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冷凍肉を美味しく解凍する基本
冷凍肉を肉の旨みや品質、栄養素を保ったまま美味しく解凍するための基本は、ドリップを出さずに解凍することです。また、完全に解凍される少し前の状態にすると、栄養を逃さずに美味しく調理できます。
ドリップとは?
ドリップとは、冷凍した肉などから出てくる赤い汁のようなものです。このドリップと共に旨み成分や栄養素が流れ出てしまいます。
肉全体を低い同じ温度を保ちながら解凍することで、ドリップが出ることを抑えられます。美味しく解凍するためには、ドリップを出さずに解凍する、ということを覚えておきましょう。
冷凍肉の上手な解凍方法5選!
肉の解凍方法 | 解凍時間の目安 | おすすめ度 |
冷蔵庫で自然解凍 | 4時間~12時間 | ★★★ |
氷水で解凍 | 2時間 | ★★★ |
フライパンで加熱して解凍 | 数分(状況により変化) | ★★ |
電子レンジで解凍 | 数分(電子レンジの解凍機能の時間次第) | ★ |
流水にさらして解凍 | 10~20分 | ★ |
①冷蔵庫で自然解凍
冷凍肉を、冷凍庫からそのまま冷蔵庫に移して、自然解凍させる方法です。時間は少々かかりますが、低い温度でゆっくりと解凍させるため旨みや栄養素、品質を保ちながら解凍できます。溶け出てくる水分などが他の食品に付かないよう、ビニールを2重にしておくと安心です。
解凍時間の目安はお肉の大きさや、厚さによって異なりますが、4時間から半日くらいを見ておいたほうがよいでしょう。チルド室のある冷蔵庫でしたら、チルド室で解凍してください。厚みのある冷凍肉は前日から冷蔵庫に移しておくのもよいでしょう。
②氷水で解凍
手間はかかりますが、最も解凍後の肉の状態がよくおすすめの解凍方法です。
水漏れしないようビニール袋を2重にして、その中に肉を入れます。氷水を用意して、そこにビニールの中に水が入らないように、袋ごと肉を浸してください。
水の温度を0度からマイナス2度程度に保っておく必要があるため、完全に解凍するまで、適宜氷を足しながら解凍します。冷蔵庫の自然解凍に比べると時間はかなり短縮できて、2時間前後が解凍時間の目安です。
③フライパンで加熱して解凍
数分という短時間で解凍させたい場合は、フライパンで加熱して解凍させる方法があります。
冷凍庫から出した肉をフライパンに入れて、少量の水を加えて蓋をして、強火にかけます。フライパンが焦げないよう、気を付けながら3分ほど蒸し焼きにして火を止め、今度は蓋をしたまま3分ほど蒸します。完全に解凍する手前でフライパンから取り出してください。
数分でできるかつ、上手に解凍できると常温で解凍するよりもふっくらとした仕上がりになります。肉の量、厚みによって加熱時間は調整してください。
④電子レンジの解凍機能を使う
電子レンジで温めて解凍する方法はおすすめできませんが、電子レンジに解凍機能が付いてれば利用しましょう。ラップのままより、ラップから肉を取り出し、クッキングペーパーに乗せて解凍するのがおすすめです。途中で肉の上下を返すと、ムラなくよい美味しく解凍できます。
⑤流水でさらす解凍
あまりおすすめではありませんが、どうしても時短で解凍をしたいときの方法です。水に浸すか、流水にさらして解凍します。急激に冷凍肉の熱を奪い、10~20分程度で解凍することができます。
調理済みの冷凍肉の解凍方法
調理済みの肉料理の解凍方法に、適していると言われているのは流水解凍です。または、冷蔵庫での自然解凍や電子レンジの温め直しなどもあります。
流水解凍のやり方
- 調理済の冷凍肉が全て沈む程度の深さと広さのある容器を用意します。
- 容器に水を張り、調理済み冷凍肉をビニール袋や保存袋に入れて、水の中に沈めます。
- 沈めた調理済み冷凍肉の上から水を流し込むようにします。袋が浮いてくるようであれば、お皿などで押さえてみてください。
家庭で冷凍した調理済の肉は、ジッパー付の保存袋などに入れても、水が入り込んでしまう心配もあるので、慎重に行ってください。袋を2重3重にするなどして、肉の中に水がはいらないようにしましょう。
冷凍肉の賞味期限
肉の分類 | 肉の種類 | 冷凍保存期間 |
鶏肉 | 鶏肉(むね肉・もも肉・ささみなど) | 2~3週間 |
鶏肉(かたまり肉) | 3~4週間 | |
豚肉 | 豚肉(薄切り肉・ブロック肉) | 2~3週間 |
