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にんにくにカビが生えたら食べずに処分したほうがいい!
ニンニクの皮や種球部分に生えてしまったカビ。カビの部分だけ取り除けば食べられるだろう…と思う人もいるかもしれませんが、実際のところどうなのでしょうか。カビが生えたニンニクが食べられるのかどうか、詳しく解説します。
少しでもカビが生えていたら食べない
カビが生えた部分を取り除いても、目に見えないカビの菌糸が種球内部に広がっている可能性もあります。ひとたびカビが生えると、カビの胞子はあちらこちらに浮遊し、菌糸を伸ばして育ってしまいます。
またカビは、加熱して死滅させることができても「カビ毒」を完全に消すことはできません。ニンニクにちょっとでもカビが生えたら処分するのが賢明です。
カビたニンニクを食べたときの危険性
カビには「カビ毒」といわれる毒素が含まれており、口に入れることで急性胃腸炎を発症する恐れがあります。とはいえ、食中毒のような急性症状を発症することはほとんどありません。
長期にわたりカビを食べ続けた場合に、内臓や免疫系に悪影響を及ぼすことがあります。カビ毒のなかには発ガン性物質を含むものもあるので注意が必要です。
《 ポイント 》
- 目に見えるカビの部分を除去してもカビの菌糸が残っているので、カビが生えたニンニクは食べない!
- カビに含まれるカビ毒を長期間食べ続けることで、体に悪影響を及ぼす
- カビ毒のなかには発ガン性物質を含むものもある!
カビが生える場所
カビはニンニクのあらゆる部分に生えます。皮を剥いた中の部分は水分が多いため、カビが一番生えやすい部分。外側の皮部分や種球の下(底)の根を切り落とした部分は比較的乾き気味ですが、保存状態が悪ければ容易にカビが繁殖してしまうので、注意しましょう。
《 ポイント 》
- カビは種球だけでなく外側の皮の部分などにも生える!
カビの生えたニンニクの処理方法
基本的に、カビが生えたニンニクは食べずに処分したほうがいいでしょう。目に見えない部分にもカビの胞子が付着し、育っている可能性があります。カビの胞子は四方八方に浮遊するため、以下の手順に従って処分しましょう。
- カビがついたニンニクを、胞子が飛ばないよう注意しながら取り出してポリ袋に入れる。
- カビの胞子を吸い込まないようにして、ポリ袋の口をしっかり結ぶ。
- 2のポリ袋をさらにもう1つのポリ袋に包んで口を結び、ゴミ箱に捨てる。
カビが生えたニンニクと同じ場所に保管していたニンニクは、表面上カビが生えていなくても、内部でカビが育っている可能性があります。もしカビ臭かったりカビの味がしたりする場合は、もったいないですがすべて処分しましょう。
《 ポイント 》
- カビが生えたニンニクを処分する際には、カビの胞子が浮遊しないように注意する!
- カビの生えたニンニクはポリ袋に入れて2重にし、しっかり口を結んでから捨てる
にんにくにカビが生える原因
ニンニクの皮はパリパリに乾いているのに、なぜか生えてしまうカビ。ニンニクにカビが生えやすい理由は何なのでしょうか?ニンニクにカビが生える原因について、具体的に見ていきましょう。
室温・湿気が高い
「湿気が高い、室温が高い」といった、カビが好環境でニンニクを置いておくとカビが発生します。保存状態に気をつけなければ、皮の内側に湿気がこもり、すぐにカビが生えてしまうのです。
ネットに大量に入ったニンニクは、ニンニク同士が密になっており、内側部分には湿気がこもっています。スーパーなどで購入する前に、カビが生えていないかどうかしっかりチェックしてくださいね。
風通しが悪い
ビニール袋に入れたままで保存するとカビが生えやすくなります。にんにくから自然に出る水分がこもってしまい、カビが発生しやすい状況になるからです。スーパーで購入した後はビニール袋から出して風通しの良い場所で保存してください。
乾燥が不十分
ニンニクの種球部分は水分量が多いため、皮や茎部分の乾燥が不十分だとカビやすくなります。ニンニクの皮や薄皮は発芽を抑える役割があり、栽培時には剥いてから土に植えます。
収穫後は、皮と薄皮が種球の乾燥を防ぎ長期の保存を可能にしますが、その一方で湿気をこもりやすくさせてしまうことも。ニンニクを収穫した直後にしっかり乾燥させておかなければ、皮や茎に水分が残りカビが生えやすくなってしまうのです。
《 ポイント 》
- 温度と湿度が高めの場所にニンニクを常温保存すると、カビが生えやすい
- ニンニク同士がくっついていると、湿気がこもってカビが生えやすい
- ニンニクの皮や茎部分の乾燥が不十分だと水分が残り、種球にカビが生えやすくなる!
