目次
ポリエステル素材にしわができる原因
ポリエステルにしわができるイメージはあまりありませんが、なにがきっかけでしわができてしまうのでしょうか?
洗濯後に放置する
しわに強いポリエステル素材がしわになる主な原因は、「洗濯した後にずっと干さずに放置する」ことです。ポリエステルは水弾きがよく、型崩れしにくいので洗濯じわもつきにくいと言われる繊維。軽い洗濯じわなら手で伸ばしたり、はたいたりすれば簡単にしわを伸ばすことができます。
でも、ポリエステルなら洗濯じわもすぐに直せるからと言って、「それなら放置しても大丈夫!」というわけにはいきません。洗濯後にいつまでも干さずに放置していると、さすがのポリエステルでもしわになってしまいます。
洗濯後の放置によるデメリットはしわ以外にも「嫌な臭いがつく」もありますよね。どんな繊維の衣類でも、洗濯が終わったらすぐに干すのがベストです。
熱湯で洗濯する
ポリエステルがしわになる原因の2つめは「熱湯」です。「え?ポリエステルになぜ熱湯をかけるの?」と思われる方もいるでしょうが、実は洗濯時に使います。洗濯に慣れている人なら熱湯を使った洗濯方法を活用している人も多いのではないでしょうか?
洗濯槽に熱湯を入れて洗濯すると、洗剤をキレイに溶かせる・シミや黄ばみを落とせる・乾きが早い・殺菌できる、など非常にメリットが多いです。しかし、ポリエステルに限ってはデメリットがあるので注意してください。ポリエステルは、熱湯をかけると縮んでしまう性質をもっています。
繊維が縮むことで仕上がりがかなりしわくちゃになってしまうのです。それなら、ポリエステルに頑固な汚れが付いても熱湯洗濯はできないのか?そんなことはありません!ポリエステルの繊維が縮む温度は40℃以上です。30℃前後のぬるま湯で洗うなら問題ありません。
ポリエステルのしわを伸ばす方法4選!
しわ取りの定番はアイロンがけですが、中にはアイロンNGの素材もありますよね。そこで、ポリエステルのしわを伸ばす方法を4つ紹介します。
アイロンでしわを取る方法
衣類のしわ伸ばしと言えば、「アイロンがけ」ですよね。では、ポリエステル素材にアイロンがけをする場合の手順は普通のアイロンがけとどう違うのでしょう?
- アイロンをかけていい素材かチェックする
アイロンをかけてしわを伸ばしていきますが、その前にアイロンを当てて大丈夫か洗濯表示を確認してください。 - アイロンの温度を中温にする
ポリエステルは熱に強い素材ですが、高温だと変形する恐れがあるので中温にとどめてください。 - しわ部分を霧吹きで濡らす
しわのついた部分に霧吹きで水分をたっぷり含ませます。しわは水分によって伸ばしやすくなるためです。 - 当て布をしてアイロンをかける
水をかけたらアイロンを当てていきますが、念のために当て布をしましょう。
扇風機でしわを取る方法
アイロンを使用せずにしわを取る方法です。混合繊維を使った衣類など、熱に弱い衣類のしわ取りに有効ですよ。
- しわ部分を霧吹きで濡らす
しわ部分に水を含ませます。ポイントは「たっぷり濡らす」です。 - 伸ばして手ではたく
軽く手ではたいたり、引っぱったりしてしわを伸ばしましょう。 - 風通しの良い場所に干す
空気の通り道に干しましょう。 - 濡らした箇所を扇風機に当て続ける
干した状態で、しわ部分に向かって扇風機やサーキュレーターで風を当てて乾かしてください。 - 頑固なしわは濡らしたまま一晩置く
それでも伸ばせないしわは、もっとたっぷり水気を含ませて風通しの良い場所に干しておきましょう。
ドライヤーでしわを取る方法
時間が無い時に便利な方法です。ピンポイントでしか伸ばすことができませんが、即効性があります。
- しわ部分を霧吹きで濡らす
これまでのように、しわ部分をたっぷり濡らしていきます。 - しわ部分を手で伸ばす
濡らした箇所を手で直接伸ばします。その状態を維持してくださいね。 - 温風で濡らした部分を乾かす
しわ部分を手で伸ばしながらドライヤーで温風を当て続けます。 - 仕上げに冷風をあてる
しわが伸びたら最後にドライヤーで冷風をあてましょう。
繊維を冷やすことで、固くなって変形しにくくなる=しわができにくくなります。
しわ取りスプレーとアイロンでしわを取る方法
最も簡単ですが、かなり効果は高いです。使い終わった衣類に対して行いましょう。
- しわ取りスプレーをかける
しわ部分だけでなくても、衣類全体にかけるといいでしょう。目に見えない着用じわを早い段階で防げます。 - そのまま一日中干す
しわ取りスプレーをかけたらそのまま干します。出来れば風通しの良い場所や換気扇の近くが良いです。 - しわ部分にアイロンを当てる
スプレーをかけて置いておけばほとんどのしわは伸びますが、仕上げにサッとアイロンを当てましょう。
ポリエステルをしわにさせない予防方法
ポリエステルのしわがひどくならないように日々対策する事が大切です。どうすれば洗濯じわを最小限におさえられるのか、ポリエステル製シャツの洗濯方法を例に見ていきましょう。
折りたたんで洗濯ネットに入れる
