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レンタカーは手軽さの裏にリスクもある
レンタカーは手軽に借りられて旅行やちょっとしたお出かけに便利ですが、使い方を間違えると後から高額な追加料金やトラブルにつながることがあります。
特にレンタカーは自分の車ではないため、つい「少しくらいなら大丈夫だろう」と軽い気持ちで考えてしまいがちです。しかし、その「少しくらい」が後で大きな問題になりかねません。
レンタカー会社が定めるルールは、自分や他人の安全を守り、トラブルを防ぐために作られています。うっかりミスが原因で余計な出費をすることがないように、NG行為を知ってしっかりとルールを守りましょう。
レンタカー利用で絶対やってはいけないNG行為
レンタカーを使うときに特に気をつけたいNG行為を10項目にまとめました。自分にも当てはまるかどうかをチェックしてみましょう。
① 車内を汚したまま返却する
レンタカーのトラブルとして一番多いのが、車内の汚れを放置したまま返却してしまうケースです。
飲み物をうっかりこぼしてしまったり、靴についた泥でシートや足元が汚れてしまったりすることはよくあります。しかし、返却時にそれを黙っていると、あとから高額なクリーニング費用を請求される可能性があります。
特に、レンタカー会社は返却後に車両のチェックを細かく行っていますので、汚れを「ばれないだろう」と思って放置するのは危険です。汚れた場合は、できる限り自分で軽く掃除して、返却時に正直に伝えることがトラブルを避けるために重要です。
② 車に傷をつけて報告しない
レンタカーを借りるときは最初にスタッフと一緒に車の傷やへこみを確認しますが、使っている間に新しい傷がついてしまうこともあります。傷をつけてしまった場合、それを黙って返却することは絶対にやってはいけない行為です。
レンタカー会社は貸出時と返却時の車体状況をしっかり記録しています。ばれないだろうと安易に考えると、後日になって多額の修理費用や営業損害費用を請求されることになります。
傷やへこみを見つけたら、すぐにレンタカー会社に連絡して指示を受けることが大切です。
③ 返却時間を守らず無断で遅れる
レンタカーを借りる際、返却時間は必ず守らなければなりません。予定の時間を超えても連絡せずに勝手に遅れると、次に予約している人に迷惑がかかるだけでなく、レンタカー会社との契約違反になります。
交通渋滞などの理由で遅れそうな場合でも、必ず事前にレンタカー会社に連絡を入れて許可を取ることが大切です。無断で遅れると、通常の延長料金より高い罰金を支払う必要があります。
返却遅延を防ぐためには、返却日の運転計画に余裕を持つことが重要です。
④ 禁煙車内でタバコを吸う
レンタカーはほとんどが禁煙車として設定されていますが、「少しくらいなら」と考えて喫煙してしまう人が後を絶ちません。しかし、車内でタバコを吸うと、煙の臭いがシートや内装に残り、完全に消すために高額な消臭作業が必要になることがあります。
禁煙ルールを破った場合、レンタカー会社から数万円のクリーニング費用が請求されることもあります。レンタカーを利用する際は、喫煙ルールを必ず守りましょう。
⑤ 初心者マークをつけずに運転する
免許取得後1年未満の初心者ドライバーは、運転する車に初心者マークをつける義務があります。レンタカーを借りるときに初心者マークを忘れると、道路交通法違反となり、罰金や違反点数が科せられます。
レンタカー会社で初心者マークを借りられることもありますが、すべての店舗に必ずあるわけではありません。初心者ドライバーは必ず自分で用意しておきましょう。
初心者マークは運転者自身の安全を守るために大切なものです。
⑥ 契約していない人が運転する
レンタカーを借りる際には運転する人全員の免許証をレンタカー会社に提示して、運転者として登録する必要があります。登録していない人が運転して事故を起こした場合、保険や補償が適用されず、事故に関わるすべての費用を自己負担しなければならなくなります。
