目次
ラッカースプレーには2種類ある
ラッカースプレーは油性と水性の2種類が販売されています。
ラッカースプレーはホームセンターや工具店、オンラインショッピングサイトの取り扱い店舗などで購入することが可能です。どちらのタイプも100mLから400mL以上の大型のものまで販売されています。
水性ラッカースプレー
屋内での塗装作業にも向いている塗料です。水と水溶性のアクリル樹脂、着色には顔料が使われています。強い臭いがせず体や環境への負担も少ないことからDIYやホビー用にも適しています。耐久性の面で油性に劣るとされますが、改良を重ね以前よりも強くなりました。
塗った部分を完全に乾燥させれば、濡れてもにじむ心配はありません。水性ラッカースプレーは、手に付いてもすぐに対処すれば簡単に落とせることもメリットです。
油性ラッカースプレー
薄め液として有機溶剤のシンナーが使われているため鼻を刺激する臭いが特徴的です。油性ラッカースプレーには、ニトロセルロースと合成樹脂を使用した従来のラッカー塗料、アクリルが使われているアクリルラッカー塗料があります。
どちらも塗った後の乾きが速く耐久性も高いため、屋外の木製品や鉄製品の塗装にも向いています。味わい深さを出したいときはラッカー塗料を塗った部分を磨いて艶を増やすといいでしょう。
ラッカースプレーの種類によって落とし方が違う
ラッカースプレーを落とす方法は水性と油性とで異なります。どちらのタイプかを気にせずに使うと、落とし方を間違えてしまうので必ず確認してから使いましょう。
わからない場合は、スプレー缶の表面に水性の文字が書かれているかどうか探してみましょう。見つからない場合は、裏面の表示を見て有機溶剤と書かれていることをチェックしてください。
水性ラッカースプレーの落とし方
水性ラッカースプレーが手に付いてしまったときは乾く前に洗います。付着してすぐならば水できれいに落とせるでしょう。
衣服に付いてしまった場合も、時間が経っていなければ水で落とします。布の切れ端などを水で浸し、裏側に別の布を添えて服の上から叩きましょう。色が薄くなったら最後は水洗いで仕上げます。
すでに固ってしまったときはお湯に浸し、付着部分を指や爪でほぐすかブラシを使ってきれいにしてから洗いましょう。
油性ラッカースプレーの落とし方5つ
油性ラッカースプレーを落とすときに利用できるものは5つあります。
手に付いた油性ラッカースプレーは、普通に手洗いするようにハンドソープを使って流水でこすり洗いしても取れません。取れにくい油性の塗料でも、家にある思わぬもので落とせる場合があります。
どんなものが使えるのか、なぜ落とせるのか一つずつ詳しく見ていきましょう。
落とし方1:除光液で落とす
マニキュア落としに使う除光液で油性ラッカースプレーは落とせます。アセトンが使われている除光液は使われていないものに比べ効率よく落とせるでしょう。アセトンは幅広い有機化合物を溶かす特徴を持っています。
手に付いたときの落とし方は除光液をしみ込ませたコットンで軽く拭くだけです。簡単ですが肌を傷めてしまう可能性があります。落とした後は石鹸できちんと洗い、肌のケアも忘れないようにしましょう。
落とし方2:薄め液で落とす
薄め液を使えばきれいに落とせます。しかし、薄め液となるシンナーなどの有機溶剤は大量に吸い込んだり、長期的に吸うと体に悪い影響を与えます。慎重に取り扱わなければならないので、ほかの落とし方でうまくいかなかったときに使う方法として覚えておきましょう。
薄め液を直接触ると、肌がガサガサになってしまうこともあります。油性ラッカースプレー落としに使う場合は、肌に付けないよう注意してくださいね。
落とし方3:灯油で落とす
靴などに油性ラッカースプレーが付いてしまったときは灯油でも落とせます。灯油は油なので油性のものと混ざり合いやすく、剥がれるように色が取れていきます。
灯油を不要な布にしみ込ませて色の付いた部分を拭くだけですので手間はかかりません。灯油独特の臭いが手に付かないよう、軍手や古い手袋で保護して作業しましょう。
落とし方4:食用油で落とす
普段から調理に使っている食用油でも油性ラッカースプレーを落とせます。石鹸と小さく柔らかなブラシも一緒に準備しましょう。
色の付いた場所に食用油をつけて浸透させてからブラシでやさしく落とします。仕上げは石鹸で洗えばOKです。ちょうどいいブラシがないときは、使い終わった歯ブラシでも代用できます。
落とし方5:マヨネーズやバターで落とす
食用のマヨネーズやバターも手に付いた油性ラッカースプレー落としに活躍します。家にある食品で落とせるので便利です。
落とし方はそれぞれ少し違います。マヨネーズは付着した部分にパックをするように少し厚めに塗って数分置いてからコットンで拭き取りましょう。
バターはパンに塗るときの要領でコットンなどで伸ばし、マヨネーズと同じように取り除けば完了です。後は石鹸で油を落とし、ベタつかないようにしましょう。
