しいたけの旬の時期は春と秋!選び方のポイントや正しい保存方法まで

生しいたけ

しいたけはスーパーなどでいつでも手に入り、きのこ類は秋の味覚のイメージも強いため、しいたけの旬は秋だと思っている人も多いでしょう。ですがしいたけの旬は秋だけでなく春にもあり秋と春の年2回です。また栽培方法によっても旬の時期は変わってきます。しいたけの旬の時期や見分け方、保存方法などご紹介します。

しいたけの旬の時期

原木しいたけ

栽培方法や品種で旬の時期は異なる

しいたけはシイの木などの枯れ木に生えるきのこです。全国の森林で自生していますが、流通しているものの多くは栽培ものです。栽培ものでも原木を使って自然と同じような状況で作る原木栽培と、おがくずなどを固めて人工的に作る菌床栽培(ハウス栽培)あります。

また、自然の環境で育つしいたけは、地域により涼しい気候で育つしいたけと、温暖な地域で育つしいたけなど品種によって時期にばらつきがあります。栽培方法や品種が異なることで、しいたけの旬の時期もそれぞればらつきがあります。

生のしいたけの旬は春と秋

秋の味覚のイメージが強いしいたけですが、天然のしいたけは3月から5月の春と9月から11月ごろの秋の年2回収穫されます。

自然の中で弱い刺激で発生している天然のしいたけは、十分に培養されたしいたけ菌だけが発生したもので、培養までの時間も長くなりますが、その分美味しいしいたけになります。

一方、ハウス栽培のしいたけは一年を通して流通しています。そのためハウス栽培されているしいたけには旬の時期が無いように思われますが、ハウス栽培のしいたけにも最も美味しいと言われているのが「初出し」のものです。

この初出しは生産者さんによって異なるため、時期は特定できません。どうしても栽培もののしいたけの旬の時期にあたる初出しを食べてみたいときは、直接生産者さんに問い合わせしてみましょう。

干ししいたけの旬の時期と種類

干し椎茸

乾物なので旬は特にない

干ししいたけは乾物のため特に旬の時期はありません。しかし、春に収穫されたしいたけのほうが香りは良いと言われています。春のしいたけを使った干ししいたけのほうが、香りも歯ごたえも味も良いと言われることもあります。

冬に収穫される冬菇(どんこ)

干ししいたけの中でも人気のある冬菇(どんこ)の収穫時期は1月から2月です。肉厚の干ししいたけのためとても良い出汁が取れ、昆布だしとの組み合わせも抜群です。

冬菇(どんこ)の中でも高級品と言われている天白冬菇(てんぱくどんこ)は最高級品のしいたけと位置付けられ高価な値がついています。

秋に収穫される香信(こうしん)

秋に収穫されるしいたけで作られた干ししいたけの代表的な物は「香信(こうしん)」です。秋のしいたけのため、かさは開いたものがほとんどで、味も風味も冬菇(どんこ)ほど濃厚ではありません。ですが、美味しい出汁をとったり煮物の具材などで日常に使いやすいものです。

旬のしいたけの産地

シイタケの栽培

しいたけは全国的に栽培されているため、主な産地はありません。原木栽培では静岡県や鹿児島県、熊本県などが多く、菌床栽培では徳島県、岩手県、北海道となっています。

干ししいたけは生のしいたけと違い、作られている地域は限られています。原木栽培の干ししいたけは大分県と宮崎県が多くこの地域では特産として知られています。続いて熊本県や愛媛県、岩手県でも干ししいたけは生産されています。

旬のしいたけの選び方

肉厚な生椎茸

かさは開きすぎていないもの

しいたけのかさは開いていくほど鮮度が落ちていきます。なるべくかさが開き切っていない状態で、目安としてはかさの開きは6割から8割程度が良いと言われています。また、かさの裏側部分もあわせてチェックしましょう。

かさの裏側は白っぽい方が新鮮です。そしてひだはハリがあるものを選びます。かさの部分が赤っぽくなっていたり、ひだがしおれているのは、傷みが早くなっている状態ですので避けましょう。

