目次
土鍋の使い始めにする『目止め』とは
目止めとは土鍋を使っているうちにひび割れて、水漏れを起こさないようにするための作業のことです。
土鍋には見えない無数の穴がたくさん空いていて、その穴を塞いで使う必要があります。塞がずに使うと、脆くなってしまったところからひびが入っていくことに。
作業をおこなうかおこなわないかで土鍋の劣化のスピードがかなり変わってきます。
《 ポイント 》
- 目止めは、ひびが割れて水漏れを起こさないようにするための作業のこと
- 穴を塞いで使わないとひびが入りやすくなる
土鍋の使い始めにする正しい目止め方法
使い始めの目止めの重要性がわかったところで、以下では手順について解説します。この作業がしっかりできていないと、ひびが入ってトラブルになることも。手順を守って慎重に作業しましょう。
おかゆで目止めするやり方
まずは、もっともベターなおかゆを使って使い始めに目止めをするやり方です。残ったご飯と水で簡単にできるところが魅力。
- 土鍋を水洗いする
- よく乾かす
- 土鍋の八分目まで水を入れる
- ご飯を入れて、軽く混ぜる
- 弱火で炊いていく
- 炊き上がったら冷めるまで待つ
- おかゆを取り出して洗って完成
おかゆに含まれるデンプンによって目止めします。新しいお米でもおかゆは作れますが、残りご飯の方が早く作れるのでおすすめ。
炊いたおかゆはもちろん食べることができます。赤ちゃんや胃が弱っている方がいるときに作ると無駄になることがありません。
《 ポイント 》
- おかゆに含まれるデンプンによって目止めできる
- 作ったおかゆは食べてOK
片栗粉・小麦粉で目止めするやり方
片栗粉や小麦粉で使い始めに目止めをすることもできます。粉と水で簡単にできるので、試してみてください。
- 土鍋を洗って乾かす
- 土鍋に水を八分目まで入れる
- 小麦粉または片栗粉を大さじ2杯入れる
- 軽く混ぜる
- 弱火で沸騰させ、15分程度沸騰させる
- 火を止めて冷ます
- 中身を流して洗って完成
小麦粉・片栗粉に含まれているデンプンが活躍します。使用した小麦粉・片栗粉の混ざった水の使い道はないので、そのまま捨てましょう。
《 ポイント 》
- 片栗粉・小麦粉に含まれるデンプンによって目止めできる
米のとぎ汁で目止めするやり方
お米のとぎ汁を使って使い始めに目止めするやり方もあります。普段は捨ててしまうものを再利用できるので最もエコです。
- お米のとぎ汁を土鍋八分目まで入れる
- 沸騰させる
- 15分間沸騰状態をキープ
- 火を止めて冷めるまで待つ
- 中身を捨てて洗って完成
とぎ汁はご飯を炊くたびに出るので、とても便利ですが注意が必要です。
とぎ汁はデンプンが含まれている量が少ないので、おかゆや粉と比べると効果が薄くなってしまう場合があります。そのため、とぎ汁だけで目止めするのは緊急のときだけにしましょう。
《 ポイント 》
- おかゆや粉ものと比べると効果が薄くなってしまう
土鍋の目止めをするときのポイント
使い始めの目止めを成功させるためには、いくつか把握しておかなければいけないポイントがあります。
ポイントを押さえることで、土鍋を長持ちさせることが可能です。ぜひ参考にしてみてください。
乾かしてから始める
使い始めの土鍋を目止めするときは、必ず完全に乾いている状態から始めるようにしてください。水で濡れている状態から始めてしまうと、土鍋に急激な温度変化が起こってしまいます。土鍋は温度変化に弱いので、そのままひびが入ってしまうことも。
急いでいる場合は乾いたふきんで水を拭き取ってから、弱火でおこなってください。
《 ポイント 》
- 濡れている状態で火にかけると、急激な温度変化が起こる
- 温度変化に弱いのでひびが入ることがある
火加減は弱火で
使い始めに目止めするときは、火加減は必ず弱火でおこないましょう。強火でおこなってしまうと、温度変化が原因でひびが入ってしまい、使いものにならなくなってしまいます。また、おかゆで目止めするときは、弱火にしていないと焦げ付いてしまうことも。注意して目止めする必要があります。
