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カレーは冷蔵庫で何日保存できる?
冷蔵保存は2〜3日
カレーは冷蔵庫で保存した場合でも日持ちしにくい食べ物で、賞味期限は2〜3日です。
多めに作っておいて、寝かせることで味が熟成され、さらに美味しくなると言われることもあります。ですが、カレーなどの料理は「ウェルシュ菌」という食中毒の原因菌が繁殖しやすい食べ物なのです。
ウェルシュ菌は人や動物の腸管や土、下水などの自然界に広く生息していて、酸素がないと増殖し、熱にも強い性質をもっている芽胞を作ります。
潜伏時間は約6~18時間程度で、食中毒としての症状は軽いほうですが腹痛や下痢などが起こります。このようにカレーを常温で長時間保温すると、ウェルシュ菌が繁殖しやすくなることを覚えておきましょう。
少しでも安全に賞味期限をのばしたいのであれば、朝と晩を目安にしっかりと火を入れて粗熱を取り保存をするようにしてください。
夏場に気を付けること
【保温の状態を短くする】
ウェルシュ菌を発生させないためには、保温の状態を短くすることがポイントの一つです。特に夏場は冷蔵庫に入れるまで自然に冷まそうとしても時間がかかります。できるだけ早急に冷やすやり方で常温まで温度を下げて冷蔵庫に入れてください。
【冷蔵庫の扉は無駄に開け閉めしない】
また、冷蔵庫も開閉の回数が多くなると冷気が逃げやすくなりますので、気を付けましょう。一度に多く作っておくと便利ですが、夏場は食べきれる量を作ることや、特に傷みやすいじゃがいも等は入れずに作る、など工夫することをおすすめします。
常温保存は1日以内
作ったカレーを常温で保存する際の賞味期限は1日と覚えておきましょう。
冬の寒い時期であれば1日半程度は持つかもしれませんが、夏場や湿度の高い時期は半日でもカビが発生したり、菌が繁殖する可能性があります。食中毒のリスクも高まりますので、カレーの常温保存はおすすめできません。
どうしても常温で保存をするときは、1日1~3回、加熱し全体に火をしっかりと通して、粗熱が取れてから蓋をして保存するようにするとよいでしょう。
また、深い鍋は空気がない底の部分でウェルシュ菌がより発生しやすくなりますので、深い鍋より浅いフライパンなどを使ったほうが熱が下がりやすくなりウェルシュ菌の発生を抑えてくれます。
《 ポイント 》
- 「冷蔵保存:2~3日」「常温保存:1日」を目安にする
- 常温で放置すると食中毒の原因「ウェルシュ菌」が増えるので注意する
- 「夏場」は特に日持ちしなくなるので早めに食べるようにする
カレーを冷蔵庫で保存するメリット
具材も残して保存できる
カレーは冷凍保存すればより日持ちしますが、じゃがいもやにんじんなどの具材は冷凍保存に不向きです。食感が変わり美味しくなくなります。
その点、冷蔵庫での保存は、基本的にはすべての具材をそのまま一緒に保存でき、作り立てと同じ状態の具材で食べることができます。
熟成した美味しいカレーが作れる
カレーは冷めるときに熟成され、煮込めば煮込むほど美味しくなりますので、冷蔵庫で寝かせることで熟成も早くなります。
傷まないよう火を入れて冷まして、という工程を繰り返せば雑菌やカビの発生を防ぎながら、熟成された美味しいカレーに仕上げることができます。
カレーを冷蔵庫で保存するときのコツや注意点
素早く冷ます
前述している通り、作ったカレーを安全に保存するには、保温状態を長く保たせないことです。そのため、保存するカレーは素早く冷ましてできるだけ早く20℃以下にしましょう。
保冷剤や氷水を活用する
素早く温度を下げるには、氷水や保冷剤などを利用したり、平たい容器に移してあげてください。フライパンに水を注いで、カレーの入った鍋を置き、鍋の側面に保冷剤を何個か添えると冷めやすくなります。
または、カレーをボールに移して氷水にボールごと浸ける方法などもあります。冷めたカレーは食べるときに温めやすいよう、容器や保存袋には小分けにして入れておくのがおすすめです。
保存容器へ入れて保存する
鍋のまま冷蔵庫に入れるとにおいが庫内にうつりやすいので、保存容器に入れると安心です。
タッパーに入れるときは、においや色が移らないようタッパーにラップをかぶせてからカレーを入れ、ラップで包むようにしてから蓋をすると防げます。
