目次
そら豆を栽培する前に
そら豆の栽培を始める前に、育て方や育てやすい品種を選びましょう。
そら豆栽培の特徴
そら豆は耐寒性が強い野菜です。生育適温は15℃~20℃なので、温室も必要ありません。
あまり手間がかからず、簡単に栽培が始められる初心者向けの野菜です。
種まきか苗の購入か決める
そら豆を始める前に、自分のプランターや畑に種をまいて始めるか、苗の購入から始めるかを決めましょう。
種を購入する場合は、種まきの適期を確認してからにするべきです。関東地方よりも西方にお住まいの方は10月から11月が種まきの適期、関東地方よりも北方にお住まいの方は2月から3月が種まきの適期となります。
適期で無い場合は苗がおすすめです。発芽までの道のりがないため、初めてでも育てやすいでしょう。
育てやすい品種
そら豆は数種類の品種が存在します。初心者でも育てやすい品種は、粒が大き目な「一寸ソラマメ」の仲間です。
一寸ソラマメの仲間は以下の3つ。
- 伊豆早生
- 河内一寸
- 打越一寸
これらのそら豆は寒さに強く、15℃から20℃で育ち、自宅に温室がいらないので、家庭菜園を初めて挑戦する人でも手軽に育てられるでしょう。
良い苗の選び方
栽培を成功させるために、状態の良い苗を見分けられるようになりましょう。状態の良いそら豆の苗の見分けポイントは2つあります。
ずんぐりした形
良いソラマメの苗は、グンと伸びた草丈よりも、草丈の低い節間が詰まったいわゆる「ずんぐり」した形です。
本葉が3枚から4枚の物
本葉とは、双葉の後に生えてくる茎の上から2~3番目に付いている葉っぱのことです。本葉が育ち過ぎていると、生育期である真冬に凍害を受けやすくなってしまいます。凍害を受けないためにも、本葉は3枚から4枚で小ぶりのものを選びましょう。
《 ポイント 》
- 苗植えは初心者でも栽培しやすい
- 一寸ソラマメの仲間は寒さに強く、温室もいらないので初心者向け
- 良い苗はずんぐりしたフォルムをしている
- 本葉が育ち過ぎたそら豆は凍害を受けやすいので避ける
そら豆の栽培方法
良いそら豆の種や苗を手に入れたら、次はいよいよ栽培です。畑の準備から種まきや植え付け、冬を越す方法までご覧ください。
畑の準備
そら豆栽培は、堆肥と元肥の両方が必要です。植え付けを行う2週間以上前から推肥と石灰を土中にいれ、上から元肥を巻いてください。
そら豆は大きく成長する野菜なので、15㎝ほどの株間を明けなければなりません。複数の株を育てるなら、プランターの場合は45㎝から60㎝の長さで、大型の深底タイプを選びましょう。
また、そら豆はマメ科を育てた畑で育てると連鎖障害により上手く発育しません。マメ科の野菜を育てた畑にそら豆を育てる場合は、4年から5年間は空けてから栽培してください。
種まき方法
そら豆は種をまいても発芽しない確率が高い野菜です。なので、種まきの方法は特に重要!そら豆の種をまく時は、そら豆の頭部にあたる「おはぐろ」を斜め下方向に向けて、土中に植えましょう。
そら豆の種の下部にあたる部分は、地上からわずかに見える程度でだしてください。深くさすと酸素が足りなくなり、発芽しない原因になります。
植え付け
苗を購入して植え付けする際は、株間に気をつけましょう。そら豆は本葉が大きく育つので、隣の株との間は15㎝から20㎝空けてください。
植える際はしっかりと根付かせることがポイントです。そら豆の根っこよりも大きな穴を堀り、根っこの周りに土をたっぷりとかぶせて株を安定させます。完全に土に根付くまで、たくさん水やりをしましょう。
冬越しの工夫
そら豆は霜から株を守ることで冬越しさせることができます。落ち葉や枯れ草、切りワラを集めて株元に敷いてください。株元に霜が付かないようカバーすればOKです。
《 ポイント 》
- そら豆栽培は堆肥と元肥が必要
- そら豆は連鎖障害を起こすので、マメ科の野菜を育てた畑で育てる場合は4年間以上空ける
- そら豆は土にさすとき、少しだけ下部を地上に出す
- 植え付けたら、完全に根付かせるためにお水をたっぷりと与える
- そら豆は霜から守れば冬越しできる
そら豆の栽培に失敗しないためのコツ
そら豆栽培を成功させるためのポイントやテクニックを紹介します!
