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麻(リネン)の洗濯方法
麻の服は風通しが良くて快適な着心地ですよね。それもそのはず、麻は天然繊維のなかで一番涼しい繊維なんです。麻が着心地がいい理由は他にもあります。麻を洗濯する前にまずは麻の特徴を知りましょう。
麻(リネン)の特徴
- 通気性が良い
- 吸水や吸湿性に優れている
- 汗をかいても肌にはりつかない
- 水に強い
- 素材が丈夫
- シワになりやすい
- 洗うと若干ちじむ
- 伸びにくい
- 弾力に弱い
- ざらざら感がある
- 色落ちしやすい
- 毛羽立ちやすい
- 黄ばみになりやすい
麻の洗濯でびっくりするのは麻の吸水力!麻の吸水量は綿の4倍、シルクの10倍もあるそうです。もっと嬉しいのは、吸い取った水分を早く外に出してくれることです。すぐ乾燥してくれるので、湿気が好きな雑菌にとってはそれほど居心地は良くないでしょうね。
麻(リネン)の洗濯は水洗いできるの?
洗濯できる麻なのかは衣類などの裏についている取り扱いタグを見れば分かりますよ。おけに水が入っているマークなら水洗いがOKです。
逆に、おけのマークにバッテン(×)がついていたら水洗いはNG!麻の洗濯で気をつけたい特徴は「シワ」「縮み」「色落ち」。その特徴を解決する洗い方をご説明します。
麻(リネン)の洗濯のコツ
洗剤はおしゃれ着用洗剤を使う
麻の洗濯は、おしゃれ着用洗剤などの中性洗剤を使用しましょう。「シワ」「縮み」「色落ち」を防ぐことができます。中性洗剤は「色落ち」しにくいようです。
水またはぬるま湯で洗濯する
麻は温度が高いと繊維が縮みやすいので水か30℃以下のぬるま湯で洗いましょう。
洗濯機の脱水はNG
麻を洗濯機で脱水するとシワシワになりますので注意してください。
襟や袖の汗ジミは洗濯前に下処理する
一度着た衣類の襟や袖には汗ジミがついていますので、洗濯する前に色柄物用の酸素系漂白剤をつけて軽く揉んで浸み込ませてください。汗ジミは黄ばみの原因にもなりますので気をつけましょう。
麻(リネン)の洗濯の方法別手順
麻を洗濯機で洗う手順
必要なもの
- 洗濯ネット
- おしゃれ着用洗濯洗剤
- 色柄物用の酸素系漂白剤
手順
- 洗濯表記のチェック
洗濯する前に、衣類の裏についている取り扱いタグで水洗いがOKかチェックします。 - 汗や汚れの下処理
襟や袖についた汗や汚れに色柄物用の酸素系漂白剤をつけて軽く揉んで浸み込ませます。 - 裏返してたたむ
衣類を裏返してボタンやファスナーをきちっと留めてからたたみましょう。
※衣類などは直接肌に触れる内側に汗や皮脂などの汚れがついていますので、裏返して洗うと効果的です。 - 洗濯ネットに入れる
たたんだ衣類を洗濯ネットに崩れないように入れてください。 - 洗濯機で洗う
洗濯機に入れて手洗いコースやおしゃれ着用コースなどに設定して、あとは通常通り洗濯します。 - 脱水する
洗濯機ですすぎ終わった後、洗面器や平たいところにおいて、上から押して水を出してください。
もしどうしても洗濯機で脱水したい場合は、脱水開始から10秒~20秒以内に止めてください。脱水しすぎるとシワシワになります。
すすぎ終わった後はすぐ洗濯機から取り出してください。長々入れておくと雑菌が繁殖してぞうきん臭がしてきます。
一見分かりづらいのですが、襟や袖口、帽子の場合は肌につく芯の部分などに汗や皮脂の汚れがついています。これらをしっかりと落とすことが大切。見えない皮脂や汗の汚れを残したままにしてしまうと時間の経過とともに、黄ばみとして浮き上がってきてしまいます。
オシャレ着洗い用の洗剤を使い、つまみ洗いをしたり帽子の場合は使い古しの歯ブラシを使って擦り洗いをするなどして、重点的に汚れを落とすようにしましょう。
