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チンゲン菜の旬は晩秋
チンゲン菜は1970年ころに中国から伝わった野菜です。寒暖差に強く生育が早いため北海道から沖縄まで全国的に栽培・出荷されていて通年手に入ります。
そのため、旬を感じにくい野菜でもありますが、露地物が多く出荷される春と秋の穏やかな気候の時が美味しいとされています。中でも、気温が下がる晩秋の時期が最も味が良くなると言われています。
チンゲン菜の選び方
葉の状態
チンゲン菜の葉は緑色が濃すぎるものは、成長し過ぎていてアクが強い可能性があるため葉の色は「淡い緑色」がベストです。葉の色は鮮度が落ちると黄色く変色してきますので黄色の葉のものは避けましょう。
また、葉の状態は肉厚でハリのあるものは甘みが強いと言われています。「幅が広く肉厚で、ツヤのある鮮やかな緑色」を選ぶと良いでしょう。
茎にも注目
茎は短く幅広く太いものがおすすめです。株の根元付近はふっくらとしているものは甘味も強いと言われています。また、切り口が変色していないキレイなものが新鮮です。「ふっくらと丸みがある短めのもの」を選ぶと良いでしょう。
チンゲン菜の保存方法
立てて野菜室に保存
チンゲン菜は乾燥に弱く、葉がすぐにしなびてきてしまうため早めに使い切るのがおすすめです。乾燥に弱い一方で水滴などの水分にも弱いため濡らしてしまうと傷みが早くなります。
シャキッとした食感を楽しみたい場合は、チンゲン菜が乾燥しないよう濡れた新聞紙や水で濡らしてからかたく絞ったキッチンペーパーで包みビニール袋に入れましょう。
保存する場所は野菜室で、上向きに立てて入れるようにします。上に向かって成長する葉野菜は横にするより立てることで余分な栄養分や糖分を消費せずにすむと言われています。
保存期間は3日前後を目安に早めに使うようにします。
長期保存には冷凍がおすすめ
チンゲン菜を長期保存したい場合は、早めに冷凍保存するのがおすすめです。冷凍保存の場合は、水分が多いチンゲン菜などの葉野菜は生のままは不向きです。
解凍後に水分が多くなり食感も歯ごたえもべちゃっとしてしまいます。チンゲン菜を冷凍する際は茹でたり加熱をしてから冷凍するようにしましょう。
下茹で方法
- 水1リットルに対して大さじ1杯強の塩を入れて沸騰させます。
- 厚みのある茎のほうから入れます。
- 15秒ほどして茎がしんなりしてきたら葉のほうも浸します。
- 冷凍する場合は固ゆでがよいためサッと茹でます。
- 冷水にさらして水気をよく絞ります。
お浸しや和え物に使う場合は、茹で時間は全体で1分前後を目安にするのがおすすめです。炒め物に使う場合は再加熱するためもう少し短い時間にしておくほうが良いでしょう。
冷凍方法
- 下茹でしたチンゲン菜を根元と葉の向きを揃えます。
- 4~5㎝ほどの長さに切ります。
- もう一度よく絞って水気をしっかり切ります。
- 使いやすいよう小分けにしてラップに包みます。
- ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
下茹でしたチンゲン菜の冷凍保存期間は約1カ月ですが、できるだけ早めに使います。
チンゲン菜の切り方と下処理
基本の切り方
チンゲン菜の基本の切り方は葉の部分と茎の部分では火の通りが違うため分けて切ります。葉と茎で柔らかさが違うので、それぞれ切り分けて茎から先に加熱すると火の通りが均一になり、仕上がりも良くなります。
- チンゲン菜は根元に土が溜まりやすいので、根元を手で開きながら念入りに洗います。
- 洗ったチンゲン菜の葉と茎の境に包丁を入れ分けます。
- 茎部分を縦に2等分し、放射状に等分に切ります。
- または、縦に割る切り方や同じ間隔のざく切りでもよいです。
- 葉の部分は3㎝ほどの大きさに切るか、ざく切りにします。
- 葉が大ぶりなものは1枚ずつ縦に半分に切ってから使いましょう。
少量を使う場合は1枚ずつ剥がして切ります。
料理に合わせた切り方
チンゲン菜は彩りの良さもあり、中華料理などでは葉と茎を切り分けずにそのままの形で使われることも多いです。小ぶりなものはそのまま縦に2等分または4等分します。大き目のものは、1枚ずつ剥がして使いましょう。
また、スープなどで葉の食感を柔らかくしたい場合には、あえて包丁を使わず葉を手でちぎるのもおすすめです。繊維を経つようにちぎると食感が柔らかくなります。
電子レンジで下茹でする方法
下茹でを簡単に済ませたいときは電子レンジを使うのも良いでしょう。よく洗ったチンゲン菜を好きな大きさにカットします。耐熱容器に入れてラップをして600Wで3分程度加熱します。よく水気を切ったら和え物やお浸しなどにそのまま使えます。
チンゲン菜に関するQ&A
A.主な産地は茨城県で次いで静岡県となっています。北は北海道から南は九州まで全国的に生産されていて、日本の両端に位置する北海道と沖縄それぞれが産地ベスト10にはいっているほどです。
A.通常のチンゲン菜の葉は20㎝くらいに対し、ミニチンゲン菜は10~15㎝ほどと小さい品種です。カタチも食感も風味も、通常のチンゲン菜をそのまま小さくしたようなものですが、株が小さいため切り分けなくてもひと株で料理に使うことができます。プランターで30日程度と手軽に育てられるため、家庭菜園としても人気です。
チンゲン菜の栄養
βカロチン
チンゲン菜にはβカロチンが豊富に含まれていて、その量はピーマンと比較すると約6倍の量と言われています。
βカロチンは体内でビタミンAに変換し活性酸素の働きを抑制する作用があり、免疫を高めたり、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、がんの予防やアンチエイジングケアなど健康を保つために重要な働きをする栄養素と言われています。
他にも視力の維持やドライアイの効能も期待できるため、パソコンやスマホなどの使い過ぎによるドライアイの予防にも役立つと言われています。
ビタミンC
チンゲン菜にはビタミンCも含まれています。水溶性のビタミンであるビタミンCはコラーゲンの育成に関与する物質です。皮膚のメラニン色素の生成を抑えたり、病気やストレスに対する抵抗力を高める働き、抗酸化作用を持ち合わせていると言われています。
カリウムとカルシウム
カリウムにはナトリウムを排泄する働きがあると言われているため、血圧を下げる効果が期待できます。また、長い時間の運動などで筋肉が痙攣してしまうことを防ぐ役割もあると言われています。
カルシウムは歯や骨の主要な構成成分であるほか、細胞の分裂や筋肉の収縮、血液凝固作用の促進などに関与していると言われています。
イソチオシアネート
チンゲン菜は、小松菜や大根、ブロッコリーなどと同じアブラナ科の野菜です。このアブラナ科の野菜にはイソチオシアネートという辛み成分が含まれています。
イソチオシアネートは、抗ガン作用・抗菌作用、動脈硬化予防などさまざまな健康に役立つ機能性を秘めていると注目されている成分です。
さいごに
チンゲン菜は煮崩れもせずアクも少ないので、いろいろな料理に使いやすい野菜です。
スーパーでは通年見かけますが、特に美味しい季節は晩秋のころなので、この時期には積極的に取り入れてみましょう。また、栄養価が高い点もチンゲン菜の魅力ですね!