食洗機で洗えないもの7選…うっかり入れやすいNG食器をチェック!

食洗機は食器洗いの負担を大きく減らしてくれる便利な家電ですが、すべての食器に対応しているわけではありません。素材によっては高温や水流、洗剤が負担となり、変形や破損につながることがあります。本記事では、食洗機で洗えない代表的な食器と、その理由をわかりやすく整理します。

なぜ一部の食器は食洗機で洗えないのか

ビルトイン食洗器

食洗機は60〜80℃ほどの高温で洗浄し、勢いのある水流で汚れを落とします。また、手洗い用とは異なるアルカリ性の専用洗剤を使用するため、食器にかかる負担は小さくありません。

普段の生活でも、木のスプーンが乾燥して軽くざらつくような変化が起きることがありますが、食洗機ではこうした変化が一気に進む場合があります。

素材が持つ弱点と食洗機の環境が重なったとき、変形・割れ・白濁などのトラブルが発生しやすくなります。

食洗機で洗えないもの7つ

ここでは、特にトラブルが起きやすい7つの素材を、理由とともに紹介します。

1. 木製や竹製の食器(箸・まな板など)

木や竹は水分を吸いやすく、乾燥でも縮みやすい特徴があります。食洗機では高温と急激な乾燥が合わさるため、普段は気づきにくい変化が短時間で表面化することがあります。

例えば、竹箸を洗ったあとに「少し毛羽立って見える」と感じることがありますが、これは繊維が熱と乾燥で浮き上がった状態です。

以下のような変化が起きやすい素材です。

  • 反りが出る
  • 表面がささくれる
  • 塗装がはがれる

木製ボウルやスプーンも同じく負担が大きく、特に薄手のものは変形しやすいため注意が必要です。

2. 漆器や金箔・上絵付けの食器

漆器や金箔、上絵付けのように、表面に加工が施された食器は熱と洗剤に弱い性質があります。食洗機で繰り返し洗うと、艶が鈍くなったり、装飾が薄くなっていく場合があります。

たとえば、普段は優しく手洗いしている漆のお椀を食洗機に入れると、表面の色がまだらに見えてしまうことがあります。

漆器・上絵付けの食器は、素材そのものよりも“装飾部分が負担に弱い”点が問題です。

3. 陶器(貫入や作家ものの土もの)

陶器には、内部に小さな空気や水分を含む「土もの」と呼ばれる種類があります。温度差が大きいと、この内部の水分が膨張・収縮しやすく、食洗機の高温環境では負担が大きくなります。

特に「貫入」と呼ばれる細かなひび模様のある陶器は、使用するうちに模様が広がることがありますが、食洗機ではその進行が速くなることがあります。

陶器で起きやすいトラブルは次の通りです。

  • ヒビが広がる
  • 縁が欠けやすくなる
  • 上絵や金彩が薄くなる

作家ものの器や低温焼成の器は、特に慎重に扱いたい素材です。

4. クリスタルグラスや傷のある強化ガラス

クリスタルグラスは、透明感のある美しさが魅力ですが、その繊細さゆえに食洗機の環境に弱い素材です。

アルカリ性の洗剤と70℃前後の熱が加わると、表面が白っぽく曇る「白濁」が起きることがあります。家庭でも「いつも通り使っていたのに、最近くもりが取れない」と感じることがありますが、これがクリスタルの弱い部分に負担がかかった状態です。

強化ガラスも熱には強いものの、表面に小さな傷があると温度差で負担が集中し、食洗機の乾燥時にパキッと割れてしまうことがあります。

普段は気づかない微細な傷がきっかけになるため、長く使っている強化ガラスは特に注意が必要です。

5. アルミ・銅・銀・メッキなどの金属製食器

金属の中でもアルミ、銅、銀、メッキ製の食器は、食洗機との相性がよくありません。強いアルカリ性洗剤によって金属の表面が反応し、色がくすんだり、黒ずみが出ることがあります。

特にアルミ弁当箱などは、洗ったあとに「表面がくもって見える」ことがありますが、これは酸化によるものです。

金属の変化例は次の通りです。

  • アルミの白濁
  • 銀食器のくすみ
  • メッキのはがれ
  • 鉄のサビ

これらの変化は元に戻りにくいため、素材が金属の場合はとくに慎重に扱いたいところです。

6. 包丁やナイフなどの刃物

刺身包丁と出刃包丁

包丁やナイフは、鋭い刃と持ち手で構成されており、食洗機の環境ではどちらにも負担がかかります。

高温と洗剤によって刃先の金属が劣化し、切れ味が落ちたり、小さなサビが点々と浮くことがあります。また、木製の柄を使った包丁では、乾燥によって「柄が少し浮いてきた」と感じることがあります。

さらに、食洗機の中で刃物が動くと、他の食器にキズがついたり、刃先が欠けることもあります。包丁は構造上、手洗いのほうが素材を長持ちさせやすい道具と言えます。

7. 耐熱性の低いプラスチック(メラミン食器・パッキン・フタなど)