大きさより肉厚で軸は太く短いもの

美味しいしいたけは肉厚で丸いカタチをしています。そして軸が太くて短いものが良いでしょう。全体的に丸っこいものが新鮮で旨みと瑞々しさがあり、食感もプリッとしています。

かさが開ききって薄くなっているものやハリの無いものは避けたほうがよいです。しいたけは大きさよりも肉厚であるものを選ぶことがポイントです。

パックに水滴がついていないもの

収穫したばかりのしいたけは、表面が少ししっとりとしています。ですが、しいたけは水分に弱いため、パックや袋の中が蒸れてきて水滴がついているものは好ましくありません。しいたけが明らかに濡れた感じになっているものは、傷みはじめている可能性が大きいためおすすめできません。

旬のしいたけの保存方法

干し椎茸

しいたけは水気に弱い

前述している通り、しいたけの保存には水気が大敵です。買ってきたままのパックや袋のまま保存しておくと、中が蒸れてラップに水滴が付きしいたけの傷みが早くなります。

しいたけは濡れたところから傷みだすため、保存する前に水洗いなどはしないようにしましょう。少しでも長持ちさせるには、しいたけをパックや袋からいったんすべて出して、キッチンペーパーや新聞紙でくるむか下に敷いて野菜室で保存するのがおすすめです。

この時、しいたけのヒダの部分を下にすると胞子が落ちて傷みが早くなると言われています。売られている状態とは逆に内側の軸が付いた部分を上にして置くとより良い状態で保存ができます。

カットしたしいたけも同じように、洗わず汚れが気になるところはキッチンペーパーで拭き取り好きな大きさにカットします。乾いたキッチンペーパーや新聞紙を使って、野菜室で保存しましょう。

目安の保存期間は、そのまま野菜室に保存した場合、1週間程。カットした野菜の冷蔵保存は3日程度で使い切ることをおすすめします。また、チルド室に入れるとより長く保存できます。

乾燥させて保存すると美味しくなる

しいたけは自宅でも乾燥させて干ししいたけにすると、長期保存ができ旨みも増します。

乾燥しいたけの作り方

  1. しいたけの表面の汚れをキッチンペーパーで拭き取ります。
  2. 石づきを落としておきます。
  3. 丸ごと干す場合はそのまま、カットしいたけにする場合は5ミリ程度に薄切りにします。
  4. ザルやカゴにしいたけが重ならないように並べます。
  5. 丸ごと乾燥させる場合は、かさの部分を下に、ひだの部分が上になるよう置きます。
  6. 風通しの良い、直射日光がよく当たる場所に干します。
  7. ホコリやゴミ、花粉が気になる場所は、室内で日光が当たる場所に置きます。
  8. 数日~1週間程度、全体の酢分が良く飛ぶまで乾燥させましょう。

上手に乾ききらないとカビの原因になることもあるため、しっかり乾燥させることがポイントです。しいたけは軽いため、乾燥中に風に飛ばされることもありますので気をつけましょう。最初だけ外に置いて、あとは室内の窓際などで日光にあてるのも良いでしょう。

市販の野菜干しネットを利用するのもおすすめです。しっかり乾燥して保存袋で保存できれば1~2ヶ月くらい保存が可能です。使う時は水でもどしてから使います。戻し汁も捨てずに料理に使いましょう。

冷凍保存も出来る

しいたけは冷凍保存にも向いています。きのこ類は冷凍保存することで、細胞膜が壊れやすく旨み成分がより出やすくなると言われているからです。冷凍する時は丸ごとでなく汚れをペーパーで拭き取り、使いやすい大きさにカットしてから冷凍しましょう。

フリーザーバックに入れてしっかりと密閉して、空気をできるだけ抜いてから冷凍庫に入れます。冷凍した場合の保存期間の目安は1カ月程度です。カットしてあるので使う時は凍ったまま調理しましょう。

最後に

きのこご飯

しいたけは日光にあてることで栄養素の「ビタミンD」の量が増えるそうです。ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にしたりする働きがあると言われています。

乾燥しいたけは戻したときの水も出汁として使えるため一石二鳥です。自宅で乾燥しいたけを作ってみるのも良いですね。

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