刺身を水洗いする理由と効率よく水洗いする方法

刺身はお寿司屋さんだけでなく家庭でも食べる機会が多い事から、日本人には馴染み深い食材と言えるでしょう。しかし、扱い方を間違えてしまうと鮮度が落ちてしまったり、きちんと洗わなかったりすると食中毒を引き起こすリスクもあります。そこで今回は、安心かつ美味しく食べてもらえるよう、正しい刺身の洗い方や保存方法などを紹介します。

刺身を水洗いする理由

刺身と清潔な包丁まな板

刺身は水洗いした方がいい場合がありますが、それは何故なのか。ここで詳しく解説していきます。

生臭さを取り除く

刺身を水洗いする必要がある理由のひとつが、魚の生臭さを取り除く事です。魚の生臭さの要因となっているのが、トリメチルアミンと呼ばれる物質で、魚の鮮度が落ちているほど、発生しやすくなります。しかし、トリメチルアミンは水に溶けやすい物質でもあるので、水洗いをすれば一緒に流れるので、魚の生臭さもなくなります。

細菌を洗い流すため

またもうひとつの理由は、腸炎ビブリオ菌と呼ばれる細菌を魚に残さないようにするためです。腸炎ビブリオ菌が付着した生魚を食べると食中毒になる可能性があり、日本では死亡の事例もあるほど恐ろしい細菌です。腸炎ビブリオ菌は海水や海底の泥などに存在している事から、真水に弱いという弱点があります。そのため、きれいな水で生魚を洗えばしっかり除去できます。

お寿司屋さんで板前さんがこまめに包丁やまな板を水洗いしているのは、ただ単にきれいにするのではなく、トリチルアミンと腸炎ビブリオ菌を除去するという目的もあるのです。一方、一般の人が魚を釣ってきた場合も、腸炎ビブリオ菌には十分注意する必要があります。うろこをとる時や内臓を取り除く際はしっかり水洗いをし、そのときに包丁やまな板も一緒に洗うようにしましょう。

刺身を水洗いする方法

魚を洗う

生臭さの要因となっているトリメチルアミンを洗い流す際に重要なポイントとなるのが、水道水で3秒間洗い流すという点です。

水道の蛇口を開いて水を流した状態にし、落とさないように注意しながら素手で刺身を持ち、3秒間洗い流します。この際、多くの水量は必要なく、角度を変えながら刺身全体を満遍なく洗うのがコツです。

特に脂の多い白身魚には有効な方法と言われており、その時に余分な脂も一緒に取り除けるので、くどさがなくなり美味しくなるという利点もあります。

水洗いした刺身の保存方法

昆布締め

水洗いした刺身は、余ったりした場合にどうやって保存いいのでしょうか。ここでは水洗い後の刺身の適切な保存方法を紹介します。

キッチンペーパーで水気を取る

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刺身を水洗いした後にそのままにしておくと刺身全体が水っぽくなってしまうので、洗った後は素早くキッチンペーパーなどを使って水気を拭き取るようにしましょう。

すぐに食べる場合は、キッチンペーパーなどで水気を取るだけで十分ですが、もし保存しておきたいのであれば、拭き取ったものとは別のキッチンペーパーで刺身を包み、ジップロックなどを用いて真空状態にして保存すれば、美味しい刺身の状態が維持できます。水が付着したままにしておくと、雑菌の繁殖リスクが高まってしまうので、可能であればその日のうちに食べるのが良いでしょう。

冷凍して、なるべくすぐ食べる

また、もしも切り分けた状態の刺身を保存する場合は、冷凍保存してなるべく早めに食べきるのがおすすめと言えるでしょう。刺身は切ってしまうと空気に触れる面積が広がってしまうので切る前の状態よりも劣化は早まりやすくなります。購入した状態の刺身を保存する際は、キッチンペーパーで包み、さらにその上からラップできっちり包むのが理想的です。