豚肉(厚切りステーキ) | 3週間 | |
豚肉(かたまり肉) | 4週間 | |
牛肉 | 牛肉(ひき肉) | 2週間 |
牛肉(薄切り・ブロック・ステーキ肉など) | 3週間 | |
牛肉(かたまり肉) | 4週間 |
「鶏肉」の冷凍保存期間の目安
鶏肉を冷凍した場合の保存期間は、むね肉、もも肉、ささみなどおおよそ2~3週間くらいです。ひき肉は少し短めの1~2週間が良いでしょう。かたまり肉は3~4週間くらいが目安です。
「豚肉」の冷凍保存期間の目安
鶏肉と同様、豚肉も空気に触れる部分が少ないほど保存期間は長くなります。薄切り肉やブロック肉は2~3週間、厚切りのステーキ肉は3週間、かたまり肉は4週間くらいが目安となっています。ひき肉は2週間前後で使うようにしましょう。
「牛肉」の冷凍保存期間の目安
牛肉もひき肉は短めの2週間程度ですが、それ以外の薄切り、ブロック、ステーキ肉などは3週間くらいが目安です。かたまり肉は4週間くらい保存できます。
保存期間内であっても、一度腐った肉は食べることはできません。変な臭いがしたり、ねばりがある、糸を引いているなどの場合は、調理するのはやめてください。解凍した肉は、できるだけ当日中に使うようにしましょう。
冷凍肉の解凍でやってはいけないこと
お湯をかけて解凍してはいけない
肉は低温で解凍することで、旨みや栄養素のはいったドリップを出さずに解凍ができます。そのため時間がないからと、お湯をかけて短時間で解凍すると肉の旨みや風味が損なわれてしまいます。また、表面は解凍されていても中心部は凍ったままということもありますので、お湯をかけて短時間で解凍するのはやめておきましょう。
室温で解凍してはいけない
室温で解凍することで、内部と表面との温度差が大きくなり、ドリップが流れてしまいます。また、肉の表面温度が高くなることで、細菌の繁殖の原因となりますので注意しましょう。特に暑い季節は、常温で解凍しているあいだに、外側から傷んでいく心配もありますので、室温での解凍は控えましょう。
電子レンジのあたため解凍はおすすめしない
電子レンジで解凍をすると、急激な温度変化によって、解凍にムラが出て、品質も美味しさも損なわれます。やむを得ず、電子レンジで温めて解凍する時は、肉の解凍が少しでも進んでいると、解けかけている部分に電子レンジが反応して解凍にムラが出ます。しっかり凍っている状態であたため解凍をして下さい。
解凍後の肉をすぐ調理しないほうがいい
解凍後の肉をいきなり調理して火を通してしまうと、肉の温度と加熱温度に差が大きくなり、お肉が固くなる原因になります。解凍後は5分ほど室温に置いてから火を通すようにしましょう。
お肉の正しい冷凍方法
水気を取って早めに冷凍する
持ち帰ってすぐに使わない場合は早目に冷凍しましょう。買ってきたパックのまま冷凍はせず、必ずパックから取り出して、キッチンペーパーなどで水気をよくふき取ります。特に鶏肉は豚肉や牛肉に比べて、水分が多いので、よく水分を吸い取ってから冷凍するようにしましょう。
小分けにしてラップで包む
1回分程度の小分けにしてそれぞれをラップで包みます。ジッパー付保存袋にいれて、できるだけ平らにして空気を抜いて冷凍しましょう。この時、金属トレイの上に置いて急速冷凍するとさらに良いでしょう。
ブロックやかたまり肉の場合も、2,3センチ程度の厚切りにして、ラップをしておくと解凍した時に使いやすいのでおすすめです。ひき肉も100g程度ずつに小分けにして、それぞれをラップに包んでおくのがよいでしょう。少し手間ですが、薄切り肉なども、肉が重ならないよう広げて冷凍しましょう。
保存期間を延ばすには下処理をすること
また、より保存期間を延ばしたい場合は、下処理や味付け後に保存することです。解凍した時の調理も楽で、下味冷凍は肉を柔らかくしたり、味が染み込みやすくなるというメリットもあるのでおすすめです。
ドリップを防ぐのに脱水シートを使うのもおすすめ
まとめ
肉の冷凍に適しているのは、冷蔵庫に移して自然解凍させるか、氷水で急速解凍させるかなどじっくりと低温で解凍することなのですね。そして常温で解凍させるのは、雑菌の繁殖の恐れもあり不向きです。またドリップと言われている肉汁を出さないほうが、美味しく調理でき、栄養素や品質も保てます。
冷凍する時にひと手間ですが、肉を広げたり小分けにして冷凍しておくと、解凍もしやすく美味しく調理ができるのでおすすめです。