スーツにカビが生えてしまった時の応急処置から予防法まで

Double exposure, close-up businessman with cracked arid soil ground texture

「着ようと思ってクローゼットからスーツを取り出したらびっしりカビが生えていた」というショッキングな経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか?この記事ではスーツにカビが生えた時の応急措置に加えて、カビを寄せ付けないための対処法についてご紹介しています。

スーツに「カビ」が生えてしまう原因

Businessman Cleaning Dandruff Off The Shoulder

大切にクローゼットにしまっていた高級スーツが必要になって取り出してみると、「なんだかカビ臭くてよく見ると色々なところにカビが生えていた」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

最近では毎日洗える安価なスーツも発売されており、このようなタイプはカビが生えにくいものの、高級スーツの場合は自宅の洗濯機を使って洗うことができないのでカビが生えやすくなってしまいます。

そこでここではまず、スーツにカビが生える主な原因についてチェックしていきましょう。

湿度が高い

スーツにカビが生える最大の原因が湿度です。

日本は諸外国と比べると高温多湿なことで知られており、だからこそ昔の日本家屋は風の通りやすい構造をしていました。しかし、近年の建築物は密閉性が非常に高くなっているので、ただでさえ高い湿度が部屋中にこもりやすくなってしまっています。

湿度が高ければ高いほどカビにとっては理想的な繁殖環境になりますので、注意が必要と言えるでしょう。一般的に、湿度が65~70%を越えるとスーツに限らず、さまざまなものにカビが生えやすくなってしまいます。

温度が高い

湿度が高ければスーツにカビが生えやすくなるというのは有名ですが、温度に関しても同じことが言えるということを知らない人も意外と少なくありません。

実は、カビが発生する上で湿度と温度はかなりの相関関係にあります。

湿度が高くとも温度が低ければそこまでカビが大繁殖する可能性はありませんが、湿度が高く温度も高ければ、カビにとってはこの上ない繁殖環境になります。

特に温度が20度を越えた状態で湿度も65~70%になると、スーツをはじめさまざまなものにカビが発生しやすくなるでしょう。

カビがつきやすい素材

湿度と温度だけでなく、スーツの素材もカビを発生させる要因となり得ることをご存知でしたか?

通気性の高いクールビズの夏用スーツや合成繊維を使用して作られたスーツは、さほどカビが発生しにくいと言われています。反対に、ウールなどの獣毛を使って作られた高級スーツはカビがつきやすいです。

というのも、カビは動物の毛などについた雑菌を「エサ」にして繁殖するからです。そのため、ウール素材のスーツに関しては、温度・湿度ともにしっかりと管理した状態で保管しておくべきでしょう。

スーツにカビが生えてしまったときの対処方法

Dry cleaning and business theme: a man hand with black suit holding a white sticky brush for cleaning clothes and furniture from dust

普段から毎日のように複数のスーツをルーティーンで着ている人の場合、こまめに洗濯をしたりクリーニングに出すため、カビが生えることはそう多くはないでしょう。

ですが、いつもはスーツを着ることがなく、たまに必要な時にクローゼットの中からスーツを取り出したところ、カビがびっしり生えていて驚愕したという人は意外と多いのではないでしょうか。

そこでここからは、スーツにカビが生えているのを発見した時の対処法や応急処置についてご紹介していきます。

自宅でできることは応急処置と割り切る

結論から言うと、自宅でできることはとりあえずの応急措置だけであって、スーツから根本的にカビを取り除くことはできません

エタノールなどを使ってゴシゴシと力を入れてスーツをこすると、表面的にはカビが落ちたように見えるでしょう。ですが、その分スーツにダメージを与えてしまいます。

また、何よりカビはスーツの表面だけにあるのではなく、繊維の奥深くにまで浸みこむように付着してしまっているため、自宅での応急措置では根本的な解決にはなりません。

完全に落とすにはプロに任せよう

10,000円以下の安いスーツならば、カビが生えたとしても「また新しいのに買い換えればいいや」と諦めもつくでしょう。ですが、お気に入りのスーツや高級ブランドのスーツだと、カビが生えたからと言って捨てるのはとても惜しいことです。

