目次
あさりの旬の時期
あさりの旬の時期をご存じですか?
あさりの旬はずばり「海水の温度」に左右されます。あさりが旬を迎える条件や時期を見ていきましょう。
産卵期は身が大きく美味しい
あさりの旬とはつまり「産卵時期」です。海水の温度が20から25度前後に変わる頃に、あさりは繁殖を始めます。産卵時期は栄養をたくさん蓄えるので、身はぷくっと膨らんで、味は濃厚・食べ応え由・栄養豊富といいことづくめです。
旬の季節は春と秋
あさりの旬は春と秋、2度訪れます。一度目は平均で2~4月、長くて7月の初夏まで旬の時期になります。ちょうど潮干狩りシーズンですね。そして2度目は9~10月の秋口頃。
あさりの旬、つまり産卵期は海水の温度が急激に変化する事が条件になります。なので、海水温が著しく上昇する「春」、著しく低下する「秋」の2度、旬が訪れるのです。
・あさりの旬は「産卵期」。一番美味しくて栄養価も高い!
・産卵期は2月~4月、9月~10月の年2回!
美味しいあさりの見分け方
旬の時期であっても、あさりは育ち方によって美味しい個体とそうでない個体がはっきり分かれます。
美味しいあさりの見つけ方やコツを説明します。
模様がはっきりしているもの
綺麗な海水や砂地で育ったあさりは模様がはっきり出ており、殻は薄く身は厚いので美味しく食べられます。
逆に、あまり綺麗ではない海水や泥地で育ったあさりは模様がぼんやりしており、殻が厚い割に身は薄く食べ応えがありません。中国産のあさりは泥地で育つことが多いようです。
平らで身が締まっているもの
あさりは沖で獲れた物が身が大きく、美味しくなる傾向にあります。殻は平べったいですが、身は太く中は引き締まっているので、食べ応えもたっぷり感じられるでしょう。
なぜ沖のあさりは大きいのかというと、常に海水に浸かっている状態なので、餌であるプランクトンの摂取に困ることがないからです。
対して、干潟で育ったあさりは海が干上がると餌が取れないので栄養は沖のあさりよりも少なく、身も小さくなります。
あさり模様は全て違う
あさりの模様や色は個体や産地によってそれぞれ違います。
- しま模様
- ブラウン系の単色
- 青と黒の2色グラデーション
- ベージュや灰色に近い地味な色
美味しいあさりのは産地は「愛知県」と「北海道」ですが、愛知県のあさりは縞模様が多く、北海道のあさりはベージュや灰色の地味な色が付きやすいと言われます。
・模様がはっきりしていて、殻が平らなアサリを選ぼう!
あさりの産地
美味しいあさりが獲れる産地はどこなのでしょうか?収穫量上位3県と、それぞれのあさりの特徴を見ていきましょう。
愛知県
愛知県はあさりの収穫量が全国1位です。全国シェアの約5割以上が愛知県産のあさりと言われています。
世界で最もあさりが発生しやすい環境といわれる「三河湾の六条潟」が有名です。あさりの発育にとても適した環境で、六条潟で獲れるあさりは身が太く栄養豊富で、柔らかい絶品あさりです。
愛知県のあさりは3月から5月、9月から10月に旬が訪れます。ですが、愛知県は6月から翌年2月まで禁漁期間が続くので、実際に収穫できる時期は3~5月のみです。
むしろ、これだけ短い期間で全国1位の収穫量なのが驚きのポイントですね。
静岡県
静岡県はあさりの収穫量全国2位の県で、全国シェアは2割。静岡県のあさりの収穫場所といえば、海水と淡水が入り混じった塩分を含む湖「浜名湖」です。
山の綺麗な川水で育まれたプランクトンをあさりが摂取するので、あさり自体の栄養も豊富で身入りの良い個体が収穫できます。静岡県には禁漁期間は設けていませんが、小さなあさりは収穫できない決まりがあります。
北海道
北海道はあさりの収穫量が全国3位になっており、シェア率も2位の静岡と比べて低いです。なぜ広大な北海道であさりの獲れる量が少ないのかというと「海水温」が原因です。
他県よりも海水温が低く、繁殖に適した海水温になるシーズンが4月から7月だけです。繁殖期が年に1回しか訪れないため、個体数自体が少ないのです。
ですが、北海道のあさりは他県のあさりに比べて身が大粒で食べ応えがあります。
旬のあさりの正しい砂抜き方法
あさりを食べた時に、砂が混じって「ジャリッ」となるとせっかくの美味しい料理も台無しです。正しい砂抜きの方法を行いましょう。
正しい砂抜きを行うには「海水」に近い塩水が重要
あさりの砂抜きを行うには、海水に近い状態の塩水を作る必要があります。
海水に近い塩水とは「塩分濃度3%の塩水」を「20℃に保つこと」であり、この2つをそろえなければ、あさりが上手く砂を吐き出してくれません。