油性ラッカースプレーを落とすときに注意すること3つ
様々なものを利用した油性ラッカースプレーの落とし方を理解したところで、実際に落とすときに注意したいことを見ていきます。
油性ラッカースプレーを落とすアイテムには取り扱いの難しいものもあります。落とせるかどうか試そうとして事故にあったり、健康を害さないよう気をつけなければなりません。
3つの注意点を頭に入れ、トラブルの発生を防ぎましょう。
注意点1:火気に注意
薄め液や灯油、除光液は火気に近づけると引火するおそれがあります。使うときは周りに引火しやすいものが置いていないか、しっかり確認することが大切です。
その場でたばこを吸おうとしただけで思わぬ事故を引き起こすこともあります。ラッカー自体も引火性塗料ですので使用中や使用後の喫煙は避けましょう。
注意点2:風通しの良い場所
薄め液のシンナーを使って落とす場合は、風通しの良い場所を選んで作業します。密閉された空間でシンナーを使えば体に影響が表れることがあり危険です。
シンナーの臭いが外に漏れないようにと、部屋を閉め切って作業することはやめましょう。
できれば屋外で使用し、室内で使うときは必ず窓やドアを開けて風を通してください。作業時には塗装用マスクやポリエチレン手袋で保護しましょう。
注意点3:素材を傷めないか
落とし方を間違えると素材を傷めてしまうことがあります。落とすときはまず素材をチェックしましょう。
布製品の場合は布の種類もしっかり調べてください。アセテート、アクリル、ポリエステル素材のものにアセトン入りの除光液を使うと布が溶けてしまいます。
バッグや靴、ソファなどの皮製品も除光液やシンナーによってシミになったり溶ける可能性があるので気をつけてくださいね。
油性ラッカースプレーが付着したときの落とし方のポイント5つ
油性ラッカースプレーがどこに付いたかでも落とし方は違ってきます。気をつけて使っていたのに付着してしまったときは、場所に合った落とし方で対処しましょう。
作業中に付きやすい肌、靴、服のほか、落書きされた外壁や車5つの落とし方を紹介します。
①靴に付いた場合
ナイロンやキャンバス地のスニーカーは薄め液、除光液、灯油のどの方法も試せます。色落ちが心配な場合は目立たない場所でチェックしてから使いましょう。
合成皮革やゴム素材の靴はできるだけ素材を傷めないよう、しみ込ませた布で付着した部分だけピンポイントに拭きます。
革靴の場合は落とした後に傷やシミが残ることがあります。部分的な色落ちはシューケア用品を使って補修することも可能です。
②車に付いた場合
車のボディに付いたラッカースプレーはカー用品コーナーで購入できるもので落とせます。
油汚れ落とし用のシリコンリムーバー、粘土クリーナーなど使える製品はいろいろあります。傷対策に使う研磨剤のコンパウンドも利用できますが、付着した箇所以外も傷める可能性があるため注意が必要です。
薄め液を使って素早く拭くのも効果的です。ただし、薄いボディカラーに濃い色が付いた場合は色がしみ込み落とせないことがあります。
③手や肌に付いた場合
手や肌に付いた油性ラッカースプレーを落とすとき、あまり力を入れなくても表面がこすれてしまいます。
特に短い時間でサッと落とせる除光液は肌への負担が心配です。肌へのダメージを避けたいなら、工場やガソリンスタンドで使われているハンドクリーナーを使用するのもいいでしょう。
油汚れを落とすハンドクリーナーなら、肌の潤いを保ちながら洗浄できます。
④服に付いた場合
服に付いた場合に大事なのは放置しないことです。繊維の中までしみ込んでしまう前に対処しましょう。
付着部分の裏側に布をあて、色の付いた部分に除光液や薄め液をしみ込ませ、服の上から布やキッチンペーパーで抑えて落とします。その後で洗剤をつけてしっかりお湯に浸し溶剤を落としてから洗濯するのがポイントです。
落としている途中で生地の変色に気づいたら、それ以上落とし続けるのはやめましょう。
⑤壁に付いた場合
家の外壁やコンクリートの壁に油性ラッカースプレーで描かれた落書きは専用の溶剤で消しましょう。溶剤はスプレータイプとハケで塗るタイプがあり、ホームセンターなどで購入可能です。
落としたい部分に塗りしばらく置いてからスポンジやブラシ、高圧洗浄機できれいにします。下地の素材や状態、気温によって落ち方は変わります。家の外壁はこすりすぎると、防水などの元から備わっていた機能が低下してしまうこともあるので気をつけましょう。
ラッカースプレーの落とし方を知ろう
水性ラッカースプレーは水で落とせますが、油性ラッカースプレーはアイテムを使わなければ落とせません。方法が違えば落とせないだけでなく、素材や肌が傷んでしまいます。
手肌はもちろん車、外壁、衣服、そのほか大事なものにダメージを与えることのないように得た知識を活かして上手に落としましょう。