麻を手洗い洗濯する手順(押し洗いの場合)
麻の洗濯の手洗い方法は「押し洗い」と「振り洗い」の2種類の洗い方があります。
必要なもの
- 洗面器
- おしゃれ着用洗濯洗剤
- 色柄物用の酸素系漂白剤
- ゴム手袋
- 洗濯ネット(洗濯機で脱水したい場合)
手順
- 汗や汚れの下処理
襟や袖についた汗や汚れに色柄物用の酸素系漂白剤をつけて軽く揉んで浸み込ませます。 - 裏返してたたむ
衣類を裏返してボタンやファスナーをきちっと留めてからたたみましょう。
※衣類などは直接肌に触れる内側に汗や皮脂などの汚れがついていますので、裏返して洗うと効果的です。 - 洗面器に水と洗剤を入れる
洗面器に水をため、おしゃれ着用洗濯洗剤を1~2滴ほど入れてかき混ぜます。 - 押して洗う
たたんだ衣類を洗面器に浸し上から体重をかけて30回ほど押して汚れを浮き出させます。 - すすぐ
洗面器に綺麗な水を入れ、衣類を押しながらすすぎます。水が汚れたら取り替えて汚れがなくなるまで繰り返しすすぎましょう。 - 脱水する
すすぎ終わった後、洗面器の水を捨て、衣類を上から押して水を出します。
もしどうしても洗濯機で脱水したい場合は、きちっとたたんで洗濯ネットに入れ、脱水開始から10秒~20秒以内に止めてください。脱水時間が長いとシワシワになりますので注意してください。
麻を手洗い洗濯する手順(振り洗いの場合)
麻の洗濯の振り洗いは、服の端を持って洗面器ので左右に振るように動かして洗う方法です。
必要なもの
- 洗面器
- おしゃれ着用洗濯洗剤
- 色柄物用の酸素系漂白剤
- ゴム手袋
- 洗濯ネット(洗濯機で脱水したい場合)
手順
- 汗や汚れの下処理
襟や袖についた汗や汚れに色柄物用の酸素系漂白剤をつけて軽く揉んで浸み込ませます。 - 裏返してたたむ
衣類を裏返してボタンやファスナーをきちっと留めてください。
※衣類などは直接肌に触れる内側に汗や皮脂などの汚れがついていますので、裏返して洗うと効果的です。 - 洗面器に水と洗剤を入れる
洗面器に水をため、おしゃれ着用洗濯洗剤を1~2滴ほど入れてかき混ぜます。 - 振りながら洗う
麻の衣類を洗面器の水に浸して、服を前後左右に振りながら動かしてしっかり洗いましょう。 - すすぐ
振り洗いが終わったら、洗面器に綺麗な水を入れ、衣類を押しながらすすぎます。水が汚れたら新しい水に取り替えて汚れがなくなるまで繰り返しすすぎましょう。 - 脱水する
すすぎ終わった後、洗面器の水を捨て、衣類を上から押して水を出します。もしどうしても洗濯機で脱水したい場合は、きちっとたたんで洗濯ネットに入れ、脱水開始から10秒~20秒以内に止めてください。脱水時間が長いとシワシワになりますので注意してください。
麻(リネン)の洗濯後の干し方
麻の洗濯の干し方で、脱水をしない「ぬれ干し」と、脱水をする「平干し」「吊るし干し」があります。麻は直射日光に弱いので日陰か部屋に干してください。麻は速乾性が高いので日陰でも十分乾きます。
ぬれ干しの方法
ぬれ干しは水がぼとぼと落ちる重さでシワを伸ばす干し方です。すすぎが終わったら、脱水をせず濡れたまま太い厚みがあるプラスチックハンガーにかけて風通しが良い日陰か室内に干します。
水があまりにも多くて気になる方は、麻を左右や上下に振って水を飛ばすか、洗面器や平たいところにおいて、上から押して水を出すなどしてください。絞るのはNGです!ぬれ干しの意味がなくなりますので注意してください。
部屋の中で干す時は、水がぼとぼと落ちてきますので厚手のタオルを洗面器の上に載せて、洗濯物の下に置いてください。麻は乾くのがとても早いのでぬれ干し向きですね!
