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パンは冷凍保存がおすすめ!正しい冷凍方法と誤った保存方法
パンの保存は「冷凍保存」がおすすめです。冷凍保存には「通常の消費期限よりも長く保存できる」「劣化を最小限に防げる」「カビを防げる」という、3つのメリットがあります。
ここではパンを冷凍保存する方法や、そのメリットについてご紹介します。
正しく冷凍する方法と段取り
パンを保存するには冷凍することがおすすめです。しかし買ってきた袋のまま冷凍してしまっては、冷凍やけや劣化を招きます。まずがパンを正しく冷凍する手順を見ていきましょう。
- パンを好みの大きさや厚さにカットする
食べやすい大きさにカットしましょう。サイズが小さいほど冷凍も解凍も早くなります。 - パンをアルミホイルで包む
カットしたパンを、個別にアルミホイルで包んでください。ラップで包んでもいいのですが、アルミホイルの方が早く冷えるため劣化防止に繋がり、保存に向いています。 - 個別で保存袋に入れる
アルミホイルで包んだら、ジップロックなどの密封できる保存袋に個別に入れて冷凍庫へ。袋に入れる際は、中の空気を抜くのを忘れないでください。 - 冷凍庫に入れて、完全に凍るまで開け閉めしない
冷凍庫を開け閉めすると、庫内の温度が上がってしまい、パンの冷凍に時間がかかってしまいます。パンの厚みにもよりますが、大体1時間で完全に凍るので、それまでは冷凍庫は閉め切っていてください。
冷凍しても美味しく食べられるパンの種類は?
冷凍保存に適しているパンは、冷凍に適しているパンは、具材がほとんど入っておらず、主食として食べられるものがほとんどです。具体的には下記のパンが冷凍保存に適しています。
- 食パン
- クロワッサン
- ベーグル
- コッペパン
- バーガーパン
- バゲット
- マフィン
- 惣菜パン
なお、惣菜パンのなかでも冷凍保存に向いているのは、焼きそばパン・カレーパン・揚げ物入りのパン・ソーセージやベーコン入りのパンなど、加熱されていて水分が少ないものです。
反対に、続いて冷凍保存に向いていないのはいわゆる菓子パンや具材が多く入ったパン。具体的には下記のパンです。
- 生野菜入りのサンドイッチ
- 生のフルーツが入ったパン
- カスタードや生クリームが入ったパン
- 汁気の多い具材のパン(シチューなど)
これらのパンは冷凍すること自体は可能ですが、解凍時が問題です。水分をたっぷり含んでいる具材やクリームは、解凍時に水分によってパン生地もべちゃべちゃになってしまい、美味しく食べることができないのです。
「冷蔵庫」での保存は避けるべき
冷凍保存の手間を考えた時、「冷蔵庫ならもっと簡単に保存できるかも」と考える方がいるかもしれません。しかし、冷蔵庫はパンの保存にもっとも適さない場所なので避けましょう。
パンに使われる小麦粉には「でんぷん」が含まれています。でんぷんは、水分があるとパンをふっくらさせますが、水分がなくなると硬くなってしまう性質があり、でんぷんの水分が最も失われる温度は冷蔵庫内と同じ0℃から4℃。つまり、冷蔵庫でパンを保存するとカチカチに固くなってしまうのです。
冷凍保存することが難しければ、パンに含まれるでんぷんが水分を失わないよう、保存袋に入れて常温保存しましょう。
パンに白いカビが付くのはなぜ?発生原因と防ぐ方法
パンはカビが発生しやすい食品。中でも、「麹カビ」と呼ばれる白いカビは発がんリスクを高めるので、発生はできるだけ防ぎたいですよね。
白いカビを防ぐためには、パンを冷凍保存することがおすすめです。しかし、冷凍保存ができない場合は、以下の方法で白いカビの発生を防ぐことができます。
- 湿度を60%以下に抑える
- 保存する気温を20℃以下に保つ
- パンに酸素を触れさせない
そもそも、パンにカビが発生しやすい環境は湿度・温度・酸素に由来します。カビが最も活動しやすいのは、湿度60%、気温20℃から30℃の環境です。つまり、冬以外の季節ではいつでもカビの発生リスクがあるということ。
カビは5℃でも活動できるので、冷蔵庫内でも開け閉めが多くなると、発生する可能性が高まります。また、カビは呼吸するため、保存袋に空気が入っていたり、空気にさらしていると一気に繁殖するでしょう。
