目次
電池は冷蔵庫に入れても長持ちしない
電池を冷蔵庫に入れても長持ちしないことをご存知でしょうか?
むしろ、危険性が増す場合があります。いままで電池を冷蔵庫に入れていた人は、この機会に電池の正しい保管方法を知っておきましょう。
電池を冷蔵庫に保管しておくと長持ちするといわれていたのは、電池の性能が低かった昔に広まった噂です。当時とは電池の性能も違いますので、この噂を真に受けてはいけません。
冷蔵庫に電池を入れることで、かえってリスクが大きくなります。
電池を冷蔵庫に入れてはいけない理由4つ
電池を冷蔵庫に入れてはいけない理由4つを紹介していきます。電池を冷蔵庫に入れると、事項放電や液漏れといったリスクが考えられるので、それぞれ具体的に解説していきます。
自己放電しやすくなる
電池を冷蔵庫に入れると結露ができやすくなります。結露によって電池に水滴が付着すると、水滴を通じてプラス極とマイナス極がつながり、自己放電で消耗してしまう可能性が出てきます。
電池を長持ちさせるつもりが、自己放電させて寿命を縮めるという悪影響の方が大きくなってしまいます。
さびや液漏れをする可能性が
電池を冷蔵庫に入れておくと、取り出したときの温度差で結露ができて、サビや液漏れを起こす可能性が高くなります。
結露やサビ・液漏れを起こした電池をそのまま使うと、機器の中でショートを起こして事故や破損の原因になります。最悪の場合は電池が破裂してしまう可能性もあります。
現在の電池は放電しないような仕組みになっています。電池を冷やしても寿命は伸びません。電池を冷蔵庫に入れるのはやめましょう。
最悪爆発の恐れも
電池を冷蔵庫に入れて、万が一内部で凍結すると、爆発する危険性があります。大事故につながる危険性があるので気をつけましょう。
電池同士をくっつけて保管しておいても、マイナス極とプラス極が接触して爆発する場合があります。電池の取り扱いには十分に注意を払ってください。
適度な温度が必要
電池を冷蔵庫に入れて極端に冷やし過ぎると、使えなくなります。電池を温めなくてはいけなくなるため、たいへん危険です。
電池は10度から25度の常温保管が基本です。温度が高過ぎても、爆発などの危険性があります。また、湿度が高過ぎる場所へ長時間放置した場合も、包装や電池に悪影響が出るので注意が必要です。
電池を冷蔵庫に入れる噂が広まった理由2つ
電池を冷蔵庫に入れる噂がどうして広まったのか、その理由を2つ紹介していきます。
理由1:高温多湿の環境に極端に弱かった
昔の電池は性能が悪かったので、高温多湿の場所に置いておくとすぐにサビたり使えなくなったりすることがありました。そこから、冷蔵庫のような涼しいところに置くべきだという考えが広まったと考えられています。
人々の口から口へ伝わり、電池は冷蔵庫へ保管するのが当たり前だという噂がまことしやかに語られるようになりました。私達が現在購入する電池ではこうした心配はありません。
理由2:昔は自己放電しやすかった
昔の電池は今よりも自己放電の量が多かったので、冷蔵庫の低温状態に置くことで、化学反応を弱まらせて長持ちさせていました。
しかし、現代の電池は自然放電の危険性がほとんどないので、安心して常温で保管できます。むしろ冷蔵庫に入れることで寿命が縮まるので、電池を冷蔵庫に入れるのはやめましょう。
電池を冷蔵庫に入れずに正しく保管する方法5つ
電池を冷蔵庫に入れずに正しく保管する方法を5つ紹介していきます。
方法1:直射日光はNG
電池を直射日光が当たる場所へ保管してはいけません。なぜなら、直射日光が強いところへ電池を放置しておくと、発熱したり爆発したりする可能性があるからです。電池が劣化して中の液体が漏れ出ることもあり、たいへん危険です。
方法2:適度に乾燥した涼しいところに保管
電池は、適度に乾燥した場所に置いておかないと、水滴や結露ができてプラス極とマイナス極がつながり放電する可能性があります。暑い場所も電池の温度が上がり、爆発する危険性があります。適度に乾燥していて風通しの良い、高温にならない場所に電池を保管するのがいちばん安全です。
