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レタスの旬の時期
レタスの旬は4~8月または11月~12月の年2回。といいましても、レタスは全国各地で作られていますので、その産地によってレタスの旬の時期は変わります。もしレタスの栄養素が最も多くなる時期をレタスの旬として考えると、11月頃が旬になるでしょう。
レタスの種まきの時期は、大きく分けると年に2回。3~4月の種まき(春まき)は5~6月に収穫され、8月の種まき(秋まき)は11月に収穫されます。レタスは暑さに弱く、冷涼な気候を好むので、真夏の間は長野などの涼しい高地で栽培された高原レタスが多く出回っています。
反対に冬の時期になると、九州や四国などの暖かいところから出荷されるようになり、価格的には、春と秋が最も安くなるようです。現在、国内の市場では、結球がしっかりしている玉レタス、結球しないリーフレタス、そしてサラダ菜など様々な種類のレタスが出回っています。
レタスの産地別の旬
各地の旬の時期と年間収穫量
順位 | 都道府県 | 旬 | 年間収穫量 | 割合 |
1位 | 長野県 | 5~9月 | 22万1,000t | 37.89% |
2位 | 茨城県 | 3~5月、10~11月 | 8万7,300t | 14.97% |
3位 | 群馬県 | 12~3月 | 4万9,100t | 8.42% |
4位 | 長崎県 | 5~7月 | 3万1,600t | 5.42% |
5位 | 兵庫県 | 12月 | 2万6,100t | 4.48% |
引用元:https://region-case.com/rank-h29-product-lettuce/
産地リレーで旬も移動する
「産地リレー」と云う言葉を聞いたことがありますか?
農作物を栽培する技術が発達したおかげで、産地ごとの野菜の旬が、日本列島の細長い地形を利用して、次々にリレーをしているように移動していくことを「産地リレー」と言います。野菜ソムリエの授業でも学習する言葉です。
レタスで云えば、夏は長野県や岩手県、そして秋になると茨城県や香川県、冬は静岡県が主な産地となりますが、冬場は、殆どがハウス栽培になるようです。このように、1年中安定して出回っているレタスですが、産地リレーを利用することで、その産地の旬を追いかけながら美味しく食べることができるのです。
レタスの種類と特徴
レタスの旬はレタスの種類によって少々異なりますが、ほとんどのレタスの旬は11月頃です。
レタス(玉レタス)
丸く結球した一般的なレタスのことで、普段レタスと言うとこの玉レタスを指します。水分を多く含んでいますがパリパリとした食感で、生のままサラダにして食べることがほとんどです。また油で炒めたり、スープに入れたりして加熱すると生とは違った食感を楽しめます。
「ステディ」や「ツララ」「グランディ」などの品種があります。
サニーレタス
結球しないリーフレタスの一種で、葉先が濃い赤紫色、そして葉に縮みがあるのが特徴です。やわらかくて苦みが少なく、サラダにしたり、サンドイッチや洋風の巻き寿司などにもよく利用されます。玉レタスよりも栄養価が高く、カロテンを多く含んだ緑黄色野菜です。
代表的な品種に「レッドファイヤー」や「レッドファルダー」などがあります。
サラダ菜
サラダ菜の葉は光沢のある濃く美しい緑色をしている、ゆるやかな結球性のレタスです。若干厚めでやわらかく、上部がふんわりとした形で、柔らかな歯触りが特徴のバターヘッド型レタスです。ほんのり甘味があってクセがないので扱いやすく、ほかのレタスとまぜてサラダにする他、巻き寿司にも合います。
グリーンカール
サニーレタスに似ていますが、全体が緑色で、別名「グリーンリーフ」という名前で店頭に並んでいます。結球しないリーフレタスで、葉先がヒラヒラとカールしているのが特徴です。クセがないので巻き寿司にも合いますし、生のままサラダにしてボリューム感を演出したりする他、スープや炒め物など加熱してもおいしく召し上がれます。
フリルレタス
リーフレタスの一種で、葉先がフリルのように細かく波打って可愛らしいのが特徴です。葉は厚めで歯ざわりがよく、味は店頭に出回っている玉レタスに似ています。ひと口サイズにカットしてサラダに入れると食感もよく、見た目もより華やかになります。
ロメインレタス
葉が厚めでパリッとした食感があり、「コスレタス」とも言われています。わずかにある苦みが、シーザーサラダに合うようで、チーズやドレッシングとからめるととても美味しくいただけます。ロメインレタスは葉が縦に立って半結球しているため、日本では「立ちチシャ」とも呼ばれています。
