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シルクの正しい洗濯方法
シルクは、柔らかくて軽く美しい光沢を持ち保温性にも優れており、1年を通して使用する事ができますが、摩擦に弱く毛羽立ってしまったり、擦れると破けてしまったりする大変デリケートな素材です。
シルクの洗濯がむずかしいと考えられる理由は、市販の洗濯用洗剤や石鹸を使用すると色落ちや縮んでしまったり、干すときに日光に当てすぎてしまうと黄ばんでしまうことが挙げられます。
しかし、正しい洗濯方法をすれば自宅でキレイに洗濯することができるのです。
シルクの洗濯表示を確認
まずは自宅にあるシルクの洗濯表示のタグを確認し、洗濯可能なシルクなのかをチェックしましょう。最近は自宅で洗濯可能なシルクも販売されていますが、全てのシルク製品が洗えるわけではないので注意が必要です。
選択表示を確認し、洗えないシルクの場合は迷わずクリーニング屋さんにお願いしましょう。
色落ちしないか確認
洗濯可能な場合でも、水に濡らすと色落ちしてしまったり、色移りをしてしまうことがあります。シルク製品を洗濯するときは、最初に目立たない場所を水で濡らしてみて色落ちや色移りが起こらないかチェックしましょう。
水に濡らして5分ほど放置し、その後ティッシュで濡らした部分をやさしく叩いてみます。ティッシュに色が移っていたら自宅での洗濯はできないと考えてください。
シルクの洗濯は「やさしく手洗い」が基本
シルク製品はやさしく手洗いするのが基本となり、ポイントは4つあります。
- 中性洗剤を使う
- 30度前後のぬるま湯を使う
- できるかぎり手早く洗濯する
- 日陰で乾かす
手洗いの手順
- 洗面器に30度前後のぬるま湯を入れ、おしゃれ着用の中性洗剤を混ぜます。温度が冷たすぎると汚れが落ちづらくなります。
- 洗濯はできるかぎり短時間でやさしく左右に泳がせるようにしたり、両手で挟んで押したりを30秒程度で行いましょう。
- すすぎも手早く行います。洗面器にたっぷりの水を入れて、洗濯と同じように短時間でやさしく左右に泳がせるようにします。
- すすいだ後は、バスタオルで挟んで水切りをします。この時に決して絞らないのがポイントです。
洗濯機で洗えるシルクの場合
洗濯機の使用ができるシルク製品の場合は、洗濯機で洗いましょう。
- 洗濯ネットに汚れが目立つ部分を表面にして畳んで入れます。
- おしゃれ着用の中性洗剤を入れ、手洗いモードで洗濯します。少量の柔軟剤を加えても構いません。
- 脱水の時間は15~30秒以内にしましょう。
シルクの洗濯後の乾かし方
シルクを洗濯した後は、大判のバスタオルに挟んで水気を取りましょう。その後はハンガーに掛けたりせず、平干し用のネットに広げて風通しの良い日陰に干します。
シルクは紫外線に弱く、直射日光に当たる時間が長くなると変色してしまいます。
シワなくキレイに仕上げる場合は、半乾きの時に布当てをして中低温に設定したアイロンをかけてシワを伸ばしておきます。
スチームアイロンを使う場合は、必ず綺麗な水を使うよう注意しましょう。
洗濯でごわごわになったシルクを元に戻す方法
シルクが洗濯によってごわごわになってしまった場合、シャンプーとコンディショナーを使うことでシルクの手触りと光沢を取り戻すことができます。
シルクの原料である蚕の繭は、髪の毛と同じたんぱく質を含んでいるため、シャンプーやコンディショナーを使うとしなやかでなめらかに仕上げることができるのです。
ここで使用するシャンプーやコンディショナーは、ジメチコノール(ジメチコン)という成分を含んでいるシリコン系シャンプーを選びましょう。
手触りと光沢を戻す手順
- 洗面器の中に30度前後のぬるま湯をためてシャンプーを入れます。
- その中にシルク製品を入れて10分ほど浸け置きします。
- 10分経ったらすすぎます。
- 洗面器の中に30度前後のぬるま湯をためてコンディショナーを入れます。
- すすいだシルク製品を再度5分ほど浸け置きします。
- 5分経ったらすすいで干します。
シャンプー、コンディショナーのどちらかだけでも効果はあります。ぬるま湯を使うのがポイントです。
シルクを洗濯する時の注意点
シルクは他の物と一緒に洗濯しない
シルクは洗剤や洗濯方法も他の素材とは違いますので、他の洗濯物と一緒に洗濯はしないでください。他の洗濯物と一緒に洗ってしまうと擦れに弱いという特徴があるので、生地が傷んでしまう可能性があります。シルク製品は必ず単体で洗濯してください。
普通の洗濯用洗剤や漂白剤は使わない
汚れがひどいと感じても普通の洗濯用洗剤を使ってはいけません。普通の洗濯用洗剤は、シルクの持つタンパク質の成分まで洗い流してしまうので、ごわごわになって肌触りの良さも失ってしまったり、キレイな光沢も無くなってしまいます。
シルク製品の洗濯には、必ずおしゃれ着用の中性洗剤を使用してください。また、漂白剤もシルクには刺激が強すぎてしまうので使用しないでください。
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洗濯機の脱水は絶対にダメ
洗濯機の手洗いモードやドライコースで洗濯をした後、脱水をしてしまうとシルクがしわだらけになってしまいます。手洗いをした場合も雑巾のようにギューッと絞ってはいけません。洗濯機の脱水同様、シワが出てゴワゴワになってしまいますので注意しましょう。
乾燥機も絶対にダメ
シルク製品を乾かすのに乾燥機を使ってはいけません。ゴワゴワになってしまうだけでなく、繊維が傷ついて毛羽立ってしまい毛玉が出来てしまう場合があります。
シルク製品を乾かすときは、直射日光を避け風通しの良い日陰に干すようにしてください。
シルクの正しい保管方法
シルクはたんぱく質繊維ですので、湿気があると虫食いやカビが発生する可能性があります。シルクを洗濯した後はしっかり乾燥させ、ハンガーなどにかけてタンスに吊るして収納しましょう。
タンスに収納する際は、防虫剤や湿気取りを使用することをおすすめします。また、着用後のシルクの衣類やスカーフ、ショールなどをしまう場合は、脱い後すぐにホコリやゴミを軽く手ではたいてから収納しましょう。
ホコリが多い場合は、ビロードなどの柔らかい布を使って軽くたたいたり、優しく乾拭きしてください。汗ジミがある場合は、乾いたタオルの上にシルクを置き、固くしぼった布で汗ジミをたたいて下のタオルに汚れを移して落しましょう。
落とした後は、水気をしっかり取って乾燥してからしまってください。部屋などに吊るしておく場合は、直射日光を避け、涼しいところに保管しましょう。
シルクはデリケート!無理せずプロに洗濯をお願いしましょう
シルクはすごくデリケートな素材なので自宅での洗濯には大変気をつかいます。自宅での洗濯でシルク本来の品質を維持することは簡単にはできません。
自宅でのシルクの洗濯に少しでも不安を感じたら、クリーニング屋さんに依頼してください。プロは独自の素材に合わせた洗剤を利用して丁寧に仕上げてくれます。
まとめ
シルクは、水温・洗剤・洗い方・乾燥方法・アイロンのかけ方まで気をつければ洗うことができます。
シルクは、慣れてしまえば問題なく洗うことが出来ますが、少しでも不安に思ったらクリーニング屋さんにお願いしてキレイにしてもらいましょう。