お茶をダメにするNGな沸かし方とは?やりがちな失敗と正しい方法を解説

家庭でお茶を沸かす際、気づかないうちに雑菌を増やしたり味を落としたりする失敗があります。特に夏場は衛生面の注意が必要です。この記事では、よくあるNGな沸かし方とその理由、安全で美味しいお茶の作り方を紹介します。

お茶を入れる方法は3種類ある

麦茶とピッチャー

家庭でお茶を作る方法には、大きく分けて3種類あります。それぞれ特徴やメリット、注意点が異なります。

煮出し

沸騰したお湯にお茶パックや茶葉を入れて、しばらく加熱して抽出する方法です。短時間でしっかり味が出るため、麦茶やほうじ茶などに最適です。ただし、お茶を沸かした後の冷まし方や容器の衛生面に注意が必要です。

湯出し(お湯出し)

沸かしたお湯を急須やポットに移してから、茶葉を浸して抽出する方法です。緑茶や紅茶など、香りや味を重視したいお茶に適しています。茶葉ごとに適切な湯温や抽出時間が異なるため、丁寧に淹れる必要があります。

水出し

茶葉やお茶パックを常温または冷水に入れて、時間をかけて抽出する方法です。苦みや渋みが少なくまろやかな味になりますが、衛生面から冷蔵庫で保管することが不可欠です。

この記事では特に、「煮出し」でお茶を作る際に多くの家庭でやってしまいがちなNG行動について解説します。

家庭でやりがちなNGなお茶の沸かし方

お茶の沸かし方自体は簡単ですが、何気ない行動が衛生的なリスクや味の劣化を招くことがあります。ここでは特に注意したい、代表的な間違いを詳しく説明します。

煮出したお茶を常温で放置する

煮出したお茶を容器に入れたままキッチンや食卓に放置することがありますが、これは衛生面で避けたい行動です。お茶が冷めていく過程で温度が下がり、細菌が最も増殖しやすい約30〜40℃の環境が生まれてしまいます。

特に、麦茶やコーン茶などの穀物茶は、緑茶のように殺菌作用のある成分が含まれていないため、さらに雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌が増えたお茶を飲んでしまうと、腹痛や食中毒を引き起こすリスクもあるため注意が必要です。

煮出したお茶を熱いまま冷蔵庫に入れる

お茶を早く冷やそうとして、煮出した直後の熱い状態で冷蔵庫に入れるのもやりがちな間違いです。

熱い容器を冷蔵庫に入れると庫内の温度が一時的に上昇し、他の食品の鮮度低下や傷みを招きます。また、お茶自体もすぐには冷えず、結果的に徐々に冷える間に雑菌が繁殖する可能性が高まります。

お茶を安全に冷やすためには、まず氷水や流水で容器ごと急冷し、粗熱が取れてから密閉容器に移して冷蔵することが基本です。

お茶パックを入れっぱなしにする

お茶パックを煮出した後も容器内に入れたまま放置するのもよくある失敗です。

お茶パックを長時間放置すると、苦味やえぐみが出て風味が損なわれるだけでなく、パックに雑菌が付着し繁殖する恐れもあります。特に麦茶やほうじ茶などは抽出時間が長すぎると濁りが出やすくなります。

抽出が終わったらすぐにお茶パックを取り出し、衛生的な容器に移すことを心がけましょう。

お茶を冷ますときや保存するときにやりがちなNG行動

ガスコンロと金属製のやかん

お茶を沸かした後は、冷ます過程や保存方法にも注意が必要です。特に衛生面に配慮しないと、雑菌が繁殖しやすくなります。以下で具体的に見ていきましょう。

洗浄が不十分な容器を使う

煮出したお茶を保存する容器は、衛生状態がとても大切です。特にプラスチック容器は表面に細かな傷がつきやすく、そこに雑菌や汚れが残りやすい特徴があります。

「さっと水洗いしただけ」「洗剤を使わず簡単にすすいだだけ」の容器にお茶を入れると、見た目は綺麗でも雑菌が容器内に残り、お茶の傷みを早める原因となります。

容器を使うたびにしっかり洗剤で洗い、さらに熱湯で消毒する習慣をつけると衛生的です。特に夏場は雑菌が増えやすいため、細心の注意を払いましょう。

容器に直接口をつけて飲む

冷蔵庫で保存したお茶を容器から直接口をつけて飲んでしまうことも、衛生的に避けたい行動です。

容器に口をつけると、唾液に含まれる細菌が容器内に混入します。たとえ冷蔵庫内で保存していても細菌はゆっくり繁殖し、時間が経つほどお茶が劣化してしまいます。

特に暑い季節は細菌の繁殖スピードが速くなり、数時間後には衛生的に飲用を避けるべき状態になる可能性もあります。必ず清潔なコップやグラスに移して飲むようにしてください。

