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そもそもキャベツは洗う必要がある?
サラダや煮物、炒めものなどさまざまなレシピに活用できるキャベツは冷蔵庫に常備している家庭も多いのではないでしょうか?キャベツを使う時に1枚ずつはがして丁寧に洗うのは、とても面倒に感じてしまいます。
実はキャベツは外側の葉を3~4枚はがせば洗わなくても食べることが可能です。内側の葉は洗わなくても食べられる理由には、キャベツの育ち方に理由がありました。
キャベツの育ち方
キャベツは発芽する時は双葉の状態です。双葉は地面を這うように成長し、茎を作らずに葉だけがどんどん新しく育っていきます。内側の葉が育ち、外側はそれにともない包み込むように広がることで球状のキャベツとなります。
そのため内側の葉には虫がつきにくく、農薬やホコリなどもかからない状態です。キャベツの他に白菜も同じように育つため、内側の葉は洗わなくても食べられるようになっています。
虫がつきやすいので無農薬では育てづらい
野菜をしっかりと洗わないと心配と考える人が気になる一番のポイントは、残留農薬ではないでしょうか?有機野菜はスーパーで並ぶことは増えてきましたが、虫のつきやすい野菜は農薬を使って育てているものがほとんどです。
キャベツに関しても、虫が付きやすい野菜にあたるため、農薬を使う場合が多いです。農薬がついている可能性が高い外側の葉は、極力使わない方が良いですが、もし料理などで使用する場合は、しっかりと洗いましょう。(残留農薬が気になる際の洗い方は後ほど詳しく説明します)
内側の葉はきれいな状態で育つので比較的安全
キャベツの新しい葉は内側から育っていきます。無菌に近い状態になっているため、虫も入りにくくきれいな状態を保っています。農薬を使用してもかかっているのは、外側の葉だけなので内側の葉は農薬の影響を受けていません。
外側の葉を数枚剥がしてから食べる
育ち方などを知ると、外側の葉を剥がせば洗わなくても問題無く食べられるのはわかるでしょう。
外側の葉を剥がせば農薬に関しては安心ですが、内側まで農薬入っていない補償はありません。また、スーパーでカットした状態で売られている時は、その断面の汚れを気にする人もいます。
育ち方のことを考えれば、内側の葉は洗わなくても大きな問題はありませんが、個人の考え方の違いも大きいです。
それでも心配であれば洗おう
基本的には内側の葉を洗わなくても問題ありませんが、気になるようであれば洗って食べましょう。
虫も絶対に内側まで入っていないとは限りません。カットした状態で売られているものなどは、汚れが気になる人もいます。食べ物は安心安全であることがわかって、初めて美味しいと感じられます。
キャベツを洗う際の注意点
次にキャベツを使う際の洗い方の2つの注意点を紹介します。
2つの注意点を押さえておけば、キャベツの良さを生かしたまま安心して食べられます。次に紹介する注意点は、丸ごとの状態でキャベツを購入した時の参考にしてみてください。
注意点①:使う時に使う分だけ洗う
1つめに気をつけたい洗い方の注意点は、キャベツは使う時に使う分だけ洗うことです。1枚1枚洗うのは面倒なので、時間がある時にまとめて洗うことはできないかと考える人もいるでしょう。
しかしキャベツをより長く保存させるためにも、やはり使う分だけ剥がして洗うのがおすすめです。1枚ずつ剥がせば、万が一内側に虫が入っていても気づくことができます。
注意点②:カットする前に洗う
2つめに気をつけたい洗い方の注意点は、キャベツをカットする前に洗うことです。流れとしては使う分の葉を、必要な分だけ剥がし流水で洗います。流水でしっかりと洗った後に、カットするのがキャベツの基本的な洗い方です。
なぜキャベツはカットする前に洗った方が良いのかというと、切り口から栄養成分が流れてしまうためです。
キャベツの良さを活かすなら、この基本的な洗い方は意識しておいた方が良いでしょう。
キャベツに含まれているビタミンUやビタミンCは水溶性のビタミンです。水溶性のビタミンは「水に溶けやすい」特性があります。そのため、キャベツをカットしてから水にさらしたり、しっかり洗ってしまうと、含まれているビタミンが切り口から溶け出してしまうのです。
つまり、切ったキャベツは「洗うと大事な栄養素が減ってしまう」というわけです。
【形状別】キャベツの上手な洗い方
次にキャベツの形状別のベストな洗い方を見ていきましょう。
丸ごと洗う場合、カットされたものを洗う場合など形状に合わせた洗い方があります。さまざまな料理に使われるキャベツは、スーパーでもカットされた状態で売られていることが多いです。
カットされたものを購入した時にも、つい気になるのは洗い方ではありませんか?キャベツの洗い方の疑問は、ここで解決してしまいましょう。
キャベツを「丸ごと」洗う場合
丸ごとの状態のキャベツを使う時には、1枚1枚全て剥がして洗っていくのはとても手間がかかってしまいます。キャベツを丸ごと使う時には、芯を包丁でくり抜いてから洗う方法を取りれると便利です。
芯をくり抜いた後に、芯の方から葉全体に水を行き渡らせるように洗うと時間をかけずに全体を洗えます。全て使いきれなかった時には、濡らしたキッチンペーパーを芯につめると鮮度が持ちます。
「半玉」のキャベツを洗う場合
半玉の状態で売られているキャベツは、カットしたところからホコリが入っている可能性もあるため軽く洗った方が安心して食べられます。
半玉キャベツを洗う時は芯をつけたままの状態で、ボウルに溜めた水につけて、上下左右に揺らしながら振るうように洗いましょう。じゃぶじゃぶと揺するように洗うと、葉の間に水が入るため汚れが水で洗い流されます。