ぐちゃぐちゃになるからしわになりやすいのです。それならば、洗濯をする時点でキレイな形にしましょう。タンスにしまう時のように、キレイに折りたたんで洗濯ネットに入れます。
柔軟剤を使用する
柔軟剤を使用すれば繊維はふっくら柔らかく仕上がります。洗濯じわもある程度防げます。
脱水時間は短めに
「脱水時に洗濯槽で振り回される」これが洗濯じわの一番の原因です。ポリエステルは乾きも早いので脱水はあまり必要ありません。30秒程度で脱水を終えましょう。
乾燥機は使用しない
しわを作らないために早く乾かすのは良いことですが乾燥機はNGです。乾燥機の熱風をポリエステルに浴びせると繊維が縮んでしまいます。時間はかかりますが自然乾燥にしてください。
ポリエステル素材の衣類別しわ取りのコツ
ポリエステル素材と一口に言っても、使われている衣類によってしわ取り方法が全く違います。中には定番の「アイロンがけ」が出来ない衣類もあるので、どうやってしわ取りをすれば良いのか見ていきましょう。
スカート
スカートはポリエステルと他の繊維を混紡させている場合が多いので、アイロンを直で当てられません。アイロンを当てるときは中温程度にとどめて当て布をしたうえでスチームかけてください。仕上げにスチーム無しでアイロンをかければしわをキレイに伸ばせます。
また、スカートのように繊細な衣類には、しわ取りスプレーを使うのもおすすめです。使い終わったスカートにしわ取りスプレーをかけて1日ほしておくといいでしょう。
コート
コートのように分厚い衣類のしわ取りはアイロンでは難しいですよね。簡単な方法としては、霧吹きでしわ部分に水分を含ませることで、繊維を柔らかくします。手で縦や横に伸ばしたり、軽くパンパンと叩いてみましょう。
更に冷風をあてる事で生地がかたまり、新たなしわが生まれにくくなります。また、頑固なしわの場合は別の方法もあります。お風呂に入るときに、浴室にコートをかけておきましょう。
浴室でシャワーを出し続け、その熱気でコートを湿らせた状態にします。もちろん直接かけてはいけません。お風呂が終わった後もコートは一日中干してください。熱気によってシワが取れます。
ジャージ
ジャージは熱に強いポリエステル100%でつくられていることがほとんど。なので、しわを取るときはアイロンを直に当てるだけでOKです。しわになった部分に霧吹きで水分を含ませ、アイロンをあてていきます。
ジャージの場合、しわを伸ばすようにアイロンを動かすとしわが取りにくいです。しわ部分を押し付けるようにしてアイロンをぐりぐりと当ててください。ちょっと強引にも見えますが水気が蒸発する頃にはすっかりしわが伸びているはずです。
ポリエステルのしわが取れない場合の対処法
何をやってもしわが取れない!長い間お手入れしていない衣類や混合繊維でしわが付きやすい物はこれまで説明したしわ取り方法が通用しません。そんな時どう対処すればよいのか見ていきましょう。
クリーニング店に持っていく
あまりにもひどい「洗濯じわ」「着用じわ」のついたポリエステル素材は、スプレーやアイロンを駆使してもしわが取れません。そんな時は自力でなんとかしようとせず、クリーニング店に持っていきましょう。
アイロンなどで強引にしわを伸ばそうとして、繊維を傷め元に戻らなくなると厄介です。特に仕事用のコートやおしゃれ着用のスカートなどを傷めると、人前で着ることができなくなるでしょう。大事な衣類はクリーニング店に依頼してプロに直してもらうのがベストです。
何度も洗濯する
しわがどうしても取れない場合は何度も洗濯をしなおしてみましょう。洗濯を繰り返すことでしわが取れる場合があります。
しかし、何度も洗濯することは繊維にダメージを与える行為でもあるので注意して行ってください。できるだけダメージを与えないように「洗濯ネットにたたんで入れる」「柔軟剤を使う」「脱水時間を短めにする」などを徹底しましょう。
さいごに
以上がポリエステルのしわを伸ばす4つの方法と、衣類別の正しいしわ取り方法でした。ポリエステルは非常に乾きが早く、形状を維持しやすい優れた繊維です。その性質から、運動着からスカートなどのおしゃれ着まで幅広く使用されています。
洗濯をしてもしわになりにくいので普段着にかかせない繊維ですね。そんなポリエステルでもぐちゃぐちゃになった状態で放置し続けたり、着用しわを放置しているとなかなか伸ばしにくい頑固なしわができてしまいます。
基本的にはアイロンで伸ばせますが、アイロンが使用できないコートなどは「濡らして干す」方法でしわ取りをしましょう。しわ取りスプレーを活用するのも手です。今回の記事を参考にポリエステル素材のしわをキレイに取り、仕事着やおしゃれ着をピシッと着こなしましょう。
それでも「しわ取りが面倒…」という人には、ポリエステルに「ポリウレタン素材」や「綿」を混紡した生地ををおすすめします。ポリウレタンは乾きが早く柔軟性にも優れており、しわが出来にくい素材、綿はしわは付きやすいですが高温のアイロンを使用できる素材です。
どちらの素材もポリエステルの短所をカバーしているのでお手入れが楽になるでしょう。