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ゴーヤの栽培時期
ゴーヤはニガウリとも呼ばれ、沖縄地方の代表的な夏野菜の一つです。
苗作りの時の温度に気を配れば、温暖な地域でなくても簡単に栽培することができ、夏の日差しを遮るための緑のカーテンとしても人気です。
ゴーヤの種まきは4月ころから始まります。住んでいる地域によって苗の植え付けの時期は違って、温暖な地域で5月ころ、寒冷地域では6月上旬くらいまで植え付けできます。
気温が高くなってから畑やプランターに植え付けして、収穫は真夏から9月いっぱいまでです。
つるがどんどん伸びるので、高さのある支柱を用意して、強風などの影響を受けないようしっかりと立てましょう。
≪ポイント≫
- ゴーヤを種から育てる場合は4月頃から育て始める
- ゴーヤの苗の植え付けは「あたたかい地域は5月頃」「寒い地域は6月上旬」に行う
- 収穫は「7月頃~9月頃」に行う
ゴーヤ栽培を始める前に
種まきから育てる場合
ゴーヤの種まきは気温が20~25℃くらいが適しています。種の先端部分をペンチなどで1㎜ほどカットして水に浸しておくと発芽しやすくなります。
【種まきの手順 ※ビニールポットの場合】
- 9~12㎝の大きさのビニールポットを用意
- ペットボトルのキャップくらいの大きさの穴を作り2~3粒の種をまく
- 1㎝ほど土をかぶせて、手で軽く押さえ、水やりを行う
本葉が3~5枚になるまで風通しの良い日陰に置きます。土を乾燥させないように気を付けましょう。
苗を購入する場合
種まきから始めないで苗をホームセンターや園芸店で購入すると手軽に栽培が始められます。苗を選ぶときは、葉の裏などに病害虫がないかよく確認しましょう。
良い苗を選ぶポイントは次の通りです。
- 新芽が傷んだり黒く変色していないもの
- 本葉が3~4枚まで成長しているもの
- 節の間が短く詰まって、太さもしっかりとしているもの
- 葉の緑の色が薄すぎたり濃すぎたりしないもの
- 根元がぐらぐらしていない、茎の根元を優しくつまんでしっかりしているもの
プランター栽培の場合
ゴーヤはどんどん成長していきますので、プランターは大型の深底タイプを用意しましょう。
例えば長さ60㎝、幅25㎝、深さ30㎝程度のものの場合、苗は2本並べて植え付けできます。プランターで育てる場合は野菜用の培養土を用意しておくのがおすすめです。
地植え栽培の場合
地植えにする場合は次のような手順で準備を行います。
- 土づくり
堆肥を入れる。1週間後に石灰を入れて耕す。Phは5.5~6.5を目安としてください。 - 植え付け前の準備
植え付け1週間前に元肥を入れます。元肥の目安は10㎡あたり150gのチッソ、200gのリン酸、150gのカリとなります。 - 植え付けを行う
株の間は90cmで植え付けます。畝の幅も90cmで立てて用意しておきましょう。
栽培期間が長いゴーヤは多く肥料が必要となるため、元肥に緩効性肥料を活用するのがおすすめです。
ゴーヤ栽培をプランターで行う
プランターに苗を植え付けする手順は次の通りです。
- 水を入れたバケツに苗ごと入れて十分に水を与えておきます。
- 鉢底に鉢底石を敷いて、プランター容器の淵から2㎝のところまで土を入れます。
- 苗と同じくらい穴をあけて、苗を軽く手で押さえて根鉢が崩れないよう優しく植え付けます。
- 小さめの支柱を立てて、麻ひもで八の字にして緩めにしばり付けます。
- 水やりをしっかりします。苗の周りを少しへこませておくと水が浸透しやすくなります。
ゴーヤ栽培を地植えで行う
植え付け
地植えの植え付けは最低気温が15℃以上、晴天の午前中に行うのがおすすめです。株間は90㎝ほどにします。
つるの先端が風で傷ついたり折れたりしないよう、仮支柱を立てて誘因しておくと良いでしょう。深植に注意して根鉢が隠れるくらい土を寄せておきます。定植後はたっぷり水やりしてください。
連作障害に注意
ゴーヤは作物連作障害があるため、同じ場所に植える場合は必ず2〜3年の栽培間隔を取りましょう。一緒に植えることで互いに良い影響を与え合いながら成長していくと言われるコンパニオンプランツを活用することもできます。
ゴーヤのコンパニオンプランツはニラやネギです。植穴の底にどちらかを両側から敷くように置いて、その上にゴーヤの苗を植え付けると効果的です。
ゴーヤ栽培のポイント
水やりのポイント
ゴーヤは水切れになると花が弱って、花に水がかかることで実を付けなくなってしまいます。
花が弱らないように土の表面が乾いていたらたっぷりの水を与えます。暑い季節なので気温が上がる前の午前中の早い時間に水やりをして、夕方に乾いていればもう一度水やりします。
追肥のポイント
肥料は植え付け後から2週間に1回、野菜用の液体肥料を与えます。
肥料が足りないと下葉が黄色くなったり花が咲かなくなり枯れやすくなりますが、草勢を見ながら必要に応じて与えましょう。
摘芯のポイント
植え付けの時に本葉5枚程度で親づるを摘芯して、小づる4、5本を伸ばすような方法があります。
このほかにも、親づるも子づるも伸ばして3本仕立てにするやり方もあります。つるを放置しておくとどんどん生育して実がつきにくくなることもあります。
野菜として食べるのを目的にする場合は、できるだけ上のほうに元気の良い子づるをのばし、それ以外の脇芽は摘み取るのが望ましいでしょう。緑のカーテンとして日光を遮るようにしたい場合は、摘芯しないでそのまま育てて下さい。
受粉・結実のポイント
ゴーヤは同じ株に雄花と雌花がつき受粉をして結実しますが、なかなか虫がやってこない環境や実付きが悪い場合は人工授粉をしましょう。晴れた日の朝に新鮮な雄花を選び花粉を雌しべにこすりつけます。
収穫のタイミングは?