塩分濃度3%の塩水は、500mlのペットボトルとキャップを使うだけで簡単に塩分濃度3%の塩水が作れます。水500mlとキャップ2杯分のすりきりの塩を、合わせれば完成です。
お水は20℃、手で触って「ちょっと冷たいかな」と思う程度の水道水にしましょう。
砂抜きの手順
- ボウルとざるにあさりを入れる
ボウルとザルを重ね、あさりを入れてください。ザルは、あさりが砂を抜いた時に下のボウルへと落としてくれる役割があります。吐き出した砂をあさりがまた吸い込まないためのテクニックです。 - 塩水を入れる
ボウルとザルに前項で作った「塩分濃度3%の塩水」を500mlと注ぎ、あさりが頭をギリギリ出せる深さ、容器の底から2㎝くらいになるまで入れましょう。あさりを完全に塩水に浸してしまうと、酸欠になり窒息死するので注意!(容器によって注ぐ塩水の量は調整してください) - アルミホイルをかぶせ冷暗所をつくる
あさりを入れたボウルの上に、アルミホイルをかぶせます。アルミホイルをかぶせることでボウル内は暗くなり、あさりが育った「暗い砂地の中」に近い環境になるので、砂を吐き出しやすくなります。 - 常温で1時間、水からあげて30分待つ
1時間待てば砂は抜けているはずなので、水からあげてください。その後はザルの上で更に30分放置します。そうすることで、殻内に入った余計な塩水を吐き出してくれます。 - 流水で洗ってこする
最後に、あさりを流水にあてながら、あさり同士をこすり、殻表面に付いた砂や塩水を落とせば完了です。
・アサリの砂抜きは海水と同じ環境を作ってあげることが重要!
・塩分濃度は3%、水温は20℃に保つことで上手に砂抜きができる!
旬のあさりの美味しい食べ方2選
肉厚な旬のあさりを使った絶品おすすめレシピをご紹介します。
酒蒸し
旬のあさりの太い身を活かすなら、一粒一粒にしっかり味をつけて食べられる「酒蒸し」がおすすめです。酒の味を染み込ませることができますし、他の加熱方法と違って身に熱が入りすぎないので、あさり本来の柔らかさを堪能できます!
今回は、普通の酒蒸しよりもちょっとおしゃれな香りを楽しめる「ワイン蒸し」の方法をご紹介します。
「材料」2人前
- あさり:300g
- 白ワイン:100ml
- にんにく:1かけ
- オリーブオイル:大さじ1
「作り方」
- 下準備
あさりの砂抜き・にんにくの皮むきをしておきましょう。 - にんにくに火を通す
フライパンにオリーブオイルを敷いて、にんにくを加えて弱火できつね色になるまで加熱します。 - あさりを加える
にんにくに火を通したらあさりを加えて、強火にします。 - 白ワインを加えて蒸す
すぐに白ワイン100mlを加え、蓋をして蒸し焼き状態にします。 - あさりの殻が開いたら火を止める
蓋を閉めて3分ほど立ったらフライパンの中の様子を確認しましょう。あさりが殻を開き始めていたら、火を止めてもう一度蓋をします。 - 全てのあさりが殻を開くまで待つ
2~3分おきに中を確認し、全てのあさりが殻を開いてれば完成です。
バター焼き
魚介類を簡単に美味しく食べられる方法といえば「バター焼き」!バターと調味料を使えば、磯の香りが苦手な人でも美味しく召し上がれるので人気の調理法です。
準備するものも、手順もとても簡単なので、献立に困ったときやお酒のおつまみにササっと作ってみてはいかがでしょうか?
「材料」2人前
- あさり:300g
- みりん:大さじ1
- 料理酒:大さじ3
- 塩コショウ:少々
- 有塩バター:20g
- 青ネギ:少々
「作り方」
- 下準備
あさりは砂抜きし、青ネギは小口切りにカットしておきます。みりんと料理酒は混ぜておきましょう。 - フライパンで有塩バターを溶かす
フライパンに有塩バターを入れ、弱火で溶かして全体に広げます。 - あさりを加えて殻が開くまで焼く
バターを溶かしたフライパンにあさりを加えて蓋をし、あさりの殻が開くまで中火で加熱してください。 - 調味料を加える
フライパンに先に混ぜておいたみりんと料理酒を加え、あさりに味が染み込むまで中火で加熱し続けます。調味料が蒸発し始めたら、味見をしてください。味があさりに馴染んでいれば火を消します。 - お皿に移し盛り付け
調理が終わったらお皿に移して、小口切りにしたねぎを飾れば完成です。
最後に
あさりの旬は春と夏の2回に訪れます。産卵のために栄養をたくさん蓄えるので、身がたっぷり詰まっていて、味も食べ応えも最高の状態です。
旬の時期を把握し、美味しいあさりを外見から見極めることができれば、最高のあさりにありつけます。
食べごろのあさりは肉厚で栄養も豊富です。普段食べているあさり料理とは文字通り「一味違う」美味しさを楽しめるでしょう。