目次
フライパンを使い始める時の注意点
フライパンは「鉄製」「フッ素樹脂加工」「ステンレス製」「セラミック製」などさまざまな種類があります。使い方やお手入れの方法、注意点などもフライパンの種類によって変わってきます。
耐久性が抜群で使うほどに味が出てくる鉄製やスキレットは、購入したらまず「油ならし」をする必要があります。そのまま調理するのはダメで、焦げ付きがしないようフライパンの表面に油の被膜を作る作業が必要です。
フッ素樹脂加工はテフロン加工やダイヤモンドコート、マーブルコートなどと呼ばれているもので、材料がこびりつかず使い勝手が良い点が特徴です。
表面加工は長時間の使用によりはがれることもあるため、鉄製フライパンのように使えば使うほど味が出るようなことはなく、寿命があります。ですが、使い始めに油ならしのような作業は必要なく、購入してすぐに使い始めることができます。
同様に、ステンレス製やセラミック製もそれぞれ特徴や使い方の注意点はありますが、油ならしのような作業は必要ありません。フッ素樹脂加工とセラミック製のフライパンは空焚きがNGであるため、調理の際の使い始めに油を敷かないで空焚きするのはやめましょう。
鉄製フライパンの使い始めにする『油ならし』
鉄製のフライパンは使い始める時にひと手間かけて行う「油ならし」がとても大切です。油ならしをすることで、食材の焦げ付きを防ぎお肉などもくっつきにくくなります。
油ならしの手順
- 鉄製フライパンをぬるま湯で洗います。
- 中火にかけ2~3分フライパン全体を温め、空焚きをしながら水分を蒸発させます。
- いったん火を止めて手で触れる温度まで冷まします。
- フライパンに油を回し入れます。(油の種類はどれでもOKです)
- 弱火から中火で数分加熱をしながら、油をしみ込ませ火を止めます。
- キッチンペーパーなどでまんべんなく油がなじむように拭いて下さい。
この時に野菜くずなどを一緒に入れて炒めると、より油がなじむようです。
使い始めた鉄製フライパンを長持ちさせるコツ
調理前には「油返し」または予熱をしっかり行う
油返しとは、予熱したフライパンに多めの油を入れてから全体になじませ、その油を捨てる作業です。中華料理を作る際に中華鍋でやっているのをテレビなどで見たことがあるかもしれません。
鉄フライパンは使いこんでいくと、フライパン全体が真っ黒になり油がなじんできますが、最初のうちはフライパンに油がなじんでいないため油返しが必要となります。調理の前に、油返しをすることで、食材がフライパンにこびりつくのを防ぐことができるそうです。
油返しにはオイルポットがあると便利ですが、オイルポットもなく油返しをするのも手間である場合。そんな時は、フライパンを温めてから油をいれ、鍋肌をまんべんなく油でコーティングすれば油返しをしなくても大丈夫のようです。
大切な点は、鉄製フライパンをしっかりと温めてから油を入れ調理をするようにしてください。
調理後は洗剤を使わず洗う
鉄のフライパンは調理後に中性洗剤を使って洗うと、せっかくなじんできた油が洗い流されてしまうため洗剤を使わずに洗いましょう。
お湯を使って、タワシやナイロンブラシなどで軽く歩い、布巾で水分をふき取ったら遠火にかけ乾かします。そして、油を薄く塗ってから収納するのが正しいお手入れ方法です。
フッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンを長持ちさせるコツ
中火以下で調理する
フッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンは中火でも十分加熱でき耐熱温度も250~270度が一般的です。強火で数分加熱すると400度近くまで温度が上がってしまい、耐熱温度を超える使用はフッ素樹脂加工の表面が傷み劣化が早まる原因となるそうです。
空焚きをしない
フッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンの空焚きは、発がん性物質や有毒ガスが発生すると言われています。そのため、油をひかない予熱や洗った後に水分を蒸発させるなどの空焚きはしないほうが良いとされています。
また、フライパンの面積に対して少量の食材で、フライパンに食材が触れる面積が少ない場合なども注意が必要です。必ず油を敷いてフライパン全体が空焚きにならないよう調理することをおすすめします。点火する際も油を入れてから火をつけるようにしましょう。
ヘラやおたまは、樹脂製・シリコン製・木製を使う
中には金属ヘラもOKとなっているフッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンもありますが、一般的には傷がつく原因となるため金属製のヘラやおたまの使用はNGです。
表面に傷がつくとそこから劣化が始まり、焦げ付きなどの原因となります。ヘラやおたまは傷がつかない樹脂製、シリコン製、木製を使うようにしましょう。
フライパンのまま料理を保存しない
フッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンで作った料理をそのまま保存するのは避けましょう。
その理由は、フッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンの表面に小さな穴がたくさんあるのですが、作った料理をそのまま保存することで穴から塩分などがしみ込んでしまうそうです。
塩分がしみ込むと、下地の金属が劣化してフッ素樹脂がはがれたりサビたりして、フライパンが傷みます。長くても保存は一晩程度までとし、できるだけ早くフライパンから料理を取り出すようにしたほうが良いでしょう。
調理後はフライパンを冷ましてから洗う
調理後、高温のままのフッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンを水などで急冷させるとひび割れや劣化の原因となります。調理後はよく冷ましてからぬるま湯で洗うようにしましょう。
また、洗う際も表面が傷つかないようタワシや研磨効果のあるスポンジを使うのは避けて下さい。
フライパンに関するQ&A
A.フレーバーストーンのフライパンは鉄製フライパンのメリットである熱伝導性の良さがありながら、フッ素樹脂加工(テフロン加工)フライパンのお手入れのしやすさを兼ね備えている独自の多層構造のフライパンです。鉄製フライパンには油ならしが必要ですがフレーバーストーンは不要です。
A.テフロンフライパンなどフッ素樹脂コーティングやセラミックコーティングのフライパンは、使い続けているうちに表面のコーティングがはがれてくるため一般的に寿命は2年程度と言われています。
フライパンが錆びてしまったら
鉄製のフライパンは使い始めはよいのですが、段々とサビてしまうこともありますので、適切なやり方で落としましょう。
普段のお手入れでは鉄製フライパンには洗剤は使いませんが、サビを落とすときには重曹やクレンザーを使用します。
- サビた部分を金属製のヘラなどで削ります。
- 水を入れて火にかけ、汚れを浮かします。
- フライパンの水を捨て、重曹やクレンザーを使ってサビの部分を落とします。
- 洗剤をしっかり落としたら、火にかけしっかりと乾かします。
- フライパンが熱いまま油をぬって油膜を作りなじませてください。
フライパンは湿気に弱いためしばらく使う予定が無いのであれば、新聞紙などでくるんで保管しておくとサビにくくなるようです。
さいごに
フライパンは素材の種類によって使い始める時の注意点やお手入れ方法、長持ちさせるコツなどは変わってきます。
使い始めの扱い方や日頃の使い方を間違えると、劣化が進んでしまうため、フライパンの素材をよく確認してから使い始めるようにしましょう。