整枝管理
そら豆は1つの株からたくさんのわき芽が生えてくるので、放っておくと葉っぱが多すぎて光合成に必要な光量が足りなくなってしまうので、枝を整えましょう。
枝を整えるときは、良く育っている枝を6本ほど残し、太い枝以外は全て取り除いてください。
誘引
そら豆はわき枝が生長すれば支柱を支えきれず、風に吹かると倒れてしまいます。そこで、ひもやビニールテープでそら豆の株を囲んで倒れない様に誘引しましょう。
株ごとの仕切りを作るように、四隅を囲んでください。2段から3段のひもやテープで囲めば、より誘引力が強まります。
摘芯
そら豆は開花する頃にさやが大きくなります。しかし、同時に草丈が伸びてしまうので、さやの生長を促すために摘芯を行いましょう。草丈が150㎝を超えたら、先端を摘芯してください。
追肥
花が咲き終わる頃、さやがどんどん大きくなったら追肥を行いましょう。1つの株に対して、40gの化成肥料をまいてください。このタイミングで株元に土寄せをしておけば、その後の転倒防止にもなります。
《 ポイント 》
- 枝が増えすぎると生長を阻害するので整枝しよう
- そら豆を1株ずつひもかテープで囲んで、倒れにくいように誘引しよう
- 草丈の先端を摘芯してさやの生長を促そう
- 花が咲き終わったら追肥しよう
そら豆の栽培に関するQ&A
そら豆栽培の障害となる害虫や病気、それらの対策についてお答えします。
A.そら豆は、年中活動するアブラムシに狙われます。アブラムシは野菜の養分を吸い取るだけでなく、病原菌も媒介する厄介な虫です。
A.そら豆の養分を吸い取り、その上病気までもたらすアブラムシ。アブラムシの対策は「見つけたらすぐに取り除く」この方法で十分駆除できます。ですが、あまり多くなるようであれば殺虫剤を使って駆除しましょう。
A.そら豆は「えそモザイク病」と「赤色斑点病」の2つを患いやすい野菜です。えそモザイク病は、アブラムシなどの害虫が媒介する病気で、感染すると赤い斑点が葉っぱにあらわれ、やがて枯れてしまいます。赤色斑点病はカビから媒介され、えそモザイク病と同じように赤い斑点があらわれて最終的にそら豆を枯らしてしまう病気です。特に、雨や湿気の多い時期にかかりやすいようです。
《 ポイント 》
- そら豆はアブラムシに狙われやすい
- アブラムシやカビが原因の病気にかかりやすく、放置すると枯れてしまう
栽培したそら豆の収穫
そら豆の開花後、さやが黒い褐色に変わり、ツヤがでて下方向を向くようになったら収穫時期の目安です。そら豆は収穫直後が一番おいしいので、収穫したら早めに食べきるとよいでしょう。
最後に
そら豆は寒さに強い野菜なので、温室が無くても冬の室内気だけで十分育てられます。初心者でも育てやすいのでおすすめです。
生長を促すために、整枝・摘芯・追肥などを行うだけでさやがすくすく育ち、大粒の実が食べられるでしょう。そら豆栽培をマスターすれば、いつでもフレッシュなそら豆をお酒のつまみにできます。
初めて家庭菜園をやってみたいという方は、今回の記事を参考に、そら豆に挑戦してみてはいかがですか?