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圧力鍋が焦げる原因
圧力鍋は、時短調理に役立つとても便利な調理器具ですが、使い方次第では焦げやすいといった難点があります。圧力鍋が焦げ付く原因は、一体何なのでしょうか。
圧力鍋が焦げてしまう原因について分析し、3つにまとめました。
コンロの火力が強すぎる
圧力鍋でなくフライパンや普通の鍋でも、火加減が強すぎると焦げ付きますね。圧力鍋も同様に、強火で加熱し続ければすっかり焦げてしまいます。
とくにアルミ製の圧力鍋は熱が伝わりやすいため、火加減をこまめにチェックしなければ鍋も食材もすぐに真っ黒焦げ状態に。圧力鍋の内部は加熱すると普通の鍋よりも高温状態になるので、火加減には十分気をつけてください。
《 ポイント 》
- 圧力鍋で調理する際に強火で加熱しすぎると焦げの原因になる
- アルミ製の圧力鍋は焦げ付きやすい
具材に対して水分が足りない
圧力鍋で調理するときに、水分を多めに入れましょう。
圧力鍋は普通の鍋よりも高温になるスピードが早く、沸騰するまで時間がかからないため、すぐに火を止めなければ水分がどんどん減ってしまいます。
水分が少ない状態で加熱すると、底の部分や側面が焦げ付きやすくなります。圧力鍋で白米や玄米を炊く場合は、とくに水の量に注意しましょう。
《 ポイント 》
- 圧力鍋で調理する場合は水分を多く入れる
- 圧力鍋で白米や玄米を炊くと、焦げやすいので水分量に注意!
トロミの強い料理を長時間煮込みすぎている
シチューやカレーなどのトロミのある料理を圧力鍋で作るとき、普通の鍋と同じ感覚で煮込んでしまうとあっという間に焦げてしまいます。
圧力鍋で調理すると煮詰まるまでの時間がとても早いので、早い段階で火を止めて、余熱で蒸らすようにするといいでしょう。とくに電気圧力鍋を使う場合は、設定時間に注意が必要です。
《 ポイント 》
- トロミのある煮込み料理は長時間加熱すると焦げやすい!
- 圧力鍋で煮込み料理を作る場合は、加熱時間を短めにして余熱で蒸らすとgood
- 電気圧力鍋でカレーやシチューを作る際は設定時間に注意する
圧力鍋の焦げの落とし方
圧力鍋の素材には、大きく分けてアルミ製とステンレス製の2種類があります。素材によって厚みや特徴が異なり、焦げの落とし方も違います。
ここで、アルミ製・ステンレス製それぞれの正しい焦げの落とし方を解説します。
アルミ製圧力鍋の場合
アルミ製の圧力鍋は熱伝導が早い反面、焦げ付きやすいといったデメリットがあります。また、アルミ製の鍋に付いた焦げを落とす際には重曹を使わずに、かならず中性洗剤を使ってください。
さっそく、アルミ製の圧力鍋に付いた焦げの落とし方の手順を見ていきましょう。
焦げの落とし方の手順
- 焦げの付いたアルミ製の圧力鍋に水を入れて火にかける
- 沸騰する手前ぐらいで火を止める
- しばらく放置して、焦げをふやかす
- お湯を捨てる
- スポンジに中性洗剤を含ませて、焦げた部分をこする
- 流水でよく洗い流す
- ふきんで水けを拭き取る
アルミ製の圧力鍋に金属製のタワシを使うと、表面に傷が付く可能性があるので控えましょう。
ティファールの「クリプソ ミニット デュオ」はアルミ製ですが、内側の表面にチタン配合のふっ素樹脂加工が施されているので、焦げ付きにくくお手入れが簡単です。柔らかいスポンジと中性洗剤で洗えば、簡単にきれいになります。
《 ポイント 》
- アルミ製の圧力鍋に重曹を使うのはNG!
