さつまいもは茹で方で甘さが変わる！美味しさを逃さない方法

記事の監修

管理栄養士、野菜ソムリエプロ

管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい！」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。

秋の味覚の代表さつまいもはたくさんの品種があり、種類によっても食感や糖度などが変わるので、食べ比べをするのも楽しいですよね。さつまいもには、美肌には欠かせないビタミンCや、抗酸化作用のあるビタミンE、腸内環境を整えてくれる食物繊維や、さつまいもを切ったときに出てくる断面に染み出す白い液体「ヤラピン」は便を柔らかくしてくれる働きがあります。これらの栄養素の中には、水に溶けやすいものもあるので、丸ごと茹でたり蒸したりするのがおすすめですが、調理時間にも影響が出てくるのでお好みの調理法を見つけてくださいね。

さつまいもを茹でるときのコツ

ゆっくり茹でる

さつまいもは低温でじっくりと茹でるほうが甘みを引き出せます。水の状態から入れて、火を弱くして時間をかけて茹でるのが基本です。

塩を一つまみ入れるとさらに甘さが引き立ちます。1センチくらいの輪切りにして茹でる場合の目安は５～10分です。

丸ごと茹でたほうが甘さを逃げない

丸ごと茹でると、さつまいものホクホクとした食感と甘さや栄養も残りやすいです。切って加熱すると、断面から甘みが逃げやすくなるからです。

ただ、切ってから茹でることに比べると時間がかり、普通サイズの大きさで30分程度かかるので時短で茹でたいときには不向きです。

皮は剥かずに茹でるのがおすすめ

皮はアクがあり黒ずんでいる部分などは苦味や有害成分が含まれているので、基本は剥いてから食べます。

ですが、加熱するときは皮をむかないほうが甘みは逃げず、水っぽくならないため、加熱してから皮をむくのがおすすめです。揚げ物や炒め物では、黒ずんでいる部分だけを取り除けば良いでしょう。

切って茹でる場合はアク抜きをすると良い

切ってから茹でる場合は水にさらしてアク抜きをしましょう。アクを抜くことで、変色を防ぎ色よく仕上がります。また、煮物などで使う場合は味がしみ込みやすくなる効果もあり時短になります。

長くさらすと逆に栄養や旨みが流れてしまうので、5分程度が無難です。見た目の色をよく仕上げたいときは30分程度と長めにさらしても良いでしょう。

皮を厚めにむくとなめらかな食感になる

「きんとん」や「スイートポテト」などを作るとき、なめらかな口当たりにしたい場合は皮を厚めにむきます。皮の近くは繊維が多いので、皮の部分を厚めにむくことで仕上がりがなめらかになります。

≪ポイント≫

さつまいもは時間をかけてじっくり茹でる
茹でる場合は切らずに皮ごと茹でたほうがおいしくなる

さつまいもの茹で方

①丸ごと茹でる

さつまいもの表面に汚れや土がついていたら手でこすって水洗いをします。
鍋にさつまいもを入れたら、かぶるくらいの水をいれて火にかけます。
お好みで塩を加えても良いでしょう。（水：塩＝１ℓ：大さじ1/2くらい）
70℃位を維持すると甘みがより引き出せるため、沸騰する手前で少し水を足します。
弱火でコトコト、竹串がすっと通るまで茹でザルにあけて冷まします。

茹で時間

20～30分茹で、竹串が通らなければさらに追加で５～10分茹でてみましょう。

②切ってから茹でる

さつまいもの表面に汚れや土がついていたら手でこすって水洗いをします。
さつまいもを料理に応じて輪切り、角切り、乱切りなどにカットします。
水を張ったボウルに切ったさつまいもを入れアク抜きをします。
水が濁ってきたら新しい水を換え、5分ほどさらし水気を切ります。
鍋にさつまいもとひたひたになる位の水をいれ火にかけます
お好みで塩を加えても良いでしょう。（水：塩＝１ℓ：大さじ1/2くらい）
70℃位を維持すると甘みがより引き出せるため、沸騰する手前で少し水を足します。
弱火でコトコト、竹串がすっと通るまで茹でザルにあけて冷まします。