「くし切り」したキャベツを洗う場合
4分の1の状態でカットされたくし切りのキャベツの洗い方も、半玉キャベツと同じです。水が入る面が多いため、汚れは落としやすくなります。しっかりと洗ったあとは芯を切り落として、調理方法に合わせてカットしていきましょう。
「千切り」したキャベツを洗う場合
千切りキャベツは使う分だけ葉を剥がして、洗ってから千切りするのが一番おすすめの洗い方です。しかし水溶性の栄養素が流れていしまいますが、食感を大切にするなら千切りにしたキャベツを水に浸して洗う方法もあります。
千切りキャベツに至っては、個人の好みに合わせて洗い方を変えても良いでしょう。また千切りしたキャベツを水に浸すと、時間経過と共に感じられる苦味成分を抑える効果もあります。
「みじん切り」したキャベツを洗う場合
みじん切りキャベツの洗い方のタイミングは、半玉やくし切りキャベツと同じです。半玉もしくはくし切りにしたキャベツを水に浸して揺するように洗った後は、2~3ミリ幅を目安に千切りにしていきます。
全て千切りにしたらキャベツの向きを変えて、みじん切りになるように細かく刻んでいきましょう。みじん切りの状態で販売されているものは、基本的には洗う必要はありません。
≪ポイント≫
- 丸ごと洗う場合は「芯を包丁でくり抜りぬいてから洗う」
- 半玉・くし切り・みじん切りのキャベツは「ボウルに水を溜めながら洗う」
- 千切りキャベツは「水に浸す」ことで食感が良くなる
流水以外でのキャベツの洗い方
一般的には野菜はたっぷりの水で洗うことが多いでしょう。
しかし水で洗うだけで本当に、キャベツについている残留農薬が落ちているのか気になる人も少なくありません。残留農薬や汚れをしっかりと落としたい人におすすめの、流水以外の野菜の洗い方があります。
- 「食材専用」の洗剤で洗う
- 「食用の重曹」で洗う
- 「お酢」で洗う
この方法を覚えておけば、小さい子供がいる家庭やサラダにして食べることが多い家庭でも安心です。
食材専用洗剤
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B001TM6YBM/
残留農薬が気になる時は、キャベツの葉を洗う時に洗剤を使うのもおすすめです。
しかし使用するのは食器用洗剤ではありません。野菜などを洗うために作られた食材専用の洗剤があるのを知っていましたか?
種類はいくつかあり、つけ置き洗いが必要なものからスプレーで洗剤を吹きかけて撫で洗いしてすすぐものまで販売されています。小さい子供がいる家庭では、より安心して野菜を食べられるようになりそうです。
食用の重曹
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B00260NNDI/
重曹も野菜の残留野菜をしっかりと落としたい時に役立つアイテムです。使う重曹は必ず食用のものを使いましょう。
使い方はとても簡単です。キャベツの葉を水洗いした後にボウルに浸し、ひとつまみの食用重曹を入れます。つけすぎると栄養素が溶け出してしまうので、1分ほどで十分です。
酢
殺菌効果の高い酢も、野菜の残留農薬や汚れを落とす効果があります。「酢1:水3」の割合で作った酢水に野菜をつけるだけでOKです。
しかし酢で野菜を洗う際の注意点もあります。殺菌効果が高いですが、野菜を変色させてしまうこともあるので、浸けすぎは良くありません。浸ける目安としては、1分以内が理想です。
新鮮なキャベツの選び方
内側の葉であれば洗わなくても食べられること、それぞれの形状などに合わせた洗い方などを紹介しました。
しかしどんなに安全に食べられることが分かっていても、鮮度が落ちたキャベツはあまり美味しくありません。より美味しく食べられるように、鮮度の良いキャベツを選ぶ時のポイントを紹介します。
鮮度の良いキャベツを選べば、持ちも良いため経済的にもメリットがあります。
葉が新鮮でみずみずしいもの
新鮮なキャベツを選ぶ時は、周りの葉に注目しましょう。葉がつるっとしていて肉厚になっているのは新鮮な証拠です。葉の色が濃いと、より美味しく食べられます。葉の光沢感が失われたものは、あまり日持ちしないので注意が必要です。
芯が変色していないもの
葉をチェックした後は、キャベツの芯を見ていきましょう。新鮮なキャベツを選ぶ時は、芯の色が茶色くなっていたり割れていたりしているものは避けるのがおすすめです。
キャベツは芯の方からどんどん古くなっていきます。葉の色が濃いとキャベツの旨味が凝縮されているのと同じように、芯の大きさでも良いキャベツを見極められます。芯の大きさは直径5センチくらいがベストの大きさです。選ぶ時の参考にしてみてください。
重量感があるもの
見た目でキャベツを選んだ後は、実際に手に持ってみましょう。いくつか持って比べてみると、重量感のあるものを見極められます。重量感があるものは葉の密度が高く、みずみずしい証拠です。
半玉状態で販売されているものは、葉がぎっしり詰まっているものを選びましょう。春キャベツと冬キャベツとでは、同じ鮮度でも重量感は異なります。春キャベツの方が軽く感じる場合もあることは、頭に入れておきましょう。
≪キャベツを選ぶポイント≫
- 葉が新鮮でみずみずしい
- 芯が変色していない
- 持った時に重量感がある
キャベツの上手な洗い方を理解しよう!
キャベツの内側の葉は、洗わなくても食べられますが気になる人は洗ってもかまいません。
残留農薬が気になる際には、流水以外にも酢や食材専用洗剤を使うのもおすすめです。好みに合わせて方法を使い分けるのも良いでしょう。
また洗いすぎはキャベツの栄養素も流してしまう原因になってしまうので、性質を理解することも大切です。