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パンデミックとは
パンデミックは感染症や伝染病が世界的に大流行する状態で、特に致死性の高い感染症を指します。日本語にすると「感染爆発」などと訳されています。語源はギリシア語で「パン」は「全て」、「デミア」は「人々」を意味しています。
世界で起こったことのある『パンデミック』6選
1.『黒死病(ペスト)』14世紀ヨーロッパで流行
1347年~1351年にかけて、ヨーロッパを襲ったパンデミックが『黒死病(ペスト)』です。大流行は1370年ころまで続き、史上最悪の規模となるヨーロッパ人口の3分の1、2500万人が命を落としたとされています。
黒死病(ペスト)の原因とされていた説は、そのほとんどが宗教や迷信を前提とされていましたが、1894年にペスト菌が発見され、ネズミなどに寄生するノミによって媒体されると分かったそうです。
通常、ノミとネズミなどの動物の間しか行き来しないはずですが、一定の条件下で人間の間を行き来するようになったことが原因とも言われています。
2.『天然痘』16世紀に大流行
『天然痘』は紀元前より伝染力がとても強い感染症として人々から恐れられ、16世紀には最も猛威をふるったと言われています。死に至らなくとも、顔面にひどい傷跡が残ることもあり、古代より人類を苦しめてきた伝染病、と記録があるそうです。
天然痘ワクチンの普及により徐々に発生数は減少して、1980年にはWHOより根絶宣言が出されました。以降は、世界中で天然痘にかかる人は発生していないとのことです。
3.『コレラ』19~20世紀に7回の大流行
『コレラ』は19~20世紀にかけて地域を変えながら7回大流行を起こしたと言われています。汚染された水や食べ物を口にすることで感染して、感染すると数日の潜伏期間を経て急性の激しい下痢となり大量の水分を失います。
一般的な下痢止めは全く効かず、適切な処置をしないと死亡する場合もあるため医療機関を受診する必要があります。私たち日本人がコレラに感染するのは海外旅行が多いため、旅行する際は渡航先がコレラ流行地であるかどうかを厚生労働省のホームページなどで確認しておきましょう。
4.『スペインかぜ(インフルエンザ)』1918年に2,500万人が死亡
スペイン風邪はインフルエンザの一種であり、第一次世界大戦のさなかの1918年に世界中で広がった感染症です。約2年間のうちに、世界の1/4から1/6の人々、約5億人が感染したとされています。
感染が拡大されていた当時は特効薬が無かったため、感染を防止することが最大の対策とされていました。感染のスピードは前述した『黒死病(ペスト)』よりは遅いと言われていますが、新型コロナウイルスと比較するとはるかに遅いとされています。
スペイン風邪が原因で死亡した人の数は全世界で2,500万人以上にのぼったとされています。
5.『後天性免疫不全症候群(エイズ)』1980年以降全世界で増大
エイズはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで起こる病気で1980年代以降、全世界で増大しました。中でも、サハラ以南アフリカでは国の全人口の30%以上が感染した国もあったそうです。
感染した人の血液、精液、膣分泌液、母乳などの体液に多く含まれています。治療の拡大により、エイズによる年間の死者数は2004年の190万人をピークに減少していますが、現在でもパンデミックが続いている感染症と言われています。
6.『新型コロナウイルス感染症(COVID-19』
世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、2019年中国を発端に世界中に広がり、2020年3月にWHOがパンデミックとみなせることと表明をしました。
さいごに
人類は紀元前から目に見えない感染症と戦ってきています。一時的に発生数が減少したものでも、再び猛威を振るい全世界の脅威となることもあります。
また、パンデミックにはなっていなくても致死率の高さから恐れられている『エボラ出血熱』では2014年に再燃し1万人以上が亡くなっています。
新型コロナウイルス以前から脅威になっていた2002年に流行したSARS(サーズ)はアジアを中心に、2012年に見つかったMERS(マーズ)は中東諸国を中心に多くに人が犠牲となっています。