目次
泥汚れが落ちにくい理由
なぜ泥汚れは落としにくいのでしょうか?泥とそれ以外の汚れの性質や、落とし方を解説します。
そもそも「泥汚れ」ってどんな汚れ?
泥汚れとは、文字通り、服や靴に泥がべったりと付いてしまうことです。泥は、水や液体洗剤をかけても簡単には落ちません。
衣類についた汗や皮脂汚れ、油汚れもなかなか頑固ですが、洗剤で落とすことができます。ではなぜ、泥は落とすことができないのでしょうか?
泥汚れは水や洗剤に溶けにくく、馴染みやすい性質を持っているからです。そのため、水や洗剤をかけても流れず、繊維の奥にどんどん染み込んでしまいます。
簡単に洗うことができないので、主婦にとって非常に厄介な汚れといえるでしょう。
《 ポイント 》
- 泥汚れは、衣類や靴に泥がべったりと付いた汚れ
- 水や洗剤をかけても簡単には落とせず、繊維の奥に染み込んでしまう
泥汚れ以外の汚れも考慮しておく
落としにくい汚れは、泥以外にもたくさんあります。それぞれの特徴を理解して、汚れ落としの方法を変える必要があるのです。
汚れは4つのタイプに大きく分けられるので、それぞれ見ていきましょう。
- 水溶性の汚れ
水に溶けやすい汚れ。衣類についた汗や砂糖、果汁による汚れを指します。 - 不溶性の汚れ
水で溶けにくい汚れ。砂や鉄分、ホコリなどを指します。 - 油性汚れ
動物性や植物性の油、または油脂などの油分を含んだ汚れを指します。 - 特殊汚れ
カビや細菌による汚れです。
泥汚れは不溶性の汚れに該当します。
《 ポイント 》
- 汚れのタイプは4つある
- 泥汚れは「不溶性の汚れ」に該当する
正しい手順で洗えば泥汚れは落ちる!
泥汚れは水や洗剤をかければかけるほど、繊維の奥に染み込んでしまう非常に厄介な汚れです。簡単な方法では落とせません。
しかし、適切な手順と方法で洗えば、泥汚れといえど綺麗さっぱり落とすことが可能です。泥汚れをキチンと落とすには、2つの方法があります。
それは「泥を乾かすこと」と「洗濯用固形洗剤を使うこと」です。その理由を説明しましょう。
まず、泥を乾かす意味から説明します。泥は水をかけても余計にへばりつくだけですが、乾燥させることで個体に戻り、物理的に落としやすくなります。
次に洗濯用固形洗剤を使う意味は、泥との相性が良いからです。ただの液体洗剤を使っても、泥が馴染んでしまいます。
しかし、洗濯用固形洗剤は水や油に溶けやすい性質をもっているため、泥を溶かして落としてくれるのです。それでも落とせない時の、とっておきの方法もあるので後で紹介します。
《 ポイント 》
- 泥汚れは、泥を乾燥させることと洗濯用固形洗剤を使うことで落とすことができる
服の泥汚れの落とし方
泥汚れがひどいサッカーや野球のユニフォーム。お子様がいる家庭では泥で汚れたTシャツ・体操服・靴下に日々悩まされていることでしょう。
ここでは、泥汚れの基本的な落とし方についてご説明します。
準備するもの
泥汚れを落とすときは、以下のものを用意してください。
- ドライヤー
- 歯ブラシ
- バケツ
- 洗濯用固形洗剤(固形石鹸)
- 食器用洗剤(中性)
- 重曹
- オキシクリーン
泥汚れを落とす手順
汚れを乾燥させる・直接落とす・洗剤を付ける・洗濯機で洗うの手順で、泥汚れを落とすことができます。
それぞれの手順を細かく見ていきましょう。
ドライヤーで泥を乾かす
服が濡れていれば(または泥が水分を含んでいたら)、ドライヤーを使って泥汚れの部分を乾かしていきます。乾燥させると、泥は落としやすくなります。