耐熱性のガラス容器はにおい移りなどの心配は少ないですが、同じようにラップで包むように保存すると、空気が入らず風味の劣化を防ぐことができます。
フリーザーバッグなどの保存袋の場合は、できるだけ平らにして保存するのがポイントです。袋の半分くらいにカレーを入れたら、空気を抜いてジッパーをしめて保存しましょう。
≪ポイント≫
- 保冷剤や氷水を使い「20℃以下」に素早く冷ます
- 保存する際は別の容器に移して「においや色の移りを防ぐ」
冷蔵庫から出したカレーの温め方
鍋で温める
冷蔵庫で保存をしていたカレーを食べるときには、全体に熱がいきわたるようにしっかりと鍋で温めるのがおすすめです。
火が強すぎると焦げてしまうため、弱火から中火でかき混ぜながらじっくりと温めます。具体的な目安としては75℃以上15分程度の加熱が必要です。
電子レンジで温める
電子レンジで温めることもできますが、カレーのように濃い液体のものは電子レンジではムラになりやすく、全体を十分に加熱しにくいというデメリットがあります。
電子レンジで温めるときは、保存すると時にガラス製の耐熱容器に入れて、温めるときは途中で何度かかき混ぜながら温めると良いでしょう。
温める時の一工夫
カレーの水分が飛んでいると焦げやすくなりますので、水を入れて伸ばして温めるという方法もあります。
ただし、その方法では水っぽくなるので、それがイヤという場合もあるでしょう。そんな時は、トマトソースやリンゴジュースなどで代用してみる方法もあります。
≪ポイント≫
- 鍋で温める: 弱火~中火(75℃以上)で「15分程度」あたためる
- 電子レンジで温める: 耐熱容器に入れ途中で何回かかき混ぜる
- 水分が飛んでしまった場合は「トマトジュースやリンゴジュース」で代用するのがおすすめ
カレーの冷凍保存に関するQ&A
A.冷凍保存した場合は1カ月程度で食べきるのが良いでしょう。もっと長い期間保存することも可能ですが、冷凍焼けを起こして美味しく食べれない可能性もありますので、1カ月を目安にできるだけ早めに食べましょう。
A.にんじんやじゃがいも等の冷凍に不向きな野菜は取り除くか潰してから冷凍します。食べるときに温めやすいよう量が多いときは小分けにして保存容器やフリーザーバッグに入れます。冷蔵保存の時と同じように、急速で常温まで冷ましてから容器に移しましょう。
できるだけ平らにして保存すると冷凍庫の中で場所を取りません。重ねられる保存容器を利用するのも、場所を取らずに保存できるのでおすすめです。製氷皿を使った冷凍保存方法も少量から解凍できて便利です。
A.凍ったままのカレーをレンジで温めるとパサパサになります。冷凍したカレーは一度冷蔵庫で解凍した後に、冷蔵保存の時と同じように鍋でじっくり温めなおすか電子レンジで温めます。
保存する時にお湯で解凍することができるフリーザーバッグで冷凍すると、湯せんで温められるので便利です。
腐ったカレーの見分け方
酸っぱいような味や異臭
スパイスの風味とは違う、納豆のような酸っぱい味や酸味のある鼻にツンとくる臭いは傷み始めています。
初期の段階では香りの強いカレーでは腐敗の具合を判別するのは難しいかもしれません。ですが、少しでも酸っぱいような味や異臭を感じたら注意してください。
白い粉のような斑点
カレーの中に白い粉のような斑点が見えたら、それはカビです。表面に目に見えるカビが発生しているということは、内部には大量のカビや雑菌が繁殖していますので腐敗は進んでいます。
白い部分だけ取り除いて食べるようなことはせず破棄しましょう。油のかたまりであれば食べることはできますが、突然白い粉のようなものが発生したらカビのはずですので気を付けてください。
中の具材が腐り始める
じゃがいもやきのこなど水分の多い具材はい傷みやすいです。カレーにカビが発生していなくても具材が傷み始めると、糸を引き始めますのでその場合もカレー全部を捨ててしまったほうが安全です。
最後に
カレーと同じようにシチューなども保存には注意が必要です。同じようにウェルシュ菌が発生しやすい煮込み料理です。
特にホワイトシチューは牛乳やチーズなどの乳製品が多く使われているため、常温でそのまま放置するのは避けましょう。冷蔵庫の保存でも1~2日程度が無難でしょう。
管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。