目次
かぼちゃに生えるカビの種類
食べ物を保存しているとカビが生えてしまうこともあります。当然ながら、かぼちゃも保存期間や保存環境などによってカビが生えてしまうことがあります。
しかし、カビには青カビや白カビ、黒カビなどのいろいろな種類があります。これらのカビはそれぞれ持っている特徴が異なります。かぼちゃに生えたカビに対して正しい対処をするためには、カビの種類に応じた対処方法を把握しておく必要があります。
青カビ
青カビはお餅やミカンなどに発生しやすいカビです。かぼちゃも青カビが発生することがあります。
お餅にカビが生えてしまったときには、カビのある部分を切り落として食べるという人もいます。同じように、かぼちゃもカビの部分を切り落として食べるという人もいます。
しかし青カビは表面を切り落としても、見えないだけで根深く発生してしまっていることもあります。青カビは毒性が強い種類もあるため、青カビが発生したお餅やかぼちゃなどは食べることを避けた方が良いでしょう。
白カビ
白カビは穀類に発生しやすいカビで、ふわふわとした見た目が特徴です。
白カビは麹菌で、中には醤油や味噌、日本酒などの発酵食品を作る際に使われることもあるカビです。しかし、一般家庭で発生するような白カビは醤油や味噌などを作るような良いカビではありません。
家庭で発生する白カビは強い発がん性物質を持っているともいわれているため、食べないようにしましょう。また、白カビが生えるとその部分が分解されるため、味に変化がおきます。そのため、変な味がしたと感じた場合にも食べることを避けた方が良いでしょう。
黒カビ
黒カビは湿気の多いところに発生するカビで、主にお風呂場やキッチン周りなどに発生します。
かぼちゃにも保存環境や状態によっては黒カビが発生してしまうことがあります。黒カビは熱に弱く、少量であれば問題ないと言われています。
そのため、かぼちゃに黒カビが発生してしまったときには、黒カビの周辺を大きく切り落とすか、少量であればしっかり加熱殺菌することで食べることはできます。
ただし、黒カビは喘息などの原因と言われていて、完全に無害と言い切れないことは知っておきましょう。
カビの生えたかぼちゃは食べられる?
上記で述べた通り、カビが生えたとしても、そのカビの種類や加熱殺菌、カビ周辺を切り落とすなどの処理をすれば食べられることもあります。
ただし、かぼちゃに限らず、カビが生えた食材を食べるのであれば、しっかりとカビの特性を理解したうえで対処が必要です。
カビが生えたかぼちゃを食べるには?
カビの特性と危険性を知ったうえで、食べても大丈夫なかぼちゃの見分け方はどのようなものでしょうか。
ここからはカビが生えてしまったかぼちゃを食べるための、4つの条件を紹介します。
条件1:黒カビであること
条件の1つ目は、発生したカビが黒カビであることです。一般家庭で発生するカビの中では、黒カビであれば体への影響は比較的少ないといわれています。
白カビや青カビなどは強い毒性を持っていますが、黒カビは熱に弱いので加熱処理で殺菌すれば、少量であれば害は少ないといえるでしょう。ただし、少量であれば黒カビは体に悪影響が全く出ないとは言い切れないので注意は必要です。
条件2:カビの範囲が狭いこと
かぼちゃにカビが生えてしまったとしても、そのカビがまだ表面に少しだけ発生しているだけであれば、そのカビの周辺を切り落とせば食べられる可能性はあります。
ただし、見た目は問題なさそうでも、見えないだけでカビが根深く繁殖している可能性もあるため、大きめに切り落とすようにしましょう。
条件3:カビの周辺まで切り落とすこと
上記で述べた通り、カビの発生が表面の少量であれば、カビの周辺を大きく切り落とすことで食べられるようになることもあります。また、カビの部分を切り落としても、しっかりと加熱をして食べるようにしましょう。
条件4:加熱調理すること
カビの部分を切り落としても、しっかりと加熱殺菌することは重要です。ただし、白カビや青カビの場合は加熱殺菌をしても、カビを殺菌できても強い毒素まではなくすことができません。
そのため、もしカビを切り落として食べる場合には黒カビが少量だけ発生したうちだけにしておきましょう。
かぼちゃにカビを生やさないための保存方法
カビの生えたかぼちゃの対処法を紹介ましたが、もちろんカビは生やさないにこしたことはありません。
ここからは、かぼちゃにカビを生やさないための保存のやり方を紹介します。
丸ごと保存する場合