茹で時間

切った厚みや大きさにもよりますが、だいたい5～10分くらいを目安にしましょう。

電子レンジを使う

さつまいもの表面に汚れや土がついていたら手でこすって水洗いをします。
両端の先端部分を切り落としておくと良いです。
2枚のキッチンペーパーをたっぷり水で濡らします。
さつまいもに巻き付けて、その上からさらにラップを巻き付けます。
丸ごとではなく好きな大きさにカットしてペーパーとラップを巻き付けても良いです。
500Ｗのレンジで２～3分加熱します。
丸ごとの場合は上下をひっくり返してもう２～3分加熱します。
竹串を通してみてすっと通れば完成です。

加熱時間

500Ｗで５～６分、600Ｗで４～５分を目安にしてください。

茹でたさつまいもの保存方法と使い方

保存方法

茹でたさつまいもを保存する場合は、水気を取りのぞき粗熱が取れたら保存します。ふた付きの容器やラップに包み保存袋に入れるようにしましょう。

冷蔵保存の保存期間：3日程度
冷凍保存の保存期間：1カ月程度

使い方

茹でたさつまいもは自然解凍するか電子レンジで解凍します。調理方法によってはそのまま使うこともできます。解凍したさつまいもをつぶしてポタージュやポテトサラダにしたり、つぶさないで角切りにしてサラダにしてもいいでしょう。

他にも炒め物や煮物、お味噌汁の具材などに使えます。料理だけでなくお菓子作りにも活用できます。人気のスイートポテトをはじめ、さつまいも入りのマフィンや蒸しケーキなどいろいろなスイーツが作れます。

さつまいもに関するQ＆A

Q.さつまいもを選ぶときのポイントは何でしょうか？

A.美味しいさつまいもを選ぶ見分け方は、表面にあるくぼみが浅く、全体的にふっくらとしているものが良いです。皮の色は品種によっても変わりますが、色が濃くツヤがあるものがおすすめです。持ってみてずっしりとした重みを感じるものを選びましょう。

芽が出ているものや黒い斑点があるもの、表面のくぼみが深くでこぼこしているものは避けましょう。ただし両端の切り口が黒くなっているものは蜜が乾いた跡であることが多いため、そのような場合は甘いさつまいもなので選んでもOKでしょう。

Q.さつまいもの甘さをチェックする方法はありますか？

A.上記でも少し触れましたが、甘いさつまいもの見分け方としては、さつまいもの量端の切り口部分にあめ色の蜜が出ているものや、蜜が乾いて黒くなっているものは糖度が高いことが多いです。

Q.さつまいもが美味しい時期はいつでしょうか？

A.さつまいもは北海道や東北など寒い土地以外の場所では全国的に生産されていて品種によっての旬の時期が大きくずれることもありません。だいたい8月くらいから収穫が始まることが多く、11月くらいまで続きます。

収穫したてのさつまいもより、数カ月貯蔵して余分な水分を逃してからのほうが甘みなど増して美味しいです。そのため、さつまいもが最も美味しい時期は10～1月ごろとなっています。

さつまいもの種類

しっとり系のさつまいも

甘くなめらかでありながら、ホクホク感も残っているしっとり系のさつまいも。まるで芋ようかんを食べているような食感でのどごしなめらかな品種です。

紅まさり: 上品な甘さが人気の品種で、茨城県が主な産地です。旬の時期は1～3月です。
シルクスイート: まさにシルクのような舌ざわりでほんのりとした甘さが特徴です。旬の時期は11～2月です。

その他、「ひめあやか」「めんげ芋」「アメリカ芋」などがあります。

ほくほく系

水分が少なくサラサラとし上品な甘さのある昔ながら焼き芋が味わえる品種です。

紅あずま: 一般的なさつまいもの糖度は7度前後ですが、紅あずまは糖度14度もあるほくほく甘いさつまいもです。旬の時期は９～11月です。
鳴門金時: 徳島県を代表する名産物で、栗のようなホクホク感が人気です。旬の時期は1～2月です。

その他、「紅こまち」「パープルスイートロード」「紅さつま」「五郎島金時」などがあります。

ねっとり系

ねっとり系のさつまいもはスプーンでも食べられるくらいのクリーミーな口当たりです。味も濃厚で甘みが強くスイーツみたいな点が特徴です。

安納芋: 種子島で作られた安納芋は、蜜が出るほど！と言われるくらいの甘さを持っています。旬の時期は10月中旬から1月です。
紅はるか: 比較的新しい品種ですが、ねっとり系のさつまいもの種類では安納芋と人気を二分していると言われるほど近年では人気の高い品種です。旬の時期は11～1月です。

その他、「紅天使」「クイックスイート」「甘太くん」「いもジェンヌ」などがあります。