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胡椒(コショウ)ってどんな食べ物?
まずは、胡椒とは一体どんな食べ物なのか、基本情報や種類を詳しく紹介します。意外と奥深い胡椒の情報を一緒に見ていきましょう。
胡椒の基本情報
ここでは、胡椒の基本情報と題して、科目や生産地、歴史を紹介します。ふだん食べている胡椒をより深く知ることができるでしょう。
胡椒科目と生産地
胡椒はコショウ科コショウ属のつる性の植物です。私たちは、この胡椒の果実部分を食べています。香辛料の中ではポピュラーなもので、世界中の家庭で使われています。
胡椒の原産地はインド。他にも、マレーシアやインドネシアでも生産されています。日本に輸入されるのは、マレーシア産の胡椒が多いです。
《 ポイント 》
- 胡椒はコショウ科コショウ属のつる性の植物
- 原産地はインドの南西部マラバル地方
- 日本に輸入されるのは、マレーシア産の胡椒が多い
出典:https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kokusai/attach/pdf/index-53.pdf
胡椒の歴史と由来
胡椒の歴史は、紀元前500年代までさかのぼります。その時代に、胡椒はインドで作られていました。中世ヨーロッパにおいて胡椒のもつ防腐効果は
貴重なもの。「胡椒一粒は黄金一粒」とも言われ、お金の代わりとしても使われていました。まだヨーロッパからインドへの航路もない時代…。胡椒はその輸入の難しさなどから、最も高価なスパイスだったのです。
日本には聖武天皇の時代、西暦749年以前に中国から伝わったと考えられています。当時は生薬として献納されており、のち平安時代に調味料として広まると、料理にも使われるようになったそうです。
胡椒が昔から日本料理にも使われていたなんて、ちょっと意外と思われる方も多いのでは無いでしょうか。
英語で胡椒は「Pepper(ペッパー)」。これは、インド古語のサンスクリット語で長胡椒を意味する「ピッパリー」が語源とされています。
《 ポイント 》
- 日本には西暦749年以前に伝わった
- ピッパリーが語源
胡椒の種類
ここからは、胡椒の種類を紹介します。ぜひ参考にして、料理別に使い分けてみてください。
黒胡椒
黒胡椒は完熟する前の胡椒の実を皮ごと天日乾燥させてできています。刺激的な辛みと野性的な香りが特徴です。
黒胡椒は完熟する前の胡椒の実を乾燥させてできています。
ステーキやカルボナーラには欠かせません。次にお伝えする「ホワイトペッパーを使うのがおすすめなもの」を除いて、料理の下味や調味、仕上げに至るまで、大方の料理に使われます。
《 ポイント 》
- 完熟する前の胡椒の実を乾燥させている
- 大方の料理に使われる
白胡椒
白胡椒は完熟して赤くなった胡椒の実を水に浸けて皮をとり、そのあと天日乾燥させて作られています。黒胡椒より辛みがなく上品な香りが特徴です。
白身魚や、鶏肉など淡白な素材に対して、素材の繊細な風味を消さずに味を引き立てます。また、ホワイトソースやシチューなど、白っぽい色の料理には白胡椒を使います。
《 ポイント 》
- 完熟して赤くなった胡椒の実を水に浸けて皮をとり、乾燥させている
- イチオシは白身魚やホワイトソースなど、色の白い料理には白胡椒を使う
生胡椒(グリーンペッパー)
生胡椒は、完熟する前の緑色の実を塩漬けしたものや乾燥させたもの、フリーズドライしたものなどです。別名グリーンペッパーといい、緑色の色みと爽やかな辛みが特徴です。
また、塩漬けのものは実がプチっとはじける食感も特徴です。
お子さんやご高齢の方にとっては辛すぎる可能性があるので注意しましょう。
爽やかな香りをいかしてマリネなどの冷菜に使われるほか、塩漬けの生胡椒は生クリームを使った洋風の軽い煮込み料理などにもぴったりです。
《 ポイント 》
- 塩漬けしたものや乾燥させたものなどさまざまある
- 別名グリーンペッパー
- マリネや、生クリーム煮込みにもぴったり
柚子胡椒
柚子胡椒は、胡椒ではなく柚子の表皮と生の青唐辛子、食塩を混ぜた調味料です。
ではなぜ胡椒と言うのかというと、柚子胡椒の発祥は九州といわれており、九州地方では唐辛子のことを胡椒と呼ばれることから、その呼び名が全国に広まっていったといわれています。
柚子胡椒はいつもの料理の「味変」としておすすめです。後まで飽きずにいただけます。
《 ポイント 》
- 柚子の表皮と生の青唐辛子、食塩を混ぜた調味料
- 九州地方での呼び名が全国に広まった
- いつもの料理の「味変」に
花胡椒
