バナナの旬はいつ?通年出回るバナナと上手な保存方法

バナナ

一年中いつでも食べられるバナナの旬はいつなのか、考えてみたことありますか?世界中で最も消費されるフルーツであるバナナは、価格も安く、手軽に栄養を取ることができるため、ご家庭に常備している方も多いのではないでしょか。こちらでは、バナナの旬の時期、種類、常温と冷蔵庫とどちらに保存しておいたらいいのか、そして美味しい食べ方など順を追って解説します。

バナナの旬っていつ?

バナナ

バナナには旬が無い

一年中店頭に並んでいるバナナは、季節を問わず通年安定して輸入されているので、バナナに旬は特にありません。ただし、沖縄や奄美大島、鹿児島などで栽培されている、国産の島バナナは、収穫時期が限られているので、7~9月が国産の島バナナの旬の時期となります。

台湾バナナには旬がある

バナナが輸入されたのは1903年(明治36年)、台湾から神戸港に到着したのが始まりです。その後、大正時代まで、一般の人にとってはなかなか手に入れることができない高級なフルーツでした。

1963年の輸入自由化に伴い、低価格で台湾バナナが出回るようになったため、この頃のバナナといえば台湾バナナを指していました。

その台湾バナナは、一年中温暖ではっきりとした四季がない台湾各地で、春バナナから冬バナナまで栽培されているので、1年中が旬の時期となり、いつでも旬のバナナを味わうことができるのです。中でも最も美味しい時期は春で、次が秋から冬の時期です。

その一方で、夏にはねっとりとした触感と果汁の少なさが敬遠されるようで、価格が安くなります。このように、バナナの旬の時期によって糖度や食感などが違ってくるので、それぞれ味の違いを楽しむことができるでしょう。

《 ポイント 》

  • バナナには旬がない
  • 国産の島バナナは7~9月が旬の時期
  • 1年中が旬の台湾バナナが最も美味しい時期は春で、次が秋から冬
  • 夏の台湾バナナは敬価格が安い

バナナの産地と種類

バナナ

バナナの主な輸入先国

日本で流通しているバナナのほとんどは輸入されているもので、現在国内市場に出回っている、およそ90%が「ジャイアント・キャベンディッシュ」というフィリピン産の品種です。2018年統計のバナナの総輸入量、上位5か国は次のとおりです。

2018年バナナの総輸入量(年間)

  • 1位:フィリピン(84万t)
  • 2位:エクアドル(12万t)
  • 3位:メキシコ)(3千t)
  • 4位:グアテマラ(8千t)
  • 5位:ペルー(6万t)

バナナの種類

世界で栽培されているバナナは、300種類以上あると報告されていますが、ある学説によると、千種類を超えるとも言われています。その中で、日本で目にする機会の多い品種を、いくつかご紹介します。

フィリピンバナナ

フィリピンバナナの主である「ジャイアント・キャベンディッシュ」は、しっかりとした厚い皮をしていて日持ちがよく、果肉はなめらかでさっぱりとした甘さが特徴的です。

メーカーによっては「甘熟王」「スウィーティオ」「プレシャス」などのブランド名をつけて販売しています。普通のバナナに比べて、甘さがあり、栄養価が高いといわれています。

台湾バナナ

台湾で栽培されているバナナには「北蕉」や「新北蕉」の品種があります。フィリピンバナナに比べると短めでやや太く、果肉は甘くてねっとりとした食感があり、香りが強くて濃厚な味わいです。昔と違って現在では、台湾産の流通量は全体の1%程で、価格も他のバナナに比べて若干高めです。

エクアドルバナナ

「サニートバナナ」や「エナーノバナナ」というブランド名のものが多く出回っています。見た目はフィリピンバナナのようで、深みのある独特の甘さを味わえます。

モンキーバナナ

7~9cmほどのサイズの「セニョリータ」という品種のバナナで、小さくてかわいいバナナです。皮は薄く、果肉は柔らかめで濃厚な甘味があります。

レッドバナナ

「モラード」という品種のバナナで、おもな輸入先はフィリピンやエクアドルです。赤茶色の果皮と、短めで少し太めの円筒形が特徴的です。果肉は普通のバナナと同じ黄白色で、さっぱりとした甘味があります。