一度カビが発生したパンは絶対に食べてはいけません。たとえ、カビ部分を取り除いても目に見えない胞子が広がっています。また、加熱してカビが除去できたとしても「カビから出る毒素」を完全に除去することは難しいでしょう。
パンにカビを発生させないためにも、室内の湿度と温度に気をつけ、できるだけ空気に触れさせないようにしてください。
パンを解凍する方法と劣化したパンを復活させる方法
一度冷凍したパンを、美味しく食べるためには、正しい解凍方法を知っておく必要があります。解凍方法はパンの種類によって異なるので詳しく見てゆきましょう。また、冷凍で乾燥してしまったパンを柔らかな食感に戻す方法もご紹介します。
パンの解凍方法を種類別に紹介
「食パン」の場合
食パンの解凍方法はいたってシンプル!トースターで4分間200℃の熱で加熱するだけです。パンを入れる前に、あらかじめトースターを3分くらい加熱しておくのが、美味しく解凍するポイントです。
「ベーグル」の場合
ベーグル本来のしっとりと柔らかな状態を再現するためには、解凍にひと工夫が必要です。
- 布巾で包み20分間自然解凍
アルミホイルと保存袋を外し、水分を拭き取りやすい麻などの布巾でベーグルを包み、20分間自然解凍します。 - 霧吹きでツヤを出す
生地表面にツヤがでるまで、霧吹きで水分を含ませ、新しいアルミホイルでベーグルを包み込んでください。 - トースターで焼き上げる
トースターを100℃に予熱しておき、160℃で3分間焼き上げれば完成です。
「クロワッサン」の場合
クロワッサンは、焼き時間と焼き上げ後の待ち時間が長いので「早く食べたい!」とうずうずするかもしれません。
- 常温解凍する
クロワッサンからアルミホイルを外し、10分間常温で解凍しましょう。 - トースターで焼き上げる
新しいアルミホイルに包み込み、予熱したトースターへ入れて120℃で8分間焼いてください。 - 焼いてから2分間待つ
焼き上げた直後は、内部のバターがゆるんだ状態で食感もふにゃふにゃです。2分間待つとバターが固まってサクサクの食感が復活します。
乾燥したパンには麦茶をかけよう
保存や解凍が上手くできず、パンの水分が抜けて乾燥してしまったり、風味が損なわれた場合、もう美味しく食べることは不可能だと諦めていませんか?
実は、1つだけパンの食感と香りを復活させる方法があります。それは、麦茶を使用する方法です。
麦茶には香ばしさの素となる成分が多く含まれており、麦茶を霧吹きに入れてパンの表面に数回吹きかけるだけで水分が補われ、焼くとふっくらした状態になります。
「麦茶が加わると味が変になりそう」と心配するかもしれませんが、パンも麦茶も原料は同じ「麦」なので味に違和感がなく、美味しく食べることができるのです。
パンを冷凍する時の注意点
おすすめの保存方法である冷凍でも、美味しく食べるための注意点があります。自力での冷凍保存が難しい場合の対策もあわせてご紹介します。
賞味期限は約1ヶ月、保存の際はアルミホイルを使う
パンは冷凍保存ができるといっても、やはり他の食品と比べて劣化が早いので、1ヶ月以内に食べることをおすすめします。
それ以上保存しておくのは品質上心配なので、早く食べるに越したことはありません。特に湿度と温度の高い夏場と梅雨時は2週間を目安に消費しましょう。
また、期限内とはいえ、冷凍やけしてしまうと味や風味が劣化します。冷凍焼けを防ぐためには、急冷・密閉・温度管理がカギです。
アルミホイルを使って急速冷凍し、パンが空気に触れないよう注意して保存しましょう。さらに、冷凍庫の温度を上げないようにするために頻繁に開け閉めせず保存してください。
すでに冷凍されたパン生地を通販で購入するのもおすすめ
「自分で冷凍保存の管理を行うのは難しい」「冷凍パンがあれば便利なんだけどな~」という人は、ネットで冷凍パンの購入ができるパン通販サイト「パンド」や「パスコ」を利用するといいでしょう。こちらではプロが作って管理した冷凍状態のパンを購入できます。
また公式サイトでは購入したパンを美味しく食べるための、その店ならではの解凍方法が紹介されているので、ぜひ参考にしてください。
解凍したパンを美味しく食べるレシピ3選
解凍後のパンをそのまま食べるもいいですが、ちょっとひと手間加えて「アレンジパンメニュー」にするのはいかがですか?ここでは解凍したパンを美味しく食べられる簡単レシピを紹介します。
カプレーゼ風ピザバゲット
トマト・チーズにバジルを加えた「カプレーゼ風」のピザバゲットです。朝食や昼食の一品にいかがですか?