漬けにすれば美味しく長持ち

一方、おすすめの保存方法といえるのが、刺身を漬けにして冷凍保存する事です。漬けはお酒と醤油を合わせた調味料に刺身を漬け込んだもののことで、食べたことがある人も多いでしょう。漬け刺身を冷凍するのであれば、ジッパー付きの保存袋に調味料と一緒に入れできるだけ薄く平らにして保存するのがポイントです。

昆布締めも長持ちのコツ

さらに、もし刺身が白身魚であれば、昆布締めにして保存するという方法もあります。方法としてはまず刺身全体に軽く塩をふり、腹を上にして30分程度置いておきます。その際、水分が出てくるためキッチンペーパーなどできれいに拭き取り、昆布ではさみます。

冷蔵保存する場合は、ラップをかけるだけでOKですが、もし冷凍保存するのであればラップで昆布ごと包んだ上でジッパーが付いた保存袋に入れ、真空状態で冷凍庫に入れておきます。

スーパーの刺身をおいしくする方法

刺身パック

スーパーで購入した刺身を美味しくさせたいのであれば、刺身を水洗いするのは基本と言えるでしょう。

塩やお酒を入れると美味

もっと美味しくさせたい場合は、そこに塩やお酒を加えるのがポイントです。方法としては、まず購入してきた刺身を持って帰ってきたらすぐにボウルに入れて水洗いをします。洗う際は数秒間、刺身に軽く触れるように洗うのがコツで、洗った後は水気を取り除きます。

その後、刺身を入れたボウルに塩少々と大さじ1のお酒を入れて手で揉み、キッチンペーパーなどで余分な水分を拭きとれば臭みやぬめりがない美味しい刺身になります。尚、この方法は一般的な刺身には有効ですが、イカなど水っぽいものには逆効果なのでその点は注意が必要です。

買い物袋に入れる際のポイント

一方、購入した刺身を買い物袋に詰める際、ちょっとした工夫をするだけでもスーパーの刺身を美味しくさせる事が可能です。

ポイントとしてはなるべく買い物袋の中に隙間を作らないという事です。刺身以外の商品はなるべく隙間ができないよう積み上げていき、最後に刺身を一番上に置くようにします。

次に買い物袋の空気をできるだけ抜き、外気が入らないよう袋の口をしばります。もしネギなど長い物がある場合は、袋の結び目を利用してネギも一緒に固定すると良いでしょう。尚、持ち帰る時は直射日光に当てないようにしておく事も大切です。

またスーパーに製氷があれば利用するのがおすすめと言えます。袋に氷を入れてその後氷を広げて面積を大きくして、購入した刺身の容器と一緒に買い物袋に入れておきます。

もし刺身の入れ物がプラスチック製のフタである場合は、氷の入った袋は刺身が入った容器の上に置いておくと良いでしょう。

水洗いしても鮮度や味を落とさない方法

新鮮なマグロの柵

水洗いした後でも鮮度のある美味しい刺身が食べられるようにするには、できるだけ食べる直前に調理するという事です。

刺身は真水に触れた時から鮮度が落ち始めますので、刺身を洗ったら、なるべくスピード感を持って調理するよう心掛けましょう。また鮮度や味を落とさないようにするための方法としては、流水で刺身を洗った後、1%程度の塩水にくぐらせるのも効果的です。この際、水が汚れていると菌が繁殖する可能性もあるので、塩水はこまめに取り換えるのがポイントです。

もう一つ、水洗い後も鮮度や味を落とさないようにする重要なポイントは、水洗い後はきちんと水分を拭き取るという事です。水洗いしてそのままにしておくと、水っぽくなってしまい、せっかくの刺身も台無しになってしまいます。

工夫次第で刺身の味は変わる!

お刺身

刺身を美味しくさせることは、ちょっとした工夫で可能だという事が言えるのではないでしょうか。今までそのような事に気づかずに刺身を食べていた人も多いかもしれません。刺身は扱い方次第でとても美味しく変化できる食材とも言えるでしょう。

これを契機にみなさんも正しい保存方法を習得して美味しい刺身を味わってみてはいかがですか。

お刺身