国産バナナは島バナナ

沖縄や奄美大島、鹿児島など国内で栽培されている、10~15cm程度、太さ3cm前後の小さめの国産バナナがあります。

収穫量は、沖縄県が約125t、鹿児島県が57tと数は少なめで、なおかつ、生産数が安定しないことから、本州ではほとんど流通していません。

この国産バナナは「島バナナ」や「三尺バナナ」と呼ばれるもので、ある程度熟してから収穫するため、輸入されている青色の若いものよりも、ねっとりとした食感と強めの甘さがある美味しいバナナです。普通のバナナは最初にお伝えしたように、通年安定して輸入されているので旬は特に無いのですが、

国産の島バナナは収穫時期が限られているので旬があります。早いもので5月下旬、遅いものは10月頃に収穫され、最盛期の旬は真夏の7月~9月となります。

《 ポイント 》

  • 国内市場に出回っている90%がフィリピン産バナナ
  • 300種類以上あるが千種類を超えるとも言われている
  • 島バナナの旬は7月~9月

バナナの保存方法と選び方

黒くなったバナナ

バナナの上手な保存方法

バナナを冷蔵庫に入れておくと、すぐに真っ黒になってしまうことは、皆さんご存知のとおりです。これは低温障害を起こすからなのですが、バナナだけに限らず、温暖な地域で栽培されている果物や野菜の大部分に言えることです。

一見NGと思われる保存方法ですが、実はお好みの状態に成熟したバナナであれば、冷蔵庫の野菜室にいれることが最も適した保存方法なのです。真っ黒に変ってしまうのは皮だけで、中身は常温におくよりも長持ちするので、テレビの番組などでも紹介されているようです。

バナナを保存する適温は15~20℃ですが、13.5℃以下になると追熟(果肉の中のデンプン質やペクチンなどが酵素により分解され糖に変化すること)が遅くなるという特徴を活かして、おいしさを長持ちさせることができるんです。

シュガースポットが現れる前であれば、バナナスタンドに吊るして直射日光が当たらない風通しのよい場所に置きますが、シュガースポットが現れて甘みが増し、食べごろになったら、冷蔵庫の野菜室に入れます。

保存する方法としては、一本ずつ新聞紙などにくるみ、ポリ袋に入れて口をしっかり縛った状態にしてから野菜室で保存します。

バナナから発生されるエチレンガスが、同じ房のバナナの追熟も早めてしまうので、1本ずつ保存することでエチレンガスを遮断します。

注意点としては、シュガーポットが現れる前の青い部分が残っているものを野菜室に入れてしまうと、それ以上甘くなりませんので、タイミングを見計らいながら移すようにしましょう。

また、皮をむいて、バナナを使う用途に合わせてカットしてから、空気に触れないようぴったりとラップに包んで冷凍保存することも可能です。冷凍保存しておくことで、凍ったままでも食べられますし、スムージーやバナナセーキにそのまま使えてとても便利です。

美味しいバナナの選び方

美味しいバナナを選ぶ時のポイントは、全体がある程度黄色く色づいているものを選ぶようにします。

旬に関係なく店頭では黄色くなる前の青い状態のバナナも見受けられますが、青く若すぎるバナナはお好みの甘みが出るまで追熟できない可能性もあるからです。

また、反った背中側を下にして並べられていますが、商品棚に接触している部分が傷みやすくなっている可能性もありますので、柔らかくなってないか確認するようにしましょう。

表面に黒い斑点、シュガースポットが出てきたら、甘みとコクのある「食べごろのサイン」だと覚えておいてくださいね。

《 ポイント 》

  • 最も適した保存方法は冷蔵庫の野菜室
  • 黒くなるのは皮の部分だけで、中身は常温におくよりも長持ちする
  • シュガースポットが現れて食べごろになったら冷蔵庫の野菜室に入れる
  • バナナから発生されるエチレンガスが、同じ房のバナナの追熟を早める
  • シュガースポットが出てきたら食べごろのサイン