かぼちゃに限らず、多くの食材はカットをすると急速に傷んでいきます。そのため、かぼちゃを保存するのであれば、カットせずに丸ごと保存した方が長持ちします。
丸ごとかぼちゃを保存するのであれば、まずはかぼちゃを水洗いして表面の土や汚れを落としましょう。また、水洗いしたかぼちゃはしっかり水気を切りましょう。かぼちゃが濡れていると傷みの原因となります。
洗ったかぼちゃは高温多湿にならない場所で保存しましょう。もし冷蔵庫で保存する場合には野菜室で保管しましょう。
丸ごと保存したかぼちゃの保存期間
かぼちゃは1ヶ月から2ヶ月ほど保ちます。ただし、この期間はかぼちゃの保存状態や保存状況によって前後します。また、かぼちゃに傷があったり、中に虫がいたりなどすると、保存方法を守っても早く傷んでしまうケースもあるので注意しましょう。
カットしたかぼちゃの場合
かぼちゃは丸ごと保存した方が長持ちします。しかし、丸ごとのかぼちゃは食べきれないということも多く、カットかぼちゃを購入する人もいます。カットかぼちゃの場合はカットされた断面と、種とわたの部分から傷みはじめます。
そのためカットかぼちゃを購入した場合には、まず種とわたは取り除いておきましょう。また、かぼちゃのカット断面は空気に触れないようにラップをして、冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。
カットかぼちゃの保存期間
食材の多くはカットすると傷みが早くなります。かぼちゃも丸ごとであれば1ヶ月から2ヶ月は保存できますが、カットをした場合は4日から5日を目安に食べきるようにしましょう。
どうしても食べきれないという場合には冷凍保存しても良いでしょう。冷凍保存であればカットかぼちゃも1ヶ月から2ヶ月ほど保存することが可能です。
カットかぼちゃの切断面がカビていたら
カットかぼちゃは断面が傷みやすく、カットしてしばらくすると、白くなってくることがあります。かぼちゃが白くなってきたことで、白カビが発生したと思ってしまう人もいます。
ですが、かぼちゃの断面が白くなっている原因は、必ずしもカビのせいとは限りません。
デンプンの可能性もある
カットかぼちゃの断面が白くなるのは、カビの場合もありますが、デンプンの可能性もあります。
かぼちゃはカットすると、その断面からデンプンが滲み出してきます。このデンプンが膜のようになり断面を覆って白くなることがあります。
スーパーなどに並んでいるカットかぼちゃがすでに白くなっていることもありますが、デンプンが原因かもしれません。白くなっている原因がデンプンの場合はカビが発生しているわけではないため、問題なく食べることができます。
白カビとの見分け方
カットしたかぼちゃの断面が白くなるのはデンプンが原因ですが、怖い白カビとはどうやって見分ければいいでしょうか。
白カビとデンプンはどちらも白いですが、白カビは綿のようフワフワとした見た目に成長します。また、白カビはかぼちゃの味を変えてしまいます。ですが、デンプンは綿を作らず、膜や結晶になり、味に変化もありません。
カビの生えたかぼちゃを食べてしまったら
白カビや青カビなどの生えたかぼちゃを食べてしまった場合には、1時間から2時間ほどすると、その強い毒素によって嘔吐や下痢を起こしてしまうこともあります。
嘔吐や下痢は体から毒素を出そうとしている反応なので、薬などで抑えない方が良いでしょう。症状が酷い場合にはすぐに病院へ行った方が良いですが、無理に動くことも危険なので、少し症状が落ち着いてから病院へ行くようにしましょう。
栄養満点!かぼちゃについてもっと知ろう
甘くて美味しいかぼちゃは料理やお菓子などの材料として使われています。また、栄養価も高く、日本だけでなく、海外でもよく食べられている野菜の1つです。
しかし、食べ慣れて、親しみのあるかぼちゃでも、知らないことはあります。さらに美味しく楽しむために、かぼちゃの知識についてもっと知っておいても良いでしょう。
かぼちゃの歴史
中南米の遺跡の地層からかぼちゃの種が発見されていることから、かぼちゃの起源は中南米のメキシコとガテマラではないかと言われています。
また、かぼちゃの種が発見された地層から古代アステカ、インカ、マヤの時代にはすでにかぼちゃが食べられていたと考えられています。
日本に入ってきたのは1541年で、大分に漂着したポルトガル船がかぼちゃを積んでいたことが始まりと言われています。かぼちゃという語源も、「カンボジア」がなまったことでかぼちゃになったと言われています。