方法3:テープで絶縁する
電池を長持ちさせるために、テープで絶縁するとよいでしょう。空気に触れると、電池が放電を始める可能性が高いからです。
パッケージのビニールから出した電池は、セロテープやビニールテープで絶縁しましょう。テープで絶縁したあとも、電池は別々に保管した方が爆発などの恐れがなくて安全です。廃棄の際も、危険を減らせるこの方法がおすすめです。
方法4:プラス極とマイナス極が接触しないように保管
電池はプラス極とマイナス極が接触しないように保管しないと、発火・爆発・自然放電・中の液が漏れ出るなどの危険性があるので注意が必要です。プラス極とマイナス極を接触させて電池を保管していて、ボヤや家事を起こしたなどの例もありますので気をつけましょう。
方法5:新品と使用済み電池を1つにまとめない
新品と使用済み電池を1つにまとめておくと、過放電になって電池の寿命が縮まります。メーカーが違う電池を混在させることも、放電の原因になります。
電池にはアルカリ・マンガン・リチウムなど、いろいろな種類があります。それぞれ容量や電流の強さなどの特徴が違います。種類の違う電池を1つにまとめて保管することも、放電の可能性を高める原因になります。
例として、マンガン電池とアルカリ電池を同じ場所に保管しておくと、プラス極とマイナス極がつながってマンガン電池が過放電になるおそれがあります。液漏れ・破裂・発熱の恐れも高まるので注意が必要です。
1本ずつラップに包んでも意味がない?
電池を1本ずつラップに包んで絶縁する人もいますが、真空状態にはなりません。ラップを巻いていない電池と比較すると、巻いてある電池の方が自己放電を多少は防げますが、完全な絶縁にはなりません。きちんと絶縁させるには、電池は絶縁テープに包みましょう。
電池を長持ちさせるコツ3つ
電池を長持ちさせるコツを3つ紹介していきます。電池を交換したばかりなのにすぐに切れてしまった場合は、以下の方法を試してみましょう。
コツ1:握って温めてから使う
電池は内部の化学反応で電気を発生させます。そのため、手で握って外部から熱を加えることで、化学反応が起こりやすくなります。
特に寒い季節や寒冷地では、冷えた電池を手で温めることで、内部の化学反応が促進されて電力が回復すると考えられています。側面を服などに擦りつけても同じ効果があります。
コツ2:接続部分を綺麗に
電池の接続部分を奇麗にすると、電池が長持ちします。電池の接触部分が汚れていると、正しい通電ができなくなるからです。
電池が液漏れやサビなどで汚れている場合も、酢などで汚れを落とすと通電機能が回復する場合があります。また、接触部分を鉛筆やシャーペンで擦ることで、電池が復活するケースもあります。鉛筆やシャーペンの芯に含まれている黒鉛が通電を促すからです。
コツ3:マンガン・アルカリ電池を使い分ける
マンガン・アルカリ電池を使い分けて、それぞれを長持ちさせることができます。マンガン電池は使い続けると電圧が下がり、休ませると電力が復活します。
そのため、リモコン・インターフォン・懐中電灯・ペンライトのように、使う時間が待機している時間より短い電気製品に使用するとよいでしょう。
反対にアルカリ電池は使い続けても電圧は下がりません。また、マンガン電池の2倍の電力があります。大きな電力を出し続ける必要がある、おもちゃ・ラジオ・サーチライト・ステレオなどでの使用をおすすめします。
冷蔵庫で電池長持ちは嘘!正しく安全に使おう!
冷蔵庫に電池を入れておくと長持ちするどころか危険性が増す理由がイメージできたでしょうか?
電池を冷蔵庫に保管していたのは過去の話です。現代の電池は放電しないように製造されているため、冷蔵庫に入れる必要はありません。
電池は使用していなくても放電・発火・破裂の恐れがある物質です。絶縁テープで保護をして、適度に乾燥した涼しい場所で安全に保管してください。