自宅でできる応急措置をしてもカビ臭さやカビ特有の汚れは落ちることはないため、完全にカビを根絶するためには、プロの手を借りるのが一番です。

スーツをクリーニングに出す頻度

最近では自宅で手軽に洗濯できるスーツも増えてきていますが、やはりクリーニング必須のスーツを着用している方も多いことでしょう。この場合、定期的にクリーニングに出すことでカビが生えてしまうのを防ぐことができます。

では、一体どれくらいの頻度でスーツをクリーニングに出せばよいのでしょうか?

【夏場は2週に1回、冬場は1シーズンに1回】

一般的に、汗をかきやすい「夏場」は少なくとも2週間に1回、クリーニングに出すようにしましょう。

「冬場」の場合は、ワンシーズンに1回にクリーニングに出す必要があると言われています。ただし、毎日同じスーツを着倒す場合にはクリーニングの頻度を増やすべきです。

「保管クリーニング」も検討しよう

みなさんは普段、自宅のクローゼットにスーツを保管していることでしょう。ですが、実はこのクローゼットこそがカビの原因であることも少なくありません。

クローゼットは多くの衣服でギュウギュウになっていることが多く、また換気をしにくい場所でもあることから湿気が高く空気がこもり、カビが生えやすい好条件だからです。

きちんとクリーニングに出してケアをしているのにそれでもスーツにカビが生えるのならば、クローゼットが原因である可能性が大でしょう。この場合は、クリーニング会社の「保管クリーニング」のサービスも検討してみてください。

≪ポイント≫

  • 自宅でのケアは「応急処置」と考える
  • カビの除去は「プロに依頼」してクリーニングしてもらう
  • 定期的にクリーニングする。夏場は2週に1回、冬場は1シーズンに1回。
  • クローゼット自体がカビの原因になっている場合がある。

スーツにカビを見つけた時の応急処置4選!

Young male worker removing dirt from clothes at dry-cleaner's

スーツが必要になってクローゼットから取り出したものの、カビ臭くてよく見るといろんな部位にカビが生えていたということも少なくありません。

カビの生えたスーツを着ていくのは社会人として絶対にNGですし、健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。しかし、明日にでもスーツが必要な場合、クリーニングに出す時間的な余裕はないでしょう。では、どうすればよいのでしょうか?

ここからは、スーツにカビを見つけた時の応急処置を4つピックアップしてご紹介していきます。

「白カビ」と「黒カビ」で対処法は異なる

まず知っておきたいのが、カビの種類によって応急措置の方法が異なるという点です。スーツに生えているカビが白カビなのか、それとも黒カビなのかをチェックしてみましょう。

白カビはその名前の通り、白っぽいカビなので目視ですぐに判断できます。白カビはカビの中でも比較的軽度なものですので、きちんとした応急措置を取れば、少なくとも表面的にはカビを取り去ることは可能です。

反対に、黒カビは白カビがさらに悪化してしまった状態にあたり、応急措置ではなかなか対処が難しいでしょう。

白カビの落とし方

スーツの表面に白っぽい白カビがついている場合には、応急処置を取ればとりあえずそのスーツを着用することができます。

ただし、スーツ表面についた白カビは除去できたとしても、繊維の奥にまで浸みこんだ白カビに関しては応急措置では不十分であることも事前に知っておきましょう。

では、具体的にどうすれば白カビを自宅で落とせるのでしょうか?ここからは、スーツに白カビが生えた時の落とし方についてご紹介していきます。

白カビの応急処置①「ぬるま湯でたたき洗いをする」

スーツに生えた白カビの応急措置としてまず行いたいのが、ぬるま湯を使ってたたき洗いをするということです。白カビに限らず、カビは熱に弱いのでお湯を使って表面についた白カビをできるだけ除去しましょう。