【材料】(2人前)
- 冷凍バゲット:6枚
- ピザソース:適量(パンの大きさに合わせて)
- ナチュラルチーズ:適量(パンの大きさに合わせて)
- バジル:6枚
【手順】
- バゲットを解凍する
冷凍したバゲットに、麻の布巾で包み込み10分間常温で解凍し、霧吹きで2プッシュ程の水を吹きかけてください。 - トマトソースとチーズをトッピングする
バゲットの上面にトマトソースをまんべんなく塗り、チーズを全体にのせます。 - トースターで焼く
予熱したトースターを使い、200℃で2分間焼いてください。焼き具合を見て、加熱時間を調整してください。 - バジルをのせる
バジルをトッピングして完成です。バジルは好みで大きさを変えましょう。
スープの素で簡単!調理チーズたっぷりパングラタン
グラタンに使うソースを作るのって意外と面倒ですよね?ですが「コーンスープの素」で美味しく簡単にソースを作れます。冷凍パンと組み合わせて、熱々のパングラタンにアレンジしましょう!
【材料】(2人前)
- 冷凍食パン:2枚
- ソーセージ:4本
- 玉ねぎ:2分の1
- 牛乳:200ml
- 水:200ml
- コーンスープの素:2人前
- ナチュラルチーズ:20g
【手順】
- パンを解凍する
食パンは、予熱したトースターに入れ200℃で4分間加熱し解凍してください。 - 食材をカットする
ソーセージ・パンを1口大にカットします。玉ねぎは火が通りやすいように薄切りしてください。 - 水を沸騰させ肉と野菜を茹でる
鍋に水200mlを入れ、強火で沸騰させます。ソーセージと玉ねぎを鍋に入れ、中火にし4分間茹でてください。 - グラタンソースを作る
牛乳とコーンスープの素を鍋に加え、1分間煮込みながら混ぜてください。 - パンを加える
食パンを加えて、さらに2分間茹でます。 - グラタン皿に移す
鍋の中身をグラタン皿に移し、上からピザチーズをかけます。 - トースターで加熱する
予熱したトースターにグラタン皿を入れて、5分間加熱してください。表面にきつね色の焦げ目ができ、表面がぐつぐつと膨れてきたら完成です。
お子様の離乳食にもなる豆乳のフレンチトースト
冷凍パンを使えば、お子様も喜ぶ離乳食フレンチトーストを作ることもできます。
【材料】(1人前)
- 冷凍食パン:1枚
- 卵:2分の1
- 豆乳:30ml
【手順】
- パンを解凍する
食パンは、予熱したトースターに入れ200℃で4分間加熱し解凍してください。耳は切っておきましょう。 - フレンチトーストシロップを作る
卵を溶き、豆乳を加えてよく混ぜてください。 - 食パンをシロップに浸ける
シロップに解凍した食パンを15分間浸けます。 - アルミを敷いてフライパンで焼く
フライパン用アルミホイルをフライパンに敷いて、食パンを2分間焼きます。さらに裏面を2分間焼けば完成です。お好みでシロップやきな粉、少量の砂糖を加えてもいいでしょう。
まとめ
パンは冷凍すれば、長期間品質を保つことができます。室内は湿度も温度もカビが発生しやすい環境なので、長く持たせたいなら冷凍庫を活用しましょう。
冷蔵庫での保存は、パンを劣化させる原因になるため避けてください。また、解凍はパンの味を決める重要な作業です。それぞれの生地に合わせた適切な解凍方法を選びましょう。
うまく解凍したパンはもちもち食感と香りを残しているので、そのまま食べても美味しいです。
さらに、少しアレンジするだけで、大人から子どもまで楽しめるグルメなパンに生まれ変わります。冷凍パンは美味しく使い勝手もいいので、ぜひ試してみてください!