バナナの栄養

バナナとスポーツ選手

体内のエネルギーを長時間持続できる手軽な食べ物として、スポーツ選手にとってバナナは貴重な食べ物です。

バナナに豊富に含まれている、でんぷん、ブドウ糖、果糖、ショ糖などの糖質は、それぞれ体内に吸収される時間が異なり、エネルギー補給が長時間持続するためです。

他にも効能として、ビタミンB1やB2、ナイアシンなどや、血中の余分な塩分を排泄する作用があるカリウムも豊富に含まれていますので、高血圧予防の効果もあります。便秘改善にも繋がる食物繊維、不眠症や情緒を安定させるセロトニンの原料となるトリプトファンも豊富に含まれています。

また、免疫活性力や抗酸化力が非常に強く、ガン予防だけでなく、多くの生活習慣病にも効果を発揮します。シュガースポットの出た茶色のバナナには、大豆や卵黄に多いリン脂質が含まれています。これには界面活性作用があるので、牛乳と一緒に摂ることで胃粘膜保護効果が期待できます。

《 ポイント 》

  • 体内のエネルギーを長時間持続できる手軽な食べ物
  • 多くの生活習慣病にも効果を発揮

バナナの年間生産量、上位5ヶ国

バナナ

外務省の報告によると、2018年のバナナの生産量(年間)上位5か国は次のとおりです。

  • 1位:インド(3,080万t)
  • 2位:中国(1,122万t)
  • 3位:インドネシア(726万t)
  • 4位:ブラジル(675万t)
  • 5位:エクアドル(650万t)

ちなみに、国産バナナの年間生産量は

  • 1位:沖縄県(約107t)
  • 2位:鹿児島県(54t)

《 ポイント 》

  • バナナ生産量一位はインドの年間約3,080万t
  • 国産の島バナナの生産量は約160t

バナナの美味しい食べ方

バナナ

生のまま

皮をむいてそのまま食べるのはもちろんのこと、そのままスライスしてヨーグルトやミルクと混ぜたり、チョコソースをかけてパフェやサンデーにすると相性ぴったりです。

フランベ

フライパンでキャラメルを作り、そこへバナナを入れて絡め、ラム酒を振りかけます。アツアツのフランベにアイスを添えると本格スイーツが完成です。

温めてホットバナナ

ザク切りにして加熱したものをそのまま食べたり、ミルクやシリアル、パンなどと一緒に食べます。バナナは温めると糖度が20%もアップします。

バナナ酢

スライスしたバナナに黒酢と黒砂糖を一緒に耐熱容器に入れ、蓋をせずに電子レンジで3〜40秒ほど温めから1晩おきます。酢と組み合わせることにより、コレステロールや中性脂肪を下げ、ダイエットや健康維持にも効果が期待できます。

焼き菓子

冷たくても、温めても、焼いても美味しく食べることが出来ますので、バナナケーキやホットケーキにも応用できます。バター生地の中に入れて焼き上げても美味しいスウィーツが出来上がります。

日常の料理に

甘味の少ない、調理用バナナもありますが、普通に出回っている生食用のバナナをカレーや煮込み料理に加えるとコクととろみを出すことができます。カットして冷凍してある物をそのまま使うことができるので重宝します。

《 ポイント 》

  • 生のままで食べる他にも、フランベ、ホットバナナ、バナナ酢、焼き菓子に。
  • カレーや煮込み料理に加えてコクととろみを出す

最後に

バナナ

いかだでしたか?バナナは、旬の季節に影響されない赤道付近からの輸入がほとんどのため、旬は無いと言ってよいでしょう。

日本には、年間約100万tのバナナが輸入されており、輸入果物の約6割を占めています。そのためでしょうか、美味しくて栄養価も高い食べ物でありながら、常時スーパーや果物屋の店先に並び、価格も安く、特別感をあまり感じない果物ですね。

バナナは害虫の侵入を防ぐため、熟していない青いバナナしか輸入できません。日本に到着してから、温度調整によって追熟され、黄色くなってから全国に出荷されるのです。一方、沖縄、奄美大島、鹿児島から「島バナナ」として生産されているものもわずかながらあります。

今回の記事を読むことで、普段見慣れているバナナに関心が向くのではないでしょうか?

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