プラスチックは製品ごとに耐熱温度が大きく異なります。

耐熱温度が低いタイプを食洗機に入れると、フタが歪んで閉まらなくなったり、保存容器の内側が波打つように変形してしまうことがあります。

メラミン食器も高温に弱く、徐々に色が変わったり、表面がざらついたりすることがあります。

起きやすい変化は以下の通りです。

  • フタが浮いて閉まらなくなる
  • 変形してガタつく
  • パッキンが伸びて密閉できなくなる

とくに、普段よく使う保存容器や子ども用食器で変化が見えやすい素材です。

条件しだいで洗えないことがあるもの

ここからは、食器ではないものの、家庭で「つい入れてしまう」ことの多いアイテムです。構造や加工によって負担が大きくなるため注意が必要です。

保温・保冷ボトル(真空断熱構造)

保温・保冷ボトルは、内部が二重構造になっており、その間に空気を抜いた“真空層”が設けられています。食洗機の高温はこの真空構造に負担をかけ、保温機能を弱めてしまうことがあります。

また、側面の色付き塗装が浮いたり、はがれたりすることもあり、外観の変化も起こりやすいアイテムです。

フッ素加工のフライパンや鍋

テフロン加工フライパン

フッ素加工のフライパンは、表面のコーティングが滑りを良くする仕組みになっています。このコーティングは摩擦に弱いため、食洗機の水流と洗剤で徐々に削れやすくなります。

削れが進むと焦げつきやすくなり、フライパンとしての使い勝手が大きく低下します。

軽いプラスチックの小物

軽量のプラスチック製品は、水流で浮き上がったり動いたりしやすいため、ヒーター部分に触れて溶けるリスクがあります。軽い計量カップや子ども用の小さな容器などが該当します。

溶けたプラスチックが食洗機本体に付くと、焦げつきや異臭の原因になることがあります。

食洗機に入れてしまったかも…と思ったときの見分け方

気づかないうちに食洗機に入れてしまい、「これ大丈夫だったかな」と不安になることがあります。そんなときは、素材ごとに起きやすい変化を手がかりにすると判断しやすくなります。

特別な知識がなくても、普段の使い心地の変化から気づけるポイントがあります。

  • 木や竹:手触りがざらつく、軽く反っている
  • 陶器:貫入(ひび模様)が前より目立つ、縁が少し鋭く感じる
  • ガラス:表面のくもりが落ちにくい
  • 金属:色味が暗くなる、輝きが鈍くなる
  • プラスチック:フタが閉まりにくい、底面がわずかに波打つ

これらの変化があれば、食洗機での洗浄が負担になっている可能性があります。今後は手洗いに切り替えることで、それ以上の劣化を抑えられます。

手元の食器を仕分けるときの判断基準

家の食器棚には、素材も購入時期もバラバラの食器が混在していることが多いものです。どれが食洗機で洗えるのか迷ったときは、次の視点で仕分けると判断しやすくなります。

  • 裏面の「食洗機対応」表示や耐熱温度を見る
  • 装飾(漆、金彩、上絵付けなど)があるかどうか
  • 素材の特徴(木・竹・陶器・金属・プラスチック)
  • 形状が細い・複雑でないか(徳利、細い脚つきのグラスなど)

とくに装飾・木材・陶器・耐熱温度の低いプラスチックは優先的に手洗い候補と考えると、判断が楽になります。

これから買い足すときに覚えておきたいポイント

新しく食器を選ぶときに、ほんの少し意識するだけで「手洗いと食洗機の使い分け」に悩みにくくなります。最近は食洗機対応の素材も増えているため、選び方で日常の手間が大きく変わります。

  • 木製でも、ウレタン塗装の“食洗機対応品”が増えている
  • ガラスは「ソーダライムガラス」が比較的安定している
  • プラスチックは耐熱温度が高いものを選びやすい
  • 金属はステンレス単一素材が扱いやすい
  • 陶器は、厚みがありシンプルな釉薬のものが負担に強い

どれも特別な知識を必要とせず、商品タグやパッケージを確認するだけで判断できます。買い足しの段階で意識しておくと、後々の失敗を防げます。

まとめ

食洗機に入れてはいけないものには、素材そのものが持つ弱点があります。

木や竹は乾燥に、陶器は温度差に、金属は洗剤に、ガラスは表面の繊細さに、プラスチックは耐熱温度に影響を受けやすいなど、それぞれの理由があります。

こうした性質を理解すると、手元の食器をどう扱うべきかが自然と見えてきます。

日々の生活で気づく小さな変化を手がかりにしながら、食洗機と手洗いの使い分けを工夫することで、思い入れのある食器をより長く使うことにつながります。

食洗機は便利な家電ですが、素材との相性を知ることが、快適なキッチン環境をつくる上での大きな助けになります。

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