっては合わないものもありますが、牛肉にはバターならではの風味がぴったりです。
《 ポイント 》
- 家庭に常備してある他の油脂で代用できる。
牛脂とラードの違い
牛脂とは
先にもお伝えしましたが、牛の腎臓周囲に付く脂肪を固めて作った食用脂が「牛脂」でしたね。別名「ケンネ脂」とも言いますが、脂質が主な成分で、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などが含まれています。
ただし、過剰摂取すると健康面でデメリットがある飽和脂肪酸も含まれています。カロリーも高く、コレステロールも多いので摂り過ぎは良くありませんが、動脈硬化を予防するHDLコレステロールを減らさないといった効能もあり、適量を摂っていれば良い影響を与えてくれるでしょう。
お肉を購入した時に貰える牛脂は、スーパーのお肉売り場に置いてあります。
ラードとは
牛脂と似ているものに「ラード」があります。牛の脂肪である牛脂に対して、ラードは豚の背中にある脂肪を取り出し、精製して固めて作った食用脂です。オレイン酸を含み、豚の脂特有の匂いがあり、ラードを料理に加えることで、あっさりした食材を使った料理でもコクを出すことができます。
ラードは外食メニューでは、頻繁に使用されているものなので、家庭で使用していなくても案外食べている脂でもあります。また、最近では、酸化防止剤やビタミンEなどが添加されているラードが販売されています。
そのような商品は、使用後にチューブからしっかり空気を抜いて冷蔵庫で保存しておくことで、酸化しにくく、より長持ちします。
ラードの賞味期限の目安は約1か月ですが、酸化しにくい状態にしてから冷蔵庫で保存していれば、賞味期限を過ぎてしまっても数か月は持つだろうという意見もあるようです。
ですが、牛脂と違ってラードには賞味期限が記載されていますので、賞味期限内に使い切るようにしたほうがよいでしょう。
ラードはチューブタイプで販売されていますが、開封前であれば、チューブタイプも瓶入りの物でも、直射日光を避けて、高温にならない湿気の少ない場所であれば、常温でも溶けずに保管しておく事ことできます。ラードには動脈硬化などのリスクが高まるトランス脂肪酸が含まれていません。
その一方で、腸の滑りが良くなるため、腸炎の方がラードを食べると下痢が治りにくくなる危険性があります。
牛脂とラードの違い
牛脂の融点(溶ける温度)が40〜50℃程度であるのに対して、豚の脂であるラードは33〜46℃程度と若干低いのも違いとしてあげられます。
よって、ラードに比べて溶けにくい牛脂は、温かい肉料理に使用されますが、ラードは料理以外にパンにも使用されています。
《 ポイント 》
- 牛の脂肪である牛脂に対して、ラードは豚の背中にある脂肪。
- ラードの賞味期限の目安は約1か月で、商品に明記されている。
- 溶けにくい牛脂は温かい肉料理に、ラードは料理以外にパンにも使用。
最後に
牛脂の賞味期限や保存方法、そして賞味期限が切れてしまった牛脂の代用品となる食品について、いかがでしたでしょうか?
牛脂は保存方法や容器によって賞味期限が大きく異なりますが、一般的にはラードの方が賞味期限は長く、商品にきちんと記載されています。賞味期限の短い牛脂は、腐ってカビが生えたりすると、体にも良く無いのでこうなったら捨ててしまいましょう。
この記事では、牛の脂肪である牛脂と、豚の背中の脂肪であるラードの違いについても紹介しました。
牛脂やラードは体に悪いと言われる部分もありますが、摂り過ぎなければ体に良い効果もあります。賞味期限やメリット、デメリットを知って、上手に牛脂を活用してコクと旨みのある料理を作ってみませんか。