泥を手ではたいて落とす
完全に乾かしたら、手で服をはたいて泥を落としてください。ある程度落としたら、次の手順に移ります。
歯ブラシを使って泥を落とす
歯ブラシを使って、泥汚れの部分を優しくゴシゴシと磨きます。こうすると、繊維の奥に入った泥をかき出すことができるのです。
洗濯用固形洗剤を服に塗布する
洗濯用固形洗剤を、泥汚れの部分に塗布してください。塗る前に、服と洗剤の両方をぬるま湯で湿らせておくと塗りやすくなるでしょう。
泥が繊維の奥へ逃げないように、洗剤は生地の両面に塗ってください。泥汚れの部分が、少し白くなるまで塗ればOKです。
バケツでもみ洗いする
ぬるま湯を張ったバケツで、泥汚れと洗剤を落とします。繊維の奥に汚れが染み込まないように、シャツは裏返しにして入れましょう。
汚れが出なくなるまで、しっかりともみ洗いしてください。
食器用洗剤をかける
もみ洗いが済んでも、泥以外の汚れは完全に落ちていないはずです。そこで、食器用洗剤をうっすら汚れが付いている場所に直接たらしてください。
洗剤を付けたら、もみ洗いします。その後、ぬるま湯の流水で汚れと洗剤を洗い流しましょう。
洗濯機で洗う
仕上げに洗濯機で洗浄すれば、泥汚れ落としは完了です。
以上が、泥汚れの基本的な落とし方です。それでも落とせない頑固な泥汚れは、重曹やオキシクリーンを使った浸け置き方法を次の項目で紹介します。
《 ポイント 》
- 落とす手順は、乾燥・ブラッシング・洗剤で落とす・洗濯機で洗う
- 洗剤は生地の両面につける
重曹を使って落とす方法
上の方法でも落とせない頑固な泥汚れは、重曹やオキシクリーンを使用して落としましょう。手順は以下です。
- バケツにお湯と重曹かオキシクリーンを入れる
40℃から60℃のお湯をバケツに張り、重曹またはオキシクリーンを入れます。 - 浸け置きする
重曹なら1時間、オキシクリーンなら30分程浸け置きしましょう。 - 洗濯機で洗う
浸け置きが終わったら水でよくすすいで洗い、洗濯機でいつも通り洗えば汚れは落ちているはずです。
《 ポイント 》
- 頑固な泥汚れは重曹かオキシクリーンの浸け置きで落とせる
どうしても落ちない場合は「煮洗い」する
重曹とオキシクリーンの浸け置きでも汚れが落とせない場合は、煮洗いで落としましょう。
汚れた服が入るほどの大きい鍋を用意してください。その鍋で水を沸かし、重曹と洗濯用液体洗剤を混ぜて加えます。
鍋に服を入れて、5分から10分ほど煮込み続けてください。火を止めた後も浸け置きして、手で触れるくらいまで冷めるまで待ちましょう。
その後は洗濯機で通常モードで洗えばOKです。
《 ポイント 》
- 重曹やオキシクリーンの浸け置きでも落ちない汚れは煮洗いする
やってはいけないNGな洗い方
泥汚れに対して、やってはいけない洗い方は「最初に水洗いする」ことです。前述しましたが、泥は水では溶けず、逆に馴染んでしまう性質を持っています。
そのため、水をかけると繊維に染み込んでしまい余計に落としにくくなってしまうのです。泥汚れはまず「乾かすことから始める」ということを念頭に置きましょう。
《 ポイント 》
- 泥汚れは最初に水洗いしてはいけない
靴の泥汚れの落とし方
布地・革製・スエードの靴についた泥汚れの落とし方を3つ紹介します。
布地の靴やスニーカーの場合
用意する物
- ドライヤー
- 洗濯用固形洗剤(または重曹)
- 靴用ブラシ(または歯ブラシ)
- ヘラ
手順
- 中敷きと靴ひもを外す