ただし、高熱のお湯を使ってしまうと生地を傷めてしまう可能性があるので、ぬるま湯がおすすめです。また、たたき洗いをすることで他の部位にカビの胞子を広げることなく、繊維の奥に着いたカビの胞子を効率的に洗い流せるでしょう。

白カビの応急処置②「エタノールでブラッシングする」

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ぬるま湯でたたき洗いをして表面についた白カビを大方落としたならば、次にすべきはエタノールを使ったブラッシングです。

消毒用のエタノールを使い、白カビが生えていた部分だけでなくその周辺にも多めにつけて、歯ブラシなどで丁寧に優しくブラッシングを行っていきましょう。

生地を傷めないように、力を入れすぎないようにしてみてください。周辺部分にもエタノールをつけるのは、目に見えないだけで白カビが生えた部位の周りにもカビの胞子が付着している可能性が高いからです。

白カビの応急処置③「ハッカ油でブラッシングする」

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エタノールで大方白カビの原因を取り除くことができたならば、次なる応急処置としてはハッカ油を使ってブラッシングをしましょう。

ただ、ハッカ油の原液をドバドバとスーツにつけてしまうと生地を傷めるだけでなく、臭いが強烈になってしまいます。

エタノールと水にハッカ油を混ぜたものをスプレーに入れ、シュッと一拭きするたびに、丁寧にブラッシングを行ってみてください。エタノールとの相乗効果で頑固な白カビも落ちやすくなりますし、カビ特有の嫌な匂いも和らぐはずです。

黒カビの落とし方

白カビならば比較的簡単に自宅でも応急措置ができますが、黒カビとなると話は別です。

黒カビはさまざまな種類の中でも性質が悪く、素人で黒カビを完全に落とすことはほとんど不可能だと言われています。

そうは行っても、翌日に着る予定のスーツに黒カビが生えていたならば、クリーニングに出す余裕はないので、何とかして応急措置をしなければなりません。

そこでここからは、スーツに黒カビが生えた時の対処法についてご紹介していきます。

黒カビの応急処置「酸素系漂白剤で落とす」

黒カビの場合はお湯につけたり消毒用エタノールなどでブラッシングをしても、繊維の奥の奥まで浸みこんでしまっているため、変色が強く、素人ではなかなか改善することはできません。

だからこそ、消毒用エタノールのような弱めのものではなく、酵素系漂白剤を使うべきです。

酸素系漂白剤を使った黒カビの落とし方

  1. 漂白剤を染み込ませる
    まずはガーゼや綿棒などを使って、黒カビが生えている部分に原液の酵素系漂白剤をたっぷりと染み込ませます。
  2. お湯につけ置きする
    お湯の中に漂白剤を混ぜ、その中にスーツを入れて1時間ほど放置しましょう。
  3. もみ洗いする
    漂白剤は肌に刺激が強いので、放置後はゴム手袋を使ってもみ洗いをしてみてください。

≪ポイント≫

  • 「白カビ」と「黒カビ」で対処を変える
  • 白カビは、ぬるま湯で手洗いした後、「エタノール・ハッカ油」を使って対処する
  • 黒カビは「酵素系漂白剤」で手洗いする

スーツのカビを予防する方法

Men's suit jackets hanging in closet

一度スーツにカビが生えてしまうと、消毒用のエタノールや酵素系漂白剤を使えば表面的にはカビを取り除くことはできます。ですが、繊維の奥深くにまで浸みこんでしまったカビの根を取り去るのは、素人ではほとんど不可能に近いと言えるでしょう。

つまり、スーツにカビが発生してしまわないように予防を徹底することが大切です。ここからは、その予防法について詳しく見ていきましょう。

クローゼットの湿気に注意する

部屋の中でも、特にクローゼットは湿気が溜まりやすい場所であると言われています。しかし、多くの人は衣類品を取り出す時にしかクローゼットを開け閉めしないので、そこが高湿度になっていることになかなか気づけません。

ここからはクローゼットの湿気対策について解説していきますので、ぜひ実践してみてください。

徹底的に換気する

クローゼットの湿気を減らすために何よりも大切なのが、徹底的に換気を行うということです。クローゼットは密閉性が高くて狭い場所なので、意識的に喚起を行わなければかなり高湿度の状態になってしまいます。

