目次
生クリームとは?
生クリームの代用は、バターや牛乳やヨーグルトなどさまざまな食材を使って作ることができます。
生クリームの代用品の中にはちょっとびっくりする食材もありますので一つ一つご紹介したいと思いますが、生クリームの代用を作る前に、そもそも生クリームとは何かを知っておきましょう。
生クリームの特徴
生クリームとは、動物性脂肪である生乳を原料とした乳脂肪分を、遠心分離で取り出して濃縮したものです。乳脂肪分が18%以上含んでいるものを「生クリーム」と言いますが、他のものが混ざっている物は「生クリーム」ではありません。
同じ乳製品でも含まれる牛乳脂肪は、生クリームが約20%なのに対して、牛乳は約3~4%と、生クリームのほうの脂肪分が圧倒的に多いです。
生クリームが独特の風味と濃厚な味わいを感じられるのは、この乳脂肪分の高さによるものであって、乳脂肪分が3%以下しか含まれていない牛乳では、生クリームのようなコクを出すのは難しく、物足りないものになってしまいます。
ホイップクリームとの違い
ところで、ケーキ作りには欠かせない生クリームですが、似たようなものに「ホイップクリーム」があります。
ホイップクリームとは、動物性脂肪に植物性脂肪を加えたもの、もしくは植物性脂肪のみのものをいい、食品衛生法に基づく規格でいうと、「乳等を主原料とする食品」という名称になります。
パッケージの裏のクリームの原材料などが書かれているところを見ると、生クリームには「種類別:クリーム」、ホイップクリームには「名称:乳等を主原料とする食品」と記載されていますので、生クリームを選ぶ時には間違えないように注意しましょう。
生クリームの代用品の作り方
「バター+牛乳」で代用
バターと牛乳で生クリームの代用を作ります。乳脂肪分が多い食品と言えばバターですが、水分が足りないので、バターで代用する際には、牛乳を混ぜて使います。
お菓用に泡立てたり、デコレーションするのには向いていませんが、ガナッシュや生チョコレートなどの材料としてなら十分に代用できます。
牛乳とバターを3:1の割合にし、小麦粉を加えることによりとろみとコクが生まれ美味しくなります。
用意する食材
- バター:1/4カップ
- 牛乳:3/4カップ
- 小麦粉:小さじ1/2
作り方
- バターを溶かす
バターを鍋に入れ、火にかけて溶かしバターにします。 - 牛乳を入れる
溶かしたバターに牛乳を加えてよく混ぜ合わせます。 - 小麦粉を入れる
小麦粉をお好みにより茶こしなどで振るい入れ、さらに熱を加え、とろみがついたら完成です。
「ヨーグルト」で代用
冷たいお菓子に加えたり、添えたりする時の生クリームの代用品として使えるのがヨーグルトです。
生クリームと同じ乳製品であるヨーグルトは、牛乳よりも乳脂肪分が高めなので水分を取り除くことでさらに濃厚な味わいになります。
固形分だけになったヨーグルトは、ねっとりとしてチーズクリームのように濃厚なので、ババロアやムース、レアチーズケーキ作りに最適です。
用意する食材
- プレーンヨーグルト:適量
なるべく乳脂肪分が高めのものを選んで購入してください。
作り方
- 水分を抜く
キッチンペーパーをザルの中に敷き、そこへヨーグルトを出して一晩ほど置いて水分を抜きます。 - 裏ごしする
水分を抜いたヨーグルトを裏ごしします。裏ごしをすることで、なめらかで上品な口当たりになります。
「豆腐」で代用
生クリームに比べると水分量が多いので絞り出しには向きませんが、生地に混ぜたり表面に塗ったりパンケーキに添えたりするのには、生クリームにかなり近い感覚で使うことができます。
材料は豆腐なので、生クリームと比べるとカロリーも大幅にカットでき、乳製品アレルギーの方でも安心して食べられます。お菓子作りには砂糖を混ぜますが、グラタンやドリアを作るときには砂糖を加えずに代用します。
用意する食材
- 木綿豆腐:1丁
- 砂糖:大さじ3
- バターまたはサラダ油:大さじ1
- バニラエッセンス:小さじ1
作り方
- 水切りをする
ペーパータオルで 豆腐を包み、その上にお皿などの重しをのせて1時間ほど水切りをします。デコレーションに使う場合は、しっかりと水を抜く必要があるため、容器に入れてそのまま一晩置きます。 - 裏ごしする
水切りした豆腐をザルに入れ、2回裏ごしをします。 - 混ぜ合わせる
ボウルに豆腐とその他の材料を入れてよく混ぜあわせたら完成です。
「バニラアイス」で代用
バニラアイスには最初から砂糖が加えられているので、食事系の料理には不向きですが、生クリームからできているバニラアイスなので、パン、お菓子作りの代用にできます。