友達や家族で交代して運転する予定がある場合は、借りる際に必ず全員分の免許証を提出して登録を行ってください。軽い気持ちで他人に運転させると、後で大きな代償を払うことになります。
⑦ 無断でペットを乗せる
家族同然のペットを一緒に連れて行きたい気持ちはわかりますが、レンタカーに無許可でペットを乗せることは許されていません。ペットの毛や臭いは簡単には落ちず、次の利用者に迷惑をかけてしまいます。
許可なくペットを乗せたことがばれた場合、特別清掃代として数万円の料金を請求されることも珍しくありません。ペットを同乗させる必要がある場合は、レンタカー会社に事前に相談し、指定されたルールを守って利用しましょう。
⑧ 内装やシートを汚す
レンタカーは多くの人が利用するものなので、汚れをつけないように配慮する必要があります。飲食物をこぼしたり、泥だらけの靴で乗車したりすると、クリーニング費用が別途請求されることがあります。
特に飲み物や食べ物の汚れはシートに染み込みやすく、完全に汚れを取るためには専門のクリーニングが必要となり、費用も高額になります。
レンタカーを借りる際は、車内での飲食を極力控えるか、十分注意して利用しましょう。
⑨ 無断で返却場所を変更する
返却する場所を無断で変更するのも禁止されています。借りた店舗とは異なる場所で返却することは「乗り捨てサービス」と呼ばれ、事前の手続きと追加料金が必要です。勝手に返却場所を変更すると、ペナルティとして高額な料金が発生することがあります。
どうしても返却場所を変更する必要がある場合は、必ず事前にレンタカー会社に連絡し、許可を得るようにしましょう。
⑩ 未舗装の道路や砂浜などを走行する
レンタカーは基本的に舗装された道路を走行する前提で貸し出されています。砂浜や山道などの未舗装路を走ると、タイヤや車体に損傷を与える可能性が高くなります。
未舗装路を無理に走って車両が傷ついたり、パンクなどの故障が起きたりすると、修理費用や営業補償(レンタカーが使えない期間の損害賠償)が請求される可能性があります。
レンタカーを利用する際は、事前に走行ルートを確認し、危険な道を避けることが重要です。
⑪ 返却時間を勝手に延ばす
レンタカーは多くの人が順番に使うため、返却時間を守らないのは非常に迷惑な行為です。無断で返却時間を延ばすと、次の利用者やレンタカー会社に大きな影響を与えます。
返却時間に遅れる場合は、事前に必ずレンタカー会社に連絡して許可を得ましょう。無断で延滞すると延滞料金や違約金を請求されるだけでなく、今後レンタカーを借りられなくなる可能性もあります。
⑫ 駐車違反を放置する
レンタカー利用中に駐車違反をした場合、放置してしまうのは絶対に避けるべき行為です。駐車違反を放置するとレンタカー会社に連絡が入り、利用者に対して違約金の請求や警察への通報が行われます。
駐車違反をした際は必ず速やかに反則金を納付し、レンタカー会社にも報告しましょう。適切な対応をとらなかった場合、次回以降レンタカーの利用を断られることもあるため、注意が必要です。
レンタカーを借りる前に準備しておくこと
レンタカーをスムーズに利用するためには、借りる前の準備が非常に重要です。直前になって焦らないように、以下の点を押さえておきましょう。
クレジットカードが必要なことが多い
レンタカー会社では、支払い時にクレジットカードが必要な場合がほとんどです。特に初めてレンタカーを借りる方や若い世代の場合、カードを持っていないことで当日借りられないトラブルも珍しくありません。
クレジットカードが必須かどうかは予約時に確認し、必要なら事前にカードを準備しましょう。
運転する人全員の免許証を持参する
意外と知られていないのが、運転する可能性がある人全員が免許証を持っていく必要があることです。運転者として登録されていない人が運転して事故を起こした場合、保険が適用されないため、全額自己負担となってしまいます。
複数人で交代して運転する可能性がある場合は、全員分の免許証を必ず持って行きましょう。
車体の傷やへこみをチェックし記録する
