目次
今となっては珍しい!二層式洗濯機とは?
洗濯物を入れる箇所が2か所ありますが、各々の槽の利用目的は違います。1つは、洗ったり、すすいだりするための槽、もう1つが、脱水のための槽です。
今主流の全自動洗濯機は一層式で洗濯、すすぎ、脱水まで行いますが、二層式は、洗濯、すすぎが終わったあとに、もう1つの層で脱水を行うために手で移動させる必要があります。
ボタン1つで最後まで行う全自動のほうが圧倒的に魅力的に見えますが、二層式にはどのような良い点、悪い点があるのか見ていきましょう。
二層式を使うメリット
良い点は、下記のようにたくさんあります。
汚れがよく落ちる
最近の洗濯機より洗濯槽は小さいですが、その分モーターの撹拌力が大きいため、洗剤の泡立ちが良く、汚れ落ちにつながります。
全自動では、粉石けんが溶けづらいと言われますが、二層式は撹拌の力できちんと溶かすことができ、粉石けんとの相性も良いです。また、洗濯の途中で汚れ具合を確認することで、水の量、すすぎの回数などを調整できるのも便利です。
洗濯の量が多い場合同時進行が行える
洗濯と脱水が同時に行えるので、脱水中に他の洗濯を行えば、短時間で洗濯が終わります。洗濯物の量が多い場合、色・柄物をわけて洗濯したい場合、汚れ具合で分けて洗濯したい場合などは効率がいいです。
節水になる
1度洗濯に使用した水を他の洗濯物を洗濯する際に使いまわすことができます。使いまわすには、汚れの小さいものから洗うようにするのがオススメ。洗濯水、洗剤を効率よく使え大きな節水につながります。
壊れにくい、修理がしやすい
全自動に比べると構造、仕組みが単純のため、壊れにくいです。また、もし壊れたとしても、簡単に治せる可能性が高いです。手入れも楽で、壊れにくい丈夫さが評価されて、いまでもガソリンスタンドの野外などで業務用として多く使用されています。
安い
値段が圧倒的に安いです。全自動は、数万円から数十万円するものまで幅広いですが、二層式は、3万円前後のものが多いです。
二層式を使うデメリット
悪い点は、下記の内容が挙げられます。
手間がかかる、面倒
工程ごとに洗濯物を取り出したりするのが面倒です。1回の洗濯を終えるのに、何度か途中に洗濯機の前に行かないと最後まで終わりません。働いている人にとって、ボタン1つで終わらない手間は面倒になります。
冬は水が冷たい
洗濯槽から脱水槽に入れ替える作業ですが、真冬などは水が冷たすぎて大変です。
大きいものが洗えない
2つの槽があるため、1つの槽のサイズが小さいです。大量の洗濯が1度に行えないですし、毛布などの大きなものは入らないので洗えません。
うるさい
最近の全自動に比べると、音が結構うるさいです。集合住宅などに住まれている方は、早朝、深夜の使用となると近所迷惑になる可能性があります。
二層式洗濯機の使い方
全自動洗濯機とは違いボタン1つではすべてが終わりません。基本的な使い方について手順を説明します。
- 洗濯をする
洗濯槽に洗濯物をいれ、水を貯めます。水を貯める際は注意が必要で、水が溜まっても自動で水は止まらないので、水が溜まるまで待つようにしましょう。そのままにしていると溢れます。水が溜まったら、洗剤を入れ、洗濯をスタートさせます。 - 脱水をする
洗濯が終わったら洗濯槽の水は排水させ、洗濯物は脱水槽にいれ、脱水を行います。 - すすぎをする
脱水が終わったら、再度洗濯槽に移動して、すすぎを行います。汚れ具合によっては、すすぎの回数を調整しましょう。 - 脱水をする
すすぎが終わったら再度脱水槽に入れ脱水をかけます。これで終了です。
二層式洗濯機のお手入れ方法
汚れやすい洗濯槽については、どのくらいのペースでどのようなお手入れをするのがいいか確認しましょう。
3ヶ月に1回のペースで掃除
洗濯槽は、3ヶ月に1回を目安に掃除しましょう。
- 洗濯槽にぬるま湯(50℃程度)をいっぱいに貯める
- 酸素系漂白剤を10リットルに対して100グラムの分量をいれ、3~5分程度洗濯機を回す
- 1~2時間程度放置すると汚れが浮かんでくるので、網などですくい取ります。
綺麗な状態になるまで上記作業を2、3回行います。
できれば1年に1回分解掃除
年1回ぐらいは洗濯槽を分解掃除しましょう。
- バケツにぬるま湯を入れて、重曹水を作ります。(2リットルに対して大さじ6程度)
- 水位調節をするパイプ部分と底のパルセーター、そして排水口を外します。
- 外したものは、重曹水に5~10分程度浸け、そのあとにブラシで掃除します。綺麗になったら、水で洗い流し、乾燥させます。
- 洗濯槽は、ブラシやスポンジで洗います。重曹水で洗うと汚れが落ちやすいです。終わったら、水で流して乾燥させましょう。
- すべてが乾いたら外した部品をもとに戻して終了です。
脱水槽は1年に1回の掃除で十分
洗剤などを使わない脱水槽は、汚れにくいので年1回程度やれば十分です。
- 排水ホースを上にあげ、水が流れ出ないように固定する
- 洗濯槽と同様に分量で酸素系漂白剤をいれ、かき混ぜます。手でかき混ぜると荒れてしまうので、ゴミをすくう網などでかき混ぜましょう。
- 1~2時間程度放置し浮いてきた汚れを網などで取り除きましょう。
- 綺麗になったら排水ホースを元に戻し、排水します。
- 排水後、3分程度脱水し、残った黒カビなどを落とします。
- 最後にシャワーなどで黒カビや漂白剤を洗い流し、乾燥させて終了です。
二層式洗濯機での洗濯はどのくらいの時間がかかる?
洗濯の時間ですが、基本的には、水を貯める、洗濯をする、脱水をする(その間に排水をする)、すすぎをする、脱水、そして、各工程で洗濯物を入れ替える作業をするという工程の時間の合計になります。
貯めるのに5分、洗濯をするのに15分、1回目の脱水に3分、すすぎに5分~10分、最後の脱水に5分、プラス入替作業にトータル5分と考えると40分~45分になります。ただし、これは各工程が終わるときに洗濯機の前にいて、次の工程にすぐに移れることが前提です。
二層式洗濯機はなぜコアな層に人気があるの?
人気の理由は、人によって違いますが、洗濯する手間はあるものの、トータル的にはメリットが大きいと感じる人が多いからではないでしょうか。
また、いまは環境(エコ)を大事にする意識がいままで以上に強くなっていますので、自分の身の回りで出来ることからという面でも見直しがされています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。業務用では今でも多く使われているように、二層のデメリットである手間やうるささが問題なければ、値段、汚れの落ち具合、メンテナンスの手間、壊れにくさなど考えると、家計にもやさしいですし、粉石けんなどが使えるので環境にもいいです。
ぜひ、洗濯機を買い替える際は、二層式も候補に挙げてみてはいかがでしょうか。