目次
フレンチマスタードとは?
マスタードの主な種類
もともとマスタードは、紀元前から人類に使われてきた調味料だと言われています。当時の人間は、マスタード種子と肉を一緒に食べて風味を楽しんでいたとのことです。非常に興味深い歴史ですよね。そんなマスタードには、いくつか種類があります。まずはその主なマスタードについてみていきましょう。
①イギリスマスタード
紳士の国イギリスでは、マスタードは古くから親しまれている調味料。日本人の感覚でいうと「からし」のようなものなのでしょう。有名なメーカーに「コールマン」があります。海外の調味料事情に詳しい方なら、このメーカー名を知っているかもしれません。
いわゆる「イギリスマスタード」と言われるこのマスタードは、ペースト状が基本です。茶色と黄色のマスタード粒をかけあわせ、それをさらにウコンと小麦粉をミックスして作られます。この混合物を10時間以上冷やすことで辛味が醸成され、イギリスマスタードの完成です。
肉料理にバッチリ相性がいいので、ローストビーフやソーセージや鶏肉を使った料理には、ほぼ必ずイギリスマスタードが付け合わせられています。魚料理のソースにも使用されるほどポピュラーなので、イギリス旅行で料理を食べたことがあるなら、味に覚えがあるかもしれません。
②ドイツマスタード
肉料理の国といえばドイツですよね。“肉詰め”料理にかける情熱はどこの国にもひけをとりません。そんなドイツが肉料理と抜群の相性のいいマスタードを使わないはずがないでしょう。
「ドイツマスタード」は、茶色のマスタード種をすり潰して出来ており、そこに「ビネガー(酢)」を加えてアクセントを加えます。じつは日本人に馴染みのある「マスタード」って、けっこう「ドイツマスタード系」が多かったりします。
みなさんも、マスタードに「ほどよい酸味がある」イメージがありませんか? どういう経緯で日本がそうなったのかはわかりませんが、日本人も親しんでいる「酸味のあるマスタード」の源流は「ドイツマスタード」に求められるのです。
ビネガー(酢)を加えているだけあって、「ドイツマスタード」はイギリスマスタードよりも辛味は抑えめ。鉄板のソーセージ料理だけでなく、冷えた肉料理にも自然に合う口触りなので、応用の幅が広いのが特徴です。
ちなみに「ドイツマスタード」には、ペースト状のものと、マスタード粒の入った「あらびき」系があります。みなさんはどちらがお好みですか?
③アメリカマスタード
20世紀の初頭、アメリカにはさまざまな移民が流入してきました。イタリア系、アイルランド系、アフリカ系、ドイツ系など、多様な民族がアメリカンドリームを求めて大陸に渡ってきたのです。アメリカのマスタードは、ドイツ系移民者の影響が色濃く反映されています。
ビネガー(酢)を加える「アメリカマスタード」の流儀は、まさにドイツマスタードそのものです。ドイツマスタードと少し違うのは、黄色のマスタードにビネガー(酢)だけでなく白ワインと砂糖を加えているところです。
ドイツマスタードよりもまろやかさがあるのが特徴です。ハンバーガーやホットドッグ、ポークチョップなどによく使われています。ドイツマスタードをアメリカ流に発展させたのが「アメリカマスタード」なのです。
④フレンチマスタード
最後に、今回の主役である「フレンチマスタード」を紹介したいと思います。「フレンチマスタード」は、「ディジョンマスタード」と呼ばれる世界的に有名なマスタード。ワインの産地でもあるブルターニュ地方で作られ、ドイツマスタードと同様にビネガー(酢)を使用しています。
さらにそこから白ワインで仕上げれば、立派な「フレンチマスタード」の完成です。白ワインを加えるところなんかは、さすがワイン大国フランスですよね。「フレンチマスタード」の辛味は控えめで、とてもなめらかでまろやかな舌触り。サンドイッチなど、パン料理によく使われています。
他のマスタードとの違い
「フレンチマスタード」が他のマスタードと違う特徴はどこに見出されるのでしょう? このマスタードに使用されるワインは、「ワインビネガー」などのよく知られたものではなく、「ヴェルジュ」よ呼ばれる未熟ブドウを使っているのが特筆すべき点だと言えるでしょう。
なので、同じくワインを使っている「アメリカマスタード」と比べてみても、風味にはかなり違いがあります。
フレンチマスタードの使い道
フレンチマスタードの用途はいろいろあります。ドレッシング、ソース、サンドイッチ、肉料理。西洋料理全般にバッチリ合うので、お好みでフレンチマスタードを使うことができます。
フレンチマスタードの主な成分
※大さじ1杯程度の栄養分
- エネルギー:31kca
- たんぱく質:0.86g(3.44kcal)
- 脂質:1.91g(17.19kcal)
- 炭水化物:2.36g(9.44kcal)
フレンチマスタードの簡単な作り方