長期間保存してしまう

お茶を冷蔵庫に入れているからといって、安心して長期間保存するのはNGです。

煮出して冷ましたお茶でも、冷蔵庫内で時間が経つにつれて少しずつ細菌が増えます。特に家庭で作るお茶は工場製の市販品ほど殺菌処理が十分でないため、細菌が増えるスピードも速くなります。

可能であればその日のうち、遅くとも翌日までに飲み切るのが安全の目安です。3日以上経過したお茶は衛生的にリスクが高まるため、飲まずに処分することをおすすめします。

お茶の味を落としてしまうNG行動

麦茶を煮だす様子

衛生面だけでなく、味の面でも間違った方法でお茶を淹れてしまうことがあります。お茶本来の味を損なわないために、以下のポイントを確認しましょう。

お湯を何度も再沸騰させて使う

沸かしたお湯を何度も再沸騰させてお茶を淹れると、味が落ちてしまいます。

これはお湯を何度も沸騰させることで、溶け込んでいる酸素や炭酸ガスが抜けてしまい、お茶が「平たい味」になってしまうからです。また、水道水のカルキ臭を取り除く場合でも、フタを少し開けて数分の煮沸で十分です。

できるだけ毎回新しい水を使い、一度沸騰させたらすぐにお茶を作るようにしましょう。

緑茶を熱湯で淹れる

緑茶を沸騰直後の熱湯で淹れると、苦味や渋味が強くなってしまいます。緑茶は約70〜80℃の少し冷ましたお湯で淹れることで、まろやかで旨味のある味を楽しめます。

一方で、麦茶やほうじ茶は熱湯で淹れることで香ばしさやコクが引き立ちます。お茶の種類に合わせて湯温を調整することで、より美味しく楽しむことができます。

お茶を安全で美味しく保存するポイント

冷蔵庫を開ける主婦

安全で美味しいお茶を楽しむためには、沸かし方だけでなく、その後の保存方法も大切です。以下のポイントを守ることで、お茶の衛生面や味を損なわずに保存できます。

煮出したお茶はすぐに冷やす

煮出したお茶は菌が最も増えやすい約30〜40℃の温度帯を素早く通過させることが重要です。氷水に容器ごと浸けるか、流水で容器の外側から急冷すると効率よく冷ますことができます。

容器の外側が触れて熱くない程度に粗熱が取れたら、清潔な密閉容器に移し、速やかに冷蔵庫へ入れましょう。これにより、菌の増殖リスクを大幅に減らせます。

保存容器はガラス製で清潔なものを選ぶ

保存容器にはガラス製がおすすめです。プラスチック製の容器は傷がつきやすく、雑菌が繁殖しやすくなりますが、ガラス製なら表面が滑らかで傷がつきにくく、熱湯消毒もしやすいため衛生的です。

また、密閉性の高い蓋付き容器を使うと、冷蔵庫内の匂い移りや外気との接触による品質劣化を防ぐことができます。

冷蔵庫内の置き場所にも注意する

冷蔵庫でお茶を保存する際、置き場所にも気をつけましょう。冷蔵庫のドアポケットは開閉時の温度変化が大きく、お茶の保存には適していません。冷蔵庫内の奥の方が温度変化が少なく安定しています。

安定した低温環境で保管することで、お茶をより長く安全に美味しく保つことができます。

傷んだお茶のサインを見逃さない

保存しているお茶に異変が見られたら、すぐに処分するようにしてください。具体的には次のような状態が傷んだお茶の目安です。

  • 表面に薄い膜ができている
  • 濁りや沈殿物が見られる
  • 粘り気やぬめりがある
  • いつもと違う酸っぱい臭いや異臭がする

これらの状態のお茶を飲むと、腹痛や食中毒を起こす可能性があります。迷わず処分しましょう。

まとめ

お茶をガラスコップに注ぐ

家庭でお茶を安全かつ美味しく楽しむためには、普段の「沸かし方」や「冷まし方」、さらには「保存方法」まで細かく気を配る必要があります。

作り置きは手間を省ける一方で、雑菌のリスクも伴います。特に夏場は、作り置きのお茶を大量に作り過ぎず、こまめに新しいお茶を沸かして飲む習慣をつけることが衛生面でのポイントです。

また、意外と見落としがちな冷蔵庫内の置き場所も重要で、ドアポケットを避けて冷蔵庫の奥に置くことも覚えておくと安心です。

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