目次
ポリエステルの特徴
ポリエステルは合成繊維の中でも耐久性がとびぬけて高く、幅広く活用されています。シワになりにくく扱いやすいので、日常着の素材に向いているのが特徴です。そして、吸湿性が低く乾きやすいため、洗濯をしてもすぐに乾きます。
日光にも強く高い温度にも耐えられるうえ、リーズナブルな価格であるのも特徴といえるでしょう。洗濯しても縮みにくく、洗濯機で丸洗いできる便利な素材です。
素材のメリット
耐久性が高い
ポリエステルの一番のメリットは、耐久性の良さです。高い温度にも耐えられるので、アイロンが使えるのもメリットです。形状記憶性も高く、アイロンを当てたままのパリっとした質感が長続きします。
ただし、高温に耐えられるといっても生地を傷める恐れがあるので、アイロンは低温設定で行うのがベターです。形状記憶性の良さからプリーツ加工にも向いており、ブラウスやスカートの素材としても最適です。吸湿性が低いのも特徴で、水に濡れてもすぐに乾きます。
害虫の被害を受けにくい
そのほか、カビや害虫の被害を受けにくく保管がしやすいのもメリットといえるでしょう。害虫はウールやシルクなどの動物性繊維を好んで食べる傾向があるため、化学繊維であるポリエステルは被害を受けにくいのです。
ただ、皮脂や汗が付いたままだとその部分が虫に食われてしまう可能性があるので、洗濯をしてから保管するようにしましょう。
素材のデメリット
静電気を纏ってしまう
ポリエステルのデメリットは、静電気が起きやすいことです。特に空気が乾燥する冬は静電気が起きやすいため、静電気防止効果のある柔軟剤を使うなど、対策が必要になります。
毛玉ができやすい
そして、毛玉ができやすいというデメリットもあります。ウール素材も毛玉はできますが、天然素材でできた毛玉は取れやすいのが特徴です。ポリエステル素材にできた毛玉は生地の表面にしっかりとまり取れにくくなります。
生地が強いからこそのデメリットとなりますが、洗濯ネットに入れて洗濯したり、連続着用を避けたりと、扱い方に気をつければある程度は防ぐことができます。
ポリエステル製品を洗濯するときの注意点
ポリエステル製品を良いコンディションで長持ちさせるには、洗濯方法にも気をつける必要があります。では、どのような点に注意すべきかをみてみましょう。
再汚染に注意する
ポリエステルは、一度落ちた汚れが洗濯機の中で付着する再汚染が起きやすい素材です。そのため、汚れのひどい衣類と一緒に洗濯すると黒ずんでしまうことがあります。
洗濯機の容量に合った洗濯物の量や洗剤の量を守り、適切に洗うようにしましょう。特に白物は注意が必要です。黒ずんでしまった場合は、漂白剤で落とすことができます。
ポリエステル100%は色落ちしやすい
ポリエステル100%は色落ちがしやすいため、特に最初の数回は他の衣類に色移りすることがあるので注意しましょう。洗濯する前に表示を確かめ、色落ちするものは別で洗うのが賢明です。
ポリエステルとナイロンの特徴の違い
ポリエステルと似たような素材にナイロンがあります。どちらも衣類の素材として人気がありますが、それぞれの特徴を知ることでより明確にアイテムを選ぶことができるでしょう。
ポリエステルの方が優れている点
ポリエステルとナイロンに共通する利点は多いですが、ポリエステルの方が優れている点は長時間日光のもとに晒しても、強度や色の低下が起こりにくいことです。価格も安く、120度から160度まで耐えられるなど熱に強いため、プリーツなどの熱加工ができる点も優れています。
ナイロンの方が優れている点
ナイロンの方が優れている点は、ポリエステルよりも若干強度が強いことです。染色しやすい素材であるため色のバリエーションも豊富で、色んなカラーが楽しめることもあげられるでしょう。
また、伸縮性も優れており、ストレッチ素材に適しています。
ポリエステルを使用しているものとその理由
ポリエステルはいろいろな製品に使用されています。そこで、ポリエステルが使用されているものと、その理由についてみてみましょう。
着物
着物を手軽に着られるように、クリーニングが可能なポリエステル100%の素材を使用しているものがあります。摩擦や引っ張りにも強く低価格であるため、日常着としての着物に向いています。
帽子
吸湿性の低さと耐久性の高さから、帽子の素材としてポリエステルが使用されます。頭は熱を発散するので蒸れやすいため、吸湿性の低いポリエステルがうってつけなのです。伸縮性もあり頭にもフィットするため、被りやすいのも使用される理由といえます。
バッグやリュック
バッグやリュックは物をたくさん入れ耐久性が求められるため、ポリエステルが使用されています。背中に背負うリュックは背面が蒸れやすくなりますが、吸湿性の低いポリエステルならすぐに乾き、サラッとした状態で使用できます。
毛布やシーツなどの寝装品
寝ている間に毎晩コップ1杯の汗をかくとされていますが、ポリエステルは吸湿性が低く汗を吸い取ってもすぐに乾くため、毛布やシーツなどの寝装品に使用されています。快適な眠りを実現することができるでしょう。
カーテンやカーペット
カーテンには滑らかなドレープ性が求められるため、ポリエステルが使用されます。また、ポリエステルの光沢やしわになりにくいという特徴も、カーテンの素材としてピッタリです。カーペットにおいては、耐久性の高さが求められるためポリエステルがよく使用されます。
テーブルクロス
テーブルクロスは食べこぼしなどの汚れが付きやすいため、扱いやすく吸湿性の低いポリエステル素材が好まれます。しわになりにくいため、アイロンなしでそのままテーブルにかけられるのも便利です。
傘やテント
傘やテントは雨風の中で使うので、耐久性の高さと吸湿性の低さも兼ね備えたポリエステルが使用されています。
外科手術用縫合糸
ポリエステルは耐久性が高く伸縮性のあるうえ組織への影響も少ない合成繊維であることから、外科手術用縫合糸に使用されています。
ケーブルやロープ
ケーブルやロープなど重い負荷を持ち上げるようなものには、耐久性が高いのでポリエステルが使用されています。
まとめ:季節を問わずポリエステルは活躍する
ポリエステルの特徴についてご紹介しましたが、速乾性があり軽やかであるため春や夏に適した素材といえそうですね。また、カーテンやカーペットなどのインテリアとしては、季節を問わず使用できます。
同じデザインでも素材が変わると印象も違って見えるため、ポリエステルの特徴を活かしたファッションを楽しんでみてはいかがでしょう。