車を受け取る前に、スタッフと一緒に車体の傷やへこみを細かく確認することが大切です。事前に確認しておかないと、返却時に自分がつけた傷として処理され、高額な修理費用を請求される場合があります。スマホなどで写真を撮影し、証拠として残しておくのがおすすめです。
補償内容と返却時のルールを確認する
補償制度の内容をきちんと把握していないと、万が一事故があった場合に予期せぬ自己負担が発生する可能性があります。
保険でどこまで補償されるのか、どんなときに補償が適用されないのかを理解しておくことが重要です。また、返却時のガソリン満タンルールや返却時間のルールをしっかり確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。
レンタカー利用中に気をつけること
レンタカーを利用する際、普段乗り慣れている自家用車とは異なるため、注意が必要です。借りている間のマナーを守り、安全に車を利用しましょう。
車幅や車高の違いに注意
レンタカーでは、自分の車と異なるサイズや形状の車を運転することがあります。特に大型の車を借りた場合、車幅や車高の感覚が普段とは異なるため、狭い道や駐車場でぶつけたり擦ったりするリスクが高まります。
運転する前に車のサイズ感をしっかり把握し、慎重な運転を心がけましょう。
車内での飲食や汚れに注意
レンタカーの車内で飲食をする場合、飲み物をこぼしたり食べ物のカスがシートに付着したりすることがあります。シートに飲み物や食べ物の汚れが付いてしまうと、後から清掃費用を請求されるケースもあります。
また、海や山で使った際に車内に泥や砂を持ち込まないように気をつけましょう。車内をできるだけきれいに使うことが、レンタカー利用時のマナーです。
万が一の事故やトラブル時は「安全確保→警察→レンタカー会社連絡」
万が一レンタカーを運転中に事故やトラブルが発生した場合、最初に行うべきことは事故現場の安全確保です。自分や同乗者、事故相手が安全な場所にいるかを確認しましょう。
その次に、大小を問わず必ず警察に通報し事故の届け出をします。最後に、速やかにレンタカー会社へ連絡し、指示を仰ぎます。事故後の手順を正しく行わないと、補償が適用されなくなる恐れもあります。安全とルールを徹底しましょう。
レンタカー返却時に注意すること
レンタカーを返却するときには、借りたとき以上に注意が必要です。返却時のルールをきちんと守り、スムーズに返却手続きを行いましょう。
返却時間を厳守し、遅れる場合は必ず連絡
返却時間を過ぎると延滞料金が発生します。また、予約が詰まっていると次の利用者に迷惑がかかります。
どうしても返却時間に間に合わない場合は、事前にレンタカー会社へ連絡し許可を取りましょう。無断で遅れると違約金が発生することがあります。
ガソリンを満タンにして、給油レシートを保管
多くのレンタカー会社では、返却時にガソリンを満タンにして返すよう義務付けています。満タンで返さない場合、会社が定める方法で精算され割高になります。
また、給油レシートの提示を求められる場合があるため、必ず返却時まで保管しておきましょう。
車内の忘れ物チェック(ETCカードや小物に注意)
車を返却する前に、車内に忘れ物がないかしっかり確認します。特にETCカードやスマホの充電ケーブル、財布などの小物を置き忘れやすいため、返却直前にもう一度車内をよくチェックしましょう。
スタッフと一緒に車両確認を行う
レンタカー返却時は、スタッフと一緒に車両の状態を確認します。傷や汚れがないかを一緒にチェックし、問題がなければ完了です。借りる前に撮影した写真などがあれば、ここで提示するとスムーズに進みます。
まとめ
レンタカーを安心して使うにはルールを守ることが大切ですが、さらに一歩進んだ工夫も役立ちます。例えば、出発前にレンタカー会社の緊急連絡先をスマホに登録しておけば、万が一トラブルが起きても冷静に対応できます。
また、返却直前に慌てて給油するのではなく、返却店舗までのルート上で給油場所を決めておくと時間にも心にも余裕が生まれます。余裕ある行動が安全運転にもつながります。