にんにくをカビさせない保存方法
ニンニクをたくさん購入したら、なるべくカビが生えないように長持ちさせたいですよね。カビを防ぐためには、保存の際にちょっとしたコツがあります。ニンニクの正しい保存方法について、詳しく見てみましょう。
「常温」で保存する場合
常温保存で気をつけなければならない点は「温度と湿度」です。高温になるとカビが生えるだけでなく、芽も出てしまいます。それでは、常温保存の手順を見てみましょう。
- ニンニクを袋から出し、ザルやネットなどの通気性のいい入れ物に入れる。
- 日の当たらない風通しのいい冷暗所に置くか、軒下などに吊るす。
ニンニクの常温保存は、気をつけていてもすぐにカビが生えてしまうので、長期保存するのはあまりおすすめできません。
《 ポイント 》
- ニンニクを常温保存するときのポイントは、風通しのよさと低温!
「冷蔵」で保存する場合
冷蔵庫に保存するときに注意すべきポイントは、湿気と臭い移りです。ニンニクの冷蔵保存は、以下の手順でおこないましょう。
- ニンニクを小分けにして新聞紙で包み、ポリ袋に入れて口をしっかり結ぶ。
- 野菜室に入れて保存する。
皮と薄皮を剥いたニンニクの場合は、1片ごとにキッチンペーパーで包み、ジッパー付きの保存袋に入れて野菜室で保存しましょう。うまくいけば、2ヵ月以上もちますよ。
《 ポイント 》
- ニンニクを丸ごと冷蔵保存する際は、新聞紙で包んでからポリ袋に入れる
「冷凍」で保存する場合
ニンニクを冷凍すれば、カビが生える心配がなく長期の保存が可能。だいたい1ヵ月持つので、おすすめです。
- ニンニクの房をバラして皮と薄皮を剥き、ラップで包む。
- ジッパー付きのフリーザーパックに入れて、冷凍保存する。
ニンニクをみじん切りやスライス、すりおろしてから冷凍することもできます。小分けにして空気が入らないようにラップで包み、なるべく平らにしてください。ジッパー付きのフリーザーパックに入れて、冷凍保存しましょう。
《 ポイント 》
- ニンニクを冷凍保存すれば、カビの心配がなく約1ヵ月もつ!
- ニンニクを冷凍する際、空気が入らないようにラップで包んでからフリーザーパックに入れる
調理して保存する方法もおすすめ
薄皮を剥いたニンニクをそのまま醤油に漬ければ長期保存でき、ニンニク醤油を炒め物などに使えてとても便利。冷蔵保存すれば約1年もちます。
同様に、オリーブオイルに漬け込んだ「ニンニクのオリーブオイル漬け」もおすすめです。スライスやみじん切りにしてから漬ければ、ニンニクに含まれるアホエンという有効成分が抽出できます。保存期間は、約1ヵ月です。アホエンたっぷりのオリーブオイルを使うことで、抗菌・抗ウイルス作用や、コレステロールを下げる効果が期待できますよ。
《 ポイント 》
- ニンニクの醤油漬けは、約1年もつ!
- ニンニクのオリーブオイル漬けは、約1ヵ月もつ!
生えたカビの種類と見分け方
ニンニクに生えるカビの種類は、1種類ではありません。ニンニクに生えるカビの色を見れば、カビの種類や特徴がわかります。ニンニクに生えるカビの色別に、カビの特徴についてまとめました。
緑色のカビ
ニンニクに生えるカビのなかでもとくに多いのが緑色をした青カビ。餅やパンなどに生えるカビと同じで、特有のカビ臭いニオイがします。青カビには数種類ありますが、毒性の強いカビ毒である「マイコトキシン」を産出する割合は低いです。
しかし、劣化により味が悪く、ほかのカビも増殖している可能性があるので、絶対に口に入れないようにしましょう。
黒いカビ
まれに見られるニンニクの黒いカビの正体は、コウジカビとクラドスポリウムであることが多いです。クラドスポリウムは、風呂場や窓のサッシにつくカビと同じ。黒カビは気管支炎などのアレルギー症状を起こす原因になるので、見つけたら胞子が飛ばないよう注意しながらすぐに処分してください。黒ではなく、濃い深緑色をしたタイプのカビもあります。
白いカビ
ふわふわした綿毛のような白カビは、コウジカビであることがほとんど。なかには「ケカビ」と呼ばれるケカビ属(ムコ―ル)の白カビもあります。輸入ニンニクに生える白カビには要注意。
「アフラトキシン」といわれる毒性の強いカビ毒を発生させることがあるので、見つけたら丸ごと処分しましょう。
《 ポイント 》
- 緑色のカビは比較的毒性が弱い
- 輸入ニンニクに生える白カビは、毒性の強いカビ毒を発生させるため要注意!
- 黒カビにはアレルギー症状を引き起こす可能性がある
まとめ:正しく保存してニンニクのカビを防ごう!
ニンニクをちょっと料理に加えるだけで、風味がよくなり食欲も増しますよね。ニンニクは過敏性腸症候群の方にとってはNGですが、そうでない方にとっては毎日食べたい健康食材。つねにストックしておきたい野菜のひとつですが、カビが生えやすいのがデメリット。
しかし今回紹介した保存方法を参考にすれば、カビを防ぎ長持ちさせることができます。もしニンニクのカビを発見したら、早めに処分してくださいね!