溶けたアイスクリームはとても甘く感じるのですが、それだけ大量の砂糖や水あめが使われているのですから当然です。
ですので、生クリームの代用として使う場合は、レシピにある砂糖の分量を減らすか、または無しにするなどの調整が必要になります。
用意する食材
- バニラアイス:200ml
作り方
- アイスクリームを溶かす
アイスクリームを溶かすだけ。アイスクリームを完全に溶かして液状にしてから生クリームの代用にします。
「ホイップクリーム」で代用
ホイップクリームは、植物性の生クリームのことで、動物性生クリームと同量で簡単に代用することができます。
植物から採れる油で作られたものなので、乳成分は含まれていませんが、生クリームと同じ要領で調理することができます。
菜種油などの植物から採れる油で作られたものなので、乳成分は含まれていません。生クリームが濃厚すぎて苦手な方、風味が少し違っても価格を低く抑えたい方におすすめです。
また、生クリームより価格が安く賞味期限も長いので、手軽に購入することができ便利です。
「コーヒーフレッシュ」で代用
コーヒーフレッシュは植物性の脂肪分を使って作られているので、乳脂肪分は含まれていない上に、水分量が多めです。料理の香りを高める程度に使用することは可能ですが、お菓子作りに使用するのにはおすすめできません。
生クリームの代用品は泡立てや絞り出しに向かない
先にお伝えしたように、生クリームは乳脂肪分が多く水分量が少ないのが特徴ですので泡立てや搾り出しをすることができますが、生クリームの代用品は水分が多いので泡立てや絞りだしには向いていません。ですが、ホイップクリームを使うことでそれは可能になります。
生クリームとホイップクリームの比較
生クリームとホイップクリームを泡立てて比較してみました。
泡立てにかかる時間を比較する
ハンドミキサーを使って生クリームを泡立てた場合、それにかかった時間が約60秒なのに対して、ホイップクリームは90秒ほどかかります。
味を比較する
生クリームが、濃厚で口どけがいいのに対して、ホイップクリームは乳製品独特の風味はないので、ふわっと軽くあっさりした感じに仕上がります。
絞り出しを比較する
生クリームの方がしっかりとした形にデコレーションでき、色合いにも違いがでます。
ちなみに、脂肪分が40%以上の生クリームは泡立てもしやすく、しっかりとしたクリームになりますが、脂肪分が30%以下のものは、とてもさっぱりとした味わいになりますので、コテコテとした生クリームが苦手な方は脂肪分が少ないものを選ぶようにしたらいいかもしれませんね。
生クリーム絞りの代用品になるもの
絞り袋とは、手作りのデコレーションケーキなどの上部や側面に、クリームを絞る時に使用する道具です。絞り袋が手元にない場合には、ご家庭にあるいろいろなもので代用することができます。
マヨネーズの空き容器
マヨネーズが出てくる口は最初から星形になっていますので、これこそが口金いらずのマヨネーズ絞り袋として代用できます。もちろんケチャップでも同様に代用できます。
- 容器を洗う
使い終わった後のマヨネーズの容器をきれいに洗って乾燥させておきます。 - 生クリームを入れる
生クリームを入れてマヨネーズの絞り口をつけて完成です。
ジップロック
チャックで閉じられるので、上から中身がはみ出す心配もなく使い易いです。
- 生クリームを入れる
絞り出す生クリームが、ジップロックの角の部分にくるように入れます。 - ジップロックを閉める
生クリームを適量入れたら、ジップロックの口の部分を閉めます。 - 角を切る
絞り袋の出口として、ジップロックの角の部分を切って完成です。
ラップ
- ラップを切る
ラップを50cm前後の長さで切りますが、絞るものの量によって長さを調節してください。 - 生クリームを置く
ラップの真ん中に絞るクリームを適量置き、それをラップで挟むように下から上に半分折り返します。 - ラップを巻く
絞り袋の形になるようにクレープを巻く要領で円錐状にラップを巻いていきます。 - 先端を切る
巻き終わったら上部を結んで絞り袋の中身が出てくるように先端の部分を切って完成です。
最後に
今回ご紹介した生クリームの代用品は、お菓子のトッピングだけに限らず、冷やして固める生地に加えたり、スープなどの料理に使うのに役立つものばかりです。
ただし、生クリームは乳脂肪分が多く、水分量が少ないのが特徴なのに対して、ほとんどの代用品は水分を多く含んでいるため、食感がかなり違ったものになってしまいます。
違和感をなくすためには多少手間がかかりますが、まったく同じ味わいとはならなくても、生クリームに近い風味を楽しむことができます。
ぜひ身近にある代用品を工夫して料理やお菓子作りを楽しんでみてください。