平干しの方法
平干しの方法は、平干し専用ネットを使うか、ピンチハンガーを利用した平干しがあります。
平干し専用ネットを見たことありますか?ハンモックのような形をしていて上に衣類を置くだけです。ネットなので下からも水分が抜けますので生乾きでもOKです。
ピンチハンガーは四角い枠に洗濯ばさみがたくさんついているハンガーで、きっと一家に1個はあると思います。麻の洗濯でこのピンチハンガーを有効利用します。四角い枠の上に洗濯した麻を平らに置いて干します。平干し専用ネットも四角いピンチハンガーも100円ショップでも売っていますので1つあると便利ですよ。
吊るし干しの方法
吊るし干しの方法は、普通のハンガーを使用します。いつものようにハンガーに服をかけて干すか、その前後に1本づつハンガーを置いて、前のハンガーに袖をかけ、後のハンガーに裾をかけます。使用するハンガーは太い厚みのあるプラスチックハンガーがシワになりにくいのでおすすめです。
麻(リネン)のシワを取る方法
シワ取りはやっぱりアイロンですね。麻が半乾きでアイロンをかけるとよれずにシワが取れます。乾いている場合は、シワの部分に霧吹きで水をたっぷりふりかけましょう。シワのついた部分をアイロン台に広げて、手のひらでシワを伸ばしておきます。アイロンは高温に設定し、一方方向にスーッとゆっくり動かしてください。往復したり円をかくようにするとシワが取れにくいので注意しましょう。
麻(リネン)を洗濯するときにやってはいけないこと
洗濯機での脱水はシワになりますのでNGです。どうしてもという時は脱水開始から10秒~20秒以内で止めてください。麻は直射日光に弱いので日陰または室内で干しましょう。
洗濯は手早くしてください。洗濯に時間をかけすぎると表面が毛羽立ってしまったり、色落ちする可能性がありますので注意しましょう。
まとめ
麻の洗濯で「失敗した!」と悔やむのはシワシワになった時ですよね。麻の洗濯でシワになるかならないかは脱水と干し方にかかっています。干し方にも色々ありましたが、「どの干し方がいいの?」と聞かれたら、私はだんぜん「ぬれ干し」です。アイロンがけが面倒な時は、綿シャツもぬれ干ししていますが、シワがほとんどつかないので重宝している干し方です。
形を崩さないように干してある程度乾燥したら最後の仕上げはスチームアイロンの利用です。
たっぷりとスチームを出し、衣類からはアイロンを少し浮かせるようにして全体をなぞると形が整います。
シワが大敵の麻素材。脱水をかけずに形を整えて干し、最後にアイロンで整える、この手順を踏めば長く美しいまま使うことができるのでお試しください。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
そんな麻素材の衣類は自宅で洗濯するのは難しいと思われているかたも多いのですが、実はコツを掴めば簡単で誰でもできるようになります。準備するのはオシャレ着洗い用の洗剤。目立った汚れがある場合は、水で濡らしてからオシャレ着洗い用の洗剤を使いつまみ洗いします。全体を洗う場合、洗濯機ならドライコースを選択。手洗いの場合は洗面台など水を貯めたところで洗ってから3~4回、泡がなくなるまですすぎます。洗濯機でも手洗いでも共通するのは脱水はかけないこと。厚手のバスタオルなどで挟んで吸水する方法をとりましょう。その後は型崩れしないようにして日陰干しです。