目次
料理酒とは
聞いても「ただのお酒じゃないの?」と思っている方も多いでしょう。実は料理酒にもきちんとした定義があります。以下ではその定義や料理酒の役割をご紹介していきます。
料理酒は「日本酒」に「塩」を加えた調味料
料理酒の製造法は日本酒と同じになります。現在では甘みが加えられている料理酒も多数あります。
他の定義としては、原料であるお米は日本酒と比べると磨きが少なく、アルコールが抑えられて作られていることも特徴の1つです。
また、塩がプラスされていて飲酒できないということで酒税がかからないものとして分類されています。
料理酒の役割
料理に加える長所としては以下の3つです。
- 食材の臭みを消す
- 食材を柔らかくする
- 下味をつける
肉や魚などと一緒に混ぜておくと臭みを消すことができます。料理酒には香気成分や有機酸が含まれているためです。
また、料理酒のアルコールには食材を柔らかくする作用もあります。タンパク質の網目状の組織の中に入り込んでタンパク質の水分を保つ働きがあり、加熱による水分の蒸発も防ぐことができるので、肉や魚がジューシーに仕上がります。
他の作用としては、下味を付けることも可能です。日本酒にはアミノ酸も含まれているので、旨味やコクが出ます。一緒に漬け込んでおくと食材自体に旨味がプラスされるのでいいアクセントになりますよ。
《ポイント》
- 料理酒は「日本酒」に「塩」を加えた調味料
- 「臭みを消す・食材を柔らかくする・下味をつける」など様々な役割がある
みりんとは
料理酒の持ち味がわかったところで今度はみりんの持ち味も押さえておきましょう。みりんの持ち味も理解しておくことで、自分で使い分けができるようになりますよ。
みりんの原材料と種類
実はみりんもお米からできています。焼酎にもち米を入れて米麹を混ぜます。そうしてできたものがみりんになります。
また、みりんには加える焼酎によって2つの種類に分かれます。
旧式みりん
1つは単式蒸留焼酎という蒸留回数が少ない焼酎を使っている物。蒸留回数が少ない分お酒独特の香りが残っています。この焼酎でできたみりんは「旧式みりん」と言います。
新式みりん
連続式蒸留焼酎を使っているみりんはお酒の香りが少なく、米本来の風味を楽しむことができます。この焼酎でできたみりんは「新式みりん」と呼ばれます。現在流通しているのは新式みりんが多いです。
《ポイント》
- みりんは「お米」と「焼酎」が原料
- 「新式みりん」と「旧式みりん」の2種類のみりんがある
本みりんとみりん風調味料について
みりんには、「本みりん」と「みりん風調味料」があります。
本みりん
もち米と焼酎を使っているみりん。お酒に分類されます。アルコール度数は14%前後です。酒税の対象となっているため、酒類販売免許を持っているお店でしか購入することができません。
みりん風調味料
みりんに似せた調味料です。糖類に旨味や香料を混ぜてみりんに近づけていて、アルコールは1%未満になるように作られています。酒税の対象にはなっていないので、どこの販売店でも購入することができます。
《ポイント》
- 本みりんとみりん風調味料がある
- 違いはアルコール度数と含まれている成分
みりんの役割
ブドウ糖やオリゴ糖といった糖類が含まれています。この糖類は料理に甘みを付けるだけでなく、照りやつやを与えてくれます。
また、みりんに含まれているアルコールと糖分の作用で煮崩れ防止が期待できます。アルコール分を煮切ることでスイーツづくりにも応用することができるので大変便利な調味料です。
《ポイント》
- 糖分は照りやつやを与えてくれる
- 煮崩れ防止をしてくれる
- スイーツに応用することもできる
料理酒とみりんの違い
ここからは料理酒とみりんの違いについてご紹介します。
アルコールが入っているからどっちも同じだと考えている方も多いかもしれませんが、違いはきちんとあります。一緒に勉強していきましょう。
素材を柔らかくするのは「料理酒」
肉や魚をふっくら柔らかくするのは料理酒が向いています。料理酒には糖分が入っていません。糖分が入っていない分肉や魚のタンパク質にダイレクトに働いて素材をふっくらと柔らかくしてくれます。
煮崩れを防ぐ効果は「みりん」
みりんには煮崩れを防ぐ作用があります。しかし、煮崩れさせないためにはコツがあります。それは最初に入れること。表面の身が引き締まるので煮崩れしなくなりますよ。糖類は身の表面をコーティングしてツヤを出す作用もあります。
臭みを取る効果は「どちらにもある」
みりんと料理酒には同じ作用をもたらしてくれることもあります。それは食材の臭みを取ることです。料理酒もみりんも両方ともアルコールが入っており、臭みを取ってくれます。
どちらにも同じ作用があるのはとても嬉しいポイントです。
《ポイント》
- 料理酒は食材をふっくらと柔らかくしてくれる
- みりんは食材の煮崩れを防いでくれる
- どちらにも食材の臭みを取る作用がある
料理酒とみりんの使い分け方
食材の臭みを取りたい時どっちを使おうか迷った時は味で決めるのがおすすめです。
- 「甘み」をプラスしたい・・・みりん
- 甘味を抑えて「旨味」をプラスしたい・・・料理酒
このように、用途に合わせてうまく使い分けてみましょう。
料理酒とみりんはそれぞれ代用できる?
料理酒とみりんは代用できます。しかし、完璧に代用することは難しいです。
なぜならば、料理酒とみりんはそれぞれ入っている材料が違います。なので風味などは再現することができません。
どうしてもみりんの代替品で料理酒を使いたい場合は「砂糖」を加えて代用しましょう。
料理酒の代用品としてみりんを使う時は、みりんをそのまま使いましょう。もしくは日本酒に塩を加えて代用することも可能です。
ポイント
- 代用はできるが、完璧な味にはならない
最後に
今回は料理酒とみりんの違いについてご紹介しました。
料理酒は食材をふっくらと柔らかくするのに、みりんは煮崩れを防ぐのに長けています。互いの作用をよく理解してうまく使い分けるようにしましょう。
どちらを使うか迷った時は味で決めるのもおすすめです。料理酒とみりんは代用も可能です。それぞれ切らしてしまった時はぜひ試してみてください。
この記事を参考に美味しい料理を作りましょう。