《 ポイント 》
- 強火で目止めすると温度変化でひびが入ることがある
- おかゆなどは強火だと焦げ付いてしまうことがある
冷めてから取り出す
使い始めの目止めで使用した食材は冷めるまで土鍋の中で放置しましょう。食材が冷めていく間も土鍋にデンプンが吸収され続けています。熱いときに出してしまうと、不完全な状態になります。
目止めが不完全のまま使ってしまうと、すぐに劣化してひびが入ることになるので注意してください。
《 ポイント 》
- 食材が冷める間も土鍋にデンプンが吸収され続けている
- 熱いときに取り出すと目止めが不十分になる
土鍋を長持ちさせるためには
使い始めに丁寧に目止めした土鍋。どうせならしっかり長持ちさせたいですよね。以下のコツを押さえて土鍋を使えば、お気に入りの土鍋を長く使うことができます。
目止めは定期的におこなう
目止めは使い始めのみでOKと思っている方も多いと思いますが、それは間違いです。目止めを定期的におこなうことで、強い土鍋を作ることができます。
また、土鍋は使っていると表面に塗っている釉薬の部分にひびが入ってきます。このひびは放置すると水が染み込んでしまう原因に。目止めをすることで水の染み込みを防ぐことができます。
《 ポイント 》
- 目止めを定期的におこなうと強い土鍋が作れる
- 釉薬の部分に入ったひびからの水の染み込みを防げる
金属タワシを使って洗わない
土鍋の焦げ付きを取るために金属タワシを使う方がいますがそれはNGです。金属タワシを使ってこすってしまうと、小さなキズができてしまいます。その小さなキズが原因でさらに焦げやすい土鍋になってしまいます。
土鍋が焦げ付いたときには、重曹と水を入れて沸騰させてから洗うと焦げをキレイに取ることが可能です。
《 ポイント 》
- 金属タワシを使ってこすってしまうと、小さなキズができる
- そのまま使うと焦げやすい土鍋になる
- 焦げ付いたときは重曹と水で焦げを落とす
急激な温度変化を与えない
急激な温度変化を与えると、土鍋が割れてしまうことがあります。記事前半でも述べている濡れた状態での加熱はもちろん、加熱した土鍋を熱いまま水に浸けることも、破損してしまう原因になります。
急激な温度変化を与えないように使っていきましょう。
《 ポイント 》
- 急激な温度変化を与えてしまうと、割れてしまう
- 熱いまま水に入れるのもNG
使い始めに目止めが不要な土鍋おすすめ2選
土鍋には使い始めに目止めが必要と解説しましたが、実は目止めが不要な土鍋もあります。目止めをしている時間がなかったり、うまくできなかったりする方は、目止め不要のものを選んでみてください。
萬古焼 銀峯陶器 菊花 土鍋
270年の歴史がある萬古焼の土鍋。菊の花のようなおしゃれな模様が特徴です。従来の土鍋よりも軽く、熱伝導率が高い点も魅力。目盛りが入っているので、お米も量らずに炊くことができます。
滑りにくく持ちやすいので、食卓に持っていくときも安定して運ぶことが可能です。
KINTO IH土鍋 KAKOMI 2.5L
IH・オーブン対応の土鍋です。洗練されたデザインで、和食以外にも幅広く使うことができます。また、吸水性が低い点も特徴。水が染み込まないので、料理の匂いやカビがつきにくいです。
保温効果も高いので、予熱で調理することもできます。
土鍋に関するQ&A
土鍋を使い始めたときによくある質問について回答します。是非参考にしてみてください。
A.重曹と水を使って落としましょう。土鍋に重曹と水を加えて沸騰させて、火を止めて1日放置。その後スポンジで洗えばOKです。
さいごに
今回は土鍋の目止めについて解説しました。土鍋は使い始めに目止めをすることによって長持ちします。おかゆや片栗粉・小麦粉を使って目止めをしてみましょう。また、定期的に目止めするのがおすすめ。強い土鍋を作ることができます。
もしも、目止めをする時間が無い場合には目止め不要の土鍋を購入してみてください。うまく利用して、お気に入りの土鍋を長く使いましょう。