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お盆の時期は地域によって異なる
お盆を実施する時期は地域によって異なります。お供え物を用意して、ご先祖様をお迎えしてからお送りする、という基本的な流れは変わりませんが、地域ごとのお盆の時期を確認しましょう。
7月15日(七月盆)
東京、横浜、静岡旧市街地、函館、金沢旧市街地、東北地方などでは、新暦の7月15日にお盆があります。これは東京が日本各地域の模範となるようにと新暦へ移行したことがきっかけです。
8月15日(月遅れ盆)
北海道、新潟、長野、山形、関東南部、関西地方といった大半の地域が、月遅れ盆といって8月15日をお盆としています。
7月15日あたりは農家にとって繁忙期であるため、農業を生業としている地域が多いのが特徴です。
旧暦7月15日(九月盆)
沖縄や南西諸島においては旧暦の7月15日がお盆。毎年一定の時期に定まることがなく、新暦の9月になることもあるため、九月盆と呼ばれています。沖縄や南西諸島はご先祖様をとても大切にしているため、旧暦を採用しているのだとか。
お盆のスケジュールとは
基本的には7月15日がお盆となりますが、実は月初からスケジュールが決まっているということをご存じでしょうか。
ここではお盆のスケジュールについて紹介します。
1日:釜蓋朔日(かまぶたついたち)
あの世の門が開く日です。ご先祖様の霊が冥土から家に旅立つ日で、冥土から現世の家までは距離があるため、迎え盆に間に合わせるには月初に旅立つ必要があるのだそう。
7日:七日盆(なぬかぼん)
お盆の準備を始める日。お墓の掃除はこの日か、11日に行います。七日盆で供えるのが精霊棚と幡。読みをつなげると「たな」と「はた」で「たなばた」となることから、現代の七夕の語源の一つとも考えられています。
12日:お迎えの準備をする日
花、お団子、お供え物を買って、お迎えの準備をする日です。地域によってはこの日に前倒しで迎え盆をおこなうところも。
13日:迎え盆(むかえぼん)
精霊棚を整えてお墓参りをし、夕方には迎え火をします。迎え火でおがらをほうろくの皿で焚くのは、先祖の霊が迷わないようにするため。
お迎え団子としてあん団子をお供えするのも忘れないようにしましょう。
14日:お盆中日
迎え入れた霊を供養するため、おはぎを供えます。朝夕、水の子、ご霊膳などのご馳走を用意しましょう。
15日:霊の供養
同じく霊を供養するため、細く長く幸せが続くようにとの意味を込めてそうめんをお供えします。
16日:送り盆
手土産として送り団子の白団子をお供えし、夕方にはおがらを焚いて送り火で送ります。
お盆のお供え物の意味を知っていますか?
お盆のお供え物にも地域性がありますが、基本的なものやその意味を知っておきましょう。
皮を剥いだ麻の茎(おがら)・ほうろくの皿
皮をはいだ麻の茎を「おがら」といい、古くから清浄なものとされてきた麻の「おがら」を迎え火・送り火で燃やすことで、場を清める意味があります。ほうろくの皿は手に入りにくいので、代用でも可能です。
まこも(イネ科の植物)
まこもは古くから病人を寝かせて治療させていたことから、場を清める意味を持っています。ご先祖様に涼しく過ごしてもらうため、という意味も。
食べ物・お供え物
季節の果物、野菜、そうめん、団子、花などをお供えします。季節の果物や野菜は季節柄手に入りやすく、おさがりとして見舞い客にふるまえば喜ばれるでしょう。
そうめんは地域によってさまざまな理由があり、「幸せが長く続くように」「帰りに乗る精霊馬の手綱に見立てて」といった意味があります。
仏具
提灯やぼんぼり、ろうそく、お線香、線香立て、蝋燭立て、リンなどをセットします。提灯に見立ててほおずきを盆棚や玄関に飾ることも。香りは故人にとって上等な食べ物とされているので、ろうそくやお線香、それを支える蝋燭立てや線香立てがお供え物として好まれるようです。
きゅうり、なす
精霊馬と呼ばれる馬にきゅうりを見立て、ご先祖様が馬に乗って早くこちらに帰ってこれるようにという願いを込めて飾ります。
ナスは牛に見立てられており、こちらはゆっくりあの世に戻られるようにという願いから。
お盆にまつわる地域行事について
実は、夏の行事や地域行事にはお盆由来のものが多く存在しています。
盆踊りはお見送りするご先祖様の霊との別れを惜しむ踊りです。京都の大文字焼きや、地域によって行われる精霊流しも霊を供養するためのもの。火を焚くと霊は自分が供養されていると感じて喜ぶらしく、花火も本来は賑やかに霊を供養するところから生まれたとされています。
お盆にはご先祖様へ感謝しよう
お盆の基本的な習慣についてご紹介しました。地域による違いは多少あるものの、ご先祖様に感謝するという意味合いが込められているという点ではどれも同じ。
正しいお盆の習慣を身に着けて、ご先祖様への感謝の思いを伝えましょう。