フレンチマスタードはポピュラーな調味料ですので、スーパーの市販や通信販売などでカンタンに入手可能です。しかし、あえて自家製に挑戦するのもいいでしょう。市販のものよりも新鮮で美味しいのでオススメです。
用意するもの
- 砂糖:小さじ1杯程度
- 塩:小さじ1/3くらい
- 白ワインビネガー:大さじ2(米酢で代用可。超本格派で作るならヴェルジュでもOK)
- マスタード(粉末):大さじ1
手順
作り方はとってもシンプル。上記に書いた材料をすべて混ぜるだけ!びっくりするほど簡単ですよね。あまりにアッサリ作れてしまうものだから、自分なりにアレンジする人も多いです。
たとえば、自家製フレンチマスタードの“ねばり”や“固さ”に物足りなさを感じたら、ワインビネガー(あるいはヴェルジュ)を適時足して調整するとよいでしょう。
なお、作りたてのフレンチマスタードは、まだマスタードの辛味が強く残っているので、マイルド仕立てにしたい場合は数日保管しておくことをオススメします。
時間経過とともに味が馴染んでまろやかになっていきます。ちなみにマスタードやからしはカロリーゼロではありませんので、食事制限を気にしている方は気をつけましょう。
フレンチマスタードの代用食材
フレンチマスタードに変わる食材として、やはり「からし」が候補に挙げられるでしょう。というか、これしか他に考えられません。なぜなら「からし」は、「和製マスタード」だからです。
もともと「マスタード」、「からし」はともに、それぞれがアブラナ科「からしの種子」が原料になっています。源流はどちらも同じなのです。ではどこから違いが生まれるのでしょうか?
マスタードは先ほどから登場している「イエローマスタード」や「ブラウンマスタード」と呼ばれるアブラナの種子が原料になっており、一方のからしは、海外で「オリエンタルマスタード」と呼ばれる種子からつくられているという点に違いが見出されます。
本質的にはどちらも同じ原料から出来ているマスタードとからし。だからこそ、手元にマスタードがないときは、我らが“ジャパニーズマスタード”である「からし」が頼りになるというわけなのです。
フレンチマスタードを使ったレシピ
フレンチマスタードを使ったドレッシング
- オリーブオイル:60cc
- お酢:30cc
- 粗挽き粒マスタード:小さじ2杯程度か適量
- ニンニク(チューブ):適量
- 塩:小さじ1/3程度
- コショウ:適量
- お砂糖:小さじ1杯程度
- ポッカレモン
- ボウルにマスタード、酢、にんにく(すりおろし)、塩、砂糖、コショウ、レモン汁をいれてよく混ぜ合わせます。
- 混ぜ合わせている最中に、オイルを3回くらいに分けて入れます。そして「乳化」させていきます。その行程が終われば完成です。
フレンチマスタードを使った生姜ソース
- 白ワインビネガー:70ccが適量
- オリーブオイル:150cc程度
- 生姜:160グラム(必ずすりおろしたてのもの)
- フレンチマスタード:140グラム
- オイスターソース: 230グラム
- 上記の材料をボウルで混ぜ合わせます。
- 一晩おいて完成です。
フレンチマスタードを使ったローストビーフカツ
- オリーブオイル:大さじ一杯程度
- パセリ(みじん切り):適量
- ローストビーフ用の肉:350グラム程度
- ローストビーフの塩コショウ
- ニンニク(みじん切り):適量(少なめのほうがいい)
- パン粉:1カップ分
- フレンチマスタード
- レモン:適量
- ニンニクのみじん切り&パセリのみじん切りとパン粉を混ぜ合わせます。オリーブオイルも加え入れておきましょう。
- 常温状態の肉に塩コショウをして20分ほど馴染ませます。
- その肉をオリーブオイルとバターの入れたフライパンで焼きます。強火でOKです。両面に火を通しておきます。
- 火が通ったのを確認したら、肉にマスタードとパン粉をふりかけ、200℃のオーブンで焼き上げます。
おすすめのフレンチマスタード
French’s Masterd フレンチマスタード
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B000Z4MHNE/
MAILLE ディジョンマスタード
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B003YKEA18/
MAILLE 種入りマスタード
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B002ZB8JVO/
さいごに
さてみなさん、いかがでしょうか。「フレンチマスタード」は世界的に有名なマスタードであり、自家製であっという間に作れてしまう優れた調味料であることがお判りいただけたかと思います。「フレンチマスタード」は料理の幅が広がるのでぜひオススメです。