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はちみつにもカビは生える
はちみつは、パンに塗ったりヨーグルトにかけたりといろいろな用途があり、冷蔵庫に常備している方もいるのではないのでしょうか。
ところでみなさんは、はちみつにはカビは生えないものと思っていませんか?
「はちみつはカビが生えない食べ物」だと言われていますが、実はそれは間違いです。保存の仕方によってはカビが生えてしまうこともありえます。
はちみつにカビが発生する主な理由3つ
どうしてはちみつは腐りにくいと言われているのかを考えてみましょう。
大きな理由として、はちみつ自体が殺菌作用を持っているからです。喉にいいと言われるのもこのためです。しかし、絶対にカビないというわけではありません。保存の仕方が悪いとカビが生えてしまう可能性もあります。
どういった保存方法がNGなのか、まずはカビが生える3つの原因について解説していきます。
食品や飲料の混入
カビが発生する1つ目の理由は、はちみつに食品や飲料が混入してしまうからです。
はちみつがカビに発生する理由の多くは、後天的なものと言われています。食品のクズや飲料などが付着したスプーンではちみつを取り出してしまうと、そこから菌などの異物が混入してしまいます。これがカビの発生する原因となります。
はちみつを瓶から取り出すときは、一度使ったものではなくきれいに洗ったスプーンを使うといいでしょう。
保存容器やフタの破損
2つ目は、保存してある容器やそのフタが破損しているためです。
そこから空気が入ってしまい、はちみつカビの発生や結晶化につながります。ガラス製の容器は密閉性が高いものの、破損してしまうリスクがあります。プラスチック製の容器だと破損する心配がないのでおすすめです。はちみつを容器から取り出したら、必ずしっかりとフタを閉めておきましょう。
製造工程での問題
3つ目は、はちみつを製造する工程です。
はちみつを作る中で一番大事なのは、ミツバチが羽ばたいて水分を蒸発させる作業です。こうすることによって糖分を上げて、はちみつが作られます。しかし、その工程で水分が残っているとカビが発生する原因になってしまいます。
はちみつのカビを防ぐ4つの方法
「カビない」「腐りにくい」と言われるはちみつも、様々な理由でカビの発生源となってしまいます。一体それはどのような理由なのでしょうか?
ここからは、カビを防ぐにはどうしたらいいのか、その対策方法を4つ紹介します。
はちみつ専用のスプーンを用意する
はちみつをすくうときは、専用のスプーンを用意することをおすすめします。
口に入れたり他の食品に使ったりしたスプーンでは、菌が混入してしまうおそれがあります。さらにそのまま放置しておくことで、カビが増えてしまうかもしれません。
菌の混入を防ぐためにも、はちみつを取るためだけの専用スプーンを用意しておきましょう。その際、使ったスプーンを瓶の中に入れておかないように注意しましょう。
湿気の少ない場所を選んで保存する
はちみつには水分がほとんどないため、カビが繁殖することはあまりありません。しかし、湿度の高い場所で保存しておくとカビが発生しやすくなり、また水分を吸って味が落ちてしまいます。
そのため常温保存する場合は、風通しの良く直射日光の当たらない場所で保存するのがいいでしょう。また、冷蔵庫で保存するとすぐに結晶化してしまうのであまりおすすめしません。
密閉できる容器を使用する
カビを防ぐために、はちみつを密閉できる容器に入れるといいでしょう。
はちみつを入れている容器が破損していたりフタをしっかり閉めていなかったりすると、そこからカビの胞子が入ってしまいます。カビを増やすことにもつながるので、破損していない、きちんと密閉できる容器を使用しましょう。
カビが発生したはちみつは処分する
最後に、カビが発生したはちみつは思い切って処分しましょう。はちみつビンは燃えないゴミ、はちみつ自体は燃えるごみとして分ければ処分できます。
もったいないと思うかもしれませんが、カビの生えたはちみつは安全性が確認できないため生ゴミとして処分してしまうことをおすすめします。
はちみつのカビを確認するポイント2つ
みなさんは、保存してあったはちみつが黒い、また白い固まりのようなものが沈殿していた、という経験はありませんか?
もしかしたらそれは、カビではないのかもしれません。ここでは、はちみつのカビかどうかの見分け方と、カビのように見える現象について紹介します。
全体の色が濃い
はちみつを買ってから日にちが経つと、中身の色が黒緑っぽく変色しているということがあります。これは、カラメル化と呼ばれる現象です。
製造してから時間が経っていたり直射日光に当てたりすると、はちみつに含まれる糖質がカラメル化を引き起こします。リンゴを置いていたら茶色くなるように、はちみつが褐変しているだけなのでカビが発生しているわけではありません。
はちみつの結晶化
はちみつの容器の底に白いものが沈殿している、という場合もあります。
一見するとカビのように見えますが、はちみつが固まってできる結晶だと考えられます。また、白い泡のような膜ができることもあります。
カビは白くてフワフワとしています。一方、触ったときにジャリジャリとしている場合は結晶化しているだけなので、問題なく食べられます。
ただし、例外も考えられるので注意が必要です。画像検索を使ってよく見比べることをおすすめします。
はちみつの結晶化が起こる条件は?
はちみつはなぜ結晶化が起こるのでしょうか?
はちみつは果糖とブドウ糖からできています。果糖は水によく溶け、ブドウ糖はあまり溶けません。そのため、溶け切れなかったブドウ糖が結晶となってでてくるのです。
結晶化が起こる条件としては、ブドウ糖が果糖よりも多いこと、保存して時間が経ったこと、気温が低いことなどが考えられます。ただ、結晶化しても腐ったわけではありません。結晶化を戻す方法を把握しましょう。
結晶は湯煎で溶かせる
結晶化はどのようにして戻せばいいのでしょうか。一番効果的なのは、湯煎で溶かす方法です。
鍋に45度~60度程のお湯を用意して、ボトルごと入れます。キャップを外し、中をゆっくりかき混ぜると結晶は次第になくなります。
また、結晶化したはちみつはそのまま食べても問題ないと言われています。ジャリジャリとした食感を好む人もいるので、必ずしも溶かす必要はないでしょう。
はちみつのカビの原因と対処法を知ろう!
はちみつとカビについて紹介してきましたが、みなさんは適切にはちみつを保存していましたか?
はちみつは長期保存が可能で便利な食べ物です。しかしどんなに純粋なはちみつも、保存状態が悪いとカビが発生してしまいます。
- はちみつ専用のスプーンを用意する
- 湿気の多い場所での保存を避ける
- 密閉できる容器で保存する
- カビの生えたはちみつは思い切って処分する
この4つに注意して、美味しく安全にいただきましょう。