花胡椒は残念ながら食べることはできません。こちらは観賞用の唐辛子です。赤や紫、黄色などカラフルに成長してくれるので、育てていて飽きることはないですよ。
初心者でも育てやすいのが魅力。夏から秋にかけて楽しむことができる植物です。
《 ポイント 》
- 花胡椒は食べられない
- カラフルに成長して、初心者でも扱いやすい
胡椒に含まれる栄養素
胡椒の基本情報が分かったところで、ここからは胡椒の栄養素について紹介します。多いのは主に2つ。
カリウム
胡椒にはカリウムが1,300mg入っています。これは、100gあたりの量なので、実際に1つの料理に入った場合は1mg程度です。
カリウムは、体内の余分なナトリウムや老廃物の排出を促すはたらきがあります。
《 ポイント 》
- 100gあたり1,300mg含まれている
- 体内の余分なナトリウムや老廃物の排出を促す
カルシウム
胡椒にはカルシウムも含まれています。カルシウムの量は胡椒100gあたり410mgです。カリウムほど多くは入っていません。
カルシウムは丈夫な骨や歯をつくったり、イライラを抑えるはたらきがあります。
《 ポイント 》
- 100gあたり410g程度含まれている
- 骨や歯の材料となる
胡椒の3つの優れた効能
ここからは胡椒に隠された3つの効能を紹介します。女性にうれしい効果が満載です。女性特有の悩みを持っている方はぜひ参考にしてみてください。
冷え性の防止になる
胡椒は代謝を一時的にアップしてくれます。その時に体温が上がり、発汗してくれます。発汗することで、血の巡りが良くなり冷え性を改善することが可能です。
血の巡りを良くすることで他にもメリットがあります。貧血改善や脳の活性化です。健康のために料理をスパイシーにしてもいいかもしれませんね。
《 ポイント 》
- 冷え性改善や貧血対策、脳の活性化などのメリットがある
消化・吸収を助ける
胡椒は香辛料なので刺激物として認識している方も多いのではないでしょうか?しかし、胡椒を適量摂取することで、消化・吸収を助けてくれます。
以前から漢方や薬膳として親しまれてきました。特に薬効が認められているのは白胡椒だといわれています。
胃や腸の調子が悪いときに白胡椒を服用して、健胃・食欲増進に役立てていました。
《 ポイント 》
- 消化・吸収を助けてくれる
- 薬効が認められているのは、白胡椒
美容に効果あり
胡椒には美容に効果があります。抗酸化作用が含まれているため。病気に強い体や老化に強い体を作ることが可能です。また、ダイエットにも効果を発揮。エネルギー代謝を活発にしてくれるので、体脂肪が燃焼されやすくなります。
《 ポイント 》
- ダイエットや美容に効果あり
胡椒の副作用
作用があれば副作用もつきもの。以下では、どのような副作用があるのか説明します。
食欲増進効果で食べすぎてしまう
胡椒のスパイシーな味わいは食欲増がわくため、料理がより美味しく感じられるものです。美味しいものを目の前にしてしまうと歯止めが効かない方も多いですよね。
そんなときには、お肉やかたいお豆腐など、よくかんで食べる必要のあるものにかけるか、サラダなど量を食べても大丈夫なものにかけるようにしましょう。
《 ポイント 》
- 食欲増進効果がある
- たくさん食べても問題の無いメニューにかける
味覚障害になる可能性がある
胡椒は頻繁そして大量に摂取していると味覚障害になる可能性があります。人間は、食べ物の味を、舌にある「味蕾」という器官で感じ取っています。
味が濃いものや辛いものを過剰にとると、味蕾への刺激となり、味を感じるはたらきが弱くなることがあります。
《 ポイント 》
- 頻繁そして大量に摂取していると味覚障害になる可能性がある
胡椒に関するQ&A
ここからは胡椒に関するよくある質問にお答えします。みなさんの疑問にもお答えできると思うのでぜひ参考にしてください。
A.煮込み料理や炒め物など、料理に使うとよいでしょう。
A.味覚障害につながる可能性があります。食べるときは量に注意しましょう。
《 ポイント 》
- 黒胡椒は煮込み料理や炒め物など様々な料理にするといい
- 食べ過ぎは味覚障害につながる可能性がある
まとめ:胡椒を料理に取り入れて、優れた効能を実感しよう!
今回は胡椒について紹介しました。胡椒は、インドが原産のポピュラーな調味料です。種類も豊富なので、自分好みのものを探してみてください。
また、胡椒には3つの効能がありました。特に女性にはうれしい効果ばかりなので、体の悩みがある方はぜひ摂取してみてください。ただし、摂り過ぎには注意しましょう。
胡椒を料理に取り入れて、料理をワンランク上にしてみてくださいね。