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ニラの旬と収穫時期
ニラはスタミナ料理とされる料理で多用されているので、夏がニラの旬だと思う人が多いのではないでしょうか。
ニラは暑さにとても強い野菜で、真夏の時期でも収穫することができる大切な葉野菜なのですが、最も美味しいとされるニラの旬の時期は夏ではありません。
ニラにも旬がある
ニラは八百屋やスーパーなどでいつも見かけるので、旬が無いと感じてしまうかも知れませんが、もちろんニラにも「旬」はあります。
ニラは冬を越えて春に伸びてきた葉が旬になります。旬とされる時期の春に出たニラの葉は柔らかくて香りも強くてとても美味しいとされています。
ニラの特徴
ニラはネギ科ネギ属の野菜で、古事記や万葉集にも出てくるほど古くから知られてる野菜の一つで日本人にはとてもなじみのある食材です。
ニラは旬に限らず栽培しやすい野菜なので暑さ寒さに強く、春に出てきた葉を根元付近から刈り取っても、その後また次の新しい葉が伸びてきます。それを繰り返しひとつの株から年に3回収穫ができます。
ニラは旬で刈り取った収穫後も株のまま冬を越して次の年も収穫できます。株はどんどん大きく成長するので株分けして数年収穫が続けることができます。
ニラの種類は3種類
- 葉ニラ
- 黄ニラ
- 花ニラ
1つめは「葉ニラ」です。レバニラ炒めなどの炒め物や餃子の具として使用されている緑の細長い葉ですよね。一般的にニラというとこの「葉ニラ」のことを指します。
2つめの種類としては、日光に当てないようにして軟白栽培した「黄ニラ」があります。こちらは柔らかくほのかな甘さがあり、匂いも抑えられてスープや春巻きに使用されています。
3つめは「花ニラ」と呼ばれる葉ニラの茎が伸びてつぼみがついた状態になったニラがあります。あまりみかけませんので食べたことがない方もいるかと思いますが、つぼみと花茎の部分を食べます。
ニラの主な生産地
【ニラのおもな生産地】
- 1位 高知県
- 2位 栃木県
- 3位 茨城県
ニラの主な生産地は高知県です。温暖な気候やハウス栽培と露地栽培の組み合わせにより一年を通して出荷されています。
ご当地グルメとしてニラを使用したニラ塩焼きそばというのがありますね。高知県に続く生産地は宇都宮餃子で知られる栃木県で次に茨城県となっています。この3県で全国で流通するニラの50%以上を生産しています。
また厳しい寒さの北海道の中でも知内では「北の華」というブランド名のニラが生産されています。葉の幅が広く肉厚で食べると甘く柔らかいのが特長で、このニラの旬は1月末~3月です。
寒い北海道では野菜の栽培が難しい冬の期間に、比較的温暖な気候を生かし無加温ビニールハウスでのニラ栽培を行なっています。
ニラの年間収穫量トップ10
順位 | 生産地 | 収穫量 | 割合 |
1位 | 高知県 | 15,400t | 25.84% |
2位 | 栃木県 | 9,970t | 16.73% |
3位 | 茨城県 | 7,850t | 13.17% |
4位 | 宮崎県 | 3,770t | 6.33% |
5位 | 北海道 | 3,200t | 5.37% |
6位 | 群馬県 | 3,200t | 5.37% |
7位 | 大分県 | 2,880t | 4.83% |
8位 | 山形県 | 2,690t | 4.51% |
9位 | 福島県 | 2,660t | 4.46% |
10位 | 千葉県 | 2,380t | 3.99% |
※全国のニラの出荷量:59,600t
ニラの栄養と効果
ニラは低カロリーで栄養素が高い
ニラは旬に限らず豊富な栄養素が含まれています。ニラの主な栄養は、βカロテン、ビタミンC、カルシウム、また鉄分などのミネラルも豊富です。
独特の匂いの元となる成分アリシンは、ビタミンB1と結合して吸収を良くする効果があり、代謝機能や免疫機能を高めてくれる効果があり、疲労回復に役立ちます。またニラに含まれるカリウムは高血圧や動脈硬化予防にもつながります。
またニラは100gあたり21kcalで低カロリーな食材でもあります。食物繊維の多さから整腸作用があるので、昔から胃腸に効く野菜として親しまれています。
ニラの栄養素(ニラ100gあたりの含量)
成分 | 値 |
β-カロテン | 3500μg |
ビタミンB1 | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.13mg |
