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なすを冷凍保存するメリット
和風の炒めものやトマトソース煮など、なすを使った美味しいメニューは和洋問わずたくさんありますよね。そんななすを無駄にすることなく、冷凍保存しておくと、忙しいときにとても便利です。
お弁当のおかずには、味付けしたなすをシリコンカップなどに入れてからラップをして冷凍保存しておくと、時間のない朝にとても重宝します。冷凍なすをカップのままお弁当に入れておくと少しずつ自然解凍され、食べる頃には程よくなっているでしょう。
もちろん常温でも冷蔵保存でもよいのですが、なすのへたの切り口の部分から水分が蒸発しやすいので、すぐにしなびて風味も落ちてしまいます。常温での保存期間は2~3日ぐらいです。
なすを冷蔵する場合は、ラップに包んでから冷蔵庫に入れて、へたを上に向け立てた状態で保存すると、3日~1週間ほど持ちます。ですが、低温に弱いなすは、5℃以下に冷やされてしまうと低温障害を起こし、種が黒くなったり、傷みやすくなってしまいます。
なすは、常温や冷蔵での保存にはあまり向きませんが、冷凍することにより1~2ヶ月の長期保存が可能になります。
他にも冷凍することで、なすの水分が抜けて皮の食感がよくなり、炒めることでシャキシャキとした食感が楽しめます。また、冷凍することにより、繊維が切れて味が浸みこみやすくなるため、ラタトゥイユなどの煮込み料理では、短い時間でしっかりと味が浸み込みます。
なすを冷凍保存にすると、このようなメリットがあるのです。
《 ポイント 》
- なすは常温や冷蔵では長期保存ができない。
- 味付けしたなすを冷凍保存してそのままお弁当のおかずにできる。
- なすを冷凍すると1~2ヶ月の長期保存が可能。
- なすのシャキシャキとした食感を楽しめる。
- なすは短い時間で味が良く浸み込む。
なすの冷凍保存の方法
なすを冷凍保存する場合、3つの方法がありますので、それぞれの方法を把握しておくことが、美味しく食べるためのポイントになります。
生のまま冷凍
生のまま冷凍したなすを解凍した後は、やや水っぽくなるのですが、煮込み料理に使うと味の浸透が速く、また炒め物にすると火が通りやすくなるので、調理時間を短縮することができます。
なすはパスタやグラタンには輪切り、炒め物や煮物に使いたい場合は乱切りにするなど、使う料理に合わせたサイズにあらかじめカットしておきましょう。
手順
- なすをカットする
なすのへたを取ったら、料理しやすいサイズにカットします。 - アクを抜く
なすを5分ほど水にさらしてアクを抜き、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。 - 保存袋で冷凍する
なすが重ならないようにジップつきの保存袋の中に並べて入れ、空気を抜いてから冷凍庫に入れます。
解凍
冷凍したなすを解凍すると水分が出て食感が悪くなってしまうので、凍ったままの状態で料理に使うのがおすすめです。
よって、トマト煮やラタトゥイユ、カレー、シチューなどじっくり煮込む料理に向いています。炒め物の場合、凍ったままのなすをフライパンに入れると温度が下がってしまいます。
それを避けたい方は、軽く電子レンジで温めてから、水気をペーパータオルなどで拭き取ってから加えてもよいでしょう。
ただし、みそ炒めや麻婆なすのような加熱時間が比較的短めな料理には、皮の硬さが残ってしまうため向かないようです。
加熱してから冷凍
なすを生のままで冷凍するよりも、ある程度味が落ちるのを防ぐことができます。
手順
- なすをカットする
なすはへたを取ってから、料理しやすいサイズにカットします。 - 加熱する
なすが重ならないように 耐熱皿に並べ、ラップをして600wで5分ほど加熱します。 - 冷ます
なすの粗熱をとります。 - 保存袋で冷凍する