中敷きと靴ひもは、お湯でもみ洗いし、乾かしましょう - 泥を乾かす
ドライヤーを使って泥を乾かします。(または自然に乾かす) - 泥をブラシで落とす
靴用ブラシを使って、乾いた泥を落としてください。 - 洗濯用固形石鹸をつける
靴に直接石鹸を塗りつけて、ブラシで泡立てて泥を溶かしましょう。 - ヘラで泥をそぎ取る
浮いた泥をヘラでかきだします。 - ぬるま湯洗いして干す
ぬるま湯で泡と汚れを洗い流し、天日干しすれば終了です。
革靴の場合
用意する物
- 柔らかい素材の布2枚
- 革靴用クリーナー
- カビ防止スプレー
- 靴用ブラシ
- 歯ブラシ
手順
- ブラシと布で泥を落とす
革靴表面についている泥を靴用ブラシと布で落とし、ソール部分などに付いた泥は歯ブラシで落とします。 - 革靴用クリーナーで汚れを落とす
布に革靴用クリーナーをつけて、革靴表面の汚れを拭き取るように塗布しましょう。 - カビ防止スプレーを内側に染み込ませる
2枚目の布にカビ防止スプレーを噴きかけ、革靴の内側に染み込ませましょう。 - 乾かす
風通しのよい日陰で自然乾燥させれば終了です。
スエード靴の場合
用意する物
- 靴用ブラシ(または歯ブラシ)
- スポンジ
- スエード靴用の洗剤
- バケツ
- タオル
- 防水スプレー
手順
- 中敷きと紐を外す
- 靴と泥を乾かす
泥を落としやすいように、靴を乾かしましょう。 - ブラシで泥を落とす
ブラシで泥を落とします。ブラッシングするときは、一定方向に行いましょう。 - バケツにぬるま湯とシャンプーを入れて混ぜる
- 靴表面にシャンプーをつける
スポンジにシャンプーをつけて泡立てて、靴表面につけましょう。内側に染み込まないように、靴内部にタオルを敷き詰めてください。 - ブラッシングする
表面を優しくブラッシングし、汚れを落とします。 - スポンジでこする
湿らせたスポンジを使って、靴表面のぬめりがなくなるまで何度もすすぎ洗いしましょう。 - タオルで水気を拭き取る
干す前に、靴についた水気をタオルで拭き取ります。 - 乾かす
日陰で、風通しの良い場所に靴を干して乾燥させれば終了です
泥汚れの落とし方に関するQ&A
泥汚れの落とし方に関する疑問にお答えします。
A.洗濯しても落とせない頑固な泥汚れは、重曹やオキシクリーンを使用して落とすことができます。また、それでも落とせない場合は「煮洗い」が有効です。
A.洗濯用の固形石鹸である「ウタマロ石鹸」は、繊維の奥に染み込んだ細かい泥を取り出しやすくする効果があるのでおすすめです。
A.泥を乾かし、布巾で優しく泥を落とします。その後、歯ブラシと洗濯用洗剤を使用して泥を流しましょう。
柔らかい生地で泥が落としにくい場合は、綿棒も一緒に使うと良いでしょう。
《 ポイント 》
- 頑固な泥汚れは煮洗いで落とす
- 泥汚れ落としには、ウタマロ石鹸がおすすめ
- ナイロンについた泥汚れは、歯ブラシと同時に綿棒を使えば落としやすい
まとめ:正しい手順で泥汚れをキレイに落とそう
泥汚れは水になじみやすい性質なので、水や洗剤をかけても簡単には落とせません。すぐに水をかけてしまうと、泥は繊維の奥に染み込んでしまい、余計に落としにくくなります。
泥を落とすときは、一度泥を乾燥させてブラッシングで落とし、洗剤で落とすのが基本の洗い方です。どうしても落とせない頑固な泥汚れは、浸け置きや煮洗いで落とすことができます。
この記事を参考に泥汚れを落として、汚れた衣類や靴をきれいにしてくださいね。