ビタミンC | 19mg |
ビタミンE | 2.5mg |
カルシウム | 48mg |
カリウム | 510mg |
鉄 | 0.7mg |
食物繊維 | 2.7g |
葉酸 | 100μg |
カロリー | 21kcal |
ニラの主な栄養素の効果効能
β-カロテン
ニラにはβ-カロテンが多く含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されて、発育の促進やお肌の健康の維持、のどや鼻などの粘膜に作用して細菌から体を守ってくれるなどの多くの働きがあります。
ビタミンE
ニラには活性酸素の働きを抑えてくれる抗酸化作用をもつビタミンEも豊富に含まれています。ビタミンEは老化や動脈硬化を引き起こす原因の過酸化脂質の抑制に有効とされているので生活習慣病の予防に役立ちます。
アリシン
ニラの特徴である独特の匂いのもとがアリシンと呼ばれる物質です。アリシンはニンニクやネギ類に共通して含まれる成分で強い殺菌作用を持っています。
アリシンにはビタミンB1の吸収を高める効果あるので、疲労回復や滋養強壮に効果があるとされています。さらに血行促進作用によって、冷え性や動脈効果、血栓の予防にも効果的とされています。
食物繊維
ニラには、食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は脂質や糖やナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあるので、脂質や糖やナトリウムなどの摂り過ぎよって引き起こされる肥満や脂質異常症(高脂血症)や糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防・改善の効果もあるとされています。
カリウム
カリウムは体内の塩分濃度を調整してくれる働きがあるのでむくみを予防し改善する効果があります。また、血圧上昇の抑制の効果もあるるので高血圧の予防にも効果があります。
葉酸
ニラには葉酸も豊富に含まれています。葉酸は胎児の成長に不可欠な栄養素なので妊活・妊娠中の女性は特に意識して多く摂取することが推奨されています。また、ホルモンバランスを正常にしてくれ、生理前の症状を和らげてくれる効果に期待ができるとされています。
ニラの保存の方法
せっかく美味しい旬のニラを買ってきたのに日数がたって鮮度が落ちると、独特の香りも弱くなってしまうので、できるだけ早く使用するか保存しましょう。
冷蔵保存する場合
葉の部分が折れてしまわないように新聞紙で包んでから、袋に入れて冷蔵庫の野菜室に根の部分が下になるように立てて保存すると長持ちさせることができます。
冷凍保存する場合
冷凍で保存する場合には、料理ですぐ使用することができるようにまず水で洗い、水気をしっかり拭き取り使いやすい長さに切り分けてから使用しやすいように小分けしてラップで平らになるように包んで冷凍します。
冷凍したニラを料理で使用する場合は、解凍せずに凍ったままの状態で使用します。汁物の料理を作るときは大変便利です。
【ニラを保存するときのポイント】
- おすすめは「野菜室」で保存。
- ニラは基本的に乾燥に弱く傷みやすい。早めに使い切るように心掛ける。
新鮮で美味しいニラの選び方
新鮮で美味しいニラの選び方は、葉をよく観察することです。葉の色が濃い、艶のあるもの、葉の幅が広く肉厚なものを選ぶのが良いとされています。
また、手で束になっているニラの根元を持って葉の部分が大きく曲がらない張りのあるものが新鮮なニラになります。これはニラの旬には関係なく共通です。
鮮度が落ちたニラはしなびて葉の先が垂れてしまったり、葉の緑色が薄くなって黄色っぽく変色し始めてしまっているので確認がしやすいのでおぼえておきましょう。
【新鮮なニラを選ぶポイント】
- 葉の色が濃く、艶のあるニラを選ぶ
- 葉の幅が広く、肉厚なニラを選ぶ
- 葉が曲がらない、張りのあるニラを選ぶ
- 黄色く変色しているニラは選ばない
最後に
一年を通していつでも流通しているニラですが、旬は3月から5月の春の時期です。
ニラは同じ株から年3回収穫できるのですが、冬の時期を過ぎて春に伸びる葉が柔らかく香りも強く旬とされています。
旬の時期に食べることでその野菜の持つ本来の美味しさを感じることができるので、是非お試しください。