なすをジップつきの保存袋の中に重ならないように並べ、空気を抜いてから冷凍庫に入れます
解凍方法
生のままで冷凍したなすと同じように、煮込み料理や味噌汁の具に、凍ったまま入れて調理します。一度火が通ってあるものなので、時短にも繋がります。
調理してから冷凍
少し手間はかかりますが、揚げたり焼いたりしたなすも、冷凍することで賞味期限を延ばし、必要な時にいつでも使うことができます。
また、味付けしたものを小分けにして冷凍しておけば、お弁当のおかずや時間がない時の簡単な一品としても役に立ちます。好みや状況に合わせて、自分に合っている調理方法を選ぶと良いでしょう。
なすを調理してから冷凍した場合の保存期間は1~2ヶ月になりますので、常備菜として時間のあるときに作っておくのもよいでしょう。
また、焼く・煮る・揚げるなどして一度加熱調理をしたなすを解凍する場合には、冷蔵庫でゆっくり解凍するといいのですが、急ぎの時には、電子レンジの解凍モードで解凍することもできます。
揚げなす
手順
- カットして塩水につける
なすはヘタを取り、5〜6等分の乱切りにし、塩水に5分つけます。 - 水気を取る
ペーパーを挟んで、しっかり水気を拭き取ります。 - 素揚げする
フライパンに底から2㎝ほどの油を入れ、高温でなすを素揚げします。 - 油を吸い取る
なすが揚がったら油を切り、ペーパーで油をしっかり吸い取ってから冷まします。 - 冷凍する
なすが冷めたらラップを敷いたバットに並べ、上にもラップをかけ、冷凍します。
完全に凍ったら保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍保存します。
解凍
油で揚げたなすは凍ったまま調理します。
焼きなす
加熱しても品質はほとんど変わらず、美味しいまま保存できる「焼きなす」もおすすめです。解凍後は、薬味や削り節を加えしょうゆをかけるだけのとても手軽にできる一品になります。
手順
- なすを焼く
なすをグリルや焼き網などで皮が黒くなるまで焼きます。 - 皮を剥ぐ
なすの皮を剥いてよく冷まし、食べやすい大きさに切ります。 - 冷凍する
使いやすい分量に小分けしたものをラップで包んでから、なすをジップつきの保存袋に入れ、なるべく空気を抜いてから冷凍庫へ入れます。
解凍
冷凍したなすは前日のうちに冷蔵庫に移して自然解凍するといいでしょう。急ぐ場合は電子レンジでもOKです。解凍モードがあればそれを押し、なければ「弱」で加熱して解凍します。
《 ポイント 》
- なすを生のまま冷凍すると味の浸透が速く時短になる。
- なすを加熱してから冷凍すると味が落ちるのを多少防ぐことができる。
- 揚げたり焼いたりしたなすは時間がない時の簡単な一品として役に立つ。
- 油で揚げたなすは凍ったまま調理。
- 焼きなすは冷蔵庫に移して自然解凍にする。
解凍後の食感や味について
冷凍保存したなすの解凍方法は、
- 常温に出して解凍
- 冷蔵庫でゆっくり解凍
- 電子レンジで加熱解凍
の3パターンがあります。
なすはもともと水分の多い野菜なので、やや水っぽくはなりますが、食感はあまり損なわれません。しんなりとする程度なので、料理方法を工夫すれば十分においしく食べられます。
なすの栄養素
なすに体温を下げる役割があることは、昔から知られていますよね?そのため、真夏にぴったりのありがたい野菜のひとつでもあります。
便通を良くする食物繊維やカリウムを含み、ポリフェノールが含まれているナスニンには、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。
このナスニンは、皮の濃い紫色の素となる色素で、強い抗酸化作用があり、脂質の酸化を防いでくれますので、効率よくとるためには皮ごと調理するとよいでしょう。
また、なすを切ったときの切り口を茶色に変色させるクロロゲン酸にも抗酸化作用があり、こちらはガンや老化予防効果が期待されています。