- かならず中性洗剤と柔らかいスポンジを使って洗う
ステンレス製圧力鍋の場合
ステンレス製の圧力鍋は、アルミ製よりも焦げを落としやすい、といったメリットがあります。ツヤのあるステンレス製の圧力鍋は傷が目立つので、ひどい汚れを落とす場合でも金タワシの使用はNGです。
ではここで、ステンレス製の圧力鍋に付いた焦げの落とし方を紹介します。
焦げの落とし方の手順
- 焦げの付いたステンレス製の圧力鍋に、重曹と水を入れる ※だいたい重曹1:水10の割合
- 1をフタをしない状態で火にかけ、沸騰したら火を止める
- お湯がぬるくなるまで、しばらく放置する
- お湯を捨てる
- スポンジで、焦げた部分をこする
- 流水でよく洗い流す
- ふきんで水けを拭き取る
しつこい焦げが気になる場合はメラミンスポンジも有効ですが、細かい傷が付く可能性があります。また、ひどい焦げには重曹の代わりにオキシクリーン(酸素系漂白剤)を使うのもおすすめです。
電気圧力鍋の焦げを落とす場合は、水を入れたら電源を入れて沸騰しない程度まで加熱してください。
《 ポイント 》
- ステンレス製の圧力鍋に付いた焦げは落としやすい
- 金タワシを使ってステンレスの圧力鍋をこすると傷が付いてしまう
- ステンレス製の圧力鍋に重曹を使うと焦げがきれいに落ちる
圧力鍋を使うと焦げやすい食材・料理
圧力鍋を使うと火の通りが早く、時短ができて便利ですが、食材や料理によっては焦げ付きやすい場合があります。
ここで、圧力鍋を使って調理したときに焦げやすい食材と料理、焦がさないためのポイントについて紹介します。
玄米
玄米を炊くときに圧力鍋を使うと玄米がふっくらと仕上がりますが、水加減を間違うと底一面が焦げ付いてしまいます。とくにアルミ製の圧力鍋は鍋底が薄いので、ステンレス製よりも焦げ付きやすくなります。
焦がさないためのポイント
一番のポイントは、強火にしないこと。鍋底の範囲からはみ出さないように注意して、中火で加圧後すぐに弱火にして、じっくり20分程度加熱します。火を止めた後しばらく余熱で蒸せば、ふっくらと炊き上がります。
《 ポイント 》
- 玄米を炊くときはステンレス製の圧力鍋がおすすめ!
- 強火にせずに中火で加圧→弱火で20分加熱→火を止めて余熱で蒸す
ミートソース
圧力鍋を使ってミートソースを作る場合、デミグラスソースを多めに入れてしまうと焦げ付きやすくなります。また、強火にかけるのも焦げの原因になります。
ミートソースは固形量に対し水分量が少ないため、火加減や加圧時間に十分注意する必要があります。
焦がさないためのポイント
具材を入れる前に、鍋底に油をなじませておくと焦げ付きにくくなります。また、デミグラスソースを入れる場合は、極力少なめにしましょう。
その代わりにトマト缶や白ワインを多めに入れて、コンソメやウスターソースでコクを出すとよいでしょう。加圧の際は強火にせず、かならずはじめは中火で、弱火にしてから10分ほどで火を止め、あとは余熱で火を通してください。
《 ポイント 》
- ミートソースは水分量が少ないため、焦げやすい
- デミグラスソースを多く入れると焦げやすい
- 調理前に鍋底に油をなじませておくと焦げにくくなる
- 焦げ付かせないためには水分を多くして、強火にしない!
ご飯
ご飯を炊くときに圧力鍋を使うと、15分ほどでふっくら美味しく炊き上がるので便利です。しかしその反面、火加減を間違うと底一面が真っ黒…なんてことになる場合もあります。
少しのお焦げなら美味しいですが、焦げすぎて半分以上ご飯を捨てることにならないように、注意してくださいね。もちろん水分量も炊き上がりを左右するので、正確に量りましょう。
焦がさないためのポイント
はじめはかならず中火にし、圧力がかかりはじめたらすぐに弱火にしてください。また、圧力鍋の材質や仕様によって、ちょうどいい火加減や加圧時間は異なります。
自分の使う圧力鍋の説明書に沿って、丁寧にご飯を炊きましょう。
《 ポイント 》
- 火加減が強すぎると、ご飯が底一面真っ黒焦げになる
- ふっくら炊き上げるためには、水の量を正確に測る
- はじめは中火、圧力がかかりはじめたら弱火で加熱する
その他の焦げやすい食材・料理
豚の角煮を圧力鍋で作ると、トロトロにやわらかく仕上がるイメージがありますが、実際はとても難しいもの。お肉がやわらかくなっても、加圧時間や火加減、加熱時間を誤ると煮汁が減りすぎて焦げてしまいます。
また、角煮には鍋を焦げ付かせやすい調味料である醤油やみりん、砂糖を使うので、圧力鍋で調理する場合はとくに注意しなければなりません。
焦がさないためのポイント
火加減は強火NGです。また、大きいサイズよりも小さめの圧力鍋を使ったほうが火の当たる底面積が狭くなるため、焦げにくくなります。
圧力鍋の底に、パール金属の「圧力鍋用煮物・蒸し物メッシュシート」を敷いて調理すると、焦げ付く心配がなくなるのでおすすめです。
《 ポイント 》
- 豚の角煮は煮汁の減り具合に注意!
- 醤油・みりん・砂糖を使った料理は、鍋を焦げ付かせやすい
- 小さめの圧力鍋を使ったほうが焦げにくい!
まとめ:焦げに注意して圧力鍋を使いこなそう
圧力鍋は、驚くほど短時間で肉や野菜に火が通るので、固いお肉でも「クタッ」とほぐれるくらいやわらかく仕上げることができます。
しかし、水分量や使い方を間違うと焦げ付きやすい、といったデメリットもあるので注意しましょう。もし圧力鍋が焦げてしまったら、今回紹介した方法でお掃除してください。
元通り、ピカピカの圧力鍋に戻すことができますよ。