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しいたけを冷凍保存する方法と手順
しいたけは、収獲された瞬間から傷みが進みます。購入してすぐに調理しなければ、いざ調理したいと思ったときには傷みが進んでしまい、食感が悪くなり風味も落ちていることがあります。
しかし、しいたけを購入するきかっけは様々ですよね。今すぐに調理したいから買う、なんてことは意外と少ないかもしれません。
すぐに調理しないときや、使い切れずに余ってしまったときは、冷凍保存するのがおすすめです。冷蔵保存では傷みの進み具合を遅らせることはできるものの、保存する期間が長くなる場合は思っているよりも傷みが進んでしまっていることも多いです。
食感が悪くなってしまうこと、変色してしまうこと、美味しさが失われてしまうことを防ぎつつ、収獲したばかりのような新鮮で美味しいしいたけの状態をより長く味わうために、冷凍保存する方法と手順をぜひ参考にしてみて下さい。
水洗いしてはいけません!
しいたけを買ってきて、何となく水洗いしてから調理していませんでしたか?
すぐに調理するのであれば水洗いしていただいても良いのですが、保存したいのであれば水洗いしてはいけません。しいたけに水分がついたまま保存してしまうと、たとえ冷凍保存であっても傷みの原因になってしまうからです。
もし、何か付着物がある場合には、手でササっと払い落としてから冷凍保存すると良いでしょう。
日干しのひと手間がしいたけを美味しくする!
必ずしも行わなければならないことではありませんが、冷凍保存をする前に行ってみていただきたいことがあります。しいたけを「3時間ほど日干し」することです。
日が当たる風通しの良い場所にしいたけを置きます。しいたけの向きは、上向きでも下向きでも構いません。表を干しても良いですし、裏を干しても良いということです。
しいたけの置き方には、それほどこだわる必要はありません。また、完全に乾燥させるというわけではありませんので、日干しした後、乾いていない感じがしても問題ありません。
なぜ、冷凍保存する前のしいたけを日干しするのか
しいたけは日干しすることで、しいたけ内部に含まれている余分な水分を飛ばすことができます。
冒頭でお話したように、傷みの原因のひとつとして水分があります。日干しのひと手間によって、より長く保存することができ、より長く美味しさを保ち続けることができます。
また、水分が飛ばされたしいたけは、身がキュッと引き締まるため、より良い食感を楽しむことができますし、風味も良くなります。
しいたけを日干しすると栄養素が増える
みなさんは、三大旨味成分をご存知でしょうか。ふたつは、「イノシン酸」と「グルタミン酸」です。そして、しいたけを日干し、しいたけが紫外線を受けることで増す、「グラニル酸」です。
グアニル酸は、干ししいたけに含まれる旨味成分として有名なのですが、3時間の日干しだけでも、しいたけが紫外線を受けることによって、含有量を増やすことができます。
買ってきたしいたけをそのまま冷凍保存するよりも、日干しをし、グアニル酸を増やし、その旨味成分をギュッと一緒に閉じ込めるように冷凍保存するのがおすすめです。
また、買ってきてすぐに調理するときにも、しばらく冷蔵保存する場合にも、日干しをすることで旨味成分を増やしておくと、より美味しくお召し上がりいただけます。
冷凍保存の手順
しいたけの石づきをカットする
しいたけには、「石づき」という部分があります。原木と密接していた部分で、硬く、黒い色をしています。食べて問題のある部分ではないのですが、とにかく硬いですので、調理しても美味しく食べることは難しいです。そのため、もし、石づきが付いたままである場合には、切り落としてください。
しいたけを傘と軸に分けてカットする
傘はもちろんですが、軸も美味しく食べることができます。傘と軸に分け、そのままの状態で冷凍保存しても構いません。しいたけを使用したい料理や調理法によって、使いやすい大きさにカットしてから冷凍保存しても構いません。
冷凍保存が可能な容器またはフリーザーバッグにしいたけを入れる
保存容器は何でも構いませんが、冷凍庫に入れて問題のないものを使用しましょう。
冷凍保存できないものであると、破損や破けてしまう可能性があるからです。しいたけの旨味も逃げてしまいますのでご注意ください。もちろん、カットしたしいたけはそのまま冷凍してください。水洗いは絶対にNGです。
冷凍保存したしいたけを美味しく保存できる期間
なるべく早く食べきってください!と言いたいところなのですが、しいたけを美味しく冷凍保存することができる期間の目安は「約1ヶ月」です。買ってきたときのしいたけの状態にもよって変化します。
収獲してから長い時間が経っておらず、新鮮な状態のしいたけなのであれば、1ヶ月間より良い状態で冷凍保存することができます。どんなに長く冷凍保存しておきたい場合でも、1ヶ月半から2ヶ月以内には食べきってほしいです。
冷凍保存したしいたけを解凍する方法
実は、冷凍保存したしいたけは、調理前に解凍することをおすすめできません。
基本的には、解凍せずに調理する必要があります。冷凍保存したしいたけを解凍しようとすると、たくさんの水分が出てきてしまい、美味しさに欠けてしまうからです。せっかく美味しく冷凍保存したのですから、解凍することなく調理してほしいです。
もともと水分を多く含む食材ではありませんが、冷凍保存する前にひと手間の日干しをしたことで、水分を飛ばすことができています。そのため、冷凍保存したとしても、解凍しなければ調理することができないほど、ガチガチに凍ってしまっていることはないはずです。
「生しいたけ」と「乾燥しいたけ」の違い
生しいたけと乾燥しいたけのどちらを買ったら良いだろうか…と迷われたことはありませんか?
何だか、どちらでも構わないような気がしますよね。生しいたけを日干しして乾燥させたものが乾燥しいたけであって、同じしいたけなのだから何も変わらないのでは?と思われるかもしれません。
実は、生しいたけと乾燥しいたけでは大きな違いがあります。先にもお話していますが、日干しすることで、三大旨味成分である、グアニル酸が増します。このこと以外にも違いがあるんです。
乾燥しいたけの旨味成分をアップさせる方法
乾燥しいたけは、水に戻してから調理しますが、このときにもグアニル酸が増します。さらには、加熱調理することによって、生しいたけのときの10倍ものグアニル酸を含むということがわかっています。
日干しして乾燥させ、水で戻し、加熱調理をする。とても手間がかかりますが、よりしいたけを美味しく食べるための方法です。
弾力と歯ごたえがあります
乾燥しいたけは、水に戻してことによって、弾力と歯ごたえのあるしいたけになります。カラカラに乾燥させ、一度すべての水分を飛ばしているからです。
生しいたけのやわらかい食感も良いですが、煮物を作りたいときには、乾燥しいたけがおすすめです。たっぷりと煮汁を含ませることができます。
最後に
しいたけを冷凍保存するときのポイントは5つあります。
- 水洗いをしないこと
- 日干しのひと手間を惜しまないこと
- 石づきをカットして取り除くこと
- 傘と軸に切り分けること
- 冷凍保存が可能な容器で保存すること
そして、冷凍保存したしいたけを美味しく食べるためのポイントは2つあります。
- 約1ヶ月を目安に食べきること
- 解凍せずに調理すること
ぜひ、ご参考いただき、しいたけの旨味と香りと食感をお楽しみください。