その後は農家で栽培されるようになって日本中に広まり、また別の海外種のかぼちゃも入ってくるようになりました。
かぼちゃの特徴
かぼちゃにはいくつかの種類があり、大きく分けると日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ペポかぼちゃがあります。
日常的によく食べられているのは日本かぼちゃです。日本かぼちゃは平たくて、縦に溝が入るようにボコボコとした形が特徴です。硬くて煮崩れをしにくいため、日本では煮物などにしてよく食べられています。
西洋カボチャは日本かぼちゃのようにボコボコしておらず、なめらかな形をしています。ホクホクとした食感が特徴です。ペポかぼちゃは黄色、緑色、オレンジなどの多くの色があり、また形も細いものや長いもの、小さいものなどさまざまです。
かぼちゃの産地
かぼちゃの収穫量は北海道が1位となっています。その収穫量は全国の収穫量の約半分を占めています。また、えびす、みやこ、くりゆたか、雪化粧、味平、坊ちゃん、プッチィーニ、バターナッツなど、数多くの種類が栽培されています。
かぼちゃの味
かぼちゃにはいろいろな品種があり、それぞれ味や食感は異なります。
ホクホクとした食感のものもあれば、煮物に適したものもあります。中には、バターナッツという品種のように甘みが強く、プリンなどのお菓子に適した種類もあります。
他にも生食ができる品種であったり、食用ではなくハロウィンのランタンを作ったりなどするための観賞用などもあります。観賞用のかぼちゃの中には100kg以上の重さになるものもあります。
かぼちゃの栄養・効能
かぼちゃは緑黄色野菜でβ-カロテンやビタミンB群などを多く含んでいます。β-カロテンはガンを抑制したり、免疫力を上げたりするはたらきがあります。
また、β-カロテンは体内でビタミンAに変化して、髪や粘膜、皮膚、喉や肺などの健康維持をしてくれるという効果もあります。他にも、ビタミンが多く含まれていることでアンチエイジンング効果や、カリウムを含んでいることで高血圧にも効果が期待できます。
かぼちゃを使ったおすすめレシピ5選
かぼちゃは栄養価が高く、甘くて美味しいので人気のある野菜の1つです。
かぼちゃは煮物などにされることも多いですが、焼いたりお菓子にしたりなどと、他にもいろいろな使い方をすることもできます。
煮物はかぼちゃ
煮物はかぼちゃを使った料理の定番ですが、意外と時間と手間がかかります。ここでは電子レンジを使って調理する、お手軽な煮物のレシピを紹介します。
かぼちゃを1口の大きさに切り分け、600Wの電子レンジで5分加熱します。加熱したかぼちゃ5分の1の量に対して、めんつゆを小さじ1と鰹節少々に漬け込みます。一晩漬けこめばかぼちゃの煮物になります。電子レンジでかぼちゃを加熱する際には、かぼちゃの水分が少なすぎると、発火や火花の原因となるので注意しましょう。
かぼちゃサラダ
かぼちゃはサラダにすることもできます。
加熱して柔らかくしたかぼちゃを潰してマヨネーズと和えるだけでも美味しいサラダになります。一工夫するのであれば、かぼちゃ180gに対してヨーグルト50gを加えて、少し酸味を足しても良いでしょう。
かぼちゃの味噌汁・豚汁
かぼちゃは味噌汁や豚汁などのスープの具としても相性が抜群です。
また、コンソメスープの具にしても良いでしょう。かぼちゃをスープの具にする場合には、ときどき灰汁を取ってあげましょう。
かぼちゃチップス
かぼちゃをチップスにすると、サラダに添えたりおやつに食べたりと活躍の場が広がります。
作り方は簡単で、薄くスライスして、水気を切って、サラダ油と塩を揉み込み、オーブンなどでカリッと焼き上げるだけです。レンジを使う方法もありますが、先に述べた通り発火や火花に注意しましょう。
かぼちゃの煮物
かぼちゃは煮物にするという人も多いですが、焼いて調理すればホクホクとした食感を楽しめます。
かぼちゃを焼いて塩を振る、というシンプルなレシピでも美味しく食べることができます。また、ナスやピーマンなどの他の野菜と炒めても良いでしょう。意外と豆板醤やトマトなどの味付けとも相性が良いです。
カビの生えたかぼちゃを調理するなら慎重に!
かぼちゃを保存しているとカビが生えてしまうこともあります。カビが生えても、カビの種類や対処の仕方などで食べられる場合もあります。
ただし、必ずしも安全というわけではないので、カビの生えたかぼちゃを調理する場合には慎重な判断をして、自己責任で食べるようにしましょう。