《 ポイント 》
- なすは食物繊維、カリウム、ナスニンを多く含む。
- なすの紫色のもととなるナスニンやクロロゲン酸には、強い抗酸化作用がある。
美味しいなすの選び方
- なすが全体的に丸みをおびて、ずっしりとしているもの
- なすの皮が濃い紫色で、ハリとつやがあるもの
- なすのヘタにチクチクと痛いくらいのとげがあり、ヘタが枯れていないもの
冷凍なすのおすすめ調理法
冷凍なすの煮浸し
材料(2人分)
- なす:2本
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ2
- おろし生姜
- 水
作り方
レンジで半解凍したなすの皮に格子状の切り目を入れる。鍋になすと調味料を入れて4~5分煮たものを器に移し、お好みでおろし生姜をのせる。
冷凍なすの味噌汁
材料(2人分)
- なす:2本
- だし汁:3カップ
- 味噌:大さじ2
- 小口切りした万能ねぎ
作り方
レンジで半解凍したなすを輪切りにして、だし汁に入れてしんなりするまで1~2分煮る。火を止めて味噌を溶き入れ、万能ねぎをちらす。
冷凍なすとひき肉の麻婆風炒め
材料(2人分)
- なす:4本
- 豚ひき肉:150g
- おろしにんにく:小さじ1
- 水:大さじ3
- ごま油:大さじ1
- 豆板醤:小さじ2
- 砂糖:小さじ1/2
- 醤油:小さじ1/2
- 塩
- こしょう
作り方
レンジで半解凍したなすを縦に8等分に切る。ごま油とにんにくをフライパンで炒め、香りが立ったら豚ひき肉を炒める。なすと水を加えてしんなりするまで炒め、最後に調味料をからめて味を調える。
冷凍なすとベーコンのパスタ
材料(2人分)
- なす:1本
- ベーコン:1枚
- 卵:1個
- スパゲッティ:100g
- オリーブオイル:大さじ1
- 塩
- こしょう
- おろしにんにく:少々
作り方
フライパンでオリーブオイルと細く切ったベーコンを軽く炒めたら、冷凍なすを加えて、塩こしょうとおろししにんにくでしっかり味付けをします。
茹であがったスパゲッティをフライパンに移すときに、茹で汁をお玉1杯ほど入れることで油分が乳化して美味しいソースになります。
具と麺が絡んだら、あらかじめ準備しておいたスクランブルエッグを混ぜ入れて完成です。
冷凍なすのとうがらし漬け
材料
- なす:3本
- 赤とうがらし:1~3本
- にんにく:1かけ
- しょうが:1かけ
- 塩
作り方
なすのヘタを落として縦四つ割りにし、端から1.5cm幅にカットします。
ポリ袋に入れて塩小さじ1/4をまぶして袋の上から軽く揉んだ中に、赤とうがらし、にんにく、しょうがを細かいみじん切りにしたものを加えます。
空気を抜いて袋の口を結び、冷蔵庫で30分以上おいて味をなじませると、にんにく風味のピリ辛な一品の出来上がりです。
冷凍なすのミートソースグラタン
材料(1人分)
- 冷凍なす(焼きなすが揚げなす):1本分
- ゆで卵:1ヶ
- レトルトまたは缶詰のミートソース:1/2缶
- ピザ用チーズ
作り方
電子レンジで軽く解凍した冷凍なすを、耐熱皿に敷き詰めるように並べた上に、ミートソース、輪切りにしたゆで卵、ピザ用チーズの順にのせます。トースターで5~8分焼いて焦げ目をつけます。茹でたほうれん草やバターライスを、なすの下に敷くとボリュームアップできます。
最後に
一般的には馴染みの薄い、なすの「冷凍保存」について紹介しましたがいかがだったでしょうか?
傷みやすい食材のなすを長持ちさせ、料理の時短にもつながる冷凍保存は、ぜひマスターしておきたい便利な調理方法です。
和食から中華、イタリアンまで、焼く、煮る、炒めるなど、いろいろなお料理に使える冷凍なすのポイントや応用できるレシピをチェックしてみてください。そして、毎日の食卓やお弁当のおかずに、賢く美味しく思う存分利用してくださいね。