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里芋の栄養成分と効果
里芋は栄養価が高いことで知られていますが、どのような成分が含まれているのか気になりますね。では、主な栄養素や効果をみてみましょう。
カリウム
里芋には、カリウムが豊富に含まれています。カリウムとは、体内の水分量を適切に保つために重要な働きをする栄養素で、余分な塩分を体外に排出する効果があります。高血圧の予防にも効果が期待できる成分です。
銅
里芋には、ミネラルの一種である銅という栄養が多く含まれています。銅はエネルギーの代謝に必要な多くの酵素の原料として使われたり、貧血予防や動脈硬化予防の効果があったりするのも特徴です。
モリブデン
モリブデンはミネラルの一種で、ミネラルの中でも微量にしか存在しない微量元素の1つです。別名「血のミネラル」とも呼ばれており、肝臓に貯蔵されている鉄分の利用を促すとともに、造血作用があり貧血予防に効果がある成分です。体内の有害物質を分解する酵素の成分でもあります。
炭水化物
炭水化物は太るというイメージがあるため、あまり良い印象のない栄養素でしょう。里芋にも含まれていますが、人間の体にとって必要不可欠な成分です。炭水化物が不足すると疲れやすくなったり、判断力が鈍り注意力が散漫になったりなど、様々な影響が現れます。
ガラクタン
ガラクタンとは炭水化物とたんぱく質の複合体で、里芋に含まれるガラクタンには多くの効果があることで知られています。
ガラクタンには血中のコレステロールが付着するのを防いだり、脂肪として蓄積されなかったりなどの特徴があるため、コレステロールを下げたり肥満予防の効果が期待できます。
里芋の栄養を保つ保存方法と保存期間
里芋には有益な栄養素がたくさん含まれていますが、できる限り損なわないように保存するにはどのようにすればよいのでしょう。また、保存期間についてもご説明します。
生のまま保存
里芋を生のまま保存する時は、泥が付いている場合は泥付きのまま保存します。里芋は乾燥させないようにするのが栄養を保ちながら保存する秘訣であるため、泥が付いたまま新聞紙に包んで冷暗所に保存しましょう。
里芋の表面には産毛のような線維がたくさんあり、濡れると乾きにくくカビの原因になってしまいます。常温保存に適した環境は、14℃以下で直射日光が当たらず風通しの良い場所となります。冷蔵庫の温度は5℃から10℃と低いため、低温障害を起こし傷みやすくなるので避けましょう。
冷凍保存
里芋は常温保存だけでなく、冷凍保存も可能です。生のままで冷凍する時は、里芋を洗った後天日干しし、皮を剥いて塩をまぶして水洗いし、水気を切ってからフリーザーバッグに入れて冷凍します。
キッチンペーパーなどでしっかり水分を拭き取ると、霜が付きにくくなり解凍の際に味が落ちるのを防げるでしょう。皮を剥いて冷凍する時は、皮を剥いた後水に浸して火にかけ、半茹でにしたら流水にさらし粗熱を取って冷凍します。
冷凍保存は茹でてからの方が長持ちするので、長く保存する場合は生のままよりも茹でてから保存するのがよいでしょう。
保存期間
里芋の保存期間ですが、泥付きで常温で保存した場合は1ヶ月、洗った里芋は1週間程度の保存が可能です。里芋を冷凍保存した場合は、約1ヶ月間保存できます。
美味しく栄養豊富な里芋の選び方と旬
スーパーに陳列されている里芋の中から美味しく栄養豊富な里芋を選ぶコツとしては、ふっくらと丸みをおび、縞模様がはっきりしていて平行に並んでいるものを選ぶことです。変色していたり傷があるものは、腐りやすいのでおすすめできません。
また、乾燥すると味も落ちるので、皮に湿り気があるものを選ぶのがよいでしょう。固く身がしまっているのが良質で、重量感がなかったり、柔らかかったり、皮がひび割れたりしているものは避けるのが無難です。
袋入りのものは、袋の内部が湿っていたり、曇っていたりするのは避けたほうがよいでしょう。里芋は一年中売られている食材ですが、旬は9月から12月となります。旬の里芋の特徴は、皮が柔らかく剥きやすいことです。
里芋の栄養を活かすオススメ方
里芋には色々な調理法がありますが、栄養を活かすことができるおススメの方法をみてみましょう。
食べ合わせ
里芋は、鶏肉や豚肉、卵などのたんぱく質と一緒に摂取すると、高血圧の予防や疲労回復効果が期待できます。
また、ゴボウやこんにゃくなど食物繊維が豊富な食材と一緒に摂取すると、便秘や脂質異常症の予防ができます。その他、味噌や昆布、玉ねぎ、トウガラシなどと一緒に摂取すると、血行促進や新陳代謝向上効果が得られるでしょう。
妊婦さんにオススメ
里芋は低カロリーなうえに、体を温めたり余分な水分を体外に排出するカリウムが豊富であったりと、妊婦さんに嬉しい栄養素です。親芋にたくさんの子芋がついてくるため、子宝祈願の縁起物の野菜として古くから親しまれてきました。
滋養強壮作用もあり、妊娠しやすい体作りにも適した食材とされています。また、里芋は免疫力をアップする効果もあるため、風邪薬を飲むことができない妊婦さんの健康管理にもおススメの食材です。
離乳食にも使える
里芋は栄養価が高いため、離乳食にも珍重されている食材です。アレルギーが少ない食材であるため安心でき、スープにしたりお粥のように煮込んだりと、色々なアレンジができます。離乳食中期から使用できるので、色々なレシピにチャレンジしてみるとよいでしょう。
里芋の基礎知識
里芋は東南アジアが原産で現地ではタロイモと呼ばれており、それが中国や日本に伝わりました。日本では縄文時代から栽培され、山で採っていた芋を山芋、里で栽培される芋を里芋と、区別して呼ばれるようになりました。江戸時代までは、芋といえば里芋のことを指していたようです。
里芋は、根が肥大したものではなくて茎が肥大してできる塊茎と呼ばれる部分となります。また、里芋の中には葉柄を食べる品種もあるなど、色々な種類があります。
里芋はぬめりが出すぎると味が染みにくくなったり、アクがですぎてしまうため、サッと下茹でするか、軽く塩でもんでから調理するのが美味しく食べるコツです。型崩れしやすい食材ですが、揚げてから煮込むと型崩れしにくくなります。
最後に
里芋の栄養成分や保存方法についてご紹介しましたが、栄養豊富で赤ちゃんから大人まで食べられる健康的な食材ということですね。
正しく保存して、旬のおいしさや栄養価をそのままに食卓に並べたいものです。風通しの良い冷暗所で保存するか、しっかり下処理をして冷凍保存するなどして、最良の状態で保つようにしましょう。