”ロメイン”とは、”ローマの”という意味で、ローマ時代によく食べられたとの説や、エーゲ海のコス島で栽培されていたのでコスレタスと呼ばれるようになったとの説もあるようです。
ブーケレタス
水耕栽培用の品種で、葉がふんわりとしていて見た目がブーケの形にとてもよく似たレタスです。2006年(平成18年)に非結球レタスを改良したものとしてデビューしました。
明るい緑色の葉はやわらかく、葉先にはゆるやかな切れ込みが入っていて、食感や味はサラダ菜と似ています。葉を傷めないように、専用の透明ケースに入れたままの状態で店頭に並んでいます。
茎レタス
他のレタスの形とは異なり、上部についた若い葉と長い茎を食べるレタスです。長さは30cm前後で、茎の太さは3~5cm、茎の先端に濃い緑色の葉をつけています。生のままでも食べられますが、きんぴらや漬け物にしてもおいしく味わえます。
別名、「チシャトウ」「セルタス」「ステムレタス」「アスパラガスレタス」とも呼ばれています。「山くらげ」とは、この茎レタスの茎を縦に細く裂いた後に乾燥させたもので、クラゲに似たコリコリとした独特の食感があります。
エンダイブ
見た目が葉レタスのようなエンダイブは「チコリ」の仲間です。日本名を「キクヂシャ」といい、ほろ苦さがあるため別名「ニガヂシャ」とも呼ばれています。葉先が細かく縮れていて、レタスよりも固くてシャキシャキとした歯ごたえが好まれ、生でサラダにするほか、炒め物やスープなどにしても楽しめます。
なお、外側の葉よりも内側の葉の方が日に当たっていない分、苦味が少ないので、生で食べるときは内側を使うとよいでしょう。
サンチュ
「包み菜」「包菜」ともいい、焼き肉を巻いて食べる葉として広く知られています。収穫する時は、他のレタスのように株ごとではなく、外側から葉を1枚ずつ摘んでいく方法なので、日本では「掻きちしゃ」とも呼ばれています。ほんのりと苦みがあり、葉が厚めなのでシャキッとした歯ごたえを楽しめます。
旬のレタスの栄養と効果効能
レタスは旬の時期にもっとも栄養が多くなります。
レタスに含まれる主要栄養素(種類別)
【玉レタス:生】100gあたり
- カリウム:200mg
- 葉酸:73mcg
【サニーレタス:生】100gあたり
- カリウム:410mg
- ビタミンK:160mg
- 葉酸:120mg
- βカロテン当量:2000mcg
- カルシウム:66mg
- 鉄:1.8mg
レタスの効果効能
- カリウム:ナトリウムを排出させる働きによって、高血圧予防
- 葉酸:造血作用
- 鉄:貧血予防
- ビタミンK、カルシウム:骨の形成
- βカロテン:抗酸化作用でがん予防や免疫力アップ
- レタスの白い汁、ラクッコピコリンは精神を安定させ睡眠効果があります。
おいしいレタスの見分け方
- 全体的に丸みをおびた形で、葉の巻き方がふんわりとしているもの。
- 持ったときに見た目よりも軽いものは甘い傾向にある。
- 葉がぎっしりと詰まっているものは、葉が硬めで苦味があったりする。
- 切り口は10円玉ぐらいの大きさのものがよく、なるべく白いもの。
- 切り口が赤くなっているものは鮮度がよくないので避ける。
- 非結球の葉レタスは葉先まで色がきれいでみずみずしく張りがあるもの。
レタスの保存方法
レタスは比較的日持ちが悪く、鮮度が落ちると苦味が強くなりますので、なるべく早く使い切るようにしましょう。余分な水分があると傷んでしまうので、水気をよく切ってからラップに包むか、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。
芯に水を含ませたキッチンペーパーを当てるなどして、芯だけをぬらした状態で保存しておくと長持ちします。レタスを冷凍保存する場合は、洗って水気をよく切ってから適当な大きさにちぎったものをポリ袋に入れて冷凍庫へ入れます。
冷凍保存したものは、サラダには使えませんが、炒め物やスープなどの加熱料理の際に、冷凍したままの状態で使うことができます。
最後に
レタスはたくさんの種類が年間を通して生産されていますのでレタスの旬は一年中旬だと言ってもおかしくないかもしれませんね。レタスは紀元前6世紀ごろには、ペルシャ王の食卓に出され、4500年ほど前のエジプトの壁画に描かれていたという記述もあるほど、昔から愛されてきた野菜なんです。玉レタスだけではなく、サニーレタスやロメインレタス、サラダ菜など、数種類のレタスを使うと華やかで見栄えもよく、食感もアップするのでぜひいろんなレタスを食べ比べてみてくださいね。