ゴーヤの収穫のタイミングは開花から20日前後です。イボイボがハッキリとし、緑色のツヤが出てきた熟す前の果実を収穫します。
時期を逃すと翌日には黄色く熟してしまうこともあるので、どちらかというと若取りで収穫するほうが良いでしょう。
ハサミでつるを傷めないように切り取ります。熟して黄色くなったものをそのままにしておくと、1日で裂果します。
破裂する前の熟した黄色のゴーヤは種の周りの赤い部分がとても甘く、黄色の部分は苦味が抑えられています。サラダとして食べることもできますので、タイミングが少し遅くなっても裂果する前には収穫するようにしましょう。
≪ポイント≫
- 水やりの際は、「花に水がかからないようにする」
- 追肥は、植え付け後「2週間に1回」「野菜用の液体肥料」を与える
- つるが伸びすぎないように「親づるの摘芯」を行いつるの本数を調整する
- 実をついけてくれない場合は「人口受粉」させる
- 開花してから30日前後で収穫する。早い時期に「若取り」しておくのがおすすめ。
ゴーヤに関するQ&A
A.雌花は雄花に対して10%くらいの割合です。雌花がつかない場合は、水分量が足りない、肥料切れ、日照不足、子づる孫づるが少ない、などの理由が考えられます。また、夏至を過ぎたころから咲き始めることもあります。
A.黄色く完熟したゴーヤの柔らかくなった実をはがします。種の周りにある赤い果肉を水で洗い流しましょう。天日干しで乾燥させ保存をすれば、翌年の種まきに使うことができます。
ゴーヤ栽培で発生しやすい病害虫
ゴーヤ栽培で発生しやすい病害虫の一部をご紹介します。
うどんこ病
うどんこ病は葉の表面に粉っぽい白い斑点がつきます。うどんこ病になると、株全体が生育不良になってしまうため、早めの対処が必要です。梅雨の時期などに日の当たらない状態が続くことでかかりやすくなります。
また、チッソ分を多く含む肥料を与えすぎることもうどんこ病になりやすくなる原因です。風通しの良い場所で肥料の量に気を付けながら栽培することで防げます。
つる割れ病
つる割れ病とは5~9月ごろの日中に下葉がしおれ、夜に回復することを繰り返しながら全体にしおれていく病気です。気づいたら殺菌剤などで対処します。予防法は古い土を使わないようにして、虫が寄り付きにくいネギ類などを近くに植える対策などがあります。
ウリハムシ
ウリ科の野菜については葉を食べ荒らす、オレンジ色や銅色の1㎝程度の虫です。夏の後半の猛暑にかけて大量発生しますが、すぐに飛ぶため退治する前に逃げられてしまいます。
ハスモンヨトウ
茶色でイモムシ状の幼虫が実に大きな穴をあけます。ゴーヤは傷ついた部分からすぐに黄色くなって傷んでしまいます。
最後に
ゴーヤは収穫後2日程度の日持ちしますが、それ以上日持ちさせたい場合は冷蔵や冷凍で保存しましょう。冷蔵庫の野菜室での保存は1週間程度、冷凍保存すれば1カ月程度日持ちします。
ワタの部分から傷み始めるため、すぐに食べない場合は種とワタをスプーンなどでくり抜き下処理をして保存しておくのよが良いでしょう。