だからこそ、クローゼットを閉めたままにせず、部屋の窓を開けて換気する際にクローゼットも開けて空気を通すようにしましょう。サーキュレーターなどを使用することで、換気の難しいクローゼットでも効率的に空気を通せるようになります。

服と服との間隔に余裕を保つ

服と服との間に隙間がなく、ギュウギュウに詰め込むようにしてクローゼットに収納しているのはカビにとっての理想的な環境だと言えるでしょう。

クローゼットの中にたくさんの服を詰め込んでしまっていると、服と服の間に空気が入らずに湿気が溜まりやすくなり、カビが生える好条件を整えてしまうことになるからです。

何年も着ていない服やサイズの合わなくなった服は思い切って断捨離して、クローゼットの中をすっきりさせれば、服と服の間に空気を通しやすくなるでしょう。

汗をかいたらスチームアイロンをかける

最近では自宅で洗濯できるスーツもありますが、それでもクリーニング専用のスーツも多いでしょう。

自宅で洗濯できないスーツを着用して汗をかいた場合、そのままクローゼットに収納してしまうとそのスーツはもちろん、他の衣服やクローゼット内にも汗や雑菌を拡散してしまうことになります。汗をかいたら必ずスチームアイロンをかけ、汗や皮脂汚れを除去しましょう。

雨に濡れたら陰干しする

傘をさしていても腕や肩の部分が雨に濡れてしまうことはあるでしょう。そんな状態のまま、スーツをクローゼットの中に入れるとクローゼット内の湿度がぐっと上がり、カビがどんどん生えてしまいます。

衣服が雨で濡れた時には、必ず陰干しを行って湿度を取り除いてからクローゼットに収納しましょう。

毎日のブラッシング

カビは、ほこり皮脂汚れ髪の毛ペットの毛などを「エサ」として繁殖していきます。だからこそ、スーツに汚れが付いた状態のままクローゼットに入れるとカビが生えやすくなるでしょう。

スーツにほこりや髪の毛が付着したまま放置せずに、必ず毎日ブラッシングをして汚れを落とすようにしましょう。

クリーニング後のビニールは早めにとる

「汚れやほこりがつかないようにビニールはつけたままのほうがいい」と誤解している人も多いですが、実はそうではありません。

ビニールを取らないと湿気が溜まりやすくなるので、カビを繁殖させることにつながってしまいます。特に湿気の多い梅雨の季節に、クリーニングのビニールをつけたままスーツをクローゼットにしまってしまうと湿気がこもりやすくなってしまうのでNGです。

しまいっぱなしはNG

夏用スーツや秋冬スーツなどは、使用する季節以外はクローゼットの中にしまいっぱなしにしている人も多いのではないでしょうか?

ですが、スーツをしまいっぱなしにすると空気に触れる機会が少なくなるため、湿度の高いクローゼットの中でじわじわとカビが繁殖していき、黒カビの被害に遭いやすいです。

普段着ないスーツや季節外のスーツであっても、定期的に風通しをしましょう。

≪ポイント≫

  • クローゼットは定期的に換気する
  • クローゼットに服を入れすぎない
  • 汚れたままのスーツはクローゼットに入れない
  • 濡れたままのスーツはクローゼットに入れない
  • ブラッシングなどで汚れを落としてからクローゼットに入れる
  • クリーニング後のビニールはすぐに取る
  • スーツは定期的に外に出す

スーツにカビが生えないように気をつけよう

Young businessman holding hanger with jacket in plastic bag on white background. Dry-cleaning service

今回はスーツにカビが生える原因や対処法に加えて、スーツにカビを寄せ付けないための対策についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

安価なスーツと言えどもそう頻繁に買い替えるのはお財布に負担がかかるものですので、普段からスーツにカビが生えないようにクローゼットの換気を行ったり、除湿